「素パスタ」

世界一周631日目(3/22)

 

 

朝食つき

の宿だったので、
クレープにシナモン・シュガーをかけて食べた。

IMG_8393 IMG_8395

 

朝のコーヒーってなんでこんなに美味しいんだろう?

 

 

 

 

朝食を済ませると僕はチケットを買いに街に出た。

日曜日ということでオフィスも閉まっていたが、
ここではスーパーでバスのチケットが買えることを思い出した。

 

 

 

ここはナミビア、ウィントフック。

すり抜けるよう次の国へ。
目指すは南アフリカ、ケープタウン

IMG_8396

 

 

 

ショップライトというスーパーは日曜日ということもあり、
午前中だけ営業していた。

店内にあるバスチケットを扱うブースでケープタウン行きの
バスチケットを購入した。

値段は760ナミビア・ドル(7,618yen)。
アフリカ旅始まって以来の一番お金がかかる移動だ。

オンラインではなく店頭でチケットを購入したのは、
手持ちのナミビア・ドルを使い切ってしまいたかったから。

IMG_8405

朝になっても誰もいない街。

 

 

 

 

選んだ会社はIntercape(インターケープ)とうバス会社だ。

IMG_8400

こんなスーパーにブースがある。

 

 

これより安いと言われる
Bairey’s Reo Linersという会社のチケットは、
どこで手に入るか分からなかった。

バス会社のオフィスも宿から離れた場所にあり、
昨日は祭日でオフィスも早い時間帯に閉まってた。

一応ネットで調べてみたのだが、
安いチケットどころかインターケープよりも値段の高いチケットしか
売らていなかった。

バス会社はいくつかあるようだが、値段は年々上がっているみたいだ。

また、インターケープも毎日ケープタウンへとバスを
走らせているわけではない。

週に三日バスが出るのだ。日曜日は必ず走っているらしい。
だから僕としては日曜日の今日がウィントフックを出発する
タイミングだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バスの出発

する時間は17時だった。

IMG_8411

 

 

それまで時間は宿でブログのアップをしながら時間を過ごした。

宿で唯一充電できる共有スペースはレセプション前のテーブルだ。

 

 

そこではダイキさんがパソコンに向かっていた。
その姿はまるでここで働いているスタッフのように見えた。
実際に他の宿泊客から何か訊かれたらしい。

うん。働いているって感じ(笑)

IMG_8428

「よく来たね〜!お茶でも飲んでってよ」的な(笑)

 

 

デスクのすぐ近くの窓から差し込む日差しは強く、
ブラインダーは壊れて閉まらなかった。

僕はブランケットを洗濯バサミで留めて即席のカーテンを作った。

こういう創意工夫がうまくいくと、ワクワクする。
その空間が自分のものになったような気がするからだ。

 

 

現にこの場所は日本人ブロガー二人の作業場と化していた。

他の宿泊客たちは「そこで充電してもいい?」と
僕たちに断ってからスマートフォンを置いていった。
荷物の見張り番の役割も果たしていたわけだ。

ダイキさんとは時々喋るくらいで、お互いの作業に集中した。
僕としてもここはいい作業環境だった。

IMG_8415 IMG_8418

 

 

 

そうしているうちにあっという間に出発の時間が迫って来た。

僕は急いでキッチンに向かい。
そこでパスタだけを茹でた。

具材はなし。「素パスタ」だ。

味付けはキッチンに置いてある塩、胡椒。

IMG_8427

 

 

 

なんせ16時に調理を始めてかなり焦っていたもんだから、
味付けを濃くしてしまった。

朝から食べたのはクレープとコーヒーだけだったので、
とりあえずは炭水化物は摂取できた。

 

 

お金もほとんど残っていなかった。

20ナミビアドルちょっと。
途中休憩のパーキングエリアでお菓子とかを買うくらいだろう。

 

 

 

パッキングは既に済ませておいたので、
パスタをかっ込むとそのまま宿を出て早歩きで
インターケープのバス乗り場までむかった。

IMG_8407

静か…。

 

 

 

バス乗り場は宿から歩いて10分足らずの場所にあるので、
出発の30分前には着くことができた。

インターケープのバスは今まで乗ってきたアフリカのどのバスよりも
グレードが高かった。

後ろには乗客たちの荷物を入れる車輪の二つついた車があり、
チェックインを済ませてタグをもらうと、
そこに預けるようになっていた。

 

 

バスのスタッフはまるまると太ったトドのようなヤツらで、
がさつというか、フランクなヤツらだった。

僕は極力バスの中にギターを持ち込もうと心がけているのだが、
彼らは「ほらこっちに乗せな!」と僕からギターをかっさらって
バスの荷室に入れた。

僕は思わず
「ミュージシャンに対するリスペクトってあるよな?
楽器大事に扱ってくれよ!」と情けない顔をして懇願したが、
彼らの耳には届いていないだろう。

こういう場合はギターが壊れないことをひたすらに祈るだけだ。

IMG_8431

 

 

 

車内は二階立てになっていた。
清掃も行き届いており、なかなかに居心地がいい。

一階にはトイレがついている。
コーヒーメイカーがあることから、
ここで飲み物を注文することができるらしい。

お気に入りの窓際の席が僕の座席だった。

 

 

 

 

 

バスは時間通りに出発した。

その点も他のアフリカ諸国とは違う点だった。
他の国のバスは30分~1時間はくらいは平気で遅れるのが普通だからだ。

道路も滑るように走り、まったく揺れなかった。
あの忌々しい速度を落とすために設けられた”隆起”も
どこにもなかった。

 

 

 

僕の隣りにはナミビア人の女のコが座った。

これからケープタウンにある大学で卒業証書をもらいに行くらしい。

相槌の変わりに「オーケー!」と言う女のコだった。
お菓子を大量に持ち込んでおり、ポテトチップスを何枚か分けてくれた。

僕はお腹が減っていたので、モリモリ食べたかったところだが、
ここは日本人特有の礼節を発揮して、って単に遠慮しただけです。

 

 

ご飯の変わりにここではコーヒーが
10ナミビア・ドル(100yen)で飲めることが嬉しかった。

添乗員のお姉さんはわざわざ砂糖の数まで
訊いてくれるくらいのサービスだった♪

 

 

 

バスの中ではiPhoneにダウンロードした
“On the Road”を観ていた。

IMG_8443

 

 

 

一度に通して観ることはしない。

音が少し小さいので、雑音の少ない場所を選んで再生している。

今回は後半の一時間を観た。
最後にサル・パラダイスがディーンとの想い出を
タイプライターにぶつけるシーンにぐっとくる。

この話がなんでここまで僕を惹き付けるのかと言えば、
主人公が駆け出しの若手作家というところだろう。

それでいてアメリカ中を旅するところも、
今こういして世界を旅している自分に重なるところがあって
テンションを上げてくれる。

 

 

タイプライターの持ち運びなんてできない時代。

旅をすることと机に向かって作品を「書く」という行為は
一見矛盾しているように思えて、
サルにとっては書かせないものとなっている。
どちらがかけてもストーリーは生まれないのだ。

彼は映画の中でどんな場所でも
手帳に文章を書いている。車の中でさえも。

僕も真似して走行中の車の中で文字を書こうと試みてみたけど、
微妙な振動でも全然書けやしない。あれは映画の世界だからね。

 

 

 

「think of Deen Moriarty」

 

とタイプライターに三回繰り返して打ち込む場面が最後にある。
そこにサルのディーンを思う気持が現れていると思う。
その場面にもまたぐっとくるのだ。

 

 

 

僕は誰に向けてストーリーを描こう?

IMG_8453

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜3時前にバスは国境に着いた。

日本のパスポートを持っているというだけで、
すんなりと出国/入国のスタンプが押された。

トドのように太ったバスのスタッフたちが、
チェックの終った大量のパスポートを乗客たちに返す。

各々の名前が呼ばれるのだが、僕の番だけ

「チン、チョン、チャン!」

と呼ばれた。

何人かが声を出して「ハハッ」と笑う。

僕は苦笑する他ない。

他人をネタに笑いをとっただけなんだけど、
この脳みそからっぽのスタッフに同情さえした。

 

 

「なぁ、それどういう意味か分かってるの?
頼むから中国人には言うなよ」

 

プリンみたいな脳みそのスタッフたちに
僕はそう助言しておいた。

 

 

 

バスの中ではイエス・キリストを題材にした
昔の映画が流れていたのを思い出した。

「パッション」もそうだったけど、
あれらを観るたびに『人間って愚かだよなぁ』と思うのだ。

デマゴーゴスには流されずに、
自分の頭で考えて動けるようになりたいものだ。

 

 

 

そういう風にして、

僕は48カ国目の南アフリカへとやって来たわけだ。

——————————————

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村
旅する漫画家(Facebookページ)

旅する雑貨屋”Drift”

★Twitter”Indianlion45″


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です