▷走ること。記憶の中を。

 

 

 

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30までにはタバコをやめる。

そう決めた理由のひとつに、バイト時代の店長が同じことを言っていたのがひとつと(その後、彼が無事禁煙に成功したのかは知らない)

僕が物を作る上でのロールモデルにしている村上春樹も29歳で群像新人賞を受賞し、作家を志してからはタバコをやめたからである。

 

まだやめたばかりで「もらいタバコはカウントされないルール」を適用しているため、喫煙者の知り合いには呆れられているのだが、確実にタバコを吸う量は減っている。

っていうかそもそも僕、へヴィスモーカーじゃないしね。特にイライラしないんだよ。吸わなくても。あ、その代わりお菓子の摂取量が増えたな。

 

 

さて、今日は
全く違う話だ。

なんかこの「エッセイ」ってスタイル、悪くないね。好きな時に好きなこと書けるから。エッセイって言葉の意味はGoogle先生曰く、「自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文。随筆。随想」らしいから。まぁ、ありだよね。今までの日記とも違うしね。

 

 

 

 

 

「走ることについて」

僕は高校生までは運動部に所属していたのだが、大学入学と同時に一気に運動しなくなってしまった。

それでも、体が全く使い物にならないということはなかった。バイトも飲食店の立ち仕事でホールを駆け回っていたし、旅をしている間は「ハイカー」と言っても差し支えないくらい、毎日重たいバックパックを背負っていろんな場所をほっつき歩いていた。

 

 

さて、問題は日本に戻ってきてからだ。

やっと描きたい漫画が描けるようになったのはいいが、家から一歩も出なくなってしまった。このままではマズい。

っていうか、12時間前に「すすんで傷つこう」とかブログを書いちゃったもんだから、自分で実践してみないことには説得力がない。

余談だけど、この日は何も口にしていない。プチ断食だ。なぜだか体が軽い。

 

 

 

 

まず僕は、一人暮らしをしている真ん中の弟(タカ)の洋服ダンスからハーフパンツを借り、一番したの弟(トシ)のランニングシューズ(アシックス)を借りると、僕は夜の地元を走り出した。

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そろいもそろって喫煙者とはな。だがおれはいち抜けたぜ!

 

 

「走り出す」と言ってもジョグ程度のスピードだ。運動不足の人間が最初っから走れるわけない。

最初は家の周りをぐるっと一周しようかと思ったのだが、なんとなく『通っていた高校まで行ってみてもいいかもな?』と気が変わって、もっと先まで走ってみることにした。新しいナイキのランニングシューズを手に入れたフォレスト・ガンプが先へ先へと走っていくように。自然と体はそこまでキツさを感じなかった。

 

 

僕が通っていたのは「生田高校」という県立高校だ。

ごくフツーの高校生活。ごくフツーの三年間をそこで過ごした。
そしてごくフツーの失恋をした。

 

だけどね、不思議と、以前僕が通学のために自転車で走っていた道をランニングしていると、当時の思い出が断片的に頭の中に浮かんできたんだ。そのときの感情も一緒に。

あのときの三年間は決して「ごく普通」の学園生活ではなかったのだ。あのとき僕が送った高校生活は今の自分を構成する要素のひとつになっていたのだ。

 

 

夜の道を走っていると、そこはほんのちょっとだけ景色が変わっていた。

道幅が少しだけ広くなっていたり、新しいコンビニエンスストアができていたり、昔あった行きつけのコンビニは反対につぶれてしまっていたり…。

当時からそこにあったのだろうけど、「とんかつ」の字に今更反応してみたり。

 

 

 

当時聴いていた音楽が自然に頭に流れる。

なぜだかわからないけど、そのときは”tacica”の初期の歌が僕の頭の中でBGMとして鳴り響いていた。

 

 

あのとき、高校には実にいろんなヤツがいた。

部活が一緒だった同級生。クラスメイト。嫌なヤツ。好きだったコ。etc..

それらの人間が同時期に同じ場所に三年間もいたのだ。それなのに、どうして僕はそこにいたすべての人と知り合いになれなかったのだろうと思う。広いようで案外閉ざされたコミュニティに僕は属していたのかもしれない。まぁ、ほとんどの高校生がそうなのかもしれない。

 

 

それでも今となってみれば、そこにいたすべての人たちが愛おしく感じた。

 

 

彼らは今、どこで何をしているだろうか?僕みたいにワイルドサイドを歩いているヤツはいるのかなぁ。いたとしたら今ならとても仲のいい友達になれそうな気がするよ。

まぁ、同窓会とかは行かないけどさ。僕はひねくれ者なんだよ。

大丈夫。繋がれるヤツは大人になっても繋がれるし、そうじゃないヤツは各々の人生を歩んでいくだけだから。

今の僕は人生史上ありえないスピードで仲間や友達ができている。間違った道じゃない。僕が歩くべき道はここでいいのだ。

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まさか中学の同級生と今もこうしてつるんでいるなんてね。想像できなかったな♪

 

 

 

通学路の途中にあるバーミヤンは今もそこにあった。

近くで制服を着た三人組が立ち話をしていた。こんな夜遅くにいるっていうことは、きっとバーミヤンで受験勉強でもしていたのかもしれない。もしくはただ単に楽しくくっちゃべっていたか。

 

生田高校まで続く坂道の下まで来ると

祝!全国大会出場

と書かれた横断幕が張り付いていた。

そこには何の種目で全国大会に出場することになったのかが書かれていなかった。僕が高校生だった頃は、なにかで全国大会に行く部活なんてなかったのにな。

 

 

坂道を登りきると、そこには僕が三年間通った高校が当時の姿のまま、そこに建っていた。

僕は速度を落とし、しばらくそこにたたずむ母校を眺めていた。

僕の周りにあるものはあれこれ変わってしまったけれど、こうしてそのままの姿であり続けてくれるものを見て、僕はどこか心が落ち着いた。

 

 

 

「また来るから」

そう言い残して僕は元来た道を走り始めた。

 

 

 

僕は通学路を走りながら、同時に思い出の中も走っていたのだ。

さすがに往復8kmはキツかった。きっと明日は筋肉痛だろうな。

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