「ここは水の上に立てる。そんな場所」

世界一周362日目(6/25)

 

「チェックアウトの
時間なんてないよ」

確かにホテルのガラスには
「CHECKOUT 10AM」と書かれている。

それに合わせて荷物を部屋の外に出したのだが、
スタッフのユノスは僕にそう言ってくれた。

 

 

結局ドミトリーは三日間とも僕一人しか泊まらなかった。

オープンして間もないんだ。
きっとこれからお客さんが来るだろう。

そうであって欲しい。
こんなに素敵なスタッフたちがいるんだもの。

 

 

 

部屋は空けたが、出発の時間までは
3階のテラスでパソコンをいじっていた。

といっても相変わらずキーボードを叩いて
日記を書いているだけなんだけどさ。

風が涼しい。

ちょっと肌寒かったのでpatagoniaの
アウターを羽織って日記を書いた。

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他にあったことと言えば
隣りの家の木に体洗いタオルがひっかかってたくらいかな?
「すいませーん!タオルとっていいっすかー?」
「ないよ!ないないない!」
「いうあ….あの….タオル…」
「ない!」
回収するのにちょっと手こずりました。

 

 

 

バックパックを背負って出発する時になって
エリカンが

「どうせおれたちのことなんて忘れちまうんだろう」

といじけて言った。

 

 

「何言ってんだよ?
忘れるわけないじゃないか!
僕はブロガーなんだぜ?宣伝しておくよ。
まぁマイナーなブログなんだけどさ」

「はっはっは。いつでもおいで待ってるから。
じゃあ次はー..2年後くらいかな?」

「どうだろ?
漫画家ったって今は無職だからね。
向こうで仕事もしなくちゃいけないし」

「オーケー。またな」

「テシュケレデム。じゃあね」

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ご機嫌な3人とバイバイして僕は
ギョレメの町を歩き出した。

次に向かうはトゥズ・ギョルという塩の湖だ。
ちなみに「ギョル」とは「湖」のこと。

たまたま目にしたトゥズ・ギョルの写真を見て
僕は是非ともここに行ってみたくなったのだ。

塩湖はボリビアにあるウユニだけじゃない。

 

 

とりあえずネヴシェヒルまでの道で僕は親指を立てた。

すぐにとは言わないが、15分くらいで止まってくれる車。

お礼を言って後部座席にギターとバックパックを乗せる。

乗せてくれたのはギョレメでホテルを運営してる方だった。
シーズンでホテルはお客さんで満室らしい。

ハッピドキアもそうなるといいな。

 

 

ネヴシェヒルから今度は
アクサライの町へ続く幹線道路で降ろしてもらう。

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そこでまた親指を立てる。

行き先を書いたプラカードなんて持っていない。

どうせ書いたとこでよっぽど大きな文字じゃない限り、
走行中のドライバーからは見えやしないから。

ただ、僕がやっているのは
ニコニコしながら手を振ったり
冗談混じりに踊ってみたり
親指の先からドライバーに向かって念を飛ばしたりだ。

乗せてくれなくたって運転席から
ハンドサインを送ってくれたり、
「頑張れよ」みたいにクラクションを鳴らしてくれた人には、
こちらも「ありがとう!」と頭を下げたり、手を振り返す。

ほんとうにトルコのみんなはヒッチハイクに寛容だ。

 

 

 

止まってくれたのはトラックだった。

ジェシーキさんはノリノリの運転手だ。

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こっちもテンションを上げて
「いやぁ~!マジドンドルマ最高っす!」
とか言って二人で笑い合う。

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ちょっ!
そんなパフォーマンスはいらないってば!

 

 

ご機嫌なドライブはあっという間だった。
マイケルジャクソンの曲が流れた時は思わずノった。
そんなファニーな車内だった。

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バイバイ♪

 

 

 

 

 

 

 

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アクサライに

到着した僕は幹線道路の真横にある
ガソリンスタンドへ行き、
浮いたお金でリッチなアイスを食べた。

ヒッチハイクできそうなポイントまで
歩いていこうと思ったら、
ナイスなタイミングで長距離バスが止まった。

中からふくよかな添乗員さんが出て来て
「トゥズ・ギョルに行くんだったら乗りなさい」
と僕に言う。

10リラ(478yen)。
バスに乗る時は乗る。
別に全部の行程をヒッチハイクで行く必要はないからね。

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そこから一時間ちょっとのドライブ。

窓から塩湖が見えた。かなりの大きさだ。

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それをどんどん
通り過ぎてしまった時はちょっと焦った。

どうやら観光地として開かれているポイントは
首都のアンカラに近い場所にあるらしい。

 

 

バスターミナルで降ろされ、道路を挟んだ向こうに
トゥズ・ギョルと書かれた看板を発見した。

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僕以外のトルコ人の観光客もチラホラいた。

近くのレストランでバックパックを預かってもらい、
ビーチサンダルに履き替える。

ジャリジャリとした塩の上を早足で歩く。

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太陽にさらされた湖の水は生暖かかった。

水の上に立っている。そんな幻想的な場所だ。

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始終風が吹いており、鏡張りは見れなかったが、
波打つ水面の行き先をずっと眺めてしまう。

奥田民生が唄ったみたいに、だから僕はこうなったのだろうか?

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水の高さは15cmくらだった。
くるぶしの先まで浸かるるらい。

水が跳ねて濡れた場所があとから乾いて白くなった。

できるだけ水が跳ねないようにすり足の容量で進む。

そしてできるだけ遠くに歩いていった。

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トルコにこんな場所があったなんて…。

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日没まで2時間あったが、最初の一時間で可能な限り遠くまで。

残りの一時間、19:00から20:00までは
ハイエイタスのアルバムを聴いて過ごした。

僕の周りには誰もいなかった。

一眼レフはまだ壊れたままなので
iPhoneを湖に落とさないように注意してポケットから出して
何枚も写真を取った。

いくら撮っても撮りたらなかった。

 

 

時々塩で固まった虫の死骸が塩湖には沈んでいた。

どこからかてんとう虫が流れてきた。

まだ生きているようだった。ラッキーセブンの七つ星てんとう。

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僕はそれを拾い上げてペットボトルの中に入れた。

てんとう虫はペットボトルの中に残った
わずかな水の中で体についた塩を落とした。

岸に戻ったら話してやろうと思ったけど、
気づいたらいなくなっていた。

 

 

岸から離れた場所で僕一人ぽつんと夕日眺めていた。

声を出して笑った。

おいおいどんだけ綺麗なんだよと。

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太陽はどんどん沈み、夜がこちら側にやってくる
ほんのわずかな時間が
僕をなんとも言えない思いに浸らせてくれた。

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「水の上に立てる」そんな場所だ。ここは。

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ヒッチハイクできそうもなかったのでここで一晩を明かすことにした。

ターミナルの中にモーテルがあったが、
ここにお金を出して泊まる気にはなれない。

バスターミナルの脇にあるレストランの二階で
運よく寝かせてもらうことができた。

ただの邪魔者としてではなく、
「マイ・フレンド」と声をかけてくれた
スタッフの優しさが身にしみた。

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アンカラに買えるバスはターミナルから頻繁に出ておりますので、
夕日を見た後でも帰れるでしょう。
次の日に分かったことですが、
アンカラの長距離バスターミナルはデカくてフツーに寝れます。

にしても綺麗な場所だったなー。

 

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4 件のコメント

  • すごいきれいな場所ですね!
    塩湖といえばウユニ塩湖と思い込んでたので、驚きです。
    めっちゃいい笑顔が眩しくて、行ってみたくなりました。

    • >ayakaさん

      ざっす!
      そうなんですよ!
      塩湖ってウユニだけだと思ってたから
      驚きでした。

      でも、サンダルで入って思ったことは
      服についた塩水がすぐに乾いて
      こびりつくってことでした。

      2時間近く浸かってたんで
      すね毛パッキパキでしたヨ!

    • >れーな★ちゃんさん
      トルコなめてましたね笑。
      もうウユニなんていかなくてもいいかもなんて
      思わなくもないです。

      や、うそです。やっぱ行きたいです笑。

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