「おれさ、ミュージカルなんて初めて観たよ。それもロンドンで」

世界一周481日目(10/22)

 

 

んぁ~~~~…!!!

よく寝たぁ~。

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あれ?

 

 

「よく寝られた」?

なんかいつもと寝心地が違う!

えっ?
枕使って寝るって
こんなにしっかり眠ることができたっけ?

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昨日カムデンタウンの服屋の
にいちゃんからもらった、
空気を入れて膨らませるタイプのトラベル・ピロウ。

『まぁ、ものは試しに』

とそこまでコイツに
期待していたわけじゃないのに、
寝心地は抜群だった。

 

 

ここはイギリス、ロンドンの公園。

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設営した場所もかなり良いポジションだった。

辺りが明るくなれば
もちろん自分の寝ている場所は丸見えだ。

『あ、なんかあそこに
ゴミみたいなのが建ってるな』

って感じ。

チェコで買ったモスグリーンの、
闇に溶け込むのにぴったしの小汚い僕のテント。
もう完全に基とったね!

 

 

 

 

テントから顔を出すと、
公園の歩道を犬の散歩をする人や
ランニングする人の姿が見えた。

この間買った塩の入ったボトルが
バックパックの外ポケットの中で
暴発していたというアクシデントはあるが、

うん。いい出だしだ。

 

 

ロンドン3日目!

よっしゃ!今日も一日中動き回ってやるぞ!

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やべっ、アートだ…(笑)

 

 

 

ハリーポッターマニアでなくても
ロケ地は見たい。

撮影に使われたんだとかいう
キングクロス駅へ僕は行ってみることにした。

もちろん歩きだ。

バスなんて高いからね。

それに最近
『まぁ歩いてりゃ、そのうち着くっしょ』という
悟りの境地に達することができた。
時間さえあれば3kmなんてちょろいぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

キングクロス駅
の途中に図書館を見つけた。

ここでもエキシビションが行われている。

「Terror and Wonder」と書かれた垂れ幕と、
そのイラストに僕は惹き付けられた。

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オールバックの男性が悲痛な顔をする背後で、
何か禍々しい悪霊のようなものが浮き上がった絵。

こういうダークな絵は今じゃありふれているけど、
イギリスのアーティストのものを見ることが
できたらいい経験にないそうだ。

キングクロス駅は逃げやしない。

僕はバックパックを背負ったまま
図書館の入り口へと進んで行った。

 

 

 

 

 

「荷物が大き過ぎますね。
預けてきてください」

「へっ?ダメなんですか?
預けるってどこに?」

「キングクロス駅ですね。
ここでは預かることはできません」

 

 

頭のてっぺんだけ禿げていて、
サングラスをかけたガタイのいい係員に
僕はストップをかけられた。

オイオイマジかよ…。

キャンプ生活をロンドンで送っている僕にとって、
荷物は体の一部のようなもの

ってかなんで図書館にクロークねえんだよ!

オックスフォードはあったってのに!
ぜってー駅のクローク高いじゃんかよ…。

 

 

 

 

僕はとりあえずキングクロス駅に
行ってみることにした。

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実際にキングクロス駅に着いたのはいいけど、
どこがハリーポッターのロケ地なのかは
思い出せなかった。
そのくらいのインパクトなのだ笑。

ただし、駅構内に
ハリーポッターのグッズを販売する
オフィシャルショップのようなものがあり、

あと数年したら

『なんでこんなの買ってしまったんだろう?』

と後悔してしまうような杖が沢山陳列してあった。

30ポンド以上だからー…、
日本円で5000円以上か。誰が買うんだろう?

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キングクロス駅構内で
ハリーポッターに関連するものがもうひとつある。

物語に登場する「9と3/4線」という
プラットフォームの入り口があるのだ。

壁にスーパーマーケットのカートが
半分埋め込まれている。
観光客はここで記念撮影できるというわけだ。

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僕も人が少なかったら
ここで自撮りしてもいいと思った。

だけど、どうだろう?
映画が終わったあとでもこの人気っぷりは。

ツアーガイドのお姉さんだかが、
「こうやればそれっぽい写真が撮れます!」
と体を張ったコーチングをしている。

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「いいですか〜!見ててくださいよ〜!」

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「こう!こうですよ!”こう”!」

 

 

 

最初見た時は、
えれえテンションの高いお姉さんだな。
相当ハリーポッターのこと
好きなんだなって思ったもん(笑)

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世の中にはこういうお仕事もあるんだね。

 

 

 

 

ハリーポッターはもういいかな。

そうだ。クロークだ。

駅構内には荷物を預かる場所もあったが、
もちろん有料。

 

 

お値段6ポンド(1,034yen)。
マジか。ついに千円を越えてきやがった..。

てか荷物を預けるだけで、
なんでお金がかかるんだよ!しかも高ぇ!

さっきのエキシビションのチケットは
10ポンドもしやがる。

 

 

 

 

『うぅ…、
お金払いたくない』

 

 

 

 

そう頭に浮かんだ。

時々あるんだよ。

この「お金払いたくない!」っていう拒否反応が。

 

 

考えろ!考えるんだ!

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てか駅構内にピアノってお洒落…。

 

 

 

もしかしたらどっかで
バックパックを預かってもらえるかもしれない!

キングクロス駅構内やその周辺の飲食店やら
ホテルに当たってみたのだが、どこも撃沈。

“Yha” というイギリスの
ユースホステルですらダメだった。

一瞬、図書館周辺にある茂みに
荷物を隠すという選択肢も浮かんだが、
こういう風にお金をケチることで
損害を被ってきたのは身にしみて分かっている。

 

 

焦ってイライラする自分を落ち着かせるために、
キングクロス駅構内の売店でチョコレートを買って、
カフェでコーヒーを飲みながらそれをかじった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外に出ると、
綺麗な鱗雲が空一面に広がっていた。

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近くでは女のコが日向で気持ち良さそうに
タバコを吹かしていた。

僕もそれにならって、
昨日カンデムタウンの雑貨屋のおっちゃんに
もらった巻きたばこを吹かした。

最近、タバコが吸いたくなると、
近くでタバコを吸っている人を見つけて、
40ペンスくらいもって
「タバコ一本売ってくれる?」と尋ねるようにした。

一箱5ポンドちょい。
一本40ペンスなら利益が出る。

だいたいイギリスの喫煙者たちは
気の良いヤツらなので
「いやいやお金なんていらないよ」と
タダでタバコをくれたりするんだけど。

 

 

ふう…

 

 

 

「まぁーーーーー…

払えばいいかぁ」

 

 

 

秋空を見てタバコを吹かしていると、
『払いたくない!』という気持ちは大分薄れた。

いいよ。クローク代も
チケット代に含まれると考えればいいだろう。

今日はこのまま乗り込まないほうが
いいかもしれないな。

 

 

 

ここでバスキングもやってみたかった僕は
図書館へはいかずに
チャイナタウンへ行ってみることにした。

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あれって…。

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ここはミュージカルがたっくさんあります。

 

 

 

 

一応、ロンドンで
バスキングを調べてみたのだが、

ヒットしたのは地下鉄の通路で
オーディションを受けてバスキングするってのと、

おなじみバスキングしながら旅をしている
ヤッケン兄さんのブログだった。

なんかチャイナタウンはガポガポらしい。
しかもかなりいい出会いもあるとかないとか!
これはチャイナタウンに行くっきゃないでしょ!
もちろん徒歩で!

 

 

 

ロンドンの街を歩いていて気づいてことは、
様々な人種、国籍の人間が
この街にいるとうことだった。

あんましこういう表現は
好きじゃないんだけど、
こんなに大勢黒人をみたのは
初めてかもしれない。

もちろん、インド人っぽい顔だちの人、
中東かなあれは?中国人も沢山いる。

中国人もこんなに見たのは
カンボジアのシェムリアップの遺跡以来かもしれない。
観光客っていうより、ここに住む人たち。

 

 

 

 

チャイナタウンに到着すると、
僕はバスキングできそうな場所を探した。

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ヤッケン兄さんはメインの通りで
やっていたんだろうけど、
僕は一本後ろの静かな通りを選んだ。

人通りは少ない。

レスポンスがなかったら場所を変えればいいや。
まずは唄いやすい場所から攻めるのだ。

 

 

いつもアップに唄っている
「Feed Back」ですぐにコインが入った。

同じアジア人顔のおばちゃんが
むすっとしてコインを入れてくれた。
アジア人のよしみって感じで。

通りは人の流れ自体がなく、
それっきりまったくレスポンンスはなかった。

もう!ヤッケン兄さん!話が違うじゃないか!

 

 

メインの通りでも稼げない気がしてならない。

仕方なしにトボトボ歩く。

ヤッケン兄さんのブログによると、
チャイナタウンか「ロンドンアイ」とか言う場所なら
バスキングできるみたいだけど、どこだよそれ?

 

 

 

 

 

歩いているとミュージカルの
チケット売り場を見つけた。

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中では兄さんが暇そうにテレビを見ながら
スマートフォンをいじっている。

 

 

「えっと、
一番安い席っていくらかな?」

「39ポンド(6,724yen)だね」

 

 

高い…。

ロンドンを訪れたことのある知り合いから
「ミュージカルはオススメ!」と
教えてもらっているが、
39という数字に行く気も薄れた。

ロンドンには沢山のミュージカルシアターがある。

今演っているのは名前だけ知っている
「ライオンキング」や「ウィキッド」、
「レ・ミゼラブル」などがあった。

英語だから理解もできないだろうけどね。

 

 

 

歩いていると、車の入って来ない
歩行者だけの通りに偶然行き当たった。

他にもミスター・ビーンの
物まねをしているおっちゃんや、
杖一本で体を支えるおなじみの芸をやっている
バスカーがいる。

あれって、台座と杖と袖を通して
中に腰掛ける台座があるんだよね。

 

 

人の流れは申し分ない。
ちょっと多いくらいか?

ためらいがちに通りの建物を背にして
ギターを構えた。

うるさくない程度に、
街の空気に溶け込むように唄うと
パラパラとレスポンスが入る。

それに応えるように唄うと、さらに入る。

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お、おお!なんだよ!
チャイナタウンだけじゃねーじゃねーか!

一時間半くらいのバスキングで
20ポンドが集まった。

一体これをどう使えばいいか考えながら歩いた。

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僕は明日の夜のバスでオランダに向かう。
小銭を両替するのは難しいから明日中には
使い切らないといけない。
食費としたら多過ぎるくらいだ。

スーパーで出来和えのサラダと
いつものクッキーを買って
ミュージカルの劇場が並ぶ広場へと戻った。

そこで発見したのは

「half prise」

の文字。

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え???
半額ですと!!!

 

 

 

しかも一番安いチケットで
12ポンドだとぉおおおおおお!!!

 

 

 

「スイマセン!この12ポンドのヤツって買えますか?」

「大丈夫よ。ちょっと待ってねー、」

 

 

と行って電話で劇場に確認してチケットを購入。

手数料みたいなのが余計に
2ポンドかかったけど、
バスキングで稼いだお金でミュージカルが見れる!!!

やべぇよそれ。
「正しいお金の使いかた」ってやつ?

選んだのは
THE COMMITMENTS
というミュージカルだった。

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なんか最近ミュージカルとしてできたらしくて、
宣伝のポスターが楽しげだった。

売れないバンドマンがダブリンを舞台に
ソウルバンドを結成するっているっていうお話。
なんだか面白そうだ。

 

 

 

上演開始の時間までは広場で
ダンスパフォーマンスを見た。

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上演会場は僕みたいな
バックパッカーなんて一人もいなかった。

劇場の前ではホームレスのお兄さんが
カップを持ってスタンバっている。

僕と目が合うと、
陽気にウインクをかましてきたので、
僕も気がよくなって1ポンドコインを入れた。
僕がミュージカルを楽しめるように祈っててくれ。

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中に入ってバックパックとギターを預けた。

クローク代はにもつひとつにつき1ポンド。
これでさっきバスキングで稼いだお金が全て消えた。

けど、今僕はこうして
ミュージカルに来れたじゃないか!

 

 

一番安い席は最上階のバルコニーだったが、
ちゃんと座る席も用意されている。

上演会場は思っていたよりも狭く感じたが、
その分上に伸びている。

一番値段の高いフロア席から
2階、3階、4階、バルコニーといった具合に。

 

 

 

 

上演時簡になると大きなBGMと共に
ミュージカルが始まった。

もちろん、クイーンズイングリッシュなので、
何を言っているのかほとんどわからない。

 

 

てか、これって録音された声なのかなぁ?

声はスピーカーから聞こえてくるので、
イマイチそこで演技している役者さんが
発している声には聴こえなかった。

 

 

だが、そんなこと関係なしに
僕はすぐにミュージカルに引き込まれた。

ひとつの舞台上でいくつもシーンが展開されていく、
「リアル版シルバニア・ファミリー」と言えば
イメージしやすいのかもしれない。

屋根と正面の壁のない
ぶつ切りの家のセットが出て来たり、
そっこーでカフェの場面へと切り替わったり、
演じる人間と、シーンを作り上げる人たちの呼吸は
ぴったりと合っている。

よくあんな後ろ向きに早歩きして迫ってくる
セットのドアに入れるよなって感じ。

 

 

ミュージカルの内容も、
バンドを結成するとうものだったが、
これも録音なんだろうけど、
実際に目の前で演奏されているように感じてしまう。

こんなに体の動きで感情やストーリーを
表現できるだなんて知らなかった。

盛り上がるシーンではみんなが拍手を送るし、
向こうもあおり方が上手い。

どんどんどんどん、舞台に引き込まれて行く。

 

 

最後のシーンでは観客が総立ちになって
踊るという一体感を目にすることができた。

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ミュージカルってすげえ…!!!

 

 

 

興奮冷めやらぬまま、
初日に寝た公園へと歩いて行き、
前回と同じところから公園にお邪魔させてもらった。

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大体の公園はこんな感じで
先の尖った柵がついてます。
もっと鋭利なのもあります。

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ここですね。
唯一中に入れるポジションは。

 

 

 

いやぁ~~~…、よかったわ。

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オススメしてくれたちーちゃんにも感謝ですが、
タイのバンコク、カオサンロードで出会ったとーしゅんも
ミュージカルをやってなかったら、
僕は見に行かなかっただろうな。

彼は素人100人で100日間でミュージカルを作る
コモンビートってところでミュージカルやってました。
もう大学卒業したのかな?

ちなみに僕はこの日まで
『ミュージカル?唄って踊るんでしょ?』
くらいに思ってました。

あんなに人を惹き込めるってすごいです。
それに舞台を作り上げる人たちも。

それに直前に半額でチケット買えるって凄いですね。

もちろん有名なヤツは34ポンド。
六千円くらいでしたけどね。

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2 件のコメント

    • >ヤッケン兄さん

      僕思うんですけど、

      バスカーの間で
      「ここは稼げた!」
      みたいなオススメスポットあるじゃないですか。

      あれって、
      一番最初に稼いだヤツ以降、
      徐々に減ってくんじゃないですかねぇ?

      何が言いたいかって言うと、
      中華街の前にはバスカーはおらず、
      そこでやった僕はちっとも稼げなかったって
      ことです。

      っかしいなぁ〜〜〜…。

      あ!おれの唄がダメなのか笑。

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