「何かに試されている。そんな気がした」

2月18日/オーストラリア、パース

 

 

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ついにテントのポールが折れてしまった。

っていうかこれで何度目だろう。どこがポッキリいくか分かっているので、ちょっとヒビが入ってきたらすぐにガムテープで補強するんだけれど、とうとう持ちこたえられなかったということだろう。たぶん3本目くらいのポール(の一部分)今までお勤めご苦労様。

 

 

午前中の僕の過ごし方はここ一週間と同様だ。

日記に書くまでもないだろう。図書館でしっかりWi-Fiタイムを取ると、僕は例の通路でバスキングを始めた。

昨日のインド人セキュリティはルークたちが口をきいてくれたので僕のことを見逃してくれる側に回った。

だが今日はとうとうショッピングモールの最高責任者が出てきて、やんわりと「ここでバスキングはやらないでくれよ」と注意を受けてしまった。

 

 

僕がここまでショッピングモール二階の通路に固執するのは、確かにレスポンスが得やすいというのもあるが、

2日前にオーダーメイド漫画の依頼をくれた女のコと会うためだ

マレーストリートでバスキングをやってれいれば会えるとは思うが…

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アダムからの別件。

 

 

 

 

注意を受けてしまった以上僕は場所を移動しなければならなかった。

マレーストリートではいつもへばりついくようにポートレイトを描いているバスカーの男の子の姿もなかったので、割りとバスキングはやりやすい状況だった。

 

そこでWHALES AVEのヨウスケさんとビュンヒーがライブをやっていた

僕は彼らのライブに遭遇する度に2〜3ドルのチップという名のお賽銭をケースに入れている。なにか後利益ありますように。なむなむ!って感じだ。『今日もお互い良いパフォーマンスをしましょう』というエールみたい意味もある。

 

30分のライブが終わり、僕は二人にお疲れさまと声をかけた。

二人はもちろん僕が似顔絵と漫画のバスキングをやるのを知っている。

ヨウスケさんは僕のバスキング風景を見て「おおっ!すげえ」と言ってはくれたが、僕はそんなの日本人特有のお世辞みたいなものだと思っていた。

 

 

 

二人からの依頼は唐突に舞い込んだ。

 

 

「こんどおれたちの新しいホームページを作るんだけど、シミくんよかったらホームページで使うイラスト描いてくれないか?」

「や、やります!やらせてください!」

 

 

 

僕は即答で答えた。

好きなアーティストコラボレーションできるだなんて!おいおい!これだよ!kprを待ってたんだ!

WHALES AVEが路上で販売しているCDのジャケットには、友達がデザインしたという鯨の姿が描かれている。その絵はデジタルで描かれたもので、クオリティも高かった。

プレッシャーもあった。それに負けないくらいのイラストを描けるのか。出国までの限られた時間で…⁈

 

 

でもやるっきゃない!

 

 

なんと今日は打ち合わせということで、彼らのシェアハウスに僕も泊まれることになった。お、、おおーーっ!

18時前に集合することを決めて僕たちはそれぞれのバスキングへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、セキュリティのアダムとルークが別の漫画の依頼をくれた。

アダムはまた子供と妻(それと彼自身)が出てくる話を持ってきた。ルークはロンドンに住む甥っ子がスパイダーマンに返信する話を僕に持ってきた。

今回はいい紙を使っているので20ドルになります♪むふふふふ。

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できあがった漫画を見てどちらも喜んでくれた。

今まではフリーハンドで枠線を引いていたのだけれど、今回からしっかり定規で線を引くようになった。確かにちょっとだけ手間だけど、ビシッとした線は漫画を引き立てる。

 

 

ルークがふと僕に提案をしてきた。

「シミのインスタグラム(indianlion45)見たよ。あのヌーサのウォールペイントはクールだったね!どうだい?うちの壁に絵を描いてくれないか?」

 

 

面白い依頼が舞い込んだ。一瞬頭に「めんどくさい」という言葉が浮かぶ。

明日は金曜日だし、連休は稼げるはずだ。それにさっきWHALES AVEからの依頼を受けたばかりじゃないか!いや、イラストに一週間もかけちゃダメなんだ。打ち合わせも含めて三日でいける!その前にウォールペイントを二日で仕上げれば完璧!こりゃあバスキングなんてやってらんないぞ!

 

 

今までの経験から分かっている。

これは依頼を受けるべきだ。

僕に選り好みしている余裕なんてな!今はワクワクする方に突っ込んでいくだけ!僕は「イエス」と返答をした。

 

 

 

「それでいくら払えばいい?」

ルークはそう尋ねた。

前回メルボルンで描いたホワイトボードの上に描いた漫画の経験が僕にはある。今は最後に描いたコマと同じクオリティのものが描ける。あれは200ドルで売ったと思ってる。だが、今回は違う。僕は少し高めの値段を言ってみることにした。

「そうですね。前回の土曜日だけで200ドルは稼げたので、週末作業するってことも考えて350ドルでどうですか?」

一瞬ルークの顔が固まる。

 

 

「それは道具代も含まれるのかい?」

「もちろん!」

 

 

これで依頼は成立した!作業は明日、ルークの仕事終わりに彼の家まで車で連れて行ってもらい、彼の家で打ち合わせをする。ホームステイとメシつきだぁああああ!

 

 

何かに試されている気がした。

今の僕はただやるしかないのだ。上手くいかなかったり失敗した時のことなんて考えて予防線なんて張って何になる?トライアンドエラー。上手くいかなかったら修正!とりあえずやれ!

 

 

 

 

 

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18時にユンも交えて近くのパーキングエリアに止めてある車でシェアハウスへ向かった。彼らはマレーストリートにバスキングをしにわざわざやって来るのだ。それも10ドル以上もする駐車代を払って!

ヨウスケさんとビョンヒー、それにユンは「タキさん」という日本人の方の家に住まわせてもらっているらしい。タキさんはオーストラリアの永住権を持っておるのだとか。

 

 

タキさんの家はシティーセンターから車で30分ほど離れた場所にあった。

タキさんに軽く挨拶をすると、僕たちはすぐにイラストの打ち合わせを始めた。

ホームページは既にできあがっており、あとはサイトをカスタマイズするだけだった。僕が使っているWordPressというソフトもあれこれいじれるブログソフトだ。まぁ僕のサイトはほぼほぼデフォルトなんですけど。

夕飯はキムチ鍋だったのが、らしいっちゃらしかった。

同じ釜(鍋)のメシを喰うとはまさにこのこと。なんだかアーティストとの距離が近くなった、そんな気がした。

 

余談だけど、僕は遅くまでノートに案をまとめていたせいでシャワーを浴びるのを忘れた。

あれ?ホームステイの意味は…?

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