「とりあえず本でも読もうよ」

世界一周534日目(12/14)

 

 

ベッドから

出ることができない。

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回りの人が既に活動を始めているのは分かっている。

分かっていながらも掛け布団に包まって
壁際を向くと二度寝を決め込んだ。

 

 

ここはエジプト、ダハブ

さあさあお立ち会い。
これから”無生産的な沈没日記”が幕を開けよう!

 

 

 

 

10時過ぎにノソノソとベッドから抜け出し、
とりあえず顔を洗って目やにを落とし歯を磨くと、
朝食をとらずにパソコンを開いた。

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イヤホンの音量を調節して、スカイプの履歴から
楽天銀行カスタマーサービスに電話をかけた。

 

 

「プルルルーーー、カチャ。

はい。こちら
楽天銀行カスタマーサービス、〇〇です」

 

 

何度もしつこくクレジットカードの
決算について質問したが、
引き下ろし限度額がどうリセットされるのか、
まったくわからなかった。

なんで今月は11月1日から
カウントされるんだろう?

 

 

11月にATMからお金を引き下ろした額は11万円。

だが、今現在それに3万円加わって、
ほぼほぼ引き下ろし限度額に達しているとのこと。

って、なんだか文章で書いてもよくわかんね。

 

 

 

ただ、解決策も分かった。

いつもは毎月27日に口座から
自動的に引き下ろしされ、2~3日後に
データが楽天銀行に送信される。

それ以降、お金がおろせるようになるのだが、

個別に指定された銀行に請求金額分を
振り込めばその分はまた
ATMから引き下ろせるようになる
とのこと。

オートマ(自動)と
マニュアル(手動)ってことだろう。

 

 

ただし、時差があるので、
お金を振り込む日にちだけ指定して、
今日の戦いはこれにて終了することとなった。

 

 

 

 

はい。
もうやる気
起きません!!!

 

 

 

 

金銭問題抱えているのに、
キャピキャピ遊べるかってーーーの!

 

 

 

僕は本棚の前に突っ立ってめぼしい本を探した。

日本人宿という割には本の量は少ない。

セブン・ヘヴンもほとんど本はなかった。

本なんて読んでないで恋をしろと…??

 

 

無理言うな!

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漫画は「バガボンド」が15巻まで、

「ハンター×ハンター」がなぜか27巻だけ、

昔の相撲部屋の女将さんを主人公にした漫画が何冊か。

バトルコメディーの
「コータローまかりとおる」。

シティーハンター全巻。

「ARMS」もそろっている。

 

 

小説は見た感じ、
そそられるのもは見つからーーーー、

 

 

 

 

 

あ、

 

 

「あるキング」

じゃん。

IMG_3064 はーい。こちらが
「エヴリ・デイ」でーす!
ディープ・ブルーから徒歩2分。
チーズケーキが美味しいんですって。

 

 

 

 

 

「あるキング」は
伊坂幸太郎の小説だ。

 

 

バイト時代、バイトが始まる前に
ブックオフへ行って、この人の小説を探した。

初めて読んだ伊坂幸太郎の作品は
「陽気なギャングが地球を回す」だ。

 

 

 

伊坂幸太郎の作品は
映像化しやすいとも言われている。

小説も展開が早く、読んでいる方は
すぐに世界観に引き込まれる。

エンタメ性が強く、
たびたび漫画みたいなキャラクターが登場するが、
構成は秀逸。

中でも「ラッシュライフ」という
小説の最後のカタルシスはハンパない!

最後まで読まないと
話がどこに収束するか分からないし、

違う小説の中に、他の小説で登場した人物が
出てくるのもファンには嬉しいところだ。

 

 

「空き巣の黒澤」
なんて何回も出てくる。
彼のハードボイルドさは
ちょっと真似できないだろう。
作中に散りばめられた曲も捨てがたい。
ラッシュライフを読んで、ジョン・コルトレーンの
「Lush Life」も中古のCDで買ったくらいだ。

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僕は漫画の描く上で、
漫画よりかは映画や小説から
勉強しようと思っている。

映画は脚本の構成やカメラのアングル、
キャラクターのポーズを学ぶことができるし、
小説は文字だけで話をどう面白くしていくのか。
また違った方向から話を作ることを学ぶことがきる。

ってか本読むのが好きなんだけどね。

 

 

そこまで多くの作家を知っているわけではないが、
気に入った作家なら集める。

伊坂幸太郎の話作りがあまりにも上手いので、
彼がどんなことを考えているのか知ろうと
エッセイ集「3652」や、
まるまる一冊インタビューの乗った雑誌なんかも
買い求めたことがある。

 

 

伊坂幸太郎はもともとSE(システムエンジニア)として
社会人をやっており、その傍ら
賞に応募したりして作家活動を続けて来た。

彼が作家として生きていくことを
後押ししたのはバスの中で聴いた斉藤和義の
幸福な朝食、退屈な夕食」らしい。


 

この曲を聴いて伊坂幸太郎は

『このまま会社務めをしながら
小説を書いていても
この曲のように優れた作品を
作ることはできない!』

と思ったらしい。

 

 

 

伊坂幸太郎の作品で大好きなものを挙げるなら、

「砂漠」「魔王」「ラッシュライフ」

だ。

全作品は読めていない。

あー、
「アヒルと鴨のコインロッカー」読
んだことないんだよね。

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そして今ここに伊坂幸太郎の
「あるキング」がある。

これを運命と呼ばずになんと呼ぼう!

あぁここに日本語の小説があることの幸せよ!

活字中毒の僕に文章を与えたまえ!

 

 

 

 

ということで僕は談話室の椅子に深く腰掛けて
ひったすらに「あるキング」を読んだ。

 

 

話のあらすじは知っていた。

無敗の十割打者が出てくる話だ。

架空の野球チーム、
万年最下位の仙台キングスに
入団することまでは知っている。
新聞の新書が宣伝されている欄で見たのだと思う。

てか10割ってどんなだよ?100%じゃねえか。
伊坂幸太郎にありがちな漫画みたいなキャラクターだ。

 

 

面白いなと思ったのがー、

 

 

いくら沈没していると言え、
ネタバラシのような興醒めするようなことは
書かないからご安心あれ。

 

 

話が主人公の口から語られるのではなく、
主人公を取り巻く人物の目線で語られているのだ。

0歳の主人公、山田王求(やまだおうく)の誕生から
23歳まで、年齢ごとに章が別れている。

天才と呼ばれるバッター。

それを取り巻く凡人。

シェークスペアの「マクベス」が
ベースになっているらしいが、
「マクベス」を読んだことのない僕でも
全く気にならなかった。

 

 

自分の知識をひけらかすのではなく、
それを読んだことのない人でもすんなり理解できる。
さすが10年以上書いている人気作家。

ほんの善し悪しがどうとか、
どの小説が優れているだとか、
読書量がそこまでない僕はそんな書評は言えない。

ただ、この小説は一気に読めたし、
世界観が頭の中で映像かし、
一本の映画を観ているような気にさせてくれた。

ワクワクさせてくれる小説に
出会えただけでハッピーだ♪

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途中、近くのカフェに本を読みに
外に出たが、この日は一日中
ずっと本を読んでいた。

本を読み終わった時には
外はもうすっかり夕焼け空になってきた。

 

 

 

 

夕食を適当に外で済ませて、
日記も漫画も描かずにグダグダと時間をつぶして
シャワーも浴びずにベッドに入った。

 

 

これぞ文句なしの
沈没者の一日!

IMG_3077さーとてと、今日のご飯はコシャリ
(パスタとお米にミートソースがかかったやつ)だよ。

 

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うぅ…、そろそろネタ切れだぁーーーー。

まぁいいさ。伊坂幸太郎はファンだから♪
こういう読書感想文みたいなこともやってみたかったしね♪

そのくせあまり映像化された映画はほとんど見てないのです。
「重力ピエロ」くらいかな?

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2 件のコメント

  • シミ君長い旅の最中には沈没も必要でしょう、カードが使えないのも何かのサインかもね。

    漫画を書くには、色々な体験も無しには描けないでしょうし、絵空事だけでは直に底が見えて仕舞います。

    若い内は本が色々教えてくれます、しかしその本から何を学び取るかは、貴方の生きる力です。

    • >JOSANさん

      まさしく。
      今まで沈没たしい沈没はしてこなかった僕ですが、
      まさにダハブにいるべくしているような気がしました。
      何事も考え方ですよね。

      僕はあまり難しい本は読みませんし、
      読書家と言うほど、沢山の本を読んでいるわけではありませんが、
      読書は好きです。

      これでも、日本にいた頃は
      本の内容をノートにまとめるなんてことを
      していたんですよ?

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