世界一周636日目(3/27)
無事な靴下
と言ったら、カサブランカからヨルダンに飛ぶ時に乗った
エティハド空港でもらった薄っぺらいベージュの靴下だけだった。

他の靴下はどこかしら穴が空いており、
僕はその度に縫合手術を施さなければいけなかった。
縫ってもダメになってしまった靴下は、
テントの雨漏り対策に使っている。いわば雑巾代わりだ。
朝のコーヒーをいただいた僕は
そのまま靴下を探しに街に出ることにした。

今日はエリオットの仕事が最後の日でもあり、
マユさんは一緒にランチをすると言っていたので、
僕たちも各々に行動した方がいいだろう。
9時半に家を出てそのままロングストリートを下り、
向かった先はウォーターフロントだ。
というか、ウォーターフロント以外に
どこに行けば靴下が手に入るのかは知らない。
できればトレッキング用の厚手の靴下が欲しいところだ。
途中、オフィス街にあるホットドッグ屋に立ち寄ったりして
のんびりとウォーターフロントへ向かった。

ウォーターフロントは前にも書いた通り、
観光客向けになっている。
フードコートの充実ぶりや、お土産品の数々、
中には木琴を演奏するグループまでもいた。
きっと彼らは許可を得てここで演奏しているのだろう。


僕はケープ・ユニオンという南アフリカ発の
アウトドアメーカーへ行き、
一足800円ほどの靴下を二足買っておいた。
そのままトイレに入ったのだが、
隣りのトイレから水詰まりが起こって、
こっちまで水がじわじわと流れてきた時はかなり焦った。
まぁ、靴下を買いましたよって話。
とりたたてて書くことはないかな。
靴下を
買った後も寄り道をして戻った。
「St.George St」だか、たしかそんな名前の通りだったと思う。
そこには割と安価な雑貨が、個人的な露店を通して売られていた。
僕の目に留まったのは大きな布だった。

大きな布には手描きのペイントがされており、
それ見た時、なんだか相棒と僕が企画している雑貨屋さんの
仕切り変わりになてってもいいかもなと思ったのだ。
南アフリカはほとんど先進国なので
雑貨も日本と同レベルの品質の高いものがほとんどだ。
だからこそこういうハンドメイドの雑貨に僕はグっとくるのだ。
すぐには買うつもりはなかった。
お店のおっちゃんに値段を訊いて、
「これはプレゼントだから、一度友達に訊かなくちゃいけないんだよ」
といつもの逃げ口上を述べると、
あれよあれよと値段が下がっていった。
千円以上も値段が下がり、
自分の中で設定した「これくらいの値段」にもマッチングしたため、
僕はその場で大きな布を購入した。
「ウチのかみさんがそこにいるから、値段は伏せておいてくれよな」
お店のおっちゃんはそう呟いた。
まぁ、そういうセリフって大体買ったヤツを
いい気にさせるための嘘だったりするんだけど、僕としては満足かな。
まぁ、もっと安く変えたらその人が得した気分になるだけさ。

「毎度あり〜〜〜〜♪」
次に見つけたのは、
針金とビーズで作られた動物たちのキーホルダーだった。

平面的なものもあれば、立体的なものもある。
もちろん後者の方が手が込んでいるため値段も高い。
ダハブでお会いしたヒサヨさんが南アフリカで
カメレオンのキーホルダーを買ってバッグにつけていた写真を
Facebookに投稿していたことを僕は思い出した。
サイや象、キリンなど、ベタな動物はあるのだが、
カメレオンはどうもクオリティの低いものばかりだった。
ジョージ・ストリートを抜けて、そのまま道路を渡った、
大きな公園の横を抜ける並木道の入り口で
ようやく本命を見つけることができた。
この動物キーホルダーの面白いところは、
これらがどこかの国から安く仕入れてきたものではなく、
南アフリカで作られたハンドメイドであるということだ。
そこの露店にはおっちゃんと奥さん、
その子供が日傘の下で作業をしていた。
カメレオンにはキーホルダーのリングがついていなかった。
そのことをおっちゃんに伝えると、
おっちゃんはあっという間にリングをカメレオンに取り付けてくれた。
こういうサービスっていいよね♪

バッグにつけてどこでも一緒。
南アフリカから来た動物キーホルダー。
雑貨を手にする前からストーリーが詰まっている。
これはいい雑貨だと思う思う。

帰り道の途中で見つけたのは、いい雰囲気のCDショップだった。

実はこれは先日見た
「シュガーマン」に出て来たCDショップらしいのだが、
僕はそんなことも知らずに
『うっわ!この店めっちゃいいじゃん!』
と興奮して中を見てまわっていた。
中古のCDというのはなぜだか好きだ。
中古のものは少し年代が古いし、
自分の知らなかった音楽を安く手に入れることができる。
ブックオフでよくジャケ買いしてたなぁと、
日本にいた頃を懐かしく思いながらCDをざっくり見て
お店を後にした。
家に戻る前にカフェに立ち寄った。
ラージサイズで20ランド(200yen)もするお店だったが、
ここも雰囲気のいいお店だった。

南アフリカのカフェはチェーン店はほとんどなく、
一件しかないオリジナルのものが多い。
カフェ巡りなんてのも面白いかもしれない。
それに値段もそこまで高くないしね。
夕飯は
家にあった材料で作るココナッツカレーだった。
食後の皿洗いを決めるために、
今度は「いっせーのせ」、もしくは「指スマ」で
マサトさんと争ったのだが、この日も僕が皿を洗うことになった。
マジで強い。この人は。

マサトさんは55~56kgしか
体重がないというのに、僕より食欲がある。
ココナッツカレーを食べ終わった後も
パスタを茹でて食べようとしていたのには、
エリオットが「お前まだ食うのかよ?!」と驚きの顔をしていた。

明日はみんなでキャンプに行くことになっていたので、
パスタを茹でているマサトさんを後にして、
僕たち三人はチェッカーズへ二日分の食糧を買いに行くことになった。

茹でてます…。
チェッカーズで、僕が出る幕はほとんどなかった。
トレッキングやキャンプに慣れているマユさんとエリオットは
スムーズに材料を籠に入れていった。
「これ見てみなよ!」
と言ってエリオットがヒマワリの種の100gあたりの
タンパク質の量を見せてくれた。
あんな小さな種だっていうのに、ヒマワリの種には
豊富なエネルギー源が蓄えられていることが分かった。
「だからこれは、”Sun Power Seed”なんだ」
そうエリオットが言った。
帰り道、僕はマサトさんが食事を食べ終わり、
鍋も洗っていてくれることを想像した。
気の利くマサトさんのことだ。
掃除までやってくれているんじゃないか?
「あ!マサトくん寝てる!」

入り口のブラインダーからマサトさんが、
休日のお父さんばりにごろごろしている衝撃の姿が
僕の目に飛び込んできた。
もちろん洗い物もやっていない。
「や~~~…
ココナッツ全部食べられなかったです」
とかたわけたことを抜かす始末!
食べられないんなら茹でないでよ!
僕はこの時になって、
ようやくお母さんの気持が
痛いほど理解できた。
いつも食器洗いまでやってくれるお母さん。
それが当然のこと過ぎて、全然なんともおもわなかった。ごめんね。
お母さんがいつも夕飯を作り終わった後に必ず缶ビールを飲んで
自分にお疲れを言う気持がわかったよ。
食器くらいは洗って欲しいよね。
ふがいないマサトさんの姿を横目に、
僕はお母さんに謝るように食器を洗った。
明日はキャンプだ。
パッキングが終る頃には日付は変わっていた。
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