通天閣周辺で食べ歩き

 

 
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まず向かった先は通天閣周辺だ。

 

 

 

というのも、別に僕は通天閣に登るつもりはまったくなかったのだが、ここにオススメのたこ焼き屋さんがあると聞いたからだ。

そうだ。ベタな発想だけど、

大阪といえばたこ焼きなのだ。

 

 

 

 

通天閣の周辺は観光地のように賑やかった。

面白かったのは外国人観光客の多さだろう。

中国語を喋る家族づれから韓国人まで。時々欧米人の姿も見られる。もちろん日本人観光客だっている。みんな楽しそうに歩いていた。

 

 

通天閣の周辺には小さなテーマパークのような賑やかさがあった。

メインの通りでは頭にタオルを巻いた若い店員さんが昼前でも客の呼び込みをやっていたりする。

だけど、ちょっとでも路地に入ると、そこには年季の入ったビニールシートで区切られた昔ながらのお店があったりもする。

新しい店と古い店が同じ区画にあるのが面白い。きっとお客さんがバランス良くどのお店にも足を運ぶのだろう。

驚くのがそこにある店のほとんどが飲食店ということだ。また、揚げ物が多いのも特徴だ。たこ焼きはもちろんのこと、串焼き屋も同じくらいある。鉄板焼きもあるな。

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僕がたこ焼きを食べたのは「かんかん」というお店だった。

8コ入りで350円という良心価格だ。

店の前には女子中学生たちや僕のような観光客の姿もあった。

焼き台の前では店員さんが表情をくずさずに丸みのある割り箸でひたすらにたこ焼きをひっくり返している。その横で明るい笑顔を振りまいてくれる別の店員さんと比べると、ここは明確に役割分担ができている店のようだった。

 

 

出てきたたこ焼きは文句なしに美味しかった。

店の前にある小さな丸テーブルで僕はたこ焼きを食べた。そこに同席していたのは70くらいのおじいちゃんと(昼前からハイボールを飲んでいた)同い年くらいの若者三人(みんなツーブロックだった)。

ツーブロックのうちの一人が言うには「銀だこは表面がカリッとしているからあまり好きじゃない」とのことだった。

 

そうなのだ。ここのたこ焼きはとろけているのだ。

かろうじて表面が焼かれているだけであり、口の中で一回でも咀嚼すると、中からトロっとしたアツアツの生地が出てくる。おもわず口を開けてハフハフと外気を取り込む。口の中でなかなかたこ焼きは冷めない。猫舌の人なら絶対に食べられないね。

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表情ひとつ変わらないお兄さん。職人だ…。

 

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というか、僕は前々から思っていたのだけれど、

 

 

たこ焼きの正式な食べ方って一体どんなんだろう?

 

 

なんかこうしてハフハフとフグみたいな口でたこ焼きを食べている僕は今、すごく間抜けなツラをしているんじゃないかと不安になる。

かと言って、たこ焼きを割って食べるのもなんだか違う気がする。生地の部分だけ食べている時は「おれは一体何を食べているんだろう?」という気にもなる。

たこ焼きの正当な食べ方があったらぜひ教えて欲しい。

 

そうやってよくわからないことを考えているうちに、僕はあっという間に8コのたこ焼きをたいらげてしまった。

 

 

 

 

 

 

しばらく通天閣周辺をぶらぶらして、次に食べたのは「幻のクリームパン」だった。

うそじゃないよ。そう書いてあるんだ。なんだか森見登美彦だかの小説に出て来そうな名前だね。京都を舞台にした小説を書く人ね。

 

 

何を隠そう僕はクリームパン愛食家なのだ。クリームパンと名前のつくものだったら、とりあえず食べてみる。最近だとヤマザキパンが権勢を誇っているので、なんだか通り一辺倒な味になってしまっているが、だからこそ、このようなローカルな場所で食べるクリームパンこそ食べるべきなのだと僕は思うのだ。

 

 

お値段はわずか140円

店頭に並べられたクリームパンの数はわずか3個。

その中のひとつをレジに持って行った。中ではおばちゃんと、彼女の母親であるおばあちゃんがレジの脇にある椅子に座っていた。

僕がお金を払うと、おばあちゃんはとびっきりの笑顔で「ありがとうな!にいちゃん!」と言った。

クリームパンひとつでここまで感謝されるとなんだかむずかゆい。ついつい僕も「幻のクリームパンだなんてすごいですね」と相手を褒めてしまう。

するとおばあちゃんは「ここの店、テレビにも出たことがあんねん!まっちゃんも来たで!」と言った。

 

 

 

まっちゃん?

 

 

 

まっちゃんとは松本人志のことだろうか?ダウンタウンの?

 

関西ではお笑い芸人はアイドル並みに人気者で、子供達のなりたい職業の上位に食い込むらしいが、神奈川の田舎からやって来た僕にとっては「まっちゃんも来たで!」のニュアンスがいまいち汲み取れなかった。えっと、芸能人もご来店したパン屋さんってことだよね。

僕はもそもそと「うちにはテレビがないんで」と言い訳をして、その店を後にした。

肝心のクリームパンはバンズの真ん中に切れ込みをいれた通常のクリームパンとは異なる形をしていたが、味はあっさりしていた。どこらへんが「幻」ポイントなのは僕にはさっぱりわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

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混乱したままだと、ついつい他の物を食べて胃(気)を紛らわせようとするのが僕の悪い癖だ。

いや、せっかく大阪に来たのだから、美味しいものをかたっぱしから食べてやろうという思いもあった。

パン屋から50mも歩かないで見つけたのは果物屋さんだった。

 

 

通天閣から正面に伸びる商店街にある果物屋さんの目の前ではソフトリクリームが売られているのだが、ここでは20種類くらいの味から選ぶことができる。

というか、数十分前にここに来た時に、10代くらいの一人の女の子が店の前の椅子に座ってぺろぺろとソフトクリームを舐めている姿を見て、僕も無性にソフトクリームが食べたくなってしまったのだ。すごい漫画的なワンシーンだった。あんな風に漫画みたいにソフトクリームが食べられる女のコってそうはないよ。

 

 

僕が350円のチョコミントを頼むと、おばあちゃんが冷凍庫からソフクリームの元となるカップを機械に装着した。

僕はおばあちゃんの様子を見守っていた。暇人はそういうことを観察することに関してはちょっとした権威なのだ。

おばあちゃんは高齢のために手が震えていた。おぼつかない手つきでワッフル生地のコーンをぐるるっとまわした。その瞬間僕は不安に駆られた。

ニコニコして僕のところに持って来たソフトクリームは斜め40°に傾いていた。おばあちゃんはちょっと困った顔をして「斜めになってしもた..」と言って、その傾いたソフトクリームを僕に差し出す。僕も困ったようにそのソフトクリームを受け取った。一体僕に何ができただろう?作り直してもらうわけにもいかないし。ただ、ひとつだけ確かなことは

 

 

高齢者にはソフトクリームを巻かせない

ということだろう。

 

 

 

あのおばあちゃん、これから一夏、あんなソフトクリームを量産し続けるのだろうか?それとも技術は戻るのか?歳には勝てないのか?

きになる人はぜひ通天閣の商店街にある果物屋さんのソフトクリームを食べて見てほしい。

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