「貴方は私の一生もの」

世界一周501日目(11/11)

 

 

スペインを
今日と明日はまるっと一日
動けるように予定を立てた。

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少しビビって野宿したけど、
夜中の3時に茂みに
立ちションしに来たお兄さん以外、
ここにやって来る人間はいなかった。

昨日ヒッチハイクで
車に乗せてくれたグレゴリーさんは
「スペイン人は物は盗るけど、人は傷つけないんだ」
という言葉の意味がなんとなく分かった。

 

 

まぁ、夜中の公園に
人を襲おうとする人間がやって来るかって言うと
そうじゃないよね。

しかも小汚いテントを襲うとなると、
その場所を熟知していて

『あ!変なテントがある!よし!襲おう!』
って根っからの犯罪者だろう。

 

 

ホームレス襲ったって収穫がないかもしれないし、
恐喝や窃盗はリスクが低いけど、
人を傷つけるとなると必ず警察沙汰になるし、
リスクが高い(と思う)

野宿はいかに
この襲われるリスクを下げられるかだと思う。

 

 

 

ここはバルセロナ
中心地から歩いて20分くらいで行ける
大きな公園

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相変わらずヨーロッパの公園は
高い柵に覆われているが、
この公園は閉園することがないようだ。

僕はいっつもこんなくだらないことばかり考えてる。

だてに5ヶ月近く野宿してないよ。

 

 

自慢になんねーけどな!

 

 

 

 

 

 

7時半には起きて、8時には公園を出た。

意外とバルセロナ市内は
歩いてどこにでも行くことができる。
朝の散歩も気持がいいもんだ。

 

 

途中にあったカフェでコーヒーを注文した。

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中ではアジア人顔のオーナーが
お客さんと世間話していた。

エスプレッソマシーンで
「ジュワァァァ~~~…」という音を立て
抽出された濃いめのコーヒーにミルクを注ぐ。

紙コップがチープさを演出するけど、
味はばっちしだ!
値段も1.3ユーロ(189yen)とそこまで高くない。

 

 

 

 

コーヒーを飲みながら歩いた。

集合住宅やオフィス、アパレル店や
飲食店が立ち並ぶバルセロナ。

一つの交差点を過ぎると、
また同じような交差点にぶちあたる。

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上を見上げると、
スペインのものではなく、
どこか別の国の国旗が
掲げられていることに気がついた。

それも頻繁に見かけるのだ。

つい先日、カタルーニャの州の
バルセロナからの独立を決める投票が行われたらしい。

グレゴリーさんには
「スペインの人たちに
その話題を振っちゃいけないよ」
と注意されている。

ここで話されている言語は
おかしなことにスペイン語ではなく
カタルーニャ語という言葉だ

 

 

そしてバルセロナは
観光業でやっていけるくらいの収入がある。

『なんなら独立しちゃう?』

たぶんそういう気運なんだろう。

こういう政治問題はナイーブだし、
利権問題ももちろん絡んでいる。

仮に独立が成立した場合に、
スコットランドのみたいな似た様な
問題を持った国へと独立の動きが飛び火する。

 

 

ふーーーーむ。

難しいこたぁ、わかりません。
実際ここに住む人たちはどう思っているんだろう?

 

 

 

 

 

 

そんなバルセロナ市内に

「デンっ!」
と建つ建物。
その一部が見えた瞬間、テンションが上がった。

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チケット売り場には既に
30人くらいの人が列を成していた。

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サグラダ・ファミリアを
初めて知ったのはいつだろう?

記憶に残るのはネスカフェのCMだ。

 

 

『なんだ?
サクラダ・ファミリアって?
日本人が作っているのか??!!』

 

 

当時小学生くらいだった僕は
そう誤解していた。

CMで日本人の彫刻家が出ていたせいもある。

 

 

 

 

 

中に入れるのは9時。僕も列に並んだ。

朝からスカーフを被った物乞いのおばちゃんが
並んでいる人たちに対して
「へへ、朝からどうもすいませんねぇ」と
笑顔で紙コップをちらつかせている。

観光客からコインをもらおうということだろう。

何かを食べるジェスチャーをしていたので、
僕はバックパックから食パンを
二枚取り出しおばちゃんにあげてみた。
ホームレスのよしみってやつだ。

おばちゃんはちょっとためらったようだが。
食パン二枚をハンカチで包んで去っていった。

『食べ物が欲しいから、お金をちょうだい!』
ってジェシチャーするのに、
それならばと直接食べ物を渡すと
逆ギレするおかしな人がいる。

おばちゃんは素直な人だったね。

あとで食べてください♪
炭水化物はお腹を満たしてくれるから。

 

 

 

 

 

19.5ユーロのチケットを
クレジットカードで支払った。

入場チケットに加えて、
上のフロアに登れるチケットだ。

せっかくここまで来たんだ上にも登ってみたい。

 

 

荷物はオフィスで預かってもらうことができた。

「や、今日中に別の街へ
行かなくちゃいけないんだよね」っていう
いつもの嘘をスタッフさんたちは
好意的に受け取ってくれた。

「それでは楽しんでね♪」という一言が
何かの許可証みたいに思える。

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中は今まで入ったどの教会とも違った。

そこはまるで
“生き物の内部”にいるみたいだ。

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伸びた柱、その先は
血管のようにアーチを描いて広がっている。

朝日が青や赤やオレンジの
ステンドグラスから差し込む。

中央に置かれたキリストの象に
絶妙な具合で日が当っているのを椅子に座って眺めた。

後から知ったのだが、
この教会を設計したガウディは
自然界の様々な物をデザインに取込んだようだ。

外の装飾にも草木や生き物を表す彫刻が見えた。

 

 

 

 

9時半になると上へ昇る
エレベーターに乗れるようになる。

20セントのクロークに
サブバッグを預けて上へと登ってみた。

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サグラダ・ファミリアの上部は
大人がすれ違うのもやっとなくらいの狭さの
階段が続いている。

その途中にある小窓から建物の装飾が見えたり、
バルセロナの街並を見下ろせるようになっている。

ひとつひとつの窓から見える景色が違う。

窓ごとに足を止めてiPhoneを突き出して写真を撮った。

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一時間半中にいた。

ここへ来てほんとうに良かったと思う。

フランスのトゥールーズでは
スペインの治安が悪いもんだと思っていたから、
バルセロナを避けてポルトガルにでも
行こうかと考えていたけど、

やっぱりここに来てよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの親父は
“建築家”(だった)。

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自分と同じ名前の会社に就職して
早期退職まで勤め上げた。

親父は仕事を家に持ち込まない人なので、
家では自分の趣味をしている姿しか
(主にゴルフと読書と競馬だ)見せなかったので、
親父がどんな風に仕事に接しているのかなんて
分からなかった。

分かっていることは、
子供が三人もいて

(そのうち一人は放蕩息子になってしまった。
なんなら言うことをきかないバカ犬(雑種)もいる)、

家(三十年の中古の家をリフォームした)と

車(HONDAのワゴン車)を持てるなんて、

 

 

 

親父は偉大だ。

ということだ。

 

 

 

 

 

 

昔親父に

「なんで建築なんてやろうと思ったの?」
と尋ねたことがある。

 

 

「いつまでも残るからさ」

と親父はこともなさげに言った。

勤めた会社は大きな会社だったので、
親父が担当したのはどの建物の
どこの箇所なのかは分からない。

だけど、自分たちが建てた建物が
その後もずっと残っているということは、
さぞ誇らしいことだろう。

やっぱ親父ってのはすげーよ。
なかなか越えられない。

親父が建築やってなかったら、
サグラダ・ファミリアにそこまで弾かれなかったかもな。

ここまで来ちゃったよ。
一年と五ヶ月かかちゃったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生ハムに
初めてチャレンジしてみた。

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別の場所へと向かう途中だ。

1.5ユーロ出して
「この分だけください!」って身振り手振りで
ジェスチャーして手に入れた生ハムは
薄いと言えどもかなりの大きさだ。

それを丸めて口の中に放りこむ。

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「…!!!」

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って何これっっっ!!!!

衝撃が口の中に広がる。
今まで食べて来たコープのハムはなんだったんだ??!!

しかもパンと合わせるとうめ~~~~~!!!

その時気づいたのは、
持っているパンの名前が
BIMBO(貧乏)」だったってことだ。

まさしく!

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そしてやって来たのは、
おなじみ

「nudie jeans」のコンセプトストアーだ。

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コンセプトストアー巡りするなら、
スウェーデンのお店も制覇してもよかったかもなぁ…。
ロサンゼルスにあるらしい。

お店のウィンドウからは修理に使うミシンが見えた。

中にはずらっとジーンズが陳列されている。
まぁ、遊びに来たよ~♪って感じ。

 

 

正直言うと、
最近のラインナップは好きじゃない。

昔のシンプルでスタイリッシュなヤツが好きだ。

ここの会社の環境に配慮する物作りも好きだけど、
オーガニックコットンを使ったTシャツは
かなり薄くて旅向きじゃない。
手触りからすぐにヨレてしまうのは想像できた。

 

 

 

ただ、
スタッフさんが
いい人たちだった。

「わざわざ日本からようこそ!」と
僕の話を面白がって聞いてくれた。

相手が僕の話を聞いてくれると分かると、
僕もわざわざパソコンに
盗った以前のジーンズ(チェコで盗まれたヤツだ)を
見せたりして、僕の穿いたジーンズがしてきた
旅の話を披露した。

外にはいつの間にか小雨が降り出しており、
お客さんも全くいなかったのもある。

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ステッカーもらっちゃったぁあああ!!!

 

 

 

 

店内にはジャズがかかり、雰囲気と合っている。

あ~、あと一本パンツを手に入れるとしたら、
くすんだ白色の汚れても味にかわるカーキだなぁ~。
丈夫で5年くらい穿けるヤツね。

そんなのあったらすぐに買うんだけど、
今はnudie jeans一筋だ。

 

 

プレゼンテーションが終わり、
店内もぐるっと見回って、
さてそろそろ帰ろうかなという時に

スタッフのお姉さんが履いている
ブーツに目がいった

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履き込まれて味の出ているヤツ。

nudie jeansが去年くらいから
作り始めたブーツだった。

 

 

「それ、なんかいいですね。
履いてどれくらいです?」

「うーん、一年くらいかしら」

 

 

 

ほ、

欲しい…!!!

 

 

旅の仲間にブーツを加えたかった。

履き込めば味が出て、
何年も使っていけるブーツが。

今まで履いて来たのはトレッキングシューズ。
KEENのピレニーズっていう型だ。
ラバーソールで底が擦れたらお陀仏のヤツだけど、
ブーツなら底が擦れても交換できる。

 

 

お値段249ユーロ(36,264yen)。

 

 

た、高い!

 

 

 

でも良い物は高いしなぁ~~~~…

試着させてもらって、
ウンウン唸っていると、
スタッフさんの一言が
僕を落とした。

 

 

 

「君はとっても
いいお客さんだからね。
ディスカウントしてあげるよ。
231ユーロでいいよ」

 

 

 

 

「クレジットカード使えますか?」

「もちろん!
だってここは服屋さんだからね♪」

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横幅が少しきついが、
それも履いているうちに馴染んでいくだろう。

それに、靴屋さんに持っていけば
三日くらいで横幅を広げてもらうこともできるらしい。

それに、空港の税関に持っていけば
20ユーロ戻ってくることが分かった。

いやいや、そんな問題じゃねーな。

 

 

 

僕は一緒に旅をするブーツを手に入れた。

 

 

 

 

 

すぐさまサンダルからブーツに履き替えて
買ってすぐにバルセロナの街を歩いた。

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さっきまでの小雨は勢いを増し、
僕はスターバックスに避難した。

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テーブルの下にはコンセントがついている。

一時間の時間制限つきの中、
日記を書いたり、ネットに時間を喰われたり
しているうちにあっという間に時間が過ぎた。

カフェの梯子といういわけではないけど、
二件目はマクドナルドでコーヒーをすすりながら
Wi-Fiにありつく。

バルセロナのマクドナルドは
遅い時間帯でも若者たちで混み合っている。

そのせいかWi-Fiの速度が遅かった。

 

 

 

 

小雨がやんだのを見計らって、
昨日と同じ公園にテントを建てた。

満足いく一日だ。

 

 

新品のブーツの皮の臭いがする。

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でへへへへ。買っちゃいました。ブーツ。

野宿やヒッチハイクでお金浮かしているからいかなって。
これに旅のストーリーを詰め込んでいきたいと思います。

そして現在、サイズが(横幅が)合わなくて
地獄のような苦しみを味わっております!
早くモロッコで靴幅ひろげねーと!

前半にいつも以上に長く書きました。
読んでくれた方には感謝です。

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2 件のコメント

  • シミ君私は東京で25年近く設計と、デザインの仕事をして居ました。

    しかし重い心臓病に掛かり医師の薦めに拠り、暖かいタイに15年前に
    移住しました、でもお陰さまで医学の進歩で、8年前に心臓病の手術が
    日本で受けられて、ある程度タイで普通の生活が出来る様に成りました。

    シミ君、人生何が起きるか判りません、ですから若い内は何でもチャレン
    ジして、楽しんで下さい。

    シミ君いま住んで居るタイの我が家は、2軒とも私の設計&デザインの家
    ですよ!。

    • >JOSANさん

      いつもコメントありがとうございます。

      僕のブログを読んでくださっている方が、
      どんな人なのか、それが知れて
      よかったと最初に思いました。

      そうですよね。

      人生何が起こるか分からないですよね。

      僕だって、明日何が起こるかなんて
      これっぽっちも分かりません。

      だからこそ、今を生きたいと思います。

      日本で漫画家を志望してから
      「漫画家になるのが先か?
      世界一周に出るのが先か?」
      を考えたことがありました。

      出て来た応えは

      「漫画家になれたとしても
      世界一周に行けるかは分からない。
      そして、旅に出なかったら
      自分が死ぬ前に必ず後悔する」

      でした。

      それにしても
      自分のデザインした家に住めるって
      すごく素敵です!

      自分で創った物だからこそ、
      想い入れも、ひとしおなのではないでしょうか?

      お体にお気をつけて、引き続き
      タイでの生活楽しんでください!

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