「旅する漫画家とスタンディング・デスク」

世界一周628日目(3/19)

 

 

日差しに

叩き起こされた。

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朝日がテントを照らし出すと、じわりじわりと温度が上がる。

ある点まで温度が上昇すると、

「あっつ!」

と目が覚めるのだ。

 

 

ヨーロッパでは頼りなかった
15℃まで対応のプロモンテの寝袋も
ここに来て快適な睡眠を僕に提供してくれる。

アフリカ旅で宿の敷地内にテントが張れる点において、
僕はシングルルームとテント泊の違いはほとんどないように感じる。

電気だって、どこかしらにコンセントはあるしね。
あぁ、雨はキツいか。

 

 

今自分の中でアツいのは坂口恭平さんなんだけど、
「住居」という空間の在り方について、
テントで寝泊まりしていると考えることがある。

僕の場合は雨風がしのげれば、
まぁ、なんとかなるような気がするのだ。

 

 

それはアフリカの宿に限られた話ではなくて、
日本に戻った後でも、応用できるのではないかと考えている。

例えば、日本は公共機関が発達しているから
トイレなんてどこにでもあるし、場所によってはWi-Fiも使える。
なにより治安がいい。

ないものは作ったり、もらったりすればいいし、
僕はそういうDIY的な生活が
めちゃくちゃクリエイティヴなんじゃないかと思っている。

 

 

 

ここはザンビア、リビングストン
宿代は跳ね上がった。僕は相変わらずテント泊している。

あぁ、あと、テントがもうちょっと
丈夫で機能的だったらなぁとも思う。

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今日は絵を描く予定だ。

もったいないように感じるけど、
僕はビクトリアフォールには行かない。

別に僕が行かなくても
他の誰かが言ってくれるし、僕には僕の旅がある。

多少なりとも見所を残しておいた方が、
またこの土地に足を運んだ時に楽しみがあるんじゃないかと
僕は前向きに考えている。

 

 

取りかかったのは、
ウシさんから依頼されている「サハラマラソン」のイラストだ

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現在仙台では国際会議が開かれているらしく、
ウシさんとのやりとりはスムーズにはできていなかった。

アイディアを描いてウシさんに送るだけじゃ、
この先、無駄に時間がかかってしまうことは理解できた。

そして、僕には
『この構図で間違いなくいいものが描ける!』という自信があった。

そのインスピレーションに成り行きを任せてみよう。
これで、ウシさんが気に入らないのであれば、
また新しいのを描けばいいだけのこと。

 

 

動くことはかなり重要だ。
今は何かしらのアクションが必要だと僕は思った。

昨日と同じプールサイドのテーブルで作画を始めたのだが、
日光がテーブルを照りつけ、肘を置くとかなり熱く、
ここで作業するだなんて一種の拷問のようにも思えた。

他にも手頃なテーブルがないものかと探したが、
ここには絵を描くのに適したテーブルはなかった。

外に出てカフェかなんかに行くのもひとつの手段だが、
今日は違うことにチャレンジしてみようと思う。

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必殺!素パスタ!

 

 

 

 

 

「スタンディング・デスク」

というものがある。

 

 

僕はこれをネットのキュレーションメディアを通して知った。

いつものように、海外でホットな話題は、
日本語に翻訳されると少々オーバーに書かれているように感じる。

この「スタンディング・デスク」と言うものは、
椅子を使わずに立ちながら作業するオフィスワークのスタイルらしい。

なにやら、長時間座って作業することは体によくないらしい。

 

 

長時間デスクワークをする漫画家も腰痛や痔に悩まされている。
それと言うまでなく運動不足だ。

話はそれるけど、漫画家(作者)の写真というのは
ネットで調べてもあまり出て来ない。

まぁ、全くのゼロということではないのだが、
そのほとんどは血色の悪い中年太りをした男たちがほとんどだ。

尾田栄一郎のデビュー当時の写真(短編集「WNTED」に乗ってるのと、
イラスト集の巻末の写真」と検索されたものを見比べると、
まぁ、恰幅のいいおっちゃんの写真が出てくるのだ。

もちろん尾田先生の場合は良い物を食べているんだから、
肉付きもよくなるんだろうけど、ね。

他人の体つきを気にするなんて、
漫画家たちからしてみたら大きなお世話だろうけど、
彼らが運動不なことは間違いないだろう。

 

 

 

 

話を元に戻す。

長時間のデスクワークは科学的に体に悪いとされているが、
立って仕事をすることでエクセサイズの効果を得ることができる。
これが「スタンディング・デスク」だ。

これで大事なのは肘の高さらしい。

最初は足が筋肉痛になったり、
あまりやったことのない作業に戸惑うらしいが、
慣れると体も引き締まりー、うんたらかんたら。
まずは自分で実験してみるのがいいだろう。

 

 

 

 

 

キッテンは手頃な高さだった。

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幸い他の宿泊客はほとんどどこかにでかけており、
2~3人の欧米人がソファでまったりしているくらいだった。

僕は立って絵を描き始めた。

世界中の色んなのテーブルで僕は絵を描いてきた。

だから、テーブルの高さで微妙にペンタッチが
変わってしまうことも知っている。

でも、それは慣れればいいだけの話だ。
(これを僕は「シンクロ」と読んでいる)

 

 

まずはスケッチから始め、
送られて来た写真を漫画タッチに置き換える。

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落書き撮ってないから昨日の写真の使い回しさ!

 

 

そして使い放題のWi-Fiで資料を集めながら絵を描いていった。

下描きが終ると、そのままペン入れに取りかかる。

スコットランドで買ったペンで線の強弱を意識しながら。

太い線は0.8ミリで。影などの描き込みは0.05ミリで。

 

 

 

立って絵を描くのは初めての試みだったが、
そこまで不具合を感じることはなかった。

僕は世界一周の資金集めに明け暮れたフリーター時代、
ほとんど立ち仕事だった。

店員の少ないお店ではお客さんに呼ばれれば、
足音を立てないように店内を3歩ダッシュ。

二階席の団体からお呼びがかかれば、
足音を立てないように階段をダッシュ。

ホールの仕事はドリンク、グラス洗いも含まれる。
守備範囲はかなり広い。

きっとその貯金はあるのだと思う。

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もちろんずっと立ちっぱなしなわけだから、
いつもとは違う疲れ方はするが、
立ちながら絵を描くのは無理じゃない。

これでいくらかは運動不足が解消されるだなんて
いい話じゃないか。

スタンディング・デスクの漫画家なんてのもいたら
面白いんじゃないかなと思う。

日本ではまだまだマイナーなスタンディング・デスクだが、
スウェーデンのオフィスでは机の高さを自由に変えられるのが
メジャーなのだとか。これはいいスタイルを見つけた♪

 

 

絵もいい感じに描けた。

もう明日はここを発とうと思う。

まぁ、そんなもんさ。

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かんせいーい!

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新作。

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水墨画家のシンペイ兄さんに

「結局は自分自身。どこに行ったかじゃなくて、
どこで何を感じ、何を考えたかが重要だ」

とエールをもらいました。ありがとうございます。

いい製作ができた♪

世界中どこでもいいものが描ける、そんなヤツになりたいと思います。

 

 

 
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2 件のコメント

  • いよいよカナダですね!!
    アフリカの物語はまだまだ
    続くようですが、
    無事にアフリカ通過で勝手にホッとしていますよ。

    • >あっきーさん

      そうなんです!今カナダなんですよ!
      リアルタイムに追いつきたいがために
      連投しているんですけど、なかなか追いつきません…。

      絵も描くのも楽しいし。
      街も歩き回りたい。
      やりたいことだらけです。

      そしてーーーー、
      雪が降り始めた時には
      かなり不安になりました。

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