「こういう時に飲むビールは最高だ」

▷1月7日/ニュージーランド、クライストチャーチ〜カイコウラ

 

 

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夜中にワクワクすることを考え出すと眠れなくなってしまった。

日本に帰ったらどう動こうか、自分にできる可能性を考え出すと三時間ほどしか眠れなかった。

いや、昨日は風が強くってさ、テントのフライが吹き飛ばされて夜中の三時に目が覚めたんだよ。それで、ぼんやりとテントのメッシュ越しに夜空を見上げて考えごとをしていたら、再び眠りにつくことなんてできなくなちゃったってわけ。

 

 

最近、自分の漫画家としての視野が広がった気がする。

どこかの雑誌に所属する漫画家とは違う、僕はフリーの漫画家なのだ。そりゃ仕事は自分で作ってかなきゃいけないんだけど、それはある意味なんだってできるってことだ。「旅漫画」を描くことは僕の目標だけど、それに縛られる必要はないのだ。

何かを作り、それを発信していくこと。ワクワクするような人間になること。どんどん動きやすい時代になっている。これは追い風だ。やれることはなんだってやってやる。その先に僕や相棒や仲間たちの未来はある。僕はそう信じている。

 

 

 

 

 

太陽が昇り出した5時過ぎにテントを片付けてバスターミナルまで向かった。

4.5ドルもする高いコーヒーを買って席に着くとiPadminiを横向きにして小さいキーボードを叩いて日記を書いた。iPadを買った当時は後悔したけど、今はあの時感じた直感に従って正解だったなと思う。え?言ってることが二転三転してる?いいのいいの。今がハッピーなら。

 

 

今ハマっているのは画像系のアプリだ

“Pintarest”っていうアート系の画像を拾えるアプリなんだけど、自分の知らない写真やイラストにガンガン出会えるのだ。以前はiPhoneで使っていたのだが、画面の小ささにすぐに飽きてしまった。だがiPad mini2はRetinaモデルでめちゃくちゃ画面が綺麗なのだ。

自分の知らないことを吸収することが成長につながる。何をいまさらと思うが、まだまだこれから絵が描けるとなると、楽しくてしょうがない。絵なんて下手でいいのだ。大事なのは自分のレベルに失望するのではなく、さらに先に進むことだ。

 

 

 

 

8時時になると、そのままバスに乗りベルファストという町外れまで向かった。

これからまた港のあるピクトンに向け戻っていくわけだけれど、今日の目的地はカイコウラという海沿いの町。以前ヒッチハイクで車に乗せてくれたヨーゼフというドイツ人がオススメしてくれたのだ。

 

バスを降りるとヒッチハイクができそうな場所まで少し歩いた。カードボードにーに「Kaikoura」と書くと僕は親指を立てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はなかなか車が止まらなかった。

レスポンスもあまりいいようには感じない。本来ならばこれが普通だったのだ。車は向こうから絶え間なくやってくる。そしてそのまま僕を通り過ぎていく。一台中指を立ててきたやつがいた。僕は思わず苦笑した。

それでも一時間後には車が止まってくれた。目的地は20キロくらいさきだったが、僕はありがたく車に乗せていただくことにした。

 

 

ドライバーのポールさんは随分と年季の入ったトヨタのセダンを運転していた。ゆっくりと落ち着いた喋り方をする人で、僕もポールさんに合わせて喋った。家族でワインに使うブドウ畑を所有しているそうで、家には故障しているものも含めてなんと6台も車があるらしい。いやいや、持ちすぎでしょう。

会話の中でニュージーランド人とオーストラリア人を比較することがあったが、ポールさんはオーストラリア人のことを「ラフな人たちだよ」と評価していた。この二国間はどういう関係なのだろうか?仲わるいのかな?

ポールさんは僕をヒッチハイクに適した場所で降ろしてくれた。ハイウェイは一旦町の中を通るので、車のスピードは十分すぎるくらいにゆっくりとしていた。

 

 

僕は近くのガソリンスタンドで、ここまで来られたとを労うために、お気に入りの”Cookie time”を買った。いや、あれ、マジで美味いんだよ!それにいつだって僕は自分にご褒美を与えるんだ笑。

そして再びヒッチハイクを始めたわけだが、今2台目の車はわずか15分で止まってくれた。

 

 

ドライバーのアレンさんは、車に乗せてくれたわりにはそこまでフレンドリーではなかったような印象だ。ワゴン車にキャンプ用品がたくさん積まれていた。クイーンズタウンでキャンプをしてきたそうだ。

だが、話していくと面白いもので、無駄なものは極力買わないシンプルライフを送るが、スピーカーには金を使うとか、Macよりウンドウズ派だとか、奥さんはドイツ語を喋るスイス人で現在別居中だとか、まぁ不思議と会話は途切れなかった。

今日もまたスムーズに目的地に到着することができた。時刻は14時。海沿いの町カイコウラに僕はやってきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

カイコウラは確かに綺麗な町で観光客で賑わい海はエメラルド色で綺麗だった。

だがあまりにも小さすぎた。バスキングをするにはいまひとつ何かが欠けていた。

 

 

僕はバックパックを背負ったまま通りを往復し、何をしたかと思えば、リッチなアイスクリームを買って、新しい靴下を買ったくらいだ。

小さな町というのはやることが少なすぎて時間をうまく使えずに疲れてしまうことがある。無理にバスキングをしてもレスポンスの少なさに精神的に疲れてしまうこともある。こういう時はどこか居心地のいいカフェにでも入って絵でも描いた方がいい。

 

望んでいた海を見ながらコーヒーの飲める店というのはなかったが、感じのいいカフェを見つけることができた。マグカップになみなみとコーヒーが注がれ、Wi-Fiもコンセントもある。

そんな居心地のいいカフェだったが、閉まるのが早かった。17時には僕は店を出なければならなかった。

 

 

そのままサブウェイに行くのかと思いきや、一軒の家の前で僕は呼び止められた。そこには観光客みたいな二人のドイツ人と、ニコニコしたマオリ
ぽい人がいた。

 

 

「どうしたんだ?どこ行くんだい?」

「どこって、サブウェー、」

「まぁまぁ、こっちきなさんな。スモークサーモン食うか?」

「い、いただけるんなら…」

 

 

その時はほんとうに唐突なシュチュエーションだった。外にはケータリングの車があって、そこではホットドッグやピザが食べられるみたいだった。

先客のドイツ人、アンディとアンドリアルは(兄弟みたいな名前だな)つい先ほど同じように呼び止められて、今ここにいるという。すっげーフレンドリーなヤツで僕に巻きタバコを勧めてくれた。僕もお返しに彼ら三人に似顔絵をプレゼントした。

 

今日一日中、ヒッチハイクも成功し、ゆるやかに一日を終えるのかと思っていたが、まさかこんな出会いがあるなんて。だから旅は楽しいんだ。自分の知らない人にガンガン出会えるから。

 

 

話していると店主のトウェインは僕たちに夕飯をご馳走してくれることになった。さらにはドイツ人二人は明日僕を次の目的地まで車に乗せてってくれるっていうし、キャンプサイトに泊まるお金も出してくれた。うはーーー、なんだなんだこの流れ。

それじゃあ今日は酒でも飲もうぜということになり、僕は浮いた分のお金で12本入りの瓶ビールを買った。こういう輪と流れって大事やん?

適度によっぱらって、新鮮な野菜と獲れたての牡蠣を使った料理。つまみにポテトチップスとチョコレート。マジで最高じゃあないか。アンディもアンドリアルも同じことを言っていた。

面白いのが、夕飯に招待してくれたトウェインたちはビールは飲まず自前のワインを飲んでいた。余ったビールはドイツ人二人に献上されることになった。「ドイツ人はビールが好き」というステレオタイプがここで守られた。

いい簡易によっぱらったのでシャワーは明日にするよ。

 

 

 

「あ〜、今日も最高だった」

 

インドで会ったマッサージ師のお姉さんの一言を僕は真似して口に出した。


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