「本日最高の一枚」

世界一周811日目(9/18)

 

 

いつくらいからだったろう?

朝起きてもあまり腹を減らさなくなったのは。

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メキシコシティにいた時は無料の朝食だったので無理矢理食べた。
食い意地が張っているのだ。ボカァ。

どういうわけだか7時には目が覚めた。
昨日と同じ朝食が今日も食べられるのが分かると自然に目覚めるってもんだ。

昨日と同じように全てをプレートによそってお腹いっぱいに食べた。
マーガリンは胃にねっとりこびりつくようなやすっぽい味だったが、
バックパッカーはそんなことに構ってられない。
喰える時には喰っておくのだ!

 

 

ここはコスタリカ、只今サン・ホセ滞在3日目

 

 

 

 

 

昨日と同じように午前中は漫画の製作に時間を充てた。
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ス、スイマセン!もっと似るように描きますぅぅぅ!

 

 

世界新聞」に寄稿する8作目の漫画を完成させて、
今日は早めに宿を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり

「路上似顔絵」のパフォーマンスのウケはいい。

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描けば描くほどレベルは上がるコ。ミュニケーションの機会も増える。

昨日似顔絵をリクエストしてきた男の子たちが勝手に
「1000(コロン)」の紙を貼付けてしまったが、
値段が表示されていた方がリクエストしやすいみたいだ。
それに一人あたり2ドル相当である1000コロンだったら
顧客単価は高い。

 

 

昨日と同じ歩行者道は昼前から賑わっていた。

その通りで本屋を見つけた。品揃えも豊富で
僕の好きなドイツ製のペン、ステッドラーも置いてあるくらいだった。
店員のサービスもしっかりしており、
スケッチブックを探しているのだと言うと
すぐにその場所まで連れて行ってくれた。
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いつものように厚めの質のいいスケッチブックを探したのだが、
なんと10ドルもするじゃあないカ…。

おいおい..、カナダとか買っても4ドルそこらだぜ?
これじゃあいくらなでも赤字になちゃうよ。

手の届く値段のスケッチブックは50枚入りだった。
紙も薄めで裏写りしてしまいそうなヤツ。

迷った末に安物の50枚入りを買うことにした。
ガンガン描いて出会いと経験値を積むもう。
値段に見合った絵を描く!よっしゃ!それで行こう!

 

 

昨日バイオリン弾きのバスカーが演奏していた近くで
場所で僕はギターを構えた。
たぶんここが一番ベストなポジションに違いない。

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しばらくするとそのバイオリン弾きがやって来たが、
『やれやれ早いもの勝ちだものね』と言った顔でニッコリ笑って
別の場所に行ってしまった。
まぁ、彼も昨日はアホみたいに稼いでたし、おあいこってことで。

 

 

開始早々似顔絵のリクエストも入り今日のバスキングも順調かと思われた。

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ガキんちょは全体像の方が喜ばれる。

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この人すぐにどっか行っちゃったんだよね。残念。

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この子いい感じで描けたなぁ。てかいい髪型してた。

 

 

 

だが雲行きはどんどん怪しくなり、
パラパラと雨が降ってきた。

軒下に非難したて三組くらいの似顔絵も
描くことができたのだがーーー…

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ナイスカップル!

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こっちでやってるアニメっぽくね。

 

 

 

 

それからはさっぱりだった。

どういうわけだか本屋はスピーカーを入り口に設置して
音楽を爆音で垂れ流す。

これじゃあギターは弾けないと昨日と同じ場所に僕は移動した。

 

 

雨が強くなってくると、あれだけいた人通りもまばらになってくる。
ギターも歌も届いているんだか分からない。

路上の物売りたちも僕と同じ軒下にやって来て、
同じフレーズをひたすら喚き立てる。

 

 

この路上販売者たちだが、観察していると、
どうやら彼らは違法でここでDVDやら
スマートフォンのバッテリーだかを売っているようなのだ。

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傘も売ってます。

 

 

どう察知しているのかは分からないが
警察が来る直前に撤収する技術を持っている。
ちなみに路上演奏は何も言われないのだから不思議だ。

路上販売の彼らは僕というよそ者に対しては
どちらかと言えばフレンドリーで、目が合うと
「おう!今日も頑張ろうぜ!」みたいな声をかけてくれる。

だが、こう間近で声を張り上げられては妨害しているとしか思えない。
ババァ..おばちゃんにいたっては悪意さえ感じる。

 

 

場所を移ってからは一枚しか似顔絵が描けなかった。
ギターのレスポンスはボチボチ。

初日よりは稼げたと思うけど、昨日には到底及ばない。

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はぁ…。

 

 

 

気分もノらなくなっていたので引き上げようとすると、
お向かいのLEEのショップの店員から声がかかった。

手招きされて店内に入る。
なんだ?メシでも奢ってくれるのか?
なんてよだれを垂らしながら。

 

 

 

「お前ハポネスなのか?」

「あぁそうだよ」

「さっきあそこで唄ってたな」

 

 

店内にはBGMがかかっていた。

外から入ってくる音も限られているので僕のギターの音は
ここまでは届いていなかったみたいだ。

 

 

「それで、似顔絵描くんだろ?描いてくれよ?」

「お!いいよ!喜んで!で誰を描けばいいの?」

「おれたち四人さ!」

「えーーー..??」

 

 

少しガッカリしたが、
リクエストをもらえたのはありがたいことだった。
買ったばかりのスケッチブックの使い方にも少し馴れてきたところだ。

店内でカウンターがあり安定した線が引けた。
ソッコーで下描きを終らせてペンをサカサカ走らせた。

使うペンは実に種類豊富だ。
太いものから擦れたものまで使い分ける。
擦れたペンっていい味が出るんだよ。

 

 

最近路上で似顔絵を描くようになって、
「顔」というパーツに対する線の選び方が瞬時にできるようになった。
大抵は優しい顔で描くので、つられて自分の口角も上がる。

店員四人はまるで伊坂幸太郎の小説にでも出てきそうな悪役面だった。

15分くらいで絵を完成させた。
「だっはっは~~~!これお前だってよ!」と仲間同士で笑い合っている。
一枚で2000コロンいただけた♪ざっす!

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「それでコイツも描いてやってくれないかな?」

そう言って頼まれたのは店員の奥さんだった。一緒の店で働いているらしい。
すぐにその膨らんだお腹に目が向いた。
『そろそろ生まれるのかな?』僕はそう思った。

 

 

学生時代、僕がスタッフをやってきたNGOの先輩が
今月中に出産を迎えるのを思い出した。

大きく膨らんだお腹に手を添えるモノクロの写真は、
どこか胸を揺さぶるものがあった。

 

 

シルエットから描き始める。
覗き込んだスタッフが「コイツ!お腹まで描いてるよ!」
と笑っているが僕は本気だ。
この絵を見た時に当時の自分を振り返ることができる。
言ってしまえばこの絵は今この瞬間を閉じ込めているのだ。

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ちょっと照れながらも奥さんは絵を受け取ってくれた。
妊娠6ヶ月ということで左上のスペースには「6 months」の文字。
今日で一番の絵が描けた気がした。

いつものように写真をもらって店を後にした。
さっきの一枚が今日の総清算だね。

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なんかいい!

 

 

 

 

今日の晩ご飯も昨日と同じでジャガイモとトマトのスープだ。

宿のスタッフが余ったまかないの炊いた米を僕にくれた。
米にはコンソメの味がついており、スープと相性バツグンだった。

 

今日のアガリは21335コロン。4千792円
宿代を支払って黒字は3千494円

 

 

 

まーー、考えてみたらメキシコよりも全然稼いでるんだなぁ。

それでもやっぱり黒字にするのは難しいと思う。

二年旅してきてあまり黒字を意識したことはなかったけど、
宿代を払うと手元に残るのってほんと微々たるもんなんだなぁ。

ヤッケン兄さんすげえなー。

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2 件のコメント

    • >あっきーさん

      そう言っていただけると
      あの絵を描いてよかったなって思えます!
      一生の宝物になってくれると嬉しいんですけどね。

      もっといいものが描けるように精進します!うっす!

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