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旅する漫画家シミです。
いつもエッセイ漫画「荷台のマトリョーシカさん」を別のマガジンで連載しておりますが今回は創作8ページの漫画を描いてみました。
ここ数年フリーランスで生きていく人が目立つようになり、ひとつの生き方の選択肢として選べるようになってきたように思えます。でも、会社に属して働いている人と比べると、あれこれ一人でやらなきゃならいし、安定も保障もない。正直不安しかありません。僕も同じです。
そして何かを始めた時は、誰もが一気に輝けるわけでもなく、誰からも見向きもされない下積み時代があるのだとも思います。結果が出ない時はキツイですよね。周囲からは理解されないですし、時には焦り、気分が落ちる時もあります。
多かれ少なかれこの漫画の主人公に自分を投影しているんだと思います(こんなに上がったり下がったりはしないけど笑)。僕も漫画を仕事にしたいと考える以前は不安しかありませんでした。
「浪人して、そこそこ知名度のある大学に入って、企業に就職してお金を稼いで結婚して…、家を買ってー…」みたいな、フツーの幸せを思い描いていたからです。でもうまくいかなかった。早い話向かなかったんですよね。自分がサラリーマンに向いてないんだなと自覚してからも、漫画を描くことにチャレンジする前は不安しかありませんでした。
「お金が稼げなかったらどうしよう??」
「病気になったらどうしよう?」
「年金や税金は???」
将来について考えだすと「それをやらない理由」しか湧いてきませんでした。
僕がそこから抜け出せたのは「諦めた」からです。
別に僕が失敗しても誰も困らない。幸せになろうと最大限の努力はするけどそうはなれないかもしれない。でもいいじゃないか。そうなった時はそうなった時さ。とりあえずやってみようじゃないか。
そう考えて10年描いてきました。
だからといって偉そうなことは何も言えません。
ただ、続けていくと前よりちょっとだけ漫画が描けるようになったという実感があるだけです。僕の作った話が誰にも届くのかはわかりません。でもやるしかないんです。自分で決めたことだから。何より今は描くのが楽しいから。これからまた10年経ったら自分はどれくらい描けるようになっているのか考えたらワクワクしかありません(「何が起こるかわからない」という意味では未来のことなんてわからないけど)
「無理してもしょうがないけど、続けてみようよ。
そんなすぐに結果はでないさ。続けることが一番難しいんだ。
続けてるだけでもすごいんだよ。君は」
フリーランスという言葉一括りにはできませんが、
個人で生きていくガッツの人たちに向けて描いた漫画でした。
読んでくれてありがとう。
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