「世界一種学校文化祭サイドストーリー2」

 

 

あれこれと

マサトさんに依頼されてイラストを描いているわけだけれども、

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なにも毎回僕がテキトーに描いているわけではない。

 

いや、嘘じゃないよ!けっこうキツいんだよ!あれ!

しかも、若干割引価格で請け負ってるから、描いてる時、「あ〜〜〜..時給換算したら割に合わねぇな〜」とかボヤいているけど、それはどんな描き手にとっても一緒のこと。仕事がもらえるだけありがたい。

まぁ、なにが言いたいかっていうと、イラスト作製も楽ではないということだ。

 

 

 

 

 

 

僕は決して大学で絵の勉強をしたわけではない。

あまりそういう業界にも詳しくないし、スキル的な面でもまだまだ。

だけど、そんな僕でも一枚のイラストを完成させるまでにはいくつもの工程を踏んでいく。

 

 

 

まず最初にやらなければならないことは

アイディア出しだ。

マサトさん(お客さん)は僕のイラストが欲しくてオーダーをくれるわけだけれども、完成したイラストのイメージというのは漠然としたものしか持っていない。

マサトさんの持っているイメージをより具体かさせて、描き手である僕とイメージを共有するこの段階が一番面白く、一番時間がかかり、そして同時に一番ダルいプロセスでもあるのだ。

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だから「いろんな職業の人がみんなでワイワイ」ってどんな感じですか..?

 

 

 

文字にして書いてしまうと簡単なんだけど、イメージの共有というのはなかなか難しい。

たとえば

 

「みんなでワイワイ、楽しそうなのでお願い!」

 

なんて言われても、ここまで漠然としていると、僕もそのようなモヤモヤした楽しさを描いたイラストしかできない。

最初のとっかかりを掴むのには、フィーリングによるところが大きい。

なぜならそのようなフィーリング(感情的)な言葉というのは、お客さんと自分の感覚が異なっているからだ。

きっと僕の「楽しい」もマサトさんの「楽しい」も共通する部分はあれど、完璧にいっしょということはありえないだろう。

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お客さんの「こういうふうにしたい!」という漠然なイメージをより明確にするところが難しい。これがスラスラできるようになればプロなんだろうね。

いくら一人で頑張って要望に沿えるようにイラストの案を描こうとしても、行き詰まってしまう時だってある。いくつもラフ画を描いてもお客さんのOKをもらえないときだってある。これがマジでキツいのだ。おまけになかなかOKが出ないとモチベーションも削がれていってしまう。

一体どれだけ自分の好きな絵を描くことが楽なことか。誰かに絵を買ってもらうということの難しさがここにある。

 

 

最近だと、

マサトさんは僕の最初のラフ案をスルーするようになってきた。

 

「こんなんどうですか??!!」と最初のラフを送ってもレスポンスが返ってこないのだ。

きっとこれは敏腕編集者のあれだと僕は思っている。

ボツを出すことによって最良のものを引き出すっていう手口だ。

そうか。マサトさんはおれがもっといいものが描けるって信じてくれているってわけだな!

 

まぁ、返信が返ってこないと、どこを直せばいいのかわからないので、けっこう悩んだりするんですけどね。

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おまけにイラストのアイディアってのは、そういくつも出てくるものじゃないと僕は考えている。

その日の自分の中のベストを描いてしまうと、その次からできるのは、どうも見栄えのしないものばかり。

ただただ量産すればいいってわけじゃない気がするのだ。

頭の中にほよほと漂っている何かを「ぐっ!」と掴まなけれなならない。ベストなアイディアを見つけたら、それを離さないことがポイントだ。

 

そうこうして、いくつものラフががあり、徐々にイラストの下書きへとお客さんとイメージを擦り合わせていく。

下書きに近い形でバッチしラフを描いたとしても、文字の大きさ、サイズなんかが異なると、そこだけ描き直さなければいけないこともしばしば。

ようやく下書きに取り掛かるGOサインが出たときには、なんだかほっとする。

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下描きは時間との勝負だ。

最近A4の紙にイラストを描くことが多い。

メインで使っている下書き用のシャーペンは0.03ミリの極細。ってかこれより細いシャーペンの芯ってあるのかなぁ?メーカーはお気に入りのステッドラー。ドイツ製。(かっこいいポイント)

下描ききを描き始めたら、できるだけ一気に仕上げることがポイントだ。もちろん資料を集めたりで途中、作業をコマ切れに中断することもあるのだけれど、1日以上空けてしまっては、下描きの流れを取り戻すのには時間がかかってしまう。

だいたいA4で下描きをするのであれば、二時間くらいで一枚のイラストができる。

意外と描き上げてみるとラフとはより数段よくなっている場合が多い。けっこうアレンジも加わるのだ!

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続いてペン入れ

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てか、なんで清書のことを漫画では「ペン”入れ”」っていうんだろうね?

清書っていうよりかはカッコイイ気もしなくもないけど、「入れ」って何さ?

まぁ、下描きの次はペン入れだ。今はGペンでやることが多い。ちょっと前まではステッドラーの製図ようのペンだった。

Gペンで清書をするのってけっこうビビるのだ。楽しいけどね。

「失敗したらどうしよう..?」とか考えてしまうし、そういうふうに及び腰になっていては線もぎこちなくなってしまう。

Gペンでイラストが描けるようになったのはここ最近だと思う。

Gペンも地味時間がかかるけど、これは練習すればするほど速くなっていく作業だ。だいたい一時間半以内にはできると思う。

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そして、最後に待っているのが着色だ。

なんといってもこれに一番時間がかかる。

僕のイラストのスタイルはごちゃごちゃしたポップな絵なので塗る箇所が半端なく多いのだ。

場合によっては5時間以上かかる時もある。これはさすがに一日で終わらせるのは無理だ。特に翌日バイトとか入っちゃってる時なんて。

着色は二日に分けることもある。

使っているのはコピック・スケッチだ。

今年になって72色入りのが販売されなくなったのにはショック。

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もうヘロヘロになって、ようやく完成したデータを今度はスキャンしなくちゃいけないんだけど、僕の持っているbrotherのスキャナーだと色味が荒くなってしまうので、セブンイレブンにいって今はスキャンしている。

絵が完成しても、それをお客さんに届けなければ仕事は完了しない。

 

 

 

 

なんだか最後の方は駆け足で説明することになったけど、こうやって一枚の絵が完成するのだ。

イラストの描き方なんて人それぞれだし、今はデジタルで描く人も大勢いると思う。

今回は旅する漫画家の僕の作業工程を描いてみました。

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さぁ、5月13日に行われる世界一周学校文化祭まで残すところあと

2日!

一体どんなことが起こるのやら…。

楽しみだ♪

 


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