ROAD TO MOBILE HOUSE(1)
僕がそれに気づいたのは
Kindleでインドガイドブックを発表するにあたり、
描いたページのいくつかを実験的にアップロードした時だった。
アップロードしたページの端々が切れていしまっているじゃないか…!!!
というのも、
僕は本の「のど」(綴じ込みの真ん中部分)なんてインドガイドブックを作る時には毛ほども気にしてはいなかったからだ、本の切れ目なんておかまいなしにページいっぱいいっぱいまでイラストを描いてしまっていた。
しかも、Kindleのヤロウ、書籍を分割してアップロードできないらしく、今まで描きためたファイルをひとつにまとめる作業から始めなければならなかった。マジでめんどくさい。なんでJPEGでアップローどできひんの?
各回の表紙絵も合わせて280ページ以上。ファイルをひとつにまとめるだけでもかなり時間がかかった。
全てのファイルをひとつにまとめたあとは、
各ページが切れないように縮小しなければならない。
現在100ページまでKindleサイズに編集したのだけれど、編集作業なんてやっていると平気で3〜4時間が経ってしまう。
ああ、おれは一体何をやっているんだって何度思ったことだろう?
こんなことで時間をロスするならば、最初っから本の形態を意識してガイドブックを描くんだった…。
後悔先に立たずだ。
痛みを伴わないと理解できない自分が恨めしい。
似顔絵からSNSでも使えるアイコンを作り始めた。
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編集作業は単調な作業だ。
そこにはあまりクリエイティブは必要とされない。
自分は何か生産しているつもりでいても、その時間は絵の生産性がない。
長いスパンで見ればこの編集作業も自分の作品作りの土台作りとして意義のあるものと考えることができるのかもしれないが、
一日中編集作業ばかりしていて絵を描かないのであれば、当然腕はなまってしまう。
こういう時に考えるのが
ミュージシャンはレコーディングとライブの時をどう分けて考えているのだろうか?
ということだ。
ミュージシャン達はレコーディング期間中もライブツアー中も、毎日楽器に触れていることだろう。だが、四六時中新しい音楽を作り続けているわけでもない。
アルバムだってコンスタントに出しても年に一作とかだし、アーティストの中にはアルバムを出すまでに数年かかる場合だってある。
それだけ僕たちが聴いている音楽というものは作るのに時間を要するのだろう。編集とかすっげー時間かかりそうだしね。
そんな「音楽」というコンテンツを考えた時に、その再生性を僕は羨ましく思ってしまう。
わずか3分ちょっとのコンテンツをリスナーは何度も何度も消費し(飽きがあってもそれが完全に消費されることはない)、熱心なリスナーはミュージシャンのライブへと足を運ぶ。
レコーディングが終われば、次にあるのはライブツアーだ。
あれほんとうにいいよね。ツアーっていってみれば「旅」だもんね。漫画も一冊出したらツアーしたいくらいだよね。
まあ僕は既存の漫画家にはもともとなるつもりはないから、
そこをどうぶち壊すかをいつも考えているのだけれど。
これが漫画だったらどうだろう?
週刊連載を抱える漫画家は一週間ごとに新しいコンテンツを消費者へ届けねばならず、
読者が足を運んでくれるライブというのは、漫画家にとって絵を描いている時間ということになる。
絵を描く姿を生配信するのもありだが(実際にそういう漫画家なりイラストレーターはいる)、
視聴者が絵を描く人間じゃない限り、見ていてもあまり面白いものではないだろう。
筆だって止まったりするだろうし、かと言って作画中にずっとトークができるわけでもない。時にはダレてしまうことだってあるだろう。
ずっと編集していると、自分の作品作りをしているのだという感覚はあっても、自分を発信している気にはならない。
ずっと作業することよりも、今は他のこともできる余白を意識するようにしている。
何かをし過ぎることも考えようなのだ。
焦ってもしゃあない。パフォーマンスのムラがあってもよくない。
毎日毎日決まったペースで走れるかが大事なのだ。
一気に追い込みすぎないで安定したペースでインドガイドブックを編集中だ。
年内にはリリースできると思うので気長に待って欲しい。
もちろん他の作品作りもするけどね。
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