「華道家と150万円」

世界一周520日目(11/30)

 

 

空港泊する人って
いると思うんですよ。

 

でも、あれ、空港によっては
椅子がひじけで仕切られていて
横になれなくないですか?

 

 

 
僕はフツーに
床に横になりますけどね。

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銀マット持っていれば
見た目的にもセーフかなと思ったんですけど、

寝床を写真に収めてみると、

やっぱり
アウトだなって
思いました。

それでも起こさないモロッコの人たちの優しさ…。

 

 

 

 

 

今日はヨルダンへと向かう日だ

フライトは18時半。

クソ時間があるから、
書きたまった日記でも
シコシコ書くことにしよう。

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カフェに行く前に、個室トイレで体を拭い
(や、二日風呂に入ってなかったからさ)
洗濯物を済ませた。

 

 

どういうわけだか、モロッコの空港には
“トイレ番”なるおばちゃんがいる。

別に料金を請求するわけではない。
荷物とか見ててくれるのかなぁ?

 

 

靴下や下着を洗濯をしていると、
おばちゃんはかなり顔をしかめた。

くっそ。この後頭も洗おうと思ったのに!

洗濯の途中でジェスチャーで
僕に送って来たサインは

 

 

『テメェの面、覚えたからな。
もう金輪際二度とトイレは使わせねえ!』

 

 

というサインだった。

くっそ!まぁ、いいさ!
トイレはここだけじゃないからな!
温水でるのはここだけだけど…。

 

 

 

 

フライトの三時間前までは
カフェ飲みながら日記を描いたり、
絵を描いて過ごした。

 

 

やる気が出なくて
何も手に着かないことがあっても、
「何もすることがない」ってことはないと思う。

あとはそのモチベーションを
どうコントロールするかだ。

 

 

 

 

すこしかなり(早め)に
チェックインを済ませることした。

もしかしたらゲートの向こうで
Wi-Fiが使えるかもしれない!

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乗る飛行機はサウジアラビア・エアライン
LCCではないので、ギターの持ち込みも楽勝だ♪

受付でパスポートをお姉さんに渡すと、
お姉さんはパスポートのページをパラパラめくって

『あれ?これなんかダメっぽくない??!!』

みたいに顔をしかめた。

 

 

え?ヨルダンって
別に出国のチケットいらないっしょ?
おれ?調べたよ?

お姉さんは「ムスタファ!」と叫び、
男性職員さんを呼んだ。

ムスタファさんは僕のパスポートを持って
どこかに行ってしまった。
後ろを振り返ると、日本人のお兄さんがいた
服の組み合わと雰囲気から日本人だと分かった。

 

 

「あ、どもっす」

「どうしたの?トラブル?」

「やー、この後、ヨルダン行くんですけど、
なんすかね?問題ないと思うんだけどな…」

「ジェッタ経由?」

「あー、はい」

「同じ飛行機だ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リョータさん
は世界一周の最中で、
90リットルの容量の巨大な
バックパックを持っていた。

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パソコンくらいなら入る
たすき掛けのポーチは持っていても、
僕のように前にサブバッグを背負うことはない。
中に全て収まるようにとこの容量を選んだらしい。

 

 

「中に何入ってるんですか?」

「ん~、服とかかなぁ?」

 

 

左瞼と左耳にそれぞれピアスをつけている。
動きやすそうな黒のサルエルパンツ、
カットソーとジャケットも黒で合わせている。
それに旅している人には珍しく、ブーツを履いていた。

 

 

 

「そのブーツかっこいいっすね!」

僕もスペインで買ったブーツを愛用しているので、
どこか親近感が湧いた。

 

 

 

 

 

話しているうちに僕のパスポートが返ってきた。
何も問題は見つからなかったようだ。

そのまま荷物を預けて、空港内で
一本40ディルハムもするビールを飲みながら
リョータさんのお話を訊かせてもらうことになった。

 
リョータさんは以前
アパレル関係の職に就いていたようだ。

仕事を一度辞め、8ヶ月世界を回っているらしい。

驚いたのはベルギーでお会いした
バスカーのケヤキさんや、
アフリカンバンドを組んでいるマサトさんと
知り合いだったということだった。
フェズで少しお会いしたタカユキさんとも
知り合いだった。

 

 

「ああ、あの時僕と入れ違いになったのは
リョータさんだったんですか!地球狭ぇ!」

 

 

つくづく出会いとは面白い。

そう思わせてくれたのは、リョータさんが

「華道(生け花)」

をやるということだった。
アパレルと言っても、
講師の仕事に就いていたリョータさんは、
一度アパレルの世界を離れ、
自分のやりたいことを探して見つる旅に出たそうだ。

 

 

オーストラリアの
ワーキングホリデーも二回も行ったそうだ。

 

 

「あれはほんとうに良い経験だったよ。
海外に働きながら滞在できるし、
友達も沢山出来るからさ」

 
仕事の内容は主にピッキング(収穫)。

出来高制だったので、朝の5時から昼の2時まで
ずっと働いていたそうだ。

 

 

「目の前のチェリーが現金に見えたよね」

 

 

数百人いるファーム(農場)の
収穫ランキングでは2位だったという。
どれだけ集中してたんだ??

ファーム内にあるキャンプサイドで
友達と冷蔵庫や扇風機を物を持ち寄って
快適な移住空間を作り上げたという話は
聞いていてワクワクさせられた。

 

 

 

 

そして、
突き詰めていこうと見つけたのが
「華道」
だったようだ。

あと3~4ヶ月教室に通えば、
自分の教室が持てるようになるらしい。

すっげぇ…。

 
「モロッコの砂漠をさー、
5日かけてベルベル人の友達と歩いたんだよ。
サンダルが途中で壊れちゃって、
靴下二枚穿きで100km以上歩いたよ。
砂漠以外何もない場所を歩いていて、
『やっぱり、人間”自然”なんだな』
って思えたんだよな」

 

 

チェックインを済ませてゲートをくぐる時、
日本人の女のコを見かけた。

「ヨルダンですか?」とリョータさんが訊く。

僕は久しぶりのお酒に
すっかり酔っぱらってしまって、
もう何もしなくても幸せな気分だった(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 
ミホちゃんさん
(あ、一応敬称つけてきます)は
1ヶ月の予定で、トルコやモロッコ、
ヨルダン、エイジプトを旅するらしい。

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実はこれ、このあとトランジットの
サウジアラビア空港で撮りました。

 

 

 

いつもは喋りっぱなしの僕だが、
アパレルの講師をしていたリョータさんの
トークは止むことはなかったので、
話の聞き手にまわった。

リョータさんのトークはかなり面白かった。
それでいて人に考えさせる話ぶりだ。

自分の主張もしっかりしていて、
「ははーん。なるほどぉ」と
相づちを打つのが精一杯。

 

 

話の間にミホちゃんに
「この旅の中で面白いことありました?」と訊くと、

ミホちゃんは
「あとでとっておきのを話ますね」
と冗談めかして言った。

 

 

 

 
ゲートをくぐったカフェで
リョータ先生のトークは止むことがない。

 

 

「俺はよく自己紹介する時に

「東京が大好きで大嫌いです」
って言うんだよね。

これから日本はどんどんつまらない方向に
進んで行くと思う。
それは東京に住む俺が感じるてるから確かだと思う。
日本人の物の考え方が変わらない限り、
それの流れが変わることはないんじゃないか?

服に関して言うと、
「新しいものを求める」消費のリズムが
行き過ぎているんだよな。

毎シーズン消費者は
「新しい物を買わなくちゃいけない気」
にさせられている。
そしてシーズンが過ぎると、
古くなった服は着られることはなくなっていく…」

 
自分でもちょっと時間を置いて
リョータさんがどんなことを喋っていたか
思い出して書いてるけど、

たしかこんな感じだったと思う
(もしこれを読んでいて
『いやいや!全然言ったことと違うがな!』
ってなってたら消しちゃいますんで!)

僕が最近考えるようになった
服の在り方についての考えと
通ずるところがいくつもあった。

 

 

 
リョータさんはキャンプが好きで
よく出かけるらしい。

長く使えて、
それでいて機能的な服という意味では、
やっぱりアウトドア・ウェアはバカにできないよな
とリョータさんは言っていた。

 
「リョータさんって
すっごいポジティヴな考えを持ってますよね。
将来が不安とかそういうことはないんですか?」

「あるに決まってんじゃん。そりゃ俺も人間だし。
さっきも言ったけど、
人生何が起こるかなんて分からないんだから」

 
マルタで友達たちとクルーザーに乗って
ベロンベロンに酔っぱらっていた時、
クルーザーが小さな灯台と
正面衝突するという事故が起こったそうだ。

クルーザーは沈没。

リョータさんは足に8針も縫う大けがを負い、
仲間と死にもの狂いでクッションを
浮き輪代わりに泳いだそうだ。

たまたま近くを通った漁師に助けられて
命は助かったものの、友達の中にはリョータさんより
もっとひどい怪我までした人もいたそうだ。

 
「そう言えばミホちゃん、
さっき『とっておきの話がある』
とか言ってなかったっけ?」

「え?私ですか?東南にあったんですけど、

セブ島で
150万円
盗まれました」

 

 

「ひゃ、150万!!!」

「私もリョータさんや
シミさんと同じように
世界一周をしようと思ってたんです。

まずは英語留学から始めようと
セブ島に行ったんですけど、
授業の始まる前の日の数日前には
セブ島にいたんですよね。

ひったくりが怖かったから
前にバッグをかけてたんですけど、
それが後ろからきたバイクにとっては
盗みやすかったんだと思います…」

「え..???
150万円入ってたの???」

「今となっては笑い話ですけどね」

 

 

 

僕はなんて声をかけたらいいのか分からなかった。

リョータさんは

「うん。すごい気の毒だけど、
全てのお金を持ち歩いているの方が悪いね」

と言った。すげえ…。

 

 

「これはオーストラリアで
ワーホリしろってことだよ!

オススメだよ?
俺なんて友達や後輩にオススメしまくって、
何人もワーホリに行かせてきたもん!

行ってきたヤツで
「やっぱり行かなきゃよかった」なんて
言っているヤツはいないくらいさ!

めっちゃオススメ!
それでお金貯めてまた旅に出ればいいじゃん」

「ワーホリですか…。
あれ、年齢制限ありますもんね」

 
ワーキングホリデーかぁ。
「貯めようと思えば
いくらくらいたまるものなんですか?」

僕は訊いてみた。

「大体50万くらいかな?
人によるだろうけど」

 
ひとつの国に長く滞在するのは、
世界一周とはまた別次元の経験だろう。

だけど、それを世界一周の
資金集めと考えるのであれば、
僕は日本でフリーターやった方が
お金が集められると思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっと言う間に
時間が過ぎた。

僕は人に任せ切って
ろくすっぽチケットの確認なんてしなかった。

いつも一人だけど、
こういう時、誰かがスケジュールを
把握してくれるってほんと楽だなぁ。

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サウジアラビア空港の飛行機、
ボーイング777はLCCに比べると
ずっと広く、快適だった。

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ブランケットや
枕が配布されるのはもちろんのこと、
アイマスクや歯ブラシ、靴下までもが配られた。

各シートには映画やゲームを楽しめる
モニターが備え付けてあった。

 

 

写真撮影は禁止されているのは
どういうわけかは知らないが、

僕はトランジットのサウジアラビアまで
リョータさんと話たり、
少し眠ったりして時間を過ごした。

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メ〜〜〜〜シ〜〜〜〜♪

 

 
そんな快適な空の旅だったが、

 
心残りがひとつあるとすれば
「モンスターズ、ユニヴァーシティ」を
最後まで観られなかったことだ。

———————————————
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うーーーむ…。
あんなにリョータさんから面白い話を沢山聞かせてもらったのに、
時間が空いてしまったせいで、思い出せないこともあるし、
はっきしと再現できなくなってしまいました。

やーーー、メモ取りたかったな。
そして最近思うのは
歳上の方のお話を訊くのは
めちゃくちゃ勉強になるということです。

メンターが欲しいぜ!

 
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2 件のコメント

  • さすが漫画家☆私なんかのトークでもステキにまとめてくれてますねっ☆
    あと写真掲載料いただきますからねっ☆150万円☆

    • >みほちゃんさん

      返信遅れてすんません!
      150万稼ぐために絵描いてました!

      てか、150万円って
      グラビアアイドルのギャラよりも多いっすよ?

      ということは!
      みほちゃんさんがモデルデビューすれば
      150万なんてヨユーです!

      我ながらナイスアイディアだ!

      あ、
      アイディア提供料に149万いただきます(笑)

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