「旅人料理人」

世界一周763日目(8/1)

 

 

あっ

という間に月が変わり八月がやって来た。

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奥の眼鏡の男の子がマコっちゃん。

 

 

思ったよりものんびりと旅をしている。
今年中には日本へ帰る予定だったけど予定は延びそうだ。

 

 

「いつ帰るの?」と訊かれると
「あと4~5ヶ月したらね」と答えてる。

なんかアメリカにいる時から同じこと言っているな。
中南米にはそういう長居したくなる魔力みたいなのがあるのかもしれない。

物価は東南アジアほど安くはないが、
いればいるほど旅を続けたくなるのだ。

 

 

 

ここはメキシコ、オアハカ。滞在三日目
泊まっている宿は「Luz de Luna」というバックパッカー宿。
一泊130ペソ(989yen)の朝食付き。

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宿代は今日の分まで払っている。

朝食を食べ終わるとマグカップにコーヒーを注いで
ドミトリーの前にあるテーブルに持って行った。

ここの宿は居心地はいいのだが、
ちょっともどかしいところもある

例えばドミトリーにコンセントが
ひとつしかないだとか(しかもトイレの中に)、
外のテーブルのコンセントのある席は他の宿泊客と取り合いで
常に誰かがマルチタップいっぱいに充電しているだとか、
キッチンでWi-Fiが使えないとかだ。

まぁ、贅沢なこと言ってますけどね。

 

 

近くにコンセントのないテーブルで僕はパソコンを広げたが、
日記ははかどらなかった。

おかしいな昨日はスラスラ文章が書けたのに。

 

 

あまり作業もはかどらないままズルズルと時間を過ごしていると
マコっちゃんが僕を昼食に誘ってくれた。
宿の近くに40ペソ(320yen)のビュッフェがあるらしい

フランス人女子のフローは外出中だったが、
14時に戻ってきてメキシコシティ行きのバスに乗るらしい。

ちゃんとバイバイしたかったので、
充電中の彼女の携帯電話の下に置き手紙を残しておいた。
地図も書いておいたから大丈夫だろう。

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レストランそのものは宿から1分以内に行ける場所にあった。

そこそこ店内は賑わっており、
テーブル席に荷物を置くとトレイに食事を盛っていった。

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初めてポソレを食べたのもこの時だった。
スープにトウモロコシがポップコーンのように膨らんだものが浮いている。
トルティーヤと合わせるとなかなか美味しかった。

 

 

最初マコっちゃんと彼女を見た時、彼らが自分よりも歳上に見えた。

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マコっちゃんは顎に髭を蓄え、
赤く染めた髪をツーブロックにし、髪を結わえていた。
旅慣れた歳上の日本人に僕には思えたのだ。
それにスペイン語が喋れたってのもあったろう。

マコっちゃんの彼女も大人っぽい雰囲気を持っていた
(話たことはないのであくまで印象だ)実際は二人は23歳と22歳。
僕よりも三つ歳下だった。

 

 

マコっちゃんとの会話も僕がタメ口で、
向こうは「です/ます」調になっていた。まぁ、話しやすい方でいいか。

 

 

マコっちゃんと話してみると
キャラクターにどんどん設定が増えて行く感じがした。

4年近く魚の解体屋として会社で働いた経験のあるマコっちゃんが
やりたいと思っているのは「メキシコ料理をきっかけにした食育」。

それも子供が好きというマコっちゃん。
嬉しそうな顔をして自分のやりたいことを僕に訊かせてくれた。

そのスペイン語はグアテマラのサン・ペドロという湖のある町で
身につけたそうだ。

学校には行っていたらしいが、
本人は現地の生の会話の方が役に立つと言っていた。
まさに本場仕込みだ。かれこれ8ヶ月こちらにいるらしい。

 

 

自分で作ったというグアテマラの布を使った財布入れは
雑貨好きの僕にはたまらない色合いと出来だった。

初めて作ったと言う割にはそのクオリティはたいしたものだった。
「これ売れるんじゃないの?」と僕は言ったくらいだ。

 

 

 

会話も弾めば、食も弾んだ。ついつい食べ過ぎてしまう。

マコっちゃんは辛過ぎる物が苦手らしく、
よそったサラダを少し残していた。僕が代わりにそれを食べた。

ほら、捨てるのはもったいないでしょ?

 

 

レストランにはガットギターを持ったマリアッチが入ってきて
数曲歌って行った。

僕はいい気分だったので、彼に5ペソを渡して親指を立てたが、
周りの客はあまり彼にレスポンスをしなかった。
流しの弾き語りも大変だ。

 

 

作業がうまく進まない時、外に連れ出してくれたマコっちゃんに
僕はお礼を言った。気分転換になったよ♪

 

 

だが、宿に戻ると作業する気は湧いてこなかった。

食べ過ぎたのだ。ウウェップ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

16時半

にギターを持って宿を出た。

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マセドニア通りには他のパフォーマーはいなかった。
いてもアコーディオンを持った子供くらいだ。

音がかぶらない音の響く場所でポジションでギターを鳴らした。
ソカロのように賑やかではないので音が響いた。

レスポンスも好調!オアハカの方が観光客の割合が多い気がする。

だが、一時間でストップがかかってしまう。
やはりここでやるにはライセンスがいるらしい。
が、多分他のヤツはおとがめなしなんだろう。

 

 

言われた通り渋々ソカロに行くが、

もはやイジメに近い。

「好きな場所でやってもいいよ?」と言われても、

 

 

演奏できる場所がないのだ。

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宿代はもちろんのこと、
ここからメキシコシティに戻るのにバス代がかかるし、
パソコン修理にだって金がかかる。
できれば少し足しにしておきたい…。

 

 

演奏できる場所を探してウロウロしていると
段ボールを手に持ったアジア人を見つけた。

髭面にハット、カラフルなタンクトップにチノパン。
スペイン語の他に漢字が書かれてるのを見て
最初彼のことを中国人だと思った。

よくよく見ると

「旅人料理人」

と書かれている。

ってあの人か!

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「どうも!」

「あ、日本人の方ですか~。一周中ですか?」

「はい。ブログ読んで知ってました!
まさかこんな場所で会えるだなんて!」

 

 

ユウトさんのことはブログを通して知っていた。
それも彼ではない人のブログだ。

メキシコを旅する前に情報を集めている時、
自転車とギターで世界一周をするシンさんのブログを読んだ。
そこで料理をしながら旅をする日本人のことが書かれていたのだ。

飛び込みで現地のレストランで働くという。
それだけでなく、日本の食べ物を売ってお金を稼ぐというのだ。

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「じゃあ、コロッケふたつで♪」

 

 

数時間前腹一杯に食べたことなど忘れてしまった。
まさかメキシコでコロッケが食べられるだなんて。

保温製のある発砲スチロールのボックスから
赤みのあるコロッケが出てくる。ひとつ15ペソ(115yen)。

現地で作るコロッケの中にはチーズが入っていた。
それにサルサソースとケチャップをかけて食べる。
まだ温かいってことは出来たてか!

 

 

ユウトさんはここに部屋を借りて短期でレストランで働いているらしい。
それだけでなく週末になるとこうしてコロッケを売っているというのだ。

立ち話している間に現地の人がチラチラと興味津々でこちらを見て来る。

 

 

「さっき売り始めたばっかですよ。まだ30分くらいかな?」

「だいたいどれくらいで捌けるんですか?」

「早いときで一時間、50個くらい作る時もあるんスけど、
長くて二時間かな?一応全部売れるまでやるってのは決めてます」

 

 

ユウトさんの目的はずばり「中南米料理レストラン」を開くこと。

こちらには7ヶ月いるそうだ。
それでマコっちゃんと同じようにスペイン語を話すことができた。
レストランで働いているだけあり、リスニングも完璧。
フツーに会話している。

 

 

 

ユウトさんの話をしていると、マコっちゃんもやって来た。

「探したんですよ~!」
と手にはペットボトルのコーラを三本持っている。

 

 

 

「はい。これ僕の就職祝いです」

「マジで!仕事決まった?」

関西出身の二人。グアテマラで面識はあったようだ。

 

 

マコっちゃんは近くのタコス屋で働けることが決まったらしい。

何か前に進んでいる二人を見ていて僕はウズウズしてきた。

 

 

「よしっ!ムラムラしてきたんでヌいてきます!」

「ぶあっはっは!」

下ネタ好きなユウトさんが笑う。

「いや、今のはたとえで…」

 

 

 

息巻いてソカロでギターを鳴らしたが、撃沈。

ここでやるなら夕方以降はダメだ。うるさ過ぎる。

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あれなんだろ?ピエロ?

 

 

 

それでもアガリは433ペソ(3,331yen)あった。さすが週末。

そんなこんなで今日は面白い日本人二人の話。

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