「トークライブ当日」

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朝食

出るのは8時から10時の間だ。

早く行きすぎても、それ以降の時間を潰すさなきゃにけないし、かといっていつまでもウダウダ寝ていたら、朝食の時間を逃すに決まっている。

 

二段ベッドの上から降りたのは朝食締め切り時間の10分前だった。トイレに行って着替えを済ませて、洗面所で顔を洗った。

別に僕は朝ご飯をかかさず食べる人間ではない。僕の目当ては朝のコーヒー。やっぱりこれがないとエンジンがかかったような気がしない。

 

 

 

 

 

 

ここは

Hostel Lodging and Kin.

大阪、大国町の近くにある宿だ。オーナーはごみゼロナビゲーションの時の先輩、やましがこの宿を切り盛りしている。

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他の宿泊客たちと一緒に朝食のトーストにかじりつく。

時間を気にせず、ゆっくりとすごす時間はなんて贅沢なんだろうなって思う。なんだか最近なんだか、あえてせかせか動かない時間の過ごし方も楽しめているような気がする。

コーヒーに少しミルクを足して、それを飲みながら日記を書いた。

まるで旅をしている時のような1日の始まりだなと僕は思った。

いや、僕は現に今、旅をしているんだと思う。

だからね、この日記も今までのスタイルを踏襲しているんだよ。長く書くってことね。うだうだするから、そういうのが読みたくない人は写真だけぱっぱと見ればあっという間さ。

 

 

 

 

日記を書き始めて思ったことは「これは一本の日記には収まらないな」ということだった。

大阪到着から過ごす時間があまりに濃密すぎて、ついつい長く書いてしまうのだ。

こういうスタイルでずっとブログを書いて来たわけだし、冗長な日記に磨きがかかったと言ってもいいだろう。

しかがないのでブログは数回に分けて更新することにした。

リアルタイムで更新する僕の日記もリアリティが増したんじゃないかなって思う。

 

 

思えば、可能な限りリアルタムでブログを書いていた時だってあったんだ。

あの時は、だいたい先日分の日記を次の日の朝に書いてアップしたり、もしくはその日に起こったことを、夜に書いて翌朝にアップされるように予約投稿する時だってあった。自分でもなんであんなにブログの更新に一生懸命だったのかわからないけど、まぁ、こうやって長ったらしい文章を書くことだけには慣れた。

ネタ切れで全然書けなくなる時もあるんだけどさ。

 

 

 

そうやって日記を小分けにして書いたあとは、今日のトークライブ用のスライドのチェックをしていた。

 

今僕がいる宿には明確な共有スペースというものがない。宿泊者の寝泊まりする部屋と、カフェ&バーのスペースとわかれている。

このカフェエリアが宿泊客にとっての共有スペースになるのだ。ここは海外のゲストハウスと違う。家のサイズが日本的だからまぁ、こういうこともあるんだろうね。

 

 

 

カフェエリアには台湾人の姉妹がいた。妹の方は日本語がペラペラだった。

なんでも二人は一ヶ月の間、ホームステイをするとかなんとか言っていて、実に楽しそうに見えた。僕だったら、こんな物価の高い場所じゃ長居はできないなぁなんて思うんだろうけどね。

やましは二人からオススメのミュージシャンを聞いたりして、それをパソコンでかけてやていた。海外からの宿泊客が来ると、彼らの国のアーティストを知っていると、話すのに役立つそうなのだ。

しばらくすると、姉妹はスーツケースを転がして宿を出て行った。外は風は吹いていたけれど、相変わらずムワっとした空気だった。それなのに台湾姉妹はとてもニコニコした笑顔で去って行った。まだわたしたちの旅は続くの。とでも言うように。

旅行先に日本を選ぶ人たちは一体どんな気分でこの国を旅するのだろう?でも、考えてみれば、僕も今、旅しているんだよな。

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よい旅を。

 

 

 

 

 

二人が出て行ってしまったあと、宿に残ったのは僕とやましだけになってしまった。

やましはこの後外に買い出しに行かなければならないらしい。となると、エアコンの効いているこの快適空間を後にしなければならない(けっこうキツい)

カフェエリアが使えるのはオーナーであるやましが宿にいる時だけだからだ。

もちろん、やましはここで仕事をしているので、だいたいの時間はお客さんを迎えるためにここにいる。だが、買い出しや外に用事がある時はこのエリアは閉じられてしまうのだ。夜はバーにもなるからお酒とかたくさん置いてあるし、盗まれた困る備品もあるもんね。

 

 

半ばやましにせかされるようにして僕も宿を出ることにした。

幸いなことに宿から歩いて徒歩3分のところにWi-Fiが手にはいるタリーズコーヒーがあるらしい。そこがやましの行きつけの作業スポットなんだとか。それなら次の作業場所はタリーズにしようかと僕は気楽に考えていた。

 

 

実際にタリーズに行って見るとだいたいの席は埋まってしまっていた。

昼前のタリーズ。二人がけのテーブル席にはギャグのようにMacBookが並んでいた。なんだか大企業にいいように使われている感が出ていた。Macは好きだけどね。だけどあんな風に横並びさせられたら、なんだか変な感じだよ。せめてジャケットかケースで差別化して欲しかったな。だってアルミ製のラップトップが机の上に5台くらいタタタターッて横並びに並べられたんだもん。僕だったらちょっと恥ずかしくなっちゃうな。「ここはApple Storeなんですか?」って。パソコンにステッカーとか貼る人ですね。僕は。

 

 

バックパックも降ろさずに店内をぐるっと一周した後、諦めて外に出た。

そしてふと気がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?バックパックがいつもより軽い..??」

 

 

 

 

 

 

急いでバックパックの蓋をあける。

そして一瞬で気がついた。

 

 

 

 

 

 

 

「やべ..、

Mac忘れた」

 

トークライブは今日だってのに。

アホか、おれは?!

 

 

 

 

 

 

ダッシュで宿まで戻る。

怪我の功名だったり、結果オーライだったり、後付け理論だったり、考え方は様々なのだけれど、自分がそこに行くように物事が流れている、そんな瞬間がある

今回だって、僕がタリーズで席についていたら、無駄に金を払って店を出る結果になったろう。あそこで席が埋まっていたのは、僕が忘れ物を取りに帰るためだったのだ。そうやって溜飲を下げたりもするんだけどね。

それでも頭の中には「これでやましが出かけしまったら、外で待ちぼうけだな」という考えが浮かんだ。そうしたら、どうしようか?この暑い中でずっと待ってるか?いやいや。

 

徒歩3分の距離を早足で歩き、いくらか息があがった状態で宿に到着。

すると宿のシャッターを60cmほど上にあがっていた。

ドンドンドンとノックすると、中からやましがシャッターを人が通れる高さまで持ち上げてくれた。

よかった。待っててくれたんだ。

 

Facebookのメッセンジャーにはやましから「パソコン忘れてるよ!」と連絡が来ていた。

キャリアと契約していない僕はそんなの見ていない。

やましは僕に向かってこう言った。

 

 

 

「これが海外なら盗まれてたね」

 

と。

 

 

 

 

僕は三年近くも海外を旅していたのに、警戒心というものをすっかり失ってしまったのか?と責められているような気がした。

そうだよな。これがなきゃトークライブもできないんだよな。マジ大事だよ。ごめんねパソコン。君がいてくれたから、おれ、こうやって作業できるんだもんな。

 

やましにはお礼を言って今度こそ別れを言った。

また機会があったらここに泊まりにくるからね。と。

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アダプタはちゃんと持ってました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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駅を

出ると新今宮駅まで歩いた。

 

昨日洗濯したばかりのジーンズがすでに汗で濡れている。

僕はジーンズを履くのが大好きだけど、これほど日本の夏に合わない服もない。ここは平均気温の低いスウェーデンでもなければ、乾燥したアメリカの大地でもない。

夏になるとムシムシと湿度の上昇する国なのだ。そんな中で汗をかきながらジーンズを履いていたら気持ち悪さしか感じない。それでも履くのは僕のポリシーみたいなものだろう。

 

 

 

 

改札を抜けると、目についたのは環状線の路線図だった。

僕には山手線の縮小版のように思えた。

別に僕は東京都民でもないし、神奈川県に対して何か思い入れがあるわけでもない。なんだかどっちつかずのコウモリみたいなやつだ。

だけど、目の前にあるその手頃な大きさの路線図を目の当たりにして、なんだか親密な情さえ湧いた。だってさ、山手線ってあんなに駅数があったら便利なんだかそうじゃないんだかわからないじゃない?それにあまり使わないんだよね。

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やってきた電車に僕は乗り込み、

女子高生のソックスがひざ下丈まであることを確認して、一人でウンウンと納得したように軽く相槌を打った。

僕は関東で流行っている短いソックスってやつがどうも気に入らないのだが、こっちの子たちはまだわかっているよ!うん!

その丈じゃないとダメなんだよ!

 

電車の中でぼうっと過ごす時間もなかなかいいものだ。

大抵僕は外の景色を眺めるか、広告を何度も読んだりしている。

そこには「53歳のイラストレーターがお金に苦しむ」という内容の本の広告があった。けっこうヒットしているらしい。だけど、その本が売れたおかげで作者はまたお金が入ってくるわけでしょ?自営業のキツさを説いた本らしいけど、売れたあなたは美味しい思いをしているじゃないですかと、ちょっとやっかむ気持ちも沸いた。でも、たぶん僕はあの本をあとで読むね。お金に関して言うと僕もこの人のこと言えないからさ。

広告をひとしきり眺めきると、あとは窓の外を移りゆく景色をずっと見て居た。電車あっという間に桃谷駅に到着した。

 

 

 

今日は土曜日ということもあり、駅にはいつも以上の人がいた。

駅にあるスターバックスは満席だ。窓際のあの狭いカウンター席。1席分空けて等間隔で座られたら、一体どうやってその間に座っていいものか僕は非常に迷う。いくら座席が空いて居ても、人と人との距離が近すぎるんじゃ、心も休まらないよ!

 

 

時刻は13時前だった。まだnyi-maまで行くのには時間がある。

大事なのはどこで時間を潰すかだ。

仕方がないので、昨日も行ったミスタードナッツで、昨日と同じ注文をした。

コーヒーとオールドファッションで380円もするのだが、なんだか最近だとそれを場所代と割り切ってしまうようになった。

確かにネット環境はあることに越したことはないけれど、それよりか、ドーナッツとコーヒーが飲める環境の方が今の僕にとってはリラックできたからだ。

 

 

案の定ミスタードーナッツの方も込み合ってはいたが、席にはありつくことができた。

となりにはベビーカーを押した黒人の夫婦が座って降り、5000円相当のドーナッツを食べながら楽しそうにおしゃべりしていた。やっぱり大阪ってグローバルな街だよなって思う。外国人を目にする頻度は神奈川県なんかよりも圧倒的に高い。

そこで1時間半ほどスライドの最終チェックをおこなった。

 

さぁ、そろそろ行こうか。

 

今度はしっかりとパソコンがあることを確認し、バックパックを背負うと商店街を抜けてniy-maへと向かった。緊張感はほとんど感じていない。だって僕はずっと前から人前で旅の話をすることをイメージしてきたのだから。

準備もしっかりやった。話す内容だって、頭の中で何度もリピートした。時間は一体どれだけかかるかわからないけど、きっと2時間くらいはあるはずだ。

 

 

 

一度足を運んだ店なら、二度目はすっと中に入ることができる。

シンゴさんと顔を合わせて挨拶をした。

そしてもう一人、今回僕を大阪に読んでくれたショータさんの姿を見て、僕は握手を求めた。

 

 

 

Facebook上でしか知らない人とこうして実際に顔をあわせる瞬間はなんだか仮想現実から現実へ戻ってきたような気分になる。ゲームの世界がリアルになったとかそんな感じなのかもしれない。

知ってはいるのに、直に会ったことのない人。

それまでに何度もメッセージのやりとりをした人。

時には相手の顔を思い浮かべる手立てがなくて、その人がどんな人なのか想像するしかない場合だってある。

僕がショータさんについて知っているのはFacebookアカウントの小さなプロフィール写真くらいだ。

 

素敵モミアゲと癖っ毛、そしてタレ目のお兄さんが僕をこの場所へ呼んでくれた人だった。

 

 

 

 

 

 

下見をしていてよかったのは、すぐに準備にとりかかれたことだ。

ショータさんはパソコンをプロジェクターにつないで、適度な画面の大きさに調整してくれた。

どうやら今回は二人で喋ることになりそうだ。

それを聞いて僕は安心した。一人でぶっつづけで2時間も喋るにはさすがに話が続かない。合いの手を入れてくれるだけでもだいぶ助かる。

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とりあえず始まる前に一枚。ニマのみなさんです!

 

 

 

 

店内にはすでに二人ほどお客さんがいた。

どちらもバックパッカーで片方は小学校の先生をしながら旅をするカメラの上手いお兄さんで、

もう一人はゲテモノ食材をメインに旅する方だった。最近食べて一番まずかったものは蟻塚らしい。

 

 

来てくれたお客さんは、今日がどんなイベントになるのかまったく想像がついていないようだった。

それもそうだ。旅する漫画家なんてこの世界に知っているやつはたぶん、数えるくらいしかいないと思う。

 

 

 

お客さんと話しているうちに、時間はするすると過ぎていった。

開始30分前に僕は二階に行くことにした。

準備していた音楽をかける。選んだ曲はCARAVANの「The Sound on Ground」。僕がCaravanの作品の中で一番好きなアルバムだ。

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アコースティックメインで、Caravanが演奏からミックスまでほぼ一人で仕上げた9曲入りのアルバム。一部ストアでしか取り扱いがなく、地元のChitChatで僕は手に入れた。

大学生の時、「旅はち」という旅イベントに行った時にこのアルバムのリード曲がかかっていた。あのインストの曲を演奏している人間が誰だか知ってたヤツは僕以外に何人いただろう?

 

 

 

 

「シミくん〜!ひさしぶり〜!」と言って会いにきてくれた人もいた。

ヨシトさんは僕がパスポートを盗まれて、リマの日本人宿「桜子」から身動きできなくなっていた時にお会いした人のひとりだ。

カナダに暮らしていた時がながかったようだが、ちょっと前からまた大阪で暮らし始めたらしい。

そして、ついこのあいだヨシトさんから連絡をもらった。友達の結婚式のためにポストカードを描いて欲しいという依頼だった。その時に「もしよかったらトークライブに来てください」と誘ってみたのだが、まさか本当に来てくれるとは。

旅の最中に出会った人は多いけれど、その中で再会できる人はかなり少ない。

 

 

 

 

ヨシトさんと話しているうちに、またどんどんと人が増えていった。

最初は15人だって聞いてたのに、それより多くの人がその場所に集まってくれた。

 

 

人が集まってくると、僕自身もソワソワしてくる。

時計を何度も確認して、一階にいたショータさんを読んでくる。

「ショータさん!そろそろ!」

「あぁ、じゃあそろそろ始めようか?」

 

 

 

 

 

そしてついに僕のトークライブは始まった。

 

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たぶん、来てくれた人全員を満足させることはできなかったと思う。

中には

開始からずっとパソコンをいじっている人もいれば
(旅は好きだって言ってた)

体育座りで寝落ちしているお兄さんだっていた
(仕事終わりで疲労困憊だったって信じたい)

 

 

でも、僕に会いに来てくれた人もいたのも事実だ。

わざわざ茨木市から来てくれたヨシトさんの他に、Facebook上でしか繋がりのなかったイコマさんに会えた時には、僕はびっくりした。「あ!どこかで見たことがある!」って。ごめん、あの時、一瞬イケシタさんって別の方と名前が混同してて、思わず自己紹介して名前聞き出したんだよね笑。かなり不自然だったでしょ?

イコマさんはわざわざ四時間もかけて和歌山からバイクでかけつけてくれたそうだ。

「ブログ読んでます!」なんて言われると、僕は「いつも無駄に長くてすいません」ってなる笑。

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トークの最中はなるべくお客さんの顔を見ながら話すように心がけた。

真面目な顔をしたお姉さんが僕の話に同感するように「コクコク」とうなずいてくれたのとかを見ると、なんだか安心できた。

 

 

途中休憩を20分ほど挟み、

話している僕もだんだんと調子が上がってゆく。

それでもちょくちょくと時計を見ながら進行状況をわずかながらに調整していった。

最後はなんだか駆け足になちゃった感がいなめないけど、初のワンマンにしてはよくやったと思う。

トークライブが終わったのは22時過ぎ。

ジャスト2時間くらいのトークライブだった。

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ふぃにっしゅ!

 

 

 

 

 

トークライブの終わりはあっさりしていた。

来てくれたみなさんにお礼を言うと、今度は企画していた希望者に似顔絵を描く時間になった。

すぐにオーダーがもらえた。

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後ろのお姉さん、めっちゃいい笑顔!

 

 

一枚描くと、さらにまた一枚。

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この人がゲテモノ専のお兄さんです!

 

 

 

オーダーがもらえるのは嬉しいので、トークを挟みつつ、似顔絵を一枚あたり20分くらいで仕上げて行く。

下書きさえできてしまえば、あとはもう自由時間のようなものだ。

ペン入れをサコサコと済ませて渡して、写真をとって、お金をもらって、そして次!次!つぎぃぃぃ!!!

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疲れたそうな顔をしてショータさんが僕に声をかける。

 

 

「シミくん…、もう12時だよ」

 

 

 

 

 

「はっ!!!」

 

 

 

 

トークライブが終わった後のお客さんとの親密なおしゃべりやせっかく来てくれた人がどんな人だったのか、まぁあれこれ、お客さんと喋りたかったのに… 、

 

 

もう店の二階には数人しか残っていなかった。

でも、

みんな楽しんで帰ってくれたらいいと思う。

 

ほんとうに今日はありがとうございました。

あんな風に旅の話をさせてくれてありがとう。

そして僕をここに呼んでくれてありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

お客さんが帰った後、

お店に残った僕らは酒とラーメンをすすりながら夜遅くまで喋っていた。

アルコールが入ると記憶は飛ばない自信はあるけれど、あの日何を喋ったかはあまりよく覚えていいない。

ショータさんが実は人気歯科医で剣道やっててて、世界一周の時に書いていたブログが地味に面白いということと、

シンゴさんも実は役者で日本をホーボーノように旅をしながら、いろんな人とコラボレーションしてパフォーマンスをしていたこと、

アツく語ったようなこともあれば、くだらないことに笑っていたような気もする。

ただ、一緒に酒を飲んで話すだけで、ここまで仲良くなれてしまうものなのだということはわかった。

 

 

店を出る時に、

僕は気になっていた漫画本を一冊もらっていくことにした。

お金を払おうとしたら、二人は即答で「いらんわ」と言ってくれた。

 

 

「その代わり、シミの漫画ができたらサイン入りで送ってな!」

「わかりました!約束です!」

「じゃあ、おれたちも代わりにサイン書くよ!」

「え?!いいですけどー、あ、この筆ペンもうかすれてますね」

「いいよいいよ。おれたちのはかすれた筆ペンぐらいが丁度いいわ」

 

 

 

殴り書きのような文字でシンゴさんが自身の役者名である「名前はまだない」と書いてくれた。

その横にサララ〜〜〜〜ッとショータさんが自分のサインを書く。

 

 

「何!?お前サインとか持っとんの???」

「ふふ。おれは小学生のときからサイン持ってるんだ」

「ははは」

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いい気分で酔っ払って店を出た後、歩いた商店街は、まるで自分たちだけのもののようだった。

あぁ、日本にはこんな場所もあったんだな。

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今日は商店街のすぐ近くにあるシェアハウスにおじゃました。

寝たのは3時半だった。

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