「チャイナキッズは夏休み」

世界一周49・50日目(8/15,8/16)

「喜太郎くんは
遅くできた子供だから
君が遊んであげたら
林先生、きっと喜ぶんじゃないかな?」

IKEAで朝食をとっている時に
先輩は僕にそう言った。
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———————–

これから夜行バスで向かう桂林には
老寨山旅館 (ラオジャイ山旅館)というゲストハウスがある。

日本人オーナーの林さんが
私費を投じて建てた展望台があり、
地元では有名なのだそうだ。
そこから桂林の風光明媚な
山水画の風景が見ることができる。

僕は元々は桂林には
行く予定ではなかったけど、
周りの人の桂林の話を聞いたり、

「世界なぜそこに日本人」
に出演された時の映像や、

世界一周をされていたご夫婦で
南米でマラリアが発症し
運悪くお亡くなりになられた

「旅ロック」
(ブログです。去年書籍化されました)
の二人も訪れたことのある宿

ということを知り
先輩とツインルームを
シェアすることにした。

★★

夜行バスに乗るまでの時間
僕は深圳の中心へ行った。
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ていうか無印良品に行こうとした。

えっ?

お前、そんなに無印が好きなのかって?

いや、だってさ、
お気に入りのパタゴニアのシャツ
なくしちゃって
テンションガタ落ちだったから
香港で5000円のオーガニックコットンの
白いシャツ買ったじゃないですかぁ?

5000円ですよ。
5,000円!!!

これで深圳ほMUJIに
同じ商品が売ってて
さらに
香港よりも値段が低かったら
泣きたくなるよね。

これで深圳には
同じシャツがおいてなかったら

『あぁ、これは香港でしか
買えなかったんだな

よしっ!おれの購買行動は
間違っちゃいないぜ!』

って思えるじゃないですかっ‼

いつものようにGoogleマップで
住所を調べて行きましたよ。

で、

どうだったかって?

うん。
そりゃもちろんー…

辿り着けなかったよね笑20130817-024924.jpg

★★★

深圳は世界有数の電気街なのだ。
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日本の秋葉原みたいな。
(秋葉原行ったことねーけど)

なにやらiPhoneの工場だかなんだか
があるみたいで

街中至るところにスマホショップが
所狭しとひしめいている。

『こんなところに
無印良品があるのか⁈』

あのシンプルでお洒落な
無印良品があるとは思えない街感。

無印良品があるところに
ピンを刺しておいたのだが、
お店のあるはずのビルには
スマホ製品しか売っていなかった。
(てかGoogleマップのピン、
ズレるよね)

これだけ
国中にスマホが溢れていれば
レアアースも必要になってくるだろう。

競合他社とか需要の喰い合い
みたいなことは一切おかまいなし。
売ってりゃ買う。
需要はいくらでもある。
イケイケドンドン。
まさにバブルなんじゃないか。これは。

ビルの中は
うざったいぐらいに人が多く、
店員たちは
自分のお店の中でご飯を食べていた。

多分、ご飯を食べに行く時間も場所も
ないのかもしれないな。

この日は雨が降っていたけど、
そんなこと感じさせないくらい
電気街は賑わっていた。
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僕は2時間周辺を探したけど、
とうとう無印良品は見つからず
バスでユースホステルに戻った。

——————–

20:30。
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バスは少し遅れて
桂林、陽朔(ヤンシャオ)に向けて出発した。

外は蒸し暑くてジメジメして、
Tシャツが肌にまとわりついたけど、
バスの中は冷房が効き過ぎていた。

僕はサブバッグのせいで
体を伸ばしきれないまま
備え付けの布団を頭まで被り
眠りに就いた。
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★★★★

「清水くん、
あと10キロで着くよ」

先輩に起こされて
僕は目を覚ました。

バスの窓から周りを見ると
ドラゴンボールに
出てくるような形の山

がいくつも見えた。
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バスから降りると僕と先輩は
朝マックをしに西街まで
1.5キロの距離を歩いた。

クソ重たいバックパックを背負って。

50日間、
このバックパックを背負ってきたけど
発汗量がハンパない。

わざわざマックのために
1.5キロの道を行くのは気が引けたが
ここまで色々とお世話になってるし、
なにより
先輩についていくのが後輩のつとめ。

「清水くん、
マックまで距離があるみたいだけど

どうする?」

僕は涼しい顔で

「はい!もちろん行きます!」

———————

マックで先輩と僕は
それぞれ3杯ずつ
コーヒーをおかわりして

再び1.5キロの距離を戻り

(いや、荷物が軽ければいいんすよ。
でも僕のバックパックは27キロ。
サブバッグは6キロあるのだ)

ヤンシャオから
目指す宿のある興坪 (シンピン)に
7元のバスで向かった。

——————–

老寨山旅館に到着すると
愛想のいい中国人の奥さんと林さんが
僕たちを迎えてくれた。

荷物を置いて落ち着いたあと
僕たちは林さんご一家にお土産を渡した。

僕はIKEAで買ったキャンドルを。
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(いい匂いがするのでアロマキャンドル
だと思っていたんだけど
火をつけてみたら香らなかった)

先輩は
オススメのインスタントのラ王と
香港で買った雑誌数冊と
フリスビーと
ルービックキューブの16面体
をプレゼントした。

息子の喜太郎くんと奥さんは
今、ルービックキューブにハマっていて

どちらも9面体であれば
3分以内に
完成させることができるのだ!

(超すげぇ…‼)
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——————–

外は台風の影響であいにくの雨。

小降りになってきたところで
僕は喜太郎くんをフリスビーに誘った。

っとその前に。

世の中には二種類の子供がいる。

童心をもった子供と

ませたガキ

だ。

僕はちょっと不安だった。

もし喜太郎くんが後者だったら
スケボーやギター、ハーモニカ、漫画、
僕の全精力をもってしても
彼とは仲良くなれないかもしれない。

いや、そんなことはないはずだ!

この旅路で
何人ものガキんちょたちと
仲良くなってきたじゃないか!

——————–

宿の近くで
フリスビーを投げ合う。

ちょっと下手な喜太郎くん。
なんだか喜んでる。

僕がコーチングして

「こうだよ。『シュッ!』ってかんじ。
『シュッ!』
オーケー?」

って言うと

「シュッ!」

とか言って投げてくる。

そうだよなぁ。

おれも彼ぐらいの時、
向ケ丘遊園にあるボーイスカウト
YMCAのキャンプで初めて
フリスビーに出会って
すごい楽しかったのを覚えている。

9歳、小学3年生という年齢を考えれば
フリスビーは間違いないと思ったもん。

ませたガキは違うけど

———————

ここは観光地ということもあり
車と3輪タクシーの通りが多い。

「もっと広い場所ないかなぁ?」

と僕が言うと
喜太郎は何か思いついたように
トコトコ歩き出した。

———————

僕がついていくと
そこは小学校だった。
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地元の子たちはここに通うんだろうな。

雨で水たまりができてたけど
そんなのおかまいなしに
僕と喜太郎くんはフリスビーを投げ合う。

「ヘイ!」

「シュ」

「ほら、見て!
ダーーーンク‼」

小学生用に低めに作られた
バスケのゴールにダンクする僕。

僕のことなんか見てないで
全然違う方にかけて行く喜太郎くん。

ったく…
これだからガキんちょはー

ーって…

先生だ‼‼‼‼‼‼

超ダッシュで校舎裏まで逃げる。
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いや、
おれは逃げる必要ないんじゃないか?

「すんませーーん!
間違って入っちゃいました。
テヘペロー!☆〜(ゝ。∂)

的な。
(使い方たぶん違うよね
し、知ってるもんよ!)

——————–

「シーーーッッ…!」

ハンドサインで音を立てないように
喜太郎くんは僕に合図する。

柱の陰から周囲の様子を探る僕ら。
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やべぇ…。

この感覚。
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分かる!

分かっちまう‼

似たようなこと
おれもやってたーーーーッッッ‼‼

———–

息を潜めると
火照った身体から湯気が見えた。

しばらく
緊張感を持ったかくれんぼを演ったあと
再び猛ダッシュで
学校の外へ生還した。

「どーしよぅ?
僕、顔見られちゃった…」

喜太郎くんが言う。

中国語なんて分かんないけど
何を言ってるか分かるよ。

だって君と僕は
同じ心を持ってるんだもん。

★★★★★

19:00になると
奥さんが美味しいご飯を作ってくれた。

川魚のビール煮とニガウリの炒め物、
キュウリのあえものと根菜盛り
ホカホカのご飯。

こりゃ太るな。

まぁ、いいさ。

太ったら痩ればいい。

——————–

「林さんが桂林に
素晴らしい展望台と素敵な宿を作られて
喜太郎くんも幸せでしょうねぇ」

先輩がそう言った。

林さんは
少し黙って

「いやぁ、
少し申し訳ない気持ちですよ。

親が日本人ということで
いじめられてるみたいなのですわ」

この宿には
8月だというのに
鯉のぼりが沢山飾ってある。

日本の国旗の飾れない
ここ中国で、日本を感じるためだ。

未だに続く反日教育。

僕は中国を旅してきて
運良く差別的な扱いは受けなかった。

だけど、

差別を受けるのは
日本人だけじゃないんだね。

親が日本人ということだけで
イジメの標的になってしまうんだね。

小学校3年生と言ったら
教えられたことをそのまま鵜呑みに
してしまう年齢だろう。

だから
ルービックキューブなのか?

おれと遊ぶの楽しがってたのは
そのせいなのか?

でもー…

どうか

信じて
欲しい。

きっといつか

君のことを
見ていてくれる人が
現れることを

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★★★★★★

夏休みだということもあり
遅い時間になっても

奥さんはルービックキューブの
16面の攻略法をネットで調べ、
喜太郎くんは遅くまでテレビを見ていた。

その横で僕は、湿度たっぷりで
湿気った原稿用紙を相手に
漫画のペン入れを進めた。
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そんな桂林のお盆。

たぶん明日も雨だ。

けど
やまない雨はない。
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3 件のコメント

  • 私も電気街行きました( ´ ▽ ` )ノ
    人多っ!
    鍋まま自分の店でたべてる!
    エスカレーターとまってるじゃないかΣ(・□・;)

    って感じでした。

    ペニーにはまりー、、、今年からサーフィンはじめようと体験サーフィンいってきましたw

    • >れーな★ちゃん

      深圳の電気街びっくりしますよねー…

      えっ!?

      てかれーな★ちゃんも旅人なんですか!?
      僕はてっきり
      「ペニー大好き女子高生!」
      なイメージがあったもんですから、
      けっこう調子乗ったコメント返してました(ごめんね!)

      しかも「サーフィン始める」ってアクティヴ!!
      中国では「アヴリル」が進出してます笑

      • 旅行で中国に行ったけど、電気街には付き人で行きましたーヾ(@⌒ー⌒@)ノ
        一緒行った人が、携帯を買い付けてネットで売るっていっていきました★

        だから旅人でも、女子高生でもなーいΣ( ̄。 ̄ノ)ノwww

        アブリールw

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