「世界は思っているほど広くない」

3月14日/台湾、台北

 

 

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今日を含めて出国まであと五日。

ここらがふんばり時だ。

自分の似顔絵がどこまで通用するのか?誰に会えるのか?そしてそこから僕は何を学ぶかだ。

 

 

正直言って連日の野宿はキツいよ。

どうしてこんなことをしているのだろうと何度思ったことか。

それはもちろん先にも書いたように自分のスキルアップと、日本で待っている新生活のためだ。MacBook Proも手に入れたしね。次に欲しいのはデジタルで絵を描くタブレットかな。まぁ、それは日本だ。さすがに日本でバスキングをしながら生活するってわけにはいかないからね。

 

 

連日の雨のため、僕の野宿場所は相変わらず市民プールの巨大なアーケードの下だ。

そこへ毎朝ヘンテコなエクササイズをしにくるお年寄りたちは相変わらずフレンドリーだ(というか僕のことをほとんど気にかけていない)。

だけど、これが日本だったら話は違うだろう。外国人が市民プール脇でテントを張っていたら間違いなく警察を呼ばれる。

放っておいてくれるのも一種の優しさだ。

 

 

テントから顔を出すと僕は彼らに向かって手を振った。

「こんなとこで寝て風邪引かないの?」
と誰かがお菓子を僕にくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は雨が降ってはいなかった。

だが、ここ数日一気に気温が下がり、シャワーなんて浴びる気になれなかった。というか8時前に起きるってけっこうツラいんだ。

寝床をあとにすると、僕はいつものスターバックスで作業をして午前中を過ごした。

定まったルーティンに沿って僕の台北での一日は進む。

 

 

足を運べばもっと楽しい場所はこの台北にいくらでもあるんだろう。

僕はそれを見に行かないことを少しもったいないと感じなくもない。

何度も書いているけれど、僕が描きたいのは旅漫画であって、それは観光メインのものではない。バスキング・カルチャーを通して僕が目にしたこと、感じたことが僕の漫画になるのだ。

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いつもどおりの時間に店を出て、今日はアーケードの外で絵を描き始めた。

すぐにオーダーが入り二組ほど似顔絵を描いたあとで、誰かが僕の顔を見て驚きの表情を浮かべた

僕の顔を「信じられない!」と言った様子でまじまじと見るソイツに、僕は見覚えがあった。

 

 

「シミ!なんで君がこんなところにいるんだよ!」

「…もしかしてウーかな?」

「そうだよ!ウーだよ!」

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はは。

実はね。心の底では『台北でバスキングを続けていれば、もしかしたら会えるかも』って思っていたんだよ。

 

 

 

 

 

ウーと会ったのはもう二年も前のことだ。

場所はモンゴルのウランバトール。僕たちはとあるゲストハウスで出会ったのだ。

ウーは見るからに「日本大好き」の台湾人だった。僕がそれ以前に聞いていた台湾人の特徴を全て兼ね備えていた。親切でフレンドリー、そして日本が好き。

ウーは英語が堪能だったため、僕たちは話すことになんら苦を感じなっかった。その時はわずか一日の出会いだったのだが、あまりに彼が日本に対して好意を抱いてくれていたので、僕はその時持っていた甚平を彼にプレゼントしたの。「これは日本伝統のリラクシング・ウェアだから外着向けじゃないから、そこのところは注意してくれよ」と念を押して。

 

ウーとはFacebookを通して繋がっていた。

僕もFacebookには時折英語で近況を綴っていたし、彼もそれを見たと言っていたがーーー、

 

 

 

実際こうして会ってみると、僕は何か人と人との結びつきに

「縁」

のようなものを感じずにはいられないのだ。

そうだよ。奇跡だよ。

 

 

 

僕はバスキングを切り上げて、ウーとどこかで話すことにした。

 

 

ウーが連れて行ってくれたのは西門近くにある甘味処だった。

そこでは小豆をベースにした暖かくて甘いスープが売られていた。口に含むとほんのりとピーナッツの味が口の中に広がった。

 

 

ウーの話ぶりは相変わらずだった。

顔を輝かせて実に嬉しそうに話した。僕も負けじと久しぶりの英会話を楽しんだ。

なにやらウーは来月アメリカに行き、しばらくはカリフォルニアで暮らすというのだ。仕事の内容は政府関連の書類を扱うといったもの。これだけ英語が喋れれば仕事もスムーズにできるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分くらいその店で話すと僕たちは再び西門へと戻った。

雨はまだ降っていなかったので、今日は通りに他のバスカーを見つけた
ユニクロの前で折りたたみの椅子に座り、アコースティックギターにはアンプが繋がれている。そして足元には鍵盤のような機材が置かれていた。

 

 

そのバスカーは日本人だった。

名前を「SBAL(スバル)」さんと言い、
バスキングで旅をしている人のようだった。

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歌はないが、機材に音を録音して重ねるループペダルを多用し演奏される音楽に僕は唖然とした。今まで幾人も演奏家を見てきたけれど、こんなにレベルの高いインストをやる人を僕は見たことがなかった。

 

一曲目が終わると、僕はスバルさんに声をかけた。

スバルさんは、現在メキシコにいるヤッケン兄さんのことを知っていた。なにやら同じ大学だったらしい。今回は台湾、そしてこの次に香港へとバスキングをしに行くそうだ。「アジアとかまだそんなに回ったことないんで、よかったら情報とか教えてくださいよ♪」とフレンドリーな感じで、物腰も柔らかい。

スバルさんは演奏の他に自作のCDも売っていた。値段は300NTドルで日本円に換算すると約一千円と言ったところだろう。

『 ど、どうしよう?でも、千円か。僕の似顔絵の3組分ってところかな?』といつもの貧乏性で計算してしまう。

だけど、僕はもう分かっている。

バスカーとの出会いはその場限りなのだ。

 

 

僕はサーフミュージックなどのリラックスできる音楽が好きなので、スバルさんにそのことを伝えると、スバルさんは自身の二枚目のアルバムを僕に勧めてくれた。

いやぁ、いいバスカーに出会えると僕もモチベートされる。

撮った動画よりかは、オフィッシャルサイトの動画の方が惚れますネ!てか、このパーカー好きだな♪

 

 

 

 

 

ウーとは明日また会う約束をして僕もバスキングを始めることにした。

やはり雨の降っていない日は最高だ。今日は気持ち良く絵を描くことができた。かすかに聞こえてくるスバルさんのインストミュージックがなんともいえなかった。

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ナイススマイル!救われた。

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「かえんえん」って書くように言われたんだけど、萌えるな。

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意外と黒に黄色って合う。

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実はこの二人、昨日も来たのな。今回は変顔の写真から。

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ひ、ひえっ!目、目が!しくったか?

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ポメラニアンのつもり。

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アイさん、ありがとうございました。あのあと警察に怒られたけど、僕はダイジョーブです。

 

 

 

今日のアガリは3200NTドル。約一万千円。

残りの日もこんな感じでいきたいものだね♪

 


4 件のコメント

  • シミさんお久しぶりです!!あいかわらずステキな絵ですね!!帰国前にお会いできなかったのが悔やまれます!!
    台湾楽しそうですね♪早く僕もバスキングやってみたいです!!
    それとすばるさんの動画見ました!!めっちゃカッコいいですね♪
    是非生音で聞いてみたいものです!!
    それではお体に気をつけて!!

    • >シンタロウさん(目覚めよ!セブンセンシズさん)

      あれ?!名前が変わってる!
      いやはやありがたいです。前回のハンドルネーム、打ちずらかったからですから。

      いやー、僕もシンタロウさんの歌聴きたかったですよ!
      あ、そだ。ジョーさんにお会いしましたよ!一瞬ですけど。爽やかな方でした。歌は聴いてないけど。
      スバルさんもかっちょいいですよね。あれはゾロさん的にいうなら「1000ドルバスカー」の域じゃないですか?あんな綺麗な音なかなか聴けないですもん。
      台湾、特に台北はバスキング天国かと思われます。雨が降ったら演奏家は場所探しに困るだろうけど。

      シンタロウさんこそ、引き続き旅を楽しんでください!

      • ありがとうございます!!ジュンヤくん会ったんですね~~♪
        彼も強烈に上手いっすよ~~!!

        すばるさん確かに1000ドルプレーヤーなれそうですね!!いや、間違いない!!

        僕が帰国したら似顔絵描いてもらいに行きます♪ヽ(´▽`)/

        • >シンタロウさん

          うぁ〜〜〜!ジュンヤさんの歌も聴きたかった!
          え?ジュンヤ?ジョーじゃなくて?

          似顔絵は望むところです!
          でも、いきなしは描けないかも。いきなし声出しができないように
          似顔絵もあアップが必要なんです。

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