「それは集中力ではない。”ノリ”だ!」

 

 

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「集中力は15分しか続きません」

と、どこかのモジャモジャあたまの脳科学者が言っていたような気がする。

どいうわけだかその言葉を聞いたとき、僕はすんなり納得してしまった。

 

「なるほどな。どうりでおれは勉強できないわけだ」

と。

僕は自分で呪縛のようなものをこさえてしまったのだ。

 

 

◯◯は△△である」と断定的な言い方をされてしまったのであれば(それも何かの権威のような人が言ったのであれば)それが100パーセント正しいように錯覚してしまうのも無理はないだろう。

そして日常生活やクリエイティヴのあれこれに当てはめて、作業にノれなかったりすると「集中力は15分しかもたないのだから仕方がない」と言い訳をするようになってしまった。

 

 

いや、まてよ?

果たして集中力は15分しか持たないのであろうか?

 

そんなわけはない。

 

 

 

小さい頃に夢中になって日が暮れるまで遊んだ「あれ」は集中力とは関係ないのか?

高校の文化祭目前で楽器の練習をひたすらにしていたあの時間は集中力とは無縁だったのか?

飲食店のバイトで店内を駆け回っていたあの瞬間は集中していなかったと言えるのか?

映画を見ている時のあの濃密な時間も集中していなと?

仲間たちと酒を飲み交わしながら熱いトークを繰り広げるあの場も集中とは無関係だっていうのか?

今だってそうだ。絵を描いている時だって僕は集中しているはずだ。

 

 

つまりは、

僕は「集中する」という言葉に惑わされていたのだ。

 

そして特にこの言葉を意識するのは集中していない時であることのほうが多い

どうしても絵に気持ちが向かわなくなってしまって、「おっと、いかんいかん!集中しなければ!」と思ったり、好きでもないことに取り組まなければならない時、気持ちが分散してタスクにうまく取り組めない時、言い訳として「集中力の話」を僕は思い出すのだ

 

 

 

 

 

 

 

最近僕は「集中する」ではなく、「ノっている」という言葉を使うようにしている。

波に乗る。音に乗る。最近だとスケートボードに乗っている。

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その流れを上手くつかむことに意識を向ける。

そしてこのノリは僕の場合、「楽しさ」とも密接な関係にあるようだ。

作業に上手く乗れている時は楽しくて仕方がない。食欲さえもどこかへ行ってしまうのだ。みなさんもそんな時ってないですか?

 

ノリ/流れに乗ることが意識できるようになってくると、今度はそのノリがどうやったらなくなってしまうかも自然とわかるようになってくる。

たとえば僕の場合、ノって絵を描いている時に、ご飯食べるだとかかシャワーを浴びるだとかしてしまうと、その時点でもうノリや流れはどこかに消え失せてしまう。

ご飯の場合、理由は簡単で、食べ物の消化にエネルギーが使われてしまうからだ。適度な空腹感の方が僕の場合はエネルギーを一点集中できる。

まぁ、何年も同じようなことをして、何回も流れを見失っているからこそ、ようやくそれを失わないようにするためにはどうすればいいのかがわかってきたのだ。

 

 

流れにノったら、あとはその状態をキープすることに意識を向ける

作業中に誘惑がちらほらと頭の中に浮かんでは消えるのが厄介だが、それはまやかしだ。

「あ!そうだ。Facebookのメッセンジャーで誰かと連絡を取り合ってたんだっけ?」だとか

「あー、この前の映画レビュー、もう一回YouTubeで聴きたいなぁ」とか。

それをしてしまったのであれば、いい流れから遠ざかっていってしまうのもわかっているはずだ。

もちろん誘惑に勝てない時があるが、あとになって冷静になって考えてみると、SNSもYouTubeも別になくたって平気なことに気がつくだろう。

「もしさっきのまま、ノリを保っていたらどうだっただろうか?」

そう考えることが大事なのかもしれない。

 

 

 

断っておくけど、僕は普通の人間だ。とりわけクリエイティブなわけじゃない。

煩悩は多いし、誘惑には勝てないし、好きなことでも一日中やり続けることなんてできない(疲れちゃうしね)。

だからこそ、自分の状態がどのようなものであるかに注意し、ベストなコンディションやパフォーマンスを目指すのだ。

なんだか生きることってアスレチックだね。

 

 

そうやってノリを意識していたら、晩御飯を食べるタイミングを逃すようになってしまった。

バイトから帰ってシャワーを浴びて、作業。

いい感じでノって23時とか回ると、果たして今ご飯を食べる必要があるのだろうか?と考えてしまったり、食欲もどこかへ行ってしまった。

なんだか腹も減らないのは不思議だよ。

 


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