「これを合宿と呼ぼう」

世界一周７４５日目(7/14)

一泊９０ペソ。

約７２０円。

部屋数もあり、ドミトリーは広く、各部屋に机もついている。
もちろんコンセントだってある。

Wi-Fiは少し遅めだが、時間帯による。
夜は宿泊客たちが使うので遅く、朝の時間帯は早い。

ここはメキシコ、メキシコシティ。

「ぺんしょん・あみ～ご」は
僕が利用してきたメキシコの宿の中でダントツで安かった。

それだけでも嬉しいのに、
なんとここで朝食がつくんだっていうから驚きだ。

逆に少し不安になる。これで利益が出ているのでしょうか？と。

いずれにせよタダメシはありがたい。

この日はバナナでした。

８時半に目を覚ますと、一階の共有スペースに直行した。

朝ご飯の内容は食パン、バターとジャム、
何かおかず的なものが一品、そしてコーヒーまでも飲める。
コーヒー好きの僕にとってはたまらない♪

ここに泊まっている他の人たちはどうやら朝が遅いようだった。
まだほとんどご飯が減っておらず、
後の人の分も気にしながら僕は朝食を食べた。

朝食を食べ終ると、三階のドミトリーに戻り、机の上にパソコンを広げた。

Wi-Fiの調子は今のところ問題ない。
コンセントを利用しながらたまった日記を書く。

時間はあっと言う間に過ぎた。気がつけば１５時を回っていた。

ここの宿にある机のほとんどは木製のもので
表面がゆがんでいるために絵を描くのにはあまり適していないが
三階の階段の手前に漫画を描くのに丁度いい机が置いてあった。

そこの机だけ表面が平らで、
小学校の職員室に置いてあるようなやつだ。

それでも作業場を求めてカフェを
探す必要もなくなったので、ありがたかった。

絵を描く道具と一緒に昨日買ってきたB3の紙の束外の机へと運んだ。

『さてと。最近絵を描くまとまった時間がとれていなかったからな。
今日はガッツリ描くぞ』

そう意気込んで絵を描き始めた。

相棒のまおから、
前回ポカラにいる時(僕はトレッキングもせずに
「サンタナ・ポカラ(日本人宿)」で一週間漫画を描いていたのだ)
に描いた漫画の描き直しを命じられていた。

だが、今度はギャラが出るらしいのだ。それはありがたい。

内容はフジロックでのボランティアの活動を
漫画にするというのもだった。

そう。

フジロック!!!

７月２４日から三日間、
いよいよ静岡県の苗場スキー場で開催される
日本最大級の野外音楽イベントだ。

日本国内と海外から様々なジャンルとアーティストが集う。

音楽んだけじゃなく、サーカスやストリップなども行われ、
初めてフジロックに言った時は
『日本にこんな場所があったのか..??!!』と心底驚いた。

飲食店もアツい。

NGOヴィレッジなどではワークショップに参加できたりもする。
ヨガとかもあるんだよね。すげえよな。

そしてフジロッカーたちは毎年
「またフジで」と約束をして苗場に戻ってくるのだ。

そんなフジロックで僕は２０１０年をボランティアを
コーディネートするコアスタッフとして、
翌年にボランティアで参加したわけだが、

あの空気感をありありと思い出すことができるよ。

あの場で経験したことは忘れられない。

何ヶ月も前から作り込みをし、
当日ボランティアのみんなと活動したあの時間。

あぁ！クッソ！
行きたい行きたい！フジロック！

相棒のまおくんは、
仕事先のNGOでボランティアのケアや
資源分別のナビゲートなんかのコーディネートをやっている。
今が一番忙しい時だ。

いや、一番楽しい時だな。

まず始めたことはフジロックの資料探しだった。

各ステージやエリアには名前がつけられている。

どの場所も特色があって、
演奏するバンドもそのステージに合ったものだ。

一番大きなグレーンステージ、二番目がホワイト、
フィールド・オブ・ヘブンでは映画「BECK」の撮影が行われていた。

ピースフルなアヴァロン、フードコートが立ち並ぶオアシスエリア、
ところ天国、etc。

あぁ、書いてて行きたくなってきたよ。

今年から「オレンジコート」という場所がなくなってしまうらしい。

ワールド・ミュージックを演奏するバンドが来ていた場所だ。

YouTubeでどんな場所だったか確認する。

苗場の外れにあるこじんまりとした
「ピラミッドステージ」はキャンドル・
ジュンが毎年ピラミッドの製作を手がけているようだ。
フジロックのホームページから彼のインタビューを読んだりした。

フジロックの資料を見ながらB3の紙にスケッチをしていく。
買ったばかりの紙は厚手でそれでいて、
シャーペンとの相性はバッチしだった。

そしてズルズルと時間が過ぎていった。

資料探しってこんな感じだよな。

時々YouTubeでELLEGARDENのライブ映像を観たりした。
格好良過ぎて気が散った(笑)

今回は製作量が出るらしいので、準備もしっかり時間をかける。

だが、まだ「ゴーサイン」は出ていなかった。
依頼が完璧に決まったというわけではないのだ。

相棒にLINEで連絡しても
「下描きくらいだったらいいよ？」と曖昧な返事が返ってきた。

休憩がてらに宿を出て３０m先にあるコンビニ「オクソ」へ行く。

コーヒーのグランデとお菓子を少し。

動いていないので全く腹が減らなかった。

ドミトリーで同室のアツシさんは煙草を吸うようだったので、
もらい煙草をした。

禁煙とか言っているけど、もらい煙草ならしていいルールなのだ。

僕がお金払おうとすると、
「いや、いらないよ」とスマートに僕に煙草をくだすった。
へへへ。ありがとうございやす。

メキシコシティ滞在二日目日にして
引きこもり度合いが一気に加速した。

「しゅ〜〜〜りょ〜〜〜〜!!!」

ここは危険な場所だ。

宿から一歩も出ずに一日を終えることもできる。

とりあえずこれを「合宿」と呼ぼう。

うん。なんかいい感じだ。

引きこもりじゃないよ？沈没でもない。

只今製作活動中。

合宿中。

なんだか高校の時のハンドボール部を思い出すなぁ。

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