「僕たちは語らい酒を飲む」

世界一周710日目(6/9)

 

 

早く

起きるはずが寝坊してしまった。
やはり室内で寝るとぐっすりと眠ることができる。

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これがジェイたちのシェアハウス。一番下が彼らの部屋。
あまりご近所さんとは交流がない。
滞在中は一度も会わなかった。

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ジェイはボードを5枚ももっているらしい。
それだけサーフィンが好きなようだ。

IMG_4778あれが今晩寝ることになるテント。
ジェイの友達がデザインしたテントらしく高機能。

 

 

 


ジェイもこの日は遅くまで寝ていたので、
僕はオススメされた近くのカフェへ行ってみることにした。

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43番ストリートから5分ほど歩いた場所にある
オリジナルのカフェは店舗自体は小さく席数も少なかったが、
地元の人たちで賑わっていた。

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2.5ドルでコーヒーを注文してテーブル席に着いた。

部屋の角に備え付けられたテーブル席は相席になっており、
ネイティヴ・アメリカンのような僕に近しい顔をしたおばちゃんたちが
二人楽しそうにお喋りをしていた。ここもいいカフェだ。

店員たちの動きは機敏でみな忙しそうに手を動かしている。
カフェに来てお茶をするのと、カフェで働くってのは
全く別のことだと、つくづくそう思う。
忙しいのも嫌じゃないけどね。

 

 

Wi-Fiの入るカフェだったので、滞りがちなブログを書いたり、
日記をアップしたりして過ごした。13時になるとカフェを後にした。

そしてすぐ近くの駅から路面電車に乗った。

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やって来た

のはAshbury(アシュベリー)という通りだった。

「ヘイト・アシュベリー」という言葉は
ヒッッピーを調べている時に見かけたことがあった。
ジェイも昨日ここの通りを見せてくれた。

 

 

方向音痴の僕は近くで降りたものの、
目当ての通りにすぐには行き着くことができなかった。

見つけた”Ice bar(アイス・バー)“という
お洒落なアイス屋さんでチョコミントを注文し、
近所の子供たちを眺めながら
ワッフルコーンに乗せられたひんやりするアイスを食べた。

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5ドルもしたけどね。こういうのも大切でしょ?

 

 

 

ここサンフランシスコのHeight St(ヘイトストリート)と
Ashbury St(アシュベリー・ストリート)が交差する
このエリアがヒッピームーブメントの発祥地だと言われている。

ここを訪れた瞬間に、
ここが単なる「跡地」に過ぎないことが分かった。

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IMG_4825昨日(6/27ね)アメリカで同性婚が認められたね。おめでとう。
でも、僕は女のコが好き。
もっとやんわり彼らとはつき合いたいものです。

 

 

 

ヒッピーにまつわるグッズや服が売られた店やレコード店、
壁のペイントetc。

いや、僕や相棒が想像するヒッピーってのは
こういう場所にはいないのかもな。

 

 

近くのお店でアメリカンスピリットを買ってしまった。
あれ?おれ煙草止めなかったけ?

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本屋は好き♪

 

 

 

 

ひとまず面白そうな店に入ってみると
そこのオーナーはハワイ出身だった

何年も昔にハリケーン被害に遭った時に
日本へ一時避難するプログラムに参加したことがあるそうだ。

その時の日本での滞在はオーナーにとっては
忘れられない体験になったらしい。

相撲に興味を持ったのもそれがきっかけのようだ。
当時強かった曙や他の力士の名前を挙げて
色々と想い出話を訊かせてくれた。

僕はここで「ヒッピーお断り」と書かれた看板を10ドルで買った。
相棒からお願いされたデザインとは違うが、まぁ、仕方ないだろう。

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ヘイト・アシュベリーを端から端まで歩き、
時間を持て余した僕は街角でギターを構えた。
他にもここで何人かのバスカーを見た。

さすがヒッピームーブメント発祥の地。
路上演奏しても何も問題ない。

ヒッピー生誕の跡地で唄うことに意味があるような気がした。

僕が唄うのは旅の記憶。
旅の中で作った自分の曲だからこそ、
そこには僕が経験した旅が含まれている。

ポジションはよくはなかった。

ポロポロとレスポンスをいただき、
1時間半くらいで僕はやめた。アガリは8ドル。

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ま、そんなもんっす。

 

 

 

 

 

家に帰ると

テイラーの友達のリズがやって来ていた。

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簡単に自己紹介するが、
話した感じで第一印象というのが
「パッ!」と決まってしまうのは面白い話だ。

喋り方、声のトーン、表情から
『あぁ、この人はこんな感じだな』と
今まで僕が培った26年間分のデータから
ソイツの第一印象が割り出される。

静かなテイラーに比べると、ボーイッシュな感じのリズ。

 

 

 

「えっと…、どこから来たの?」

ひとまず僕は当たり障りのない質問をして沈黙を破った。

 

 

「デンバーよ」

「あぁ、デンバーね。おれも行ったよ。
ダウンタウンはファニーだったな。
ほらマリファナが合法化してるじゃん。
ホームレスとかけっこういたからさ」

「私はデンバー好きだけどね♪」

 

 

自分で一体何を話しているんだと思ったが、
喋ってしまった以上しかたない。

会話が弾むような予感はしなかった。

 

 

僕は煙草を口実に外に出た。

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外で煙草を吹かしているとジェイがやって来て
「今日はありがとうな。テントで寝てもらって」
とお礼を言った。

 

 

「いやいや、泊めてもらえるだけで大助かりだよ?
それにアフリカだっらこれが普通だし。
アフリカのゲストハウスにはシングルルームよりも安い
キャンプエリアがあってさ、
敷地内にテントを立てることができるんだ。
まず安全だし、安心だね♪」

「じゃあここはアフリカと一緒ってわけだな」

ジェイが笑って言った。

 

 

 

「なぁ、シミ、

“旅で得た一番のこと”ってなんだ?」

ちょっとだけ真面目な表情になってジェイが僕に訊く。

 

 

「”出会い”だよ。それは間違いないよ。
だって、おれが日本に居続けたらジェイには出会わなかったから。

前にも言ったけど

「人は自分の知らないことを知っている」。

これは自分の生き方を探す旅でもあるんだ。
だから人と話すことはおれにとってすごく重要なんだよ」

「そうかーーーー…。
いつか、まだずっと先のことかもしれないけど、
Worn Wearのツアーが日本で行われる日が来るかもしれない。
そうなったらおれは必ず日本に行く。
そうしたら一緒にツアーで日本を巡ることもできるかもしれない。
この繋がりは絶対に切らせちゃいけないよ」

そうジェイは言った。

 

 

そうだ。最初は僕は単なるパタゴニアの
ファンの一人に過ぎなかったのだ。

日本にいた頃、アウトドアなんてまるで興味のなかった僕を
相棒がNGOの学生スタッフにならないかと誘い、
そして僕をパタゴニアへ連れて行った。

徐々にパタゴニアの環境に対する取り組み、
コンセプトに惹かれて行った。
実際に店舗に足を運ぶとスタッフは実に楽しそうに働いていた。

 

 

旅に出てから一体自分の求めるライフスタイルは
どんなものなのかを探して行った。

まるで巡礼するかのように
世界各国のパタゴニアストアに遊びに行った。
シカゴで修理職人たちに出会った時は、どこか嬉しかった。

そしてその時に出会ったヤツが
今ここにこうして僕に眠る場所を提供してくれる。

それだけじゃない。我々は語らい、
また少し自分の世界が広がった。

 

 

 

「マジでありがとう。
ジェイに会えてよかったよ」

「おれもさ♪」

「シミ〜、ご飯食べる?」

テイラーが外に出て来て言う。

「いただきます♪」

 

 

 

 

少し話してみるとリズもいいヤツだった。

4ヶ月も前からサンフランシスコに来ると言っていたらしい。

マグカップに注がれたワインをちびちび飲みながら夜は深け、
僕はテントの中で眠った。

少しも寒くなかったのは
アルコールのおかげだけじゃないだろう。

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2 件のコメント

  • 「シミ君も日本に帰ったらパタゴニアストアで働きながら、漫画の製作をすればいいんじゃないですか。」

    人生最高の幸福は、富でも名誉でもありません、自分のしたい事を見つけ、取り組む事です。

    人はそれを「生きがい=天職」と呼んでいます。

    あなたの仕事が他人に奉仕する為の、絶好の機会である事を知りなさい。

    - ジョセフ・マーフィー -

    • >JOSANさん

      う〜〜ん。
      機会があればそれも面白いかもしれませんね。

      もちろん最初は漫画を描く以外に
      暮らして行くだけのお金を得るために
      仕事に就かなければいけないと思います。

      ただ、どうだろう?
      漫画以外にもやりたいことはあるので
      それも視野に入れた上で仕事をしたいですね♪
      自分はそこまでアウトドアに詳しくないので、
      パタゴニアのスタッフとなると少し違うかも。

      パタゴニアは僕の先生、もしくは友達のようなものだと
      思っています。

      むしろ自分なんかより、相棒にパタゴニアで働いて欲しいかな?
      それが昔の彼の夢だったから。

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