「夜通しスイス人は踊る」

シミです。

まだチェコにいます。

盗難に遭っていつも遅れているブログが
ますます遅れてしましました。

今日、新しいバックパックを買いました。

また、新しいスタートだと思います。

コメントをくださった読者の方々、
はげましてくれて友達や仲間。

そして、何より、相棒がいるのが
心強いです。

『そうだよな。おれは一人じゃないんだよな』

って。

いつもありがとう。

そしてこれからもよろしくな。

 

あ、あと、
一眼レフも盗られちゃったので、
また微妙な写真しか出て来ないブログになります。

なんとかその時の感じが出てればいいんだけど。

あくまで、日記として
電車通勤の暇つぶしとして
読んでいただけたら幸いです。

2014年8月25 シミ

 

 

 

 

 

え”!!??
もう「400日」!

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別に「あっという間」とか
陳腐な表現は使わないし、
毎日充実しております。

だけど、数字で見ると
『もう400日も旅してるんだなぁ』と思います。

ごめん、2年以上、旅しそうだ。

旅をすればするほど
『2年じゃ足りないな』って思います。

世界は広くって面白いことだらけだぜ!

 

 

 

そんなこんなで、
僕はチューリッヒにやってきた。

会おうと思っていた写真家(のたまご)の
メグミさんには会えなかったけど、
その代わりにめちゃくちゃ面白いヤツに会った。

サミュエルだ。

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なんかお年寄りのホームヘルパー
みたいなことをやっているんだけど、
自分で音楽を編集してDJプレイもするらしい。

なんだか
『アーティストに出会ってしまった!』
って感じだ。

 

 

今僕は彼が日本人の方とシェアしている部屋に
泊めさせてもらっている
(ちなみにその人は今現在
ポルトガルにショート・トリップ中だ)。

僕は昨日クラブから帰ってきて
シャワーも浴びずに眠ってしまった。

ベッドを使うのは悪かったので、
近くにあったキャンプ用のマットの上に
寝袋を敷いて寝た。

家でも寝るスタイルがこれって…(笑)。

ベッドじゃなくて平面に寝るのに
慣れちまったのかな?

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起きたのは12時過ぎだった。

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シャワーを浴び、簡単に洗濯物を住ませる。

一体いつになったら
新しい靴下を買えるんだろう?

かかと部分に穴の空いたパチもんの
ノースフェイスの靴下を見ると、
まるで僕みたいだなって思える。

なんだかんだで最後にシャワーを浴びたのは
イタリア、フィレンツェの
ヤッケンさんのシェアルームだったな。

そう考えるとシャワーは5日ぶりか。

まだまだ全然いけそうだけどね笑。

 

 

 

ここに泊めてくれたお礼の意味も含めて、
僕はサミュエルにイラストを描くことにした。

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イタリアのジジに引き続き、
2枚目のお返しイラスト。

色を使う練習にもなるし、
なにより原稿用紙を減らせる!

 

 

僕よりちょっぴり遅く起きて来たサミュエルに
フルーツやナッツを混ぜたヘルシーな朝食をいただき、
僕は作業を再開させた。

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昨日は建国記念日だったが、
今日は

「ストリートパレード」

なるものがあるらしい。

ほんとうに盛り上がるのは今日なんだとか。

 

 

 

「うん。それは面白そうだね。
でもゴメン。
今絵描いてるから!」

 

 

 

小学生の時はけっこうなゲーマーだった。

平気で3~4時間プレイしてた。

集中するトコトン集中できる。

特にそれが誰かのためだったりすると。

 

 

 

原稿用紙に下描きなしの
0.2ミリのドイツ製のペンで一発描き。

日本から持って来た限られた色数でペイントしていく。

 

 

そして出来上がったのはポップな絵。

そしてどこかカオティック。

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やー、楽しかった♪

絵が出来上がったころには
とっくにストリート・パレードは
終わってしまっていた。

すめん!サミュエル!

 

 

 

 

 

 

「キョウ、ハワタシノ
カゾクノイエデ
ゴハンヲタベマショウ」

 

 

ゆったりとした日本語でサミュエルが言う。

二人でトラムをタダ乗りして、
ストリートパレードの余韻を見た。

余韻どころなんてものじゃない。

 

 

 

湖の近くでは爆音で車から
トランス音楽が流れ、
スイス人が様々に仮装し、
「ウヒョーーーッッッ!!!」
ハイテンションで騒ぎまくる。

人が多過ぎて踊れるスペースもない。

 

 

スイス人ってもっと
まじめ~なイメージがあったけど、
それがストリートパレードで覆ったよ…。

うん。きっとみんなは毎日忙しいだよね。

きっとハメをはずすことも必要ー…

 

 

「ココニイルヒトタチハ
イッツモヒマナヒトタチデス」

 

 

うん。ハメをはずすことも大事。

 

 

一番ぶっとんでいる通りから離れると、
ドラッグでハイになった(とサミュエルが言っていた)
スイス人の女のコ二人が近くにいた人に
ペットボトルの水をひっかけてケタケタ笑っていた。

サミュエルもそのえじきとなっていた。

 

 

 

 

 

これから向かうサミュエルの家族が住む家は
電車に乗らないと行けないらしい。

当たり前のようにチケットは買わずに、
電車の二階のスペースへ行くサミュエル。

僕もそれに習う。

郷に入っては郷にしたー…

だってスイスの電車バカみたいに高いんだもん。

 

 

 

「チケットは買わなくていいの?」

「デンシャハタカイデスカラネ。
ダケド、スイスジンハ、
ハーフプライスデス」

 

 

きっと高い税金とか払っていると
その分電車のチケットが優遇されるのだろう。

ふつうに20ドルとか越えるのが怖いよ。

 

 

「それより、
コントローラー
(駅員)
とか来ないの?」

「ダイジョブデス♪」

 

 

きっと帰省するときは
いつも無賃乗車なんだろうな笑。

その経験則に僕も従うことにした。

こういう”ちょろまかし”をすると
僕はいっつもバレるんだけど、
今回は大丈夫だろう!

だって現地の人と一緒だし!

 

 

 

 

 

1時間ほどの乗車時間だったが、駅員は現れなかった。

中心地から20kmほど離れた、湖沿いにある小さな村。

建国記念日が日曜日ということもあって、
今日は振り替え休日みたいだ。

街にはほとんど人の姿が見られなかった。

 

 

そして細い路地に入っていき、
ずいぶんとお洒落な家が目につく。

駅から徒歩4分の好立地。

サミュエルの実家は
ずいぶんとハイセンスな家だった。

 

 

「サンダル、クサイカラアライマショウ」

と家についてすぐに僕が履いていた
KEENのサンダルが洗濯機の中にぶち込まれる。

 

 

ご、ごめん、自分では
まったく気づかなかったけど、
みんな臭いって思ってたのか…。

もしかして僕自信臭い??!!

ちょっとヘコンだ。

 

 

 

 

サミュエルの家族たちは温かく僕を迎えてくれた。

サミュエルの家には
なんとヨガルームもあるときたから驚きだ。

サミュエルの妹のリンダはヨガの先生らしく、
ここでレッスンをするらしい。

買ったらいくらするんだろう?
と思うくらい大きなドラがヨガルームには置いてあった。

 

 

 

ご飯の前に日本人の方が二人やって来た。

カゲヤマさんは古くからサミュエル一家と友達らしい。

なにやら日本で金細工をしている職人さんで、
フリーで美術大学の教授もしているそうだ。

ワークショップをするためにスイスへ訪れたらしい。

自分の父親と同い年くらいの年齢だったが、
カゲヤマさんはそれよりも10歳以上若く見えた。

お子さんが3人おり、
お孫さんが5人もいるというのは驚きだ。

うちの親父は逆にジジ臭いかな笑?あ、ごめん。

 

 

 

「金細工ってどんなものなんですか」

「イメージしやすいのは刀の装飾とかかな」

「刀…ですか…」

 

 

この場に日本の金細工師さんがいたのも驚きだが、
さらに驚くべきことが次々に発覚する。

サミュエルのお父さんは
カゲヤマさんと同じく金細工師。
まぁ、それは分かる。繋がりがあったんだろう。

そしてその甥っ子さんはシェフ(名前が同じサミュエル)。

今日振る舞われた食事は甥っ子くんが作ったものだった。

レストランで食べたら一体どれくらいするんだろう?
ってくらい美味しい料理がテーブルに並んだ。

 

 

もともとサミュエルは金細工をしていていたそうだが、
今はジョブチェンジ。音楽の編集をやってる。
「編集」っていうかクラブでかかるような音楽を作る感じ。

子供のリンダはヨガの先生。
めちゃくちゃ体が柔らかい。

「それ、どうやってんの!!??」ってポーズをキめる。
女性ながら筋肉もすごかった。

 

 

「サミュエルのお母さんの
アナナリスさんは
世界で5本の指に入る写真家なんだよ。
写真で初めてマンチェスターの美術館で
個展を開いたんだ」

「せ、世界で5番目」

 

 

カゲヤマさんいわく、
超高性能のカメラと
エプソンの巨大プリンターで作品を作るらしいのだ。

サミュエルの実家にはアナリスさんの作品が飾ってある。

被写体はどれも自分の子供やお孫さんの姿。

そんな身の回りの風景が、絵画のような作品を作っていた。

昔の芸術家とかけっこう自分の身の回りのものを
絵にした気がする。

自分に近いものだからこそ、
ここまで優しい作品になるんだろうな。

 

 

ぼわっとしたキャンドルくらいの明るさのライト下、
部屋に飾ってあるアナリスさんの作品を眺めていると
どこか不思議な気分になった。

 

 

 

 

 

なんだか本当に
「出会い」って不思議だよな。

僕は写真や金細工には全く詳しくないから、
そんなすごい人たちを前にしても、
イマイチ実感が湧かない。

だけど、
『あぁ、こんな世界があったんだな』
と僕の見聞を広げてくれる。

 

 

 

そして

「会うべくして会う」

そんな気がする。

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自分が漫画家なんて名乗ってなかったら
こんな出会いはなかっただろうなって思うんだ。

自分がそういう旅を続けていけば、
自分の進む道にいる人たちに出会う。

当然と言えば当然なのかもしれない。

 

 

 

 

孫(?)のニーサくんば
スマートフォンのゲームに夢中だった。

何やら日本では「妖怪ウォッチ」ってのが
流行っているらしい。
カゲヤマさんが教えてくれた。

 

 

「子供たちはみんなこれをやってるのよ♪」

奥さんがニコニコしながら言う。

パズルゲームと歌とダンスが合わさったゲーム。

次のステージに進むためには
一定量のブロックを消すしかない。

画面からはずっと「妖怪体操」の一番しか
流れてこなかった。

 

 

カゲヤマさん、面白いお話を
聴かせていただきありがとうございました。

そして美味しいご飯と楽しいひと時を分けてくださった
サミュエルのご家族には感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りも運賃を払わずに
するりと電車に乗った。

まぁ、先輩がそうするんですから、大丈夫でしょう。

 

 

家を出るまえに買ったビールを車両の二階席で飲む。

家に帰るとサミュエルが言った。

 

 

「1ジカンカ2ジカンネタラ、
クラブニオドリニイキマショウ!」

マジで!!??

 

てか、サミュエルー、もう眠いよぉ…。

 

 

 

 

1時間半の仮眠を取って、僕は叩き起こされた。

僕はまるでグロッキー状態のボクサーだったが、
気合いでファイティングポーズをとる。

コーヒーをいただいてしばらくすると
大分目が覚めて来た。

 

 

外は小降りの雨だったが、
昨日とは違うクラブへと行く。

今回はサミュエルの誘いということもあり、
クラブの入場料はサミュエルが出してくれた。

サンクスです。

IMG_2909

 

 

でも、こんなに
毎晩毎晩よくクラブで踊れるよなぁ…。
みんな眠くねえの?

1時間ほど音楽にノると僕たちは部屋に引き上げた。

 

 

 

寝る前にサミュエルから
自分が片手間でやっている音楽の
ロゴを描いて欲しいと依頼を受けた。

「100フラン払いますよ」
とお金も払ってくれるらしい。

でも、そんなのいらないよ。

色々お世話になったしね。

 

 

明日はそのロゴを描くよ。

いずれにせよ、今日はもう眠い…。

 

 

 

外はほのかに明るい。

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毎晩毎晩踊り狂っているスイス人は
ちょっと変態だなって思いました笑。

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6 件のコメント

    • >むぎさん

      もし、
      もし仮に、むぎさんが
      チェコを旅して

      水色の初期型、
      ウィールはブラックの
      使い込まれたPenny Boardに
      乗ったヤツを見かけたら、

      後ろからドロップキックか
      ラリアットかましといて下さい。

      (ぐふっ…
      Penny…涙)

        • >むぎさん

          ご、ごご、ごめ〜〜〜〜ん!!!
          まさか、そんな!
          僕の真似して買ってくれただなんて!

          いや、まってください!
          「人と被る」ってちょっと嫌じゃないですか?

          ここで僕のPennyが盗まれることによって
          水色のPenny Boardはむぎさんの
          オリジナルになったわけですよ!

          うわぁ〜〜〜!いいなぁ〜〜〜!

          いい、な…涙。

          • いや、えー!!!
            日本帰ってきたら新しい奴プレゼントさせてもらいます!!(笑)

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