鬱(ウツ)
っていうのは誰しもがなりうる精神疾患なのかもしれない。
誰もが周期的に経験するテンション、モチベーションのアップダウン。もしくはバイオリズム。
年々、これを患う人の数が多くなってきたのは、うつ病が認知されたからじゃないだろうか?昔は鬱という病気がそこまでポピュラーではなかったんだろう。
もう今はノリで乗り切れる時代じゃない。経済も成長しきって、豊かになっているんだかどうかわからない社会。
心を壊して仕事を辞める人の話がふつうのことに感じられるようになってしまったのはいつからだろう?
旅をしているときも、このアップダウンはあることにはあった。
それでも、旅そのものが楽しくって僕自身はあまり落ちることはなかった。毎日が移動の連続で野宿やヒッチハイク、そしてバスキングをして、あまった時間にブログを書いていたわけだから、テンションを落とす暇なんてなかったとも言える。
まさか、日本に帰ってきてからこんなにもテンションにムラができるだなんて自分でも思わなかったよ。
この間、Facebookでシェアされていた記事で読んだのだけれど、
日本に留学しに来たベトナム人が
「日本人はどうしてあんなにも働いているのに、幸せそうじゃないのだろう?」
と新聞に投稿したらしい。
それに対する外国人の答えのひとつが面白かった。
「彼ら(日本人のことだ)はマグロと一緒だよ。泳ぐのを止めると死んでしまう回遊魚と同じさ。自分たちが幸せになれないのをわかっているから、それに気づかないように一生懸命働いているのさ」
というものだ。
この「マグロと同じ」という言い回しが僕は好きだった。
どこか典型的な日本人を的確に捉えているような気がした。何かに動かされる強制力みたいなのが働いていないとダメだし、いざ自由になると、何をしたらいいのかわからなくなってしまう、目的や動機がないと自分の存在価値を見出せないジャパニーズ。
まぁ、もちろん偏見もありますよ。そうでない人ももちろんいますね。
んで、
今は僕のテンションが
めっちゃ落ちている
って話。
7月の初めから、僕は漫画を描く時間を増やした。
日中は家の中が暑くなって、西日が当たるもんだから作業時間も変えた。涼しい夜中にがっつり描いてしまおうという作戦だ。
それに伴って睡眠のサイクルも一気に変わった。夜を明かしてをして昼前に寝るのだ。イエス・アイアマ・ドラキュラ。
そんな風に2週間過ごしていたのだが、
だんだんと僕は内(うち)に入るようになっていった。
自分でも気づかないうちに。
何かの製作に入っていると、だんだんと気持ちが内に向くようになる。
そうすると、徐々にささいなことで落ち込むようになって、将来の不安に頭がいくようになり、こんなんじゃやっていけねえよって、どんどんネガティヴな方向に気持ちが向かってしまうのだ。
マジでこれはよくないぜ。
そのネガティヴ・マインドがどんどんひどくなっていくと、
今度は何も行動する気が起きなくなってしまうのだ。
その時僕は思った。
『あぁ、鬱ってこんな感じなんだな』
って。
坂口恭平が「鬱の時はいつも死にたいって思う」ってのもなんとなくわかるし、カリスマ的なアーティストが夭逝するのもわかる気がした。僕はそんなに優れたアーティストじゃないから、まだこんなもんで済んだのだ。
そんな時、
the HIATUSの新譜から「CLONE」という曲のミュージックビデオが見れるようになったのを知った。
なんだかこの曲に癒された。
イヤホンを耳に突っ込んで聴いているうちに、自然に体が揺れた。
年々、細美さんの楽曲は癒しの方向に向かっている気がする。42歳でこれを作れるってすごいよな。
線画のアニメーションが歌詞の世界観と合ってるんだよ。和訳サイトがあってよかった。
細美さんも昔は製作中は落ちる時があるって言ってたっけ。
「死にたいと思う」っていう言葉は当時の僕は大げさな表現にしか思えなかったけれど、今ならその気持ちがわかる気がする。
きっとこれから、僕はまた同じようにテンションの上がり下がりを経験することになるだろう。
僕はできるだけそれの数値を高いところにとどめておかなければならない。
きっと、自分の内に潜っていくような作業をしていく場合には、自然とネガティヴなエネルギーが溜まるようになるのだろう。
村上春樹がそれを「地下」や「井戸」と表現したように。
そして、体の中に溜まった「何か」をどうにかして外へ出していかなければならない。
それは
体を動かしたり、
音楽を聴いて体を揺らしたり、
楽器を奏でたり、
歌ってみたり、
外へ行き、
友達と会って、
喋って、
酒を飲んだり
することだと僕は思う。
また
落ちている時はポジティヴに物事も考えられなくなっていることが多い。
旅中あれだけポジティヴだった僕も、最近じゃ『”前向き”ってなんだっけ?』ってポジティヴ・マインドを思い出せずにいた。
そんな時にちょっと有効だったのが
「理想の自分を演じる」ことだ。
理想の自分を思い描くにはイメージ力が必要だ。
それがはっきしと想像できていれば、それが自信につながる。
常にポジティヴだった時の自分を思い出して、それを演じているうちに、だんだんと元気を取り戻していった。
ギャグみたいな話だけど、「おれはできる!」なんて言ってイメトレしてたんだよね。
でも、お金も笑っちゃうくらいに底を尽きかけているんだ。
どうにかしなくちゃなぁ..。
お仕事の依頼お待ちしております!
コメントを残す