▷フジロックにごみ箱を。

 

フジロックが今年で20周年を迎える。

フジロック

 

 

僕はボランティアとして2009年と2010年のフジロックに参加したことがある。

ボランティアとしてだから、ちゃんと音楽は聴けなかったのだけれど、フジロックという場所に行けたということは僕の人生において大きな意味合いを持った。

初めてあの場所に足を踏み入れた時、

『日本にこんな場所があったのか!!』と衝撃を覚えた。

自分の世界が一気に広がったようにさえ思えた。

そう思ってしまうほど、フジロックの開催される夏の苗場スキー場は僕の中で特別な場所だった。

ボランティアの活動内容は現地で環境問題をもっと身近に感じてもらうためのワークショップだったり、ごみ資源の分別(を来場者にナビゲート)することだった。それだけでもやりがいのある活動だった。

さて、今日の話はここから。

 

 

 

フジロックに設置してあるごみ箱に
ペイントが施されていることはご存知だろうか?

ふじごみ

 

 

あれはフジロックで活動している

ごみゼロナビゲーション(僕が一年間だけ在籍していたNPO/NGO)

がペイントの図案を公募し、集まったアイディアを元にスタッフたちが描いたものなのだ。別にプロが描いているわけじゃないし、団体は学生スタッフたちがメインで、毎年みんな楽しく描いている。

僕もスタッフをやっていた当時から、そしてスタッフをやめたあともペイントに参加してきた。

 

 

 

世界一周の旅から帰ってきたあと統括の羽仁カンタさんから、

「シミ個人の作品としてベニヤ板にペイントをしてみないか?」

という話をいただいた。

まだまだ無名に等しい僕の絵が、フジロックのごみ箱に使われるのだ。

僕以外にもアーティストのDonatera(ドナテラ)さんが参加することになっていた。

初めて会ったけれど、めちゃめちゃアーティスティックな絵を描く。

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ペイントはごみゼロの倉庫である神楽坂のオフィスでやることになった。

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当日一緒にペイントしたメンバー。

 

 

この日のために僕はベニヤ板6枚分の絵のアイディアを出した。

テーマは「旅と漫画」。

僕は自分でも名乗っているように漫画家だ。なるべく自分の持ち味が最大限に発揮されるような図案を考えた。

以前もオーストラリアで壁にペイントをさせてもらったことがあった。あの時の経験が今になって活きてきたわけだ。

今回使う道具は油性マジックのみ

そこにアクセントとなる色を数色加えれば生えるにちがいない。

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レッツ、ペイント!

 

 

当日、さっそくベニヤ板に向かったのだが、縦90cm×横180cmもの板が6枚もあるもんだから、作業はけっこうな量になった。

屋上ではスタッフのみんなが楽しそうにベニヤ板に絵を描いているが、僕はひたすら白い板に2Bの鉛筆で下書きをしていた。

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第一回目の作業日は土日の二日間となっていたが、下描きで第一日目を終えてしまった。

いや、終わっていなかった。

僕はこの二日間で作品を完成させる気だったので、一日目は倉庫に泊まり込んで作業をしていた。

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調子乗ってる場合じゃなかった!

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なんか映画っぽい!

 

 

 

 

一人黙々と作業していると精神的に参ってしまう。

作業用のBGMとしてはBABY METAL西尾維新原作のアニメ「物語シリーズ」のコメンタリー

いつだったか、ユースケサンタマリアが「ラジオってずっと人が喋っててくれるから安心するのだ」というようなことを言っていたのだが、それは僕も同感だ。

作業中、誰かがずっと喋っていてくれると気がまぎれるのだ。漫談とかいいのかもね。聴くって言ってもYouTubeだけどね。

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6枚分の下書を終えたのは翌日の深夜3時。そこからようやくペン入れを始めた。

僕はしっかりと睡眠をとっていないと次の日全然使い物にならなくなってしまうのだけれども、次の日はレッドブルの力を借りて踏ん張った。

体に悪いとか、ケミカルとか言っている場合じゃないのだ。それ相応のリスクを承知で僕はレッドブルを飲む。一日一本までだったらいいのではないだろうか?なんてね。

この二日間で僕は二枚の絵をほぼ完成させた。

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ん〜〜、もうちょっと描き加えるかな?テーマは「ヒッチハイク」

 

 

 

そしてついこの間も、オールナイトで一日だけ作業をした。

製作に入ってしまうと僕は他のことができなくなってしまう。ブログも一日一本更新しようと心がけた途端に中断してしまうし、世界一周で買い付けた雑貨の出店の準備もあった。まぁ、言い訳なのだけれどもね。難しいよね複数のタスクやるって。

ただ、絵を描くのは相変わらず楽しい。

描き終わったそばから『あぁ、あそこはうまくできなかったな』と、ちっとも満足はしないのだけれども、僕はそうやって自分の絵を少しづつブラッシュアップさせていくのだ。

 

 

今回ペイントで使う道具は新宿の「世界堂」で仕入れた。

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今更だけど。マジックってこれのことなんだね。

 

 

思っていたほど専門的な油性ペンが売っておらず、手にしたのは「マジック」という会社のもの。学校なんかで必ず職員室に置いてあるような超定番商品だ。

ペンを吟味している時に気がついたのが、この「マジック」というのが製品名だということだった。カップヌードルが日清の商標なように。きっとこのマジックもあまりにメジャーすぎて消費者の中で「油性ペン=マジック」という等式ができあがってしまったにちがいない。
(なんとこの「マジック」、専用のボトルを買えばインクの詰め替えもできるのだ!)

 

 

そんな「マジック」を片手に思ったことは、

 

 

『まさか絵を描いて
仕事をするとは思わなかったな』

 

 

ということだった。今回のペイントはボランティアなんですけどね。

そんなことはどうでもいい。

大事なのは僕の作品がフジロックに置かれるということであり、今もこうして僕が絵を描き続けているという事実だ。

 

 

 

あ〜〜〜、なんか硬い文章になちゃったな。

もし今年のフジロックに遊びに行くようなことがあったら、是非ごみ箱のペイントに注目してみてくださいな♪

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あ!この前作ったディジュリドゥ、倉庫に忘れた..。

 


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