「旅がうまくいかないと少し落ち込む」

世界一周729日目(6/28)

 

 

ここを発とうか迷っていた。

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タコス..。

 

 

 

予定していたよりも起きるのが二、三時間遅れてただけで
モチベーションは下がる。

 

 

『もう今日はダルい..。
日記も書きたまってることだし、
ここにもう一泊してもいいんじゃないか?』

 

そう思った。

 

 

 

だが、26年も生きていると、
そうして場合後々どうなるか自分でも分かっていた。

もし仮に滞在を延ばしたとして、
観光熱心でもない僕はその日は特にやることがないだろう。
一日中宿でグダグダしてしまう。

何かすると言ってもバスキング(路上演奏)くらい。
漫画は書くとしても、一日を無駄にしてしまった感じがして、

結局は
『なんで出発しなかったんだ?』と
自己嫌悪に陥るに決まっている。

 

 

 

ここはメキシコ、エンセナダ

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ワーゲンの「ビートル」みたいなデザインの車が多い。

 

 

 

 

 

 

昨日夜遅くまで起きていたこともあり、起きるのは遅かった。

10時前に宿をチェックアウトした。
宿のおっちゃんにバスターミナルの場所を訊いてそこまで向かった。

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バスターミナルに到着すると僕はカウンターで

「キエロ・イル・メヒカリ(メヒカリに行きたいです)
「クワント・クエスタ?(いくらですか?)

と言ってチケットを売ってもらった。
片言のスペイン語でも向こうにちゃんと伝わった。

 

 

ポイントは少し鈍ったように言うことだ

『あぁ、コイツ外国人でスペイン語も喋れないんだな』

って思われること間違いなし!
いつもより丁寧に対応してくれるだろう!

ちなみに僕は神奈川県出身なので
方言というものがない。

だからこそ方言が会話の中に混ざる女のコに萌えられるのさ!!

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はい。それだけですよ?ちなみにロリではない。

 

 

片言のスペイン語で一方通行のコミュニケーションが
とることは可能だ。

だが問題なのは

返ってきた答えが
理解できないということだ。

 
バスの料金はパソコンの入力画面を見せてもらった。

リスニング能力ゼロだとこんな感じだ。

メヒカリまで425ペソ(3,286yen)。
メヒカリはここから300kmほどの距離にある。

思っていた以上にバス代が高い。

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バスは11時にエンセナダを出発した。
ここでも長距離バスは快適なバスだった。

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ひとまずメキシコ・シティを目指そうと思う

普通にバスに乗ったとしたら交通費は1万円以上するだろう。
そのまま直接行くのではなく、面白そうな町にいくつか寄ってみたい。

どこまでそれが可能になるだろう?
あ~~、メキシコやっぱ高ぇなぁ。

ここがヒッチハイクも野宿もしやすいアメリカとは
違う国なのだと考えると少し気が重くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間ほど

バスに揺られ、メヒカリに到着した。

ここも国境の町だ。

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バスターミナルから出るとむわっとした熱気に包まれた。
日差しがジリジリと地面を照りつけ、アスファルトが熱を帯びている。

どこへ向かうかも分からない。ここに何があるのかも。

エンセナダはバハ・カリフォルニアに位置し、
ここメヒカリはメキシコ本土へと向かう入り口のような位置づけだ。

だから僕はここを中継地点に選んだのだ。
これと言ってここで何か見たいものがあるかというとそうじゃない。

 

 

 

マップアプリで宿が集まりそうな場所に検討をつけて僕は歩き出した。
歩き出すとすぐに汗をかいた。

メヒカリの町は日曜日ということもあり
どこもシャッターが降りていた。

 

 

暇そうに木陰に立っているおっちゃんが
「どうしたんだ?」とそれらしいことを尋ねてくる。
片言のスペイン語で「宿を探しているのだ」と伝える。

 

 

「それならここは安いぞ」

そう言って僕を二階建ての建物の屋上へと連れて行った。

 

 

そこはとてもじゃないが宿とは言えないような場所だった。
ホームレスが寝床にするような場所で、
資材なんかが置き去りにされた工事現場のようにも見えた。

 

 

「それでいくらなの?」

「150ペソだ(1,179yen)だ」

 

 

トイレらしいものは見当たらなかった。
シャワーは水さえでるかも分からない。
そもそもここが宿なのかもわからなかった。

僕は「考えさせて」といって、宿探しに戻った。

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宿はある程度近くにかたまっていた。

エンセナダでも見かけた「モーテル」がここにもある。

だが、値段はエンセナダのものよりも高かった。

「安い宿を探してるんです。
できたら100ペソそこらの」と言っても、

返ってくるのは
「ここら辺にそんな安い宿はないよ」という答えだった。

やはりメキシコの宿はどこもこんな値段なのだろうか?

 

 

 

もう旅の資金も残り少ない。

メキシコで一気にお金が減ってしまう気がした。
南米なんて行けないんじゃないだろうか?

一通り近くの宿を当たってみたが、
泊まれそうな宿はひとつもなかった。

 

 

 

日陰にバックパックを降ろして一休みをする。

 

 

『おれは一体
こんなところで
何をやっているんだ?』

 

 

町にはほとんど人はいない。
仕事のない暇そうなおっちゃんたちも日陰でのびていた。

メヒカリの町が僕にはつまらないものに思えた。
ここが中心地じゃないと言うのももちろんあるだろう。
だが日曜日のセントロ(中心地)も
活気がないことはなんとなく予想できた。

 

 

ここに滞在するのか?何のために?

 

 

 

 

僕はバスで次の町に行くことを決めた。

バスチケットを払うためにATMでまたお金を
2000ペソ(15,725yen)おろした。

アメリカでも既に400ドル分おろしている。
それに加えて一昨日2000ペソもおろしている。

この調子じゃまたすぐに引き下ろし限度額に達してしまうだろう。
そうしたらまたスカイプで電話しなきゃな。

僕はそう思った。

 

 

 

 

 

バスターミナルへ戻る途中でバスから降りて来た
集金係のようなおっちゃんに
「どこへ行くんだ?」と声をかけられた。

ひとまずプエルト・ピニャースコという300kmほど離れた町まで
行こうと思った。

だが、話しがうまく伝わらない。

 

 

おっちゃんは「メヒコ!メヒコ!」と行き先を告げる。

 

 

メヒコってどこだ?
聞いたことあるけど。

 

 

マップアプリを見せると、
メキシコ・シティーを指差して「メヒコ」と言う。

その時僕は分かったのだ。

「メヒコ」とは「MEXICO」のことなのだと。

 

 

 

値段は1600ペソ(12,574yen)。
手持ちでギリギリ支払える値段だった。

ちなみにプエルト・ピニャースコまでは500ペソ(3,929yen)。
あれ?300kmだろ?高くねえか?

こういう時はちゃんと値段を確認した方がいい。

おっちゃんには謝ってバスを見送った。

 

 

 

バスターミナルまで行き、値段を確認してみるとどうだろう?

ピニャースコ(現地の人は頭の地名は省くようだ)までの値段は
325(2,554yen)だった。さっきのはボラれていたのだ。

あぁ、またそういう世界を旅しなくちゃいけないのか。
ラッキーだったな。気をつけないとな。

一気に疲れた気になった。

1時45分発のバスチケットを僕は買った。
ターミナルは24時間開いているらしい。

それが救いだった。

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冷房って…なんたる恵みなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

バスが

出るまでは、僕はコンビニで時間をつぶした。

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日本とメキシコのコンビニはほんとうによく似ている。

だが異なる点もいくつかある。

アメリカでもそうだったがコーヒーが飲めたりするし、
メキシコのコンビニにはテーブル席があるのだ。
買ったばかりのものをそこで食べることもできる。

 

 

冷房の効く店内で、僕はテーブル席に着くと
ノートに絵を描いて時間を過ごした。

バックパックごと入店した僕をコンビニのおばちゃんたちは
邪見にするどころか温かく接してくれた。

22時の閉店まで作業させてもらい、
「グラシャス」とお礼を言ってコンビニを後にした。

メキシコのコンビニすげーよ。

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バスターミナルでもやることは同じだった。

パソコンを広げてテーブル席で日記を書いた。

23時に前のテーブル席に座っていたおっちゃん二人が
僕に声をかけてきた。

スペイン語は分からないが、
「席を外すので荷物を見ていて欲しい」
ということは理解できた。

「シィ~!シィ~!」と言い、手でオッケーサインを作った。

おっちゃんたちはテーブル席に荷物を残してどこかへ行ってしまった。

 

 

僕はコーヒー無性に飲みたかった。
眠たくて文章が全く書けなかった。

コーヒーはコンビニの1.5倍くらいの値段で売られている。
それでいて量もコンビニの物に比べれると少なかった。

睡魔と食欲に抗いながらウダウダと時間を過ごしていると、
さっきのおっちゃんたちが帰ってきた。
どうやらコンビニに行ってきたようだ。
手にはスナック菓子とコーヒーがある。

そのうち一つのコーヒーをおっちゃは僕にくれた。
僕があくびをしているのを見ていた。

いや、でも、なんで分かったのさ?

 

 

 

 

その些細なやさしさが嬉しかった。

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自分の思い描く旅ができないと少し落ち込む。

一日がうまく使えない気がするし、
時には自分がなんでここにいるのかさえ分からなくなる時がある。

それでも些細なこと、こんなちっぽけなことで
僕は幸せな気持ちになることができるのだ。

 

 

「ム~チョ・グラシャス。あざっす!」

感謝の気持ちを表そうと、手を合わせて頭を軽く下げた。
おっちゃんたちはニヤニヤしながら僕のジェスチャーを真似する。

キーボードを叩くスピードが上がった。

 

 

 

おっと、もうこんな時間だ。バスに乗らなくちゃ。

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4 件のコメント

  • 此の道を行けばどうなるのかと危ぶむなかれ
    危ぶめば道はなし
    ふみ出せばその一足が道となる
     
    その一足が道である
    わからなくても歩いて行け 
    行けばわかるよ

    良寛

    青年よ自分の信じる道を突き進め!

    • >hisyさん

      え?ミスチル?
      この言葉を聞いた時に思い浮かべるのは
      Mr.Childrenなのです。

      なんの曲だったっけなぁ?ベストアルバムだっけ?
      間奏でイノキの演説が入る曲があるんですよ。

      え?良寛??
      今調べたら一体誰が作者なのかこんがらがりました。
      いや、いい詩だ!!!

      とりあえずキーボード叩いてます。
      ぜってー日本に帰った時に

      『あぁ〜〜、ブログ書いててよかったぁ〜〜..』
      ってなる日が来るはず。
      僕はそう信じています。アフィリエイトとか
      全くしてませんけどねー。

      だから宿に引きこもってても許してちょんまげ♪

  • やった事は、例え失敗しても、20年後には、笑い話にできる。

    しかし、やらなかった事は、20年後には、後悔するだけだ。

    - マーク・トウェイン -

    • >JOSANさん

      そうですね。そういう心の強さって大事ですよね。
      とりあえずやるしかない。
      やるしかないのです。

      失敗を恐れるのは傷つきたくないから。
      ダメだったら修正。再チャレンジ。

      人間100%クリーンなヤツなんていないし、
      体の中にはバクテリアや細菌だっている。
      そもそも誰からも傷つけられないまっさらな状態でいよう
      とするのがおかしな話。

      おれは何を言っているのでしょう?
      まぁ、やるしかねえんだなってことです。

      只今宿で日記書いてます(笑)。

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