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「音フェチ」
なのかもしれない。もしかして僕は。
だけど、音だったらなんでもいいわけじゃない。
僕がどんな音が好きなのか例を挙げるとするなら、
「紙と鉛筆が擦れる音」
が好きだ。
他にあげるとしたらタイプライターが「カカカカッッ!チーン!」ってなる音も好きだし、MacBookのキーボードを叩いている音も好きだ。あぁ、雨音とか好きだな。時々YouTubeで流してるよ。
特に古いのは音がいい。
なんか落ち着く..。
まぁ、そんな具合に特定の音が好きなんだけど、特に鉛筆(むしろシャーペンの方が多い)の場合、
あの「コリコリコリ..」という音がたまらない。
筆圧が奏でる音が気持ちいいのだ。
ゼロから何かが生まれてきているような気がするし、『あぁ、今なんか作業しているな』って実感を与えてくれる。
漫画を描く時に使うGペンが原稿用紙に当たる音もいい。
僕はそういう「音」も含めて作業している。
だからヘッドホンで外部の音を遮断しながら絵を描いたり、キーボードを叩いているとなんだか変な気分になってしまう。
外部の音を遮断して作業する時もあるんだけど、その時は気分だ。内(うち)に篭りたい時、音楽で雑念を軽減させたい時はそうするのだ。
全体的な割合からすれば音楽をかける時はスピーカーから流す時の方が多い。
いずれにせよ、は作業の時に鳴る音が好きなのだ。
好みがうるさくて恐縮なのだが、作業の時に流れる音であればなんだっていいわけではない。
他人が出す作業音は逆に僕をイライラさせる。
特に筆圧の高いヤツなんてダメだ。これは浪人時代にそういうノイズに対して敏感になってしまったってのもある。筆圧が高い人間に対して嫌悪感を抱くことだってあるし、「ガッガッガッ!」という、あてつけのようにしか聞こえない音を出すヤツは品がないとさえ思う。どうして他の人のことを気遣うことができないのだろう?ちょっとやそっとじゃ消えない文字を書きたいのであればぜひパイロットの「フリクションボール」を使って欲しいと思う。ただあれ、温度で文字が消えるから、夏場にインクが消えやすくなるらしいよ。
キーボードだって叩く音が大きいのはダメだ。周囲に対して自分が作業していることをアピールしているみたいだし、何よりうるせえ。最近そういう人あまり会わないけど。
結局のところ、
僕は自分の出す作業音が好きなのだ。
ベストなのは自分の机でお気に入りの道具を使っている時に出る音が。
自分の机にB3の大きな紙を広げ、そこにコリコリと文字を書き込んでいく。
お気に入りのボールペンはuniのJETSTREME(ジェットストリーム)だ。
いろんなボールペンを試したけど、これだけインクが滑らかで、それでいて鉛筆に近い書き心地のペンは他にない。絵を描くのにはちょっと物足りないんだけど、文字を書くのにはぴったりなペンだと思う。

最近、作家がどんな作業場で本を書いているのか気になったので調べていくうちに、例のごとく村上春樹の作業机の写真に行き当たった。
彼の作業場は本当にシンプルで余計なものがほとんどなかった。
机の上にはiMacとキーボード。それとムーミンのマウスパッド。翻訳中の本にゲラ。そして大きなマグカップがひとつ。

同じ部屋には大量のレコードがあるみたいなんだけどね。
その画像に関連して、彼がワープロを使う前に書いたとされる「生原稿」の画像も出てきた。
そこに書いてある文字がめちゃくちゃ可愛かったんだな。いや、あれ、文字を書くのが好きな人じゃないと書けないような字だったんだよ!
思わず字に萌えた!

カワイイ..。
村上春樹氏は作家になる前は8年間、自身のバーを営業していた。きっとそこでは毎日雑務として記帳したりすることが多かったんだろう。
そんなことを想像すると、字というのはその人の生き様を表すこともあるようにも思える。
また、僕みたいに絵を描いている人間だと、文字さえも絵を描くようにして書くのかもしれない。
習字に「留め」や「ハネ」があるように文字だって形だ。なんなら絵でもある。
僕はどっちかといえば形として文字を書いているのかもしれない。
そんな作業音と文字のお話。
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