「とりあえずハウ・マッチ?だけ覚えとく」

世界一周726日目(6/25)

 

 

目をつけた

のは美術館の脇だった。

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テントを張る前に地面が濡れていないか確認した。

スプリンクラーの音は辺りから聞こえたが
ここまで水はとどかないようだった。
木がいい感じでバリケードの役割を果たしている。

これなら今日の夜もここで寝るのは全然ありだな。

僕はいい寝床を見つけた気になって、得したような気分になった。

 

 

 

ここはアメリカ、サンディエゴ

メキシコ出発は今日

 

 

 

 

 

 

じゃなくて明日!!!

 

 

僕にだって心の準備というものが必要だ。

昨日ウェルカムボードの絵を仕上げて、
それで今日突入だなんてあまりにも急過ぎる。

スペイン語だってほとんど知らないに等しいのだ。

唯一知っているスペイン語は
「シィー(はい)」と
「アシタマニャ~ナ(see you again!)」
くらいだ。

 

 

そう言えば、昔深夜番組で
あしたまにあ~な」という情報番組があったな。
当時は「これ何語だ?」って思っていたけど、

スペイン語の挨拶と「明日に間に合う(使える)情報」
ってのをかけていたんだろう。

 

 

 

 

 

 

もちろん最初に向かった先は
カフェ・ベーカリー「パネラ・ブレッド」。

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画像の使い回しをお許し下さい。神よ。

 

 

入店が7時過ぎということもあり、店内はかなり静かだった。
コーヒーのミドルサイズを注文してテーブル席についた。

 

「スペイン語 基礎」

などとキーワードを入れて検索をかけると、
沢山のサイトが表示された。

まず一番始めに知らなければいけないのは挨拶。
そして数の数え方。リスニングはあとでいい。

まずは喋ることが先決だ。

 

 

 

 

英語でもそうだったが、
値段を訊く回数は間違いなく多い

「クワント・クエスタ(Cuant Cuesta)」

と言うらしい。ふむふむ。

 

 

 

日本を出発する前に買った
「FIELD NOTE(フィールド・ノート)」という小さな手帳に
使えそうなスペイン語を書き込んでいった。

この「フィールド・ノート」にはいくつか種類がある。
僕が手に入れたのは「エクスペディション・モデル」という
耐水製の特別仕様のノートだった。
なんせ3セットで1200円近くするのだ。

一冊目はすぐに取り出せるように
サブバッグのボトルホルダーに入れていた。
いつの間にか落としてなくしてしまった。

二冊目、三冊目は特に書くことが思いつかず、
適当なメモで放置してた。

だが語学にはぴったしだということが分かった。

 

 

ノートの前の方には挨拶。
後ろの方には数や基本名詞とかだ。

ひさしぶりに語学を勉強する気がする。
新しい言葉を見つけるとどこかワクワクした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大学時代

僕が第二外国語として専攻したのは中国語だった

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中国の経済も伸びてきているし、
ビジネスをする時に役に立つだろう、と経営学部的な視点で
考えたのだ。

 

 

だが、勉強してみるとちっとも面白くなかった。

 

 

中国語はひとつの言葉に4つの異なる発音がある
これを「四声(しせい)」と呼ぶ。

第一声と第二声は区別が尽きやすいのだが、
3と4の違いが僕にはよく分からなかった。

っていうか、
中国に対してそこまで興味が湧かなかったってのもある。

 

 

 

大学の授業はひどく退屈なものだった。

40席ほどある小さな教室に生徒は15人程度。
そのうち10人が後ろの方に固まっている。

頭の禿げた偏屈な顔つきの小柄な教授は
学生たちに前に来るように言う。

誰一人として一番前に座るヤツはいなかった。
僕は仕方なしに一番前に座った。

その中国文学を研究しているらしい小柄の教授は
発音を強調していたが、歳のせいもありくぐもったように聞こえた。
もう三声も四声もわかったもんじゃねえよ!

 

 

 

講義が始まる前の暇な時間は
僕はペーパーバックを読んでいた。

そのとき読んでいたのは「オン・ザ・ロード」や
「グレート・ギャツビー」とか古い小説だったと思う。

英語の練習のためだ。
ほとんどわかってなかったけど(笑)。

ある時僕が
Catcher in the Rye(ライ麦畑でつかまえて)」を読んでいると、
その教授がやって来て「何を読んでいるのだ?」と訊ねた。

僕がタイトルを教えると

 

「サリンジャーは
ロクな作家じゃないな」

とそう言い放った。

 

 

 

こんな環境で
どうやって中国語を
好きになれと言うのだ?

 

 

勘違いしないで欲しいのは
僕は中国(語)が嫌いなわけじゃない。

ただ好きになれたなかっただけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大分

話がそれてしまったが、僕は今スペイン語を勉強している。

グアテマラの語学学校は安く行くことができると聞くが、
今の僕には授業費を出すだけのお金がない。
だから自分で勉強しようというのだ。

どこかのサイトでは

スペイン語は世界で一番簡単な言語

と位置づけられているらしい。

 

 

まず発音がそこまで重用視されないところがいい。

なんせスペイン語はスペインだけじゃなくて
南米でも公用語として話されているのだ。

確かに英語もグローバルな言語だが、
母国語として話す人口はスペイン語の方が多い気がする。
中国語は13億人以上話すけど..。

 

 

 

僕は思うのだが、

中学生の時の英語の学習内容というのは、
世界を旅するの必要最低限の内容
カバーしていると思う。

つまりあの時の要領でいいのだ。
スペイン語を完璧に話す必要はない。

 

 

三人称単数なんて今は無視だ!

一方通行のコミュニケーションでいいのだ!

喋って伝わればよし!

なんせ向こうはスペイン語のエキスパートだ。

 

 

以前ヤッケンさんがブログに書いていたが

「シブヤ・エキ・ドコ?」
なんてメキシコ人に訊ねられても
僕たちは彼らの意図することを瞬時に理解することができる。
逆もしかり。

だから僕は知らないことがあることに対して
なんら不安はなかった。

ミニマムでいいのだ。
あとはボディーランゲージや筆談でどうにかなる!

 

 

もちろんスペイン語の勉強の他に
日記を書いたり、ブログのアップもして時間を過ごした。

☞「スペイン語なら!0から始めるスペイン語
ってサイトが好き♪ 

 

 

 

 

 

15時になると
僕は最後のバスキングへとでかけた。

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昨日と同じ場所でギターを構えて気持ちよく歌った。

レスポンスは昨日に比べると薄かったものの、
最後のシメとして気持ちよく歌えたのでよし!自己満足です。

アガリは16ドル。

 

 

ショッピングモールにあるATMで200ドルおろしておいた。
手持ち600ドルは欲しいかな?緊急用としてね。

 

 

 

再び「パネラ・ブレッド」に戻って
コーヒーを注文しようとした。

大柄の黒人のお兄さんが暇過ぎたのだろう、
カウンターの向こうでダンスをしていた。

僕が軽く真似をすると
「いいダンスだろ?」とニコニコしながら言った。

コーヒーを入れるタンクにはほとんどコーヒーが
残っていなかったようで、お兄さんはコーヒー代をタダにしてくれた。

 

 

アメリカ特有のユーモアやコメディのセンス。フランクさは好きだ。
人との距離が近い。あの他人とも気軽に喋れる心のオープンさ。
日本人ももう少し心がオープンでもいいんじゃないかなと
思ったりもするわけだ。まぁ、国ごとに違いますけどね。

 

 

僕は今朝と同じテーブル席についた。

するとおばさんが声をかけきて
「さっきそこで歌ってたでしょ?」と2ドルを僕にくれた。
ありがとうございます♪

そこから21時まで同じようにスペイン語を勉強していた。

相変らずCARAVANの「アイトウレイ」をリピート再生して
テンションを挙げている。

 

 

 

さっきのお兄さんがトレイを片手に客たち
売れ残りのクッキーを配って歩いた。

いやぁ、マジで最高だよ。

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あとがとやした!

 

 

 

 

 

 

ふと、

「自分がメキシコを旅している姿」

を思い浮かべる。

 

 

体がゾワゾワしてくる。
そこにはまた新しい世界と冒険が待っているのが想像できる。

 

 

誰かは言う。「メキシコは危ない」と。

別の誰かは言う。「メキシコは最高だったね!」と。

 

 

経験則から言うと、僕は後者を信じる。

いくら治安が先進国より悪くなったとしても、
そこには生身の人間が暮らしているのであり、人は人だからだ。
ピープル・イズ・ピープル。

ネットで何でも知った様な気になってしまうが
自分の目で見なければ分からないことの方が多い。

 

 

 

寝る前にまたマクドナルドで時間をつぶし、
昨日と同じ場所にテントを張った。

これで野宿も終わりだ。

 

 

 

 

明日僕はメキシコへ行く。

また新しい旅が始まるのだ。

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