「カイロで眼鏡を買う」

世界一周559日目(1/8)

 

 

カイロ

に戻ってきてやることがあった。

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雑貨を仕入れることだ。

 

 

このあとアフリカに入ったら、
我々「Drift」が探しているような
めぼしい雑貨はない気がするからだ。

仮に雑貨を買ったところで郵送費が
どれくらいになるのか分からない。

かなりかかるんじゃないかと思う。

送るならカイロにいる
今のタイミングがベストだろう。

今現在、僕の手元にはダハブで仕入れた
卵形のライトなどの雑貨がある。地味に重いヤツだ。

さすがにこれをアフリカまで持って行くことはできない。

 

 

 

カイロでも仕入れておきたい雑貨があったので、
僕はスルタンホテルに宿を替えたあと、

ハンハ・リーリ

と言う雑貨が売られているマーケットへと足を運んだ。

余談だけど、宿替えした理由はサファリは居心地が良過ぎて、
なんだか作業には向かない気がしたからだ。

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ここが僕が移ってきた「スルタン・ホテル」

 

 

 

 

 

ハンハリーリは宿から歩いて行ける距離にあった。

途中まで宿のお兄さんに案内してもらって、
マップアプリを確認しながらハンハリーリを目指した。

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最初は汚く、埃っぽくて、車と雑踏で
カイロに怯んでいた僕だったが、
日が経つにつれてこの街を歩くことに慣れて来た。

そんなに治安が悪くないとうのもいい。

まぁ、これは時期によるんだろうけどね。

 

 

2015年を迎えたばかりのエジプトは
だんだんと旅行者に心を開いていくような感じがした。

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ハンハリーリは
イスラム地区と呼ばれる場所にあるマーケットだ。

途中の歩いたことのない通りはワクワクした。

ごちゃごちゃしていて、実に色々な物が道端で売られている。

食べ物から電化製品まで。

『一体誰が買うんだろう?』という
買って一週間ももたなそうなおもちゃも売られている。

僕は一枚2ポンド(33yen)の缶バッチを5枚ほど仕入れておいた。

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ハンハリーリがどんな場所であるかは、
ダハブから先にカイロに行った人たちに訊いておいた。

そこまで「めぼしい雑貨がない」ということだった。

その話を聞いて僕はダハブでいくつか雑貨を仕入れたのだ。

実際ハンハリーリに行ってみると、
聞いていたよりかは雑貨があるように思えた。

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僕がここで買おうとしているのはシーシャだ。

ディズニー映画の
「不思議の国のアリス」を観たことがある人なら、
イモムシがプカプカとシーシャを吹かし、
煙をアリスに吹き付けるシーンを
覚えているのではないだろうか?

 

 

エジプトで5ポンドそこらで吸える水タバコ

観光地でも一回吸うのに200円もしない。
一回で15分~30分吸うことができる。

シーシャは火のついたチャコール(石炭)越しに
タバコの葉っぱをいぶしてでた煙を吸う。

必ずしも体に有害ではないとは言い切れないが、
水のフィルターを通して煙を吸い込むため、
ニコチンの摂取量が少ない(らしい)。

吸い慣れていない人がシーシャを
10分くらい吸うと体がホワッホワになる

どローカルなカフェでは不味いシーシャがあるが、
ほとんどのカフェではフルーツのフレイバーを楽しむことができる。

アベル(エジプトでリンゴのこと)は
どこのカフェでも吸うことができる。

 

 

 

 

ハンハリーリ自体はそこまで大きくないマーケットだった。

30分も歩けば回り切ってしまうような場所だ。

どこのお店にもシーシャが置いてあるが、
僕が探しているシーシャはなかなか見つからなかった。

あまり地元の人はシーシャを買わないのかもしれない。

そこにあるのはけばけばしい柄のシーシャばかりで、
装飾品も同じようにけばけばしている。

僕はシンプルなデザインのシーシャが欲しかった。

 

 

デザインという意味であれば、
イランのエスファハーンのイマーム広場の
マーケットでもシーシャを見かけることがあった。

一体どこの国でシーシャが手に入るのかは分からないが、
僕の経験から言わせてもらえば
イランのシーシャが一番綺麗でシンプルなデザインだった。
値段は中ぐらいの20~30cmくらいのサイズで
30ドル前後というところだっただろうか?
ちょっとね、高いんだよ。

でも、もし誰か僕と同じように旅をしていて
シーシャが欲しいと言う人にあったら、
僕はイランのシーシャをオススメする。

 

 

 

 

店頭に並べられたシーシャを眺めていると、
お店の人が僕を在庫のある場所へと連れて行ってくれた。

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路地裏に入ると建物の裏に
ひっそりとしたお店でシーシャがたんまりと置かれていた。

何店か写真に収めて「また来るよ」とその場を後にした。

向こうも、「今買うなら安くしてやるぞ!」
と値下げをしてくれたのだが、
初見で買うような真似はできるだけしたくない。

 

 

そもそもこれは売り物じゃないのだ。

前回のシーシャの仕入れはインドのデリーで行った。
一番小さな30cmくらいのサイズのシーシャを4つ仕入れた。

相棒のまおくんが
「シーシャカフェをやりたい」と企画していたので、
そのために仕入れたものだった。

僕の仕入れたシーシャは無事に
まおくんの家に送り届けられたのだが
(なぜか三千円くらい税がかかった)、

実際その手にとってみて
「もう少し大きなサイズもあったほうがいいだろう」
ということになったのだ。

 

 

シーシャを手に入れるタイミングは
エイジプトにいる今しかないだろう。

前回ピラミッドを観に行った時立ち寄った
「アリババ」のオーナー、ターレックさんの話によると、
エジプトで売られているシーシャのほとんどは中国製らしい

カフェに置いてあるものは壊れた時に
損害が少ないように安物を使っているとのこと。

まぁ、その国独自の雑貨を
仕入れるというわけにもいかないだろう。

作られている国が違っても、
その国でしか手に入らない雑貨というものはあるから。

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こんなガラクタまで売られている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひととおり

ハンハリーリの雑貨をチェックし終え、
そろそろ別のマーケットに行こうかなという
タイミングで英語を喋れるエイジプト人のおっちゃん
声をかけられた。

僕がシーシャを探していると言うと、
「それならローカルの安いシーシャが
売られている場所につれて行ってやろう!」
と僕を案内してくれることになった。

 

 

おっちゃんが案内してくれたのは
ハンハリーリの向かい側にある
ローカルのマーケットで、僕の探している
お土産物に近い雑貨というよりかは、
下着やドライヤー、ヘアピンなど生活雑貨がメインだった。

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おっちゃんは自信満々に僕の先を歩いたが、
行く先々で「シーシャは売ってないか?」
と他の人に訊いてまわった。

みんな「それならハンハリーリだよ」と口をそろえて言う。

なんだやっぱり知らないんじゃないか。

 

 

見つけたどローカルの小さなお店で
何店かシーシャを見せてもらったが、
どれも埃にまみれており、中にはヒビが入ったものもあった。

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う〜〜〜ん…。微妙。

 

 

 

 

「やっぱここにはないみたいだね」

「いやいや!大丈夫だ!ついて来なさい!」

 

 

僕は少しこのおっちゃんにつき合ってみることにした。

もしかしたら本当にローカルで扱われている
安くてシンプルなデザインのシーシャが
手に入るかもしれないと思ったのだ。

 

 

 

だが、結局のところ、
おっちゃんがシーシャが売られている場所を
知らないのは事実のわけで、
さっきと同じように他のエジプト人に尋ねて回ってまわった。

他のローカルのお店のシーシャも状態がよくなかった。

 

 

僕はお礼を行って別のマーケットに行こうとしたが、
おっちゃんは僕の前を歩いた。

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何度も僕につき合う必要はないからねと
念を押しているのだが、おっちゃんは世話焼きらしく、
僕をメトロまで連れて行ってやろうとまで言い出した。

僕たち二人はハンハリーリから
最寄りの地下鉄駅まで歩いたのだが、
このおっちゃんは駅の場所も分かっていなかった。

マップアプリで確認とひとつ先のメトロまで歩こうとしていた。

 

 

 

途中に見つけた眼鏡屋さんに入ると、おっちゃんは
「シーシャはどうするんだ?私について来なさい!」
と相変わらず同じことを言っている。

その自信はどこから来るのだろう?

さっきからもう十分だと案内を断っているのにも関わらず、
半強制的に案内役を買って出ようとするのだ。

 

 

 

僕はいい加減うんざりしてきておっちゃんに
今日はマーケットには行かないのだと言った。

おっちゃんは汗をかいており、息を少し切らしながら言った。

 

 

「君はどこまで私を歩かせるつもりだ?
もう足がクタクタだ。
ここから家に帰るのに20ポンドくれ!」

 

 

 

 

やれやれ。

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僕たちが歩いた距離はそこそこあったが、
ここからハンハリーリに戻るのに
バスを使えば1ポンドくらいで帰れた。

それならと、1ポンドを渡そうとすると、
おっちゃんは駄々をこねて1ポンドを受け取ろうとしなかった。

 

 

結局お金か。

別にボってくるようなお金の請求の仕方ではなかったが、
「せっかくお前につきあってやったんだ。バイト代をよこせ」
ということなのだろう。

これでいいシーシャが手に入ったのであれば話は別だが、

おっちゃん、

 

 

 

あんたどこに売ってるか

知らなかったじゃん。

 

 

 

ニコニコしながら
「じゃ、僕はこれで!」とおっちゃんと別れた。

僕が入る眼鏡屋にまでついてきたが、
お金が手に入らないと分かると、
諦めてどこかへ消えて行った。

 

 

 

僕がおっちゃんにグダグダつき合って
歩いて来た場所は眼鏡屋通りだった。

通りには何軒も眼鏡を扱うお店があった。

ここで眼鏡を買うのはありかもしれない。

 

 

というのも、
僕の眼鏡は僕がチェコを旅している時に、
プラハで一眼レフと一緒に盗まれてしまったからだ。

僕はそれから眼鏡なしで旅をしてきた。

 

 

目はよくないのに、むしろ医者からは
「なんでいつも眼鏡かけないの?!」と驚かれるくらい
目が悪いのだが、僕はそれに慣れてしまったのだ。

旅の初めの頃は眼鏡をかけていることが多かったが、
次第にその回数も減って来た。

眼鏡をかけると、遠くの物がはっきり見えても、
世界を画面を一枚通して見ているようで違和感を覚えたからだ。

暗くなった時と本を読んだり、漫画を描いたり、
パソコンの画面に向かう時によく見えてればいい。

 

 

 

最初はもちろん眼鏡を盗まれて困った。

特にパソコンで日記を書く時は、
小さな文字がよく見えない気がした。

だが、それも慣れてさえしまえば、
それほど苦痛じゃなくなってきた。
眼鏡を使うある限られたタイミングにちょっと苦労するだけだ。

 

 

 

エジプトで眼鏡を買うのがベストだろう。

もしかしてさっきのおっちゃんはなんだかんだ言って、
ここに連れて来たかったのかもしれないな。

 

 

僕はここで眼鏡を買うことにした。

まず何軒か当たってみたのだが、
どこも偽物の「レイバン」や「プラダ」、
「ナイキ」などネームバリューだけは
いっちょまえのものばかりだった。

そして困ったことに、

眼科からの処方箋がないと眼鏡は買えない

ということだった。

 

 

 

 

まず最初に僕は眼科を探すことになった。

眼鏡を扱うお店は10軒以上もあるのに、
ほとんどのお店はどこに眼科があるのかを知らなかった。

「あっち」と言えば「こっち」と言い、
複数の情報を吟味して、眼科が
ありそうな方向へ進んで行った。

 

 

 

 

眼科はボロボロの薄暗いビルの三階にあった。

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エレベーターは旧式の手動で扉を開閉するタイプのもので、
エレベーターがワイヤーで上に登ると、
まるで2D縦スクロールのゲームのように壁が動いた。

受付に言って僕は眼鏡が欲しいから
視力を計ってくださいとジェスチャーを交えて言った。

眼科のスタッフはいきなりやってきたアジア人が面白いらしく、
やり取りが終ったあとクスクス笑っていた。

 

 

そりゃそうだ。

いきなり外国人がローカルな眼科に
視力を計ってくれなんてやって来たら
冗談のように思えるだろう。
僕だってそんな外国人を日本で見たことない。

 

 

視力を計るのに80ポンド(1,318yen)かかった。

うぅ…、高いけど、眼鏡のためだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

院内

はとても寒かった。

そして院長が来るのに一時間半かかった。

僕は凍えながら待合室のベンチに座って
ひたすら院長の帰りをまった。

ベンチは鉄製で座ると体温が奪われたた。

 

 

院内には僕より先に
1名スカーフをかぶった女性がいた。

あとから男性が一名入ってきた。

壁の上には液晶テレビがかえられており、
延々と通販の紹介がされていた。

通販で紹介されていたのは
「鼻を高くするクリームと歯を白くするクリームのセット」
「どんなボルトにも対応するナット」だった。

その通販の間を縫うようにして、ドラマか映画が流れたが、
どれも尻切れとんぼのように途中で終ってしまった。

 

 

一時間半がとても長く感じられた。

尿意を催すとトイレを貸してもらい、
さっき座っていたポジションに再び戻り、
また液晶テレビを見上げた。

 

 

 

 

 

ようやく院長が帰ってきた時には
時刻は16時半を回っていた。

院長の部屋に案内され、
受付のスタッフに伝えた用件と同じ内容を院長に伝えた。

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院長は英語に堪能で、
「はははは!日本は良い国だね!」と褒めてくれた。

どうもと頭をさげて、部屋の隅にある高そうな機械で
目のピントを会わせた。

機械のスコープを覗くと草原に赤い屋根の家が一軒立っており、
最初はボヤけて見えていたのだが、
向こう側で勝手にピントを調整してくえた。
どういう仕組みなんだろう。

何度か「目を閉じないで!」
と看護婦さんに注意されたが、
僕は目を閉じているつもりなんてこれっぽちもなかった。

あ、そうか目が細いってことか。

くそう。からかいやがって…。

 

 

 

そして機械のデータを基に、
レンズが交換可能な眼鏡を渡され、
壁にかけられた液晶テレビに
おなじみの「C」の文字が並んだ。

レンズの度はピンポイントで合っており、
一回もハズレることなく、
視力検査を終えて自分の視力が書いた紙をもらった。

 

 

院長は「少し割り引きしてあげるよ」と言って、
僕は20ポンドをキャッシュバックをありがたく受け取った。

 

 

あ、これあの世話焼きおじちゃんの20ポンドか…。

ま、いっか。

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渡された紙は少し厚手で印刷もしっかり紙だった。

それに自分の視力が書き込まれている。

日本とは視力の表記の仕方が異なっており、
自分の視力が今どれくらいあるのかはわからなかった。

 

 

 

 

 

外に出ると当たりはもうすっかり暗くなっていた。

温度も下がり、まさに冬のエジプトいうかんじだった。

僕は眼鏡屋を何軒も見てまわった。

何度も何度も眼鏡を試着したのだが、
どれも自分に似合う眼鏡が見つからなかった。

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無難なシンプルなヤツがどこにもないのだ!

 

 

違う!

眼鏡が似合わないんじゃない!

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眼鏡が俺に
似合わないのだ!

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もういっその事ギャグで
漫画にでも出てきそうな丸眼鏡を買おうかと迷ったが、
なんとかレイバンのシンプルなフレームを見つけて
それを買うことにした。

フレームとレンズで120ポンド(1,957yen)。

さっきの眼科の合わせると三千円のかかっていない。

メガネを作るならエジプトはオススメだ。

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眼鏡を新調した僕はそこから歩いて宿まで帰った。

数ヶ月ぶりにかける眼鏡は驚くほど
自分の見ている世界の輪郭をはっきりとさせてくれた。

なんだかテレビの画面を見ているみたいだ。

 

 

 

 

スルタンホテルに戻って少し日記を書いて、
シャワーも浴びずにそのままベッドに入った。

 

 

 

見た夢は自分のベッドから南京虫が出てくる夢だった。

 

 

 

夜中に目が覚めてそれが夢だと分かるまで
少し時間がかかった。

 

 

ドミトリーの扉越しのレセプションからは
夜中中ずっとテレビの音が聞こえきた。

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エジプトの雑貨と眼鏡の話でした。

おいおいどんだけ書いてんだよ?

この日記は、この書き込みは無駄なのか、
それとも生産性のあることなのか?

毎回かける時間は1時間以上。

だけど、モチベーションが湧いてくるまで
今日は3時間以上かかりました。

いや、無駄に長いと、尻込みしちゃうんですよ。

 

 

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