「バスの後輪の真上の座席は避けたほうがいい」

世界一周591日目(2/10)

 

 

朝の

ミルクティーを頂いて、
スタッフにUSドルを両替して欲しいと伝えておいた。

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スタッフは昼過ぎまでには
USドルを用意できると言っていた。

肝心のレートだが、リアルタイムのレートとほぼ同じだった。

やっとアメリカ・ドルを
手に入れることができるようになったのだが、
それは昨日ATMから引き出せた200ドル分だけだった。

本当は緊急用にもう少しUSドルを
持っておきたいところだったが、仕方ない。

 

 

 

ここはケニア、ナイロビ

ここはぶっ飛ばしてマサトさんと一緒に
ウガンダへと行ってしまおうと思う。

 

 

もう

『何しに来たの?』

って感じだ。
だ、だからアフリカ縦断だって言ったろ…??

 

 

 

 

 

今僕を悩ませている問題は、

“金銭問題”だった。

 

 

 

 

僕は案外ストレスに弱い。

 

 

メンタル的にタフではないのだと思う。

前日お金がおろせなくなった後、
自分でもうんざりするくらい泣き言を言っていた。

困ったことに僕は不満や文句を口に出さねば
気が済まない性分なのだ。

それを嫌な顔せずに聞いてくれたマサトさんには
本当に感謝しているし、ちょっと申し訳ない気持だ。

マジであの時はありがとうございます。

「こんなんじゃモモコさんと結婚できないなぁ~」っていうギャグは、
実はけっこうお気に入りです(笑)
元ネタは「カエルダッシュ」より。

 

 

 

今回の金銭トラブル(ATMからお金が引き下ろせない)は
エジプトのダハブで遭遇したのと同じトラブルだったため、
どう対処すればいいのか分かっていた。

その分、落ち込み度合いは酷くはなかったが、
また楽天銀行にスカイプで電話をかけなければならないのは
正直言って面倒くさ過ぎた。

しかも日本との時差が6時間あるので、
遅くてもケニアの時間で11時半までには
電話をかけなければならない。

 

 

 

 

 

僕は10時前に1人で昨日のWi-Fiの強いカフェに向かった。

ロード

 

 

 

カフェのスタッフは
「300シリング(394yen)以上注文しないと
Wi-Fiは使わせない」と言ってきた。

僕はまだお腹も減っていなかったので
「あとで友達が来るからそれから注文するよ」と言って、
先にコーヒーだけ注文した。

一応マサトさんにカフェにいつ頃来るのか
Facebookのメッセンジャーで訊いておいた。

まぁ、あとでビュッフェ頼むからどちらにしろ変わらないか。

 

 

 

マサトさんは10時過ぎにカフェにやって来た。

「あれ?おれ何回もここのカフェ使ってるけど、
金額のことなんて何も言われなかったけどなぁ」

マサトさんは首をかしげてそう言った。

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僕たちは各々にパソコンを開き、
同じテーブルで別々に作業をした。

店内は薄暗く、パソコンの画面の明かりが顔を照らし、
それはどこか不健康なイメージをお互いに与えた。

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僕はスカイプの通話履歴から楽天銀行の番号を見つけ出し、
いつものようにタイミングよく「0」を入力して
ダイレクトにオペレーターさんにつないでもらう。

なんとなく分かってはいたけど、
僕のキャッシングの限度額は15万にはなっているが、
それが月末の引き下ろし確定後に、
その15万円の限度額がリセットされるわけではない
ということを理解した。

それに前回個人的に指定された口座に請求額を振り込んだのだが、
その後、月末にまた引き下ろされることがないのだ
ということを知った。

 

 

あー、なんだか文章で書いてもよくわかんねえな。

ったく、旅の後半からだよ。
この15万円縛りに苦しめられたのは。

 

 

オペレーターさんに、前回と同じように
確定請求額を振り込む旨を伝えて、通話後にすぐに振り込んだ。
明後日にはまた振り込んだ分だけキャッシングできるように
なっているそうだ。

 

 

まずはひとつ僕の不安が取り除かれたわけだ。

 

 

 

 

 

そして、僕はもうひとつの

「ビッグイベント」

を片付けなくてはならなかった。

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航空券の入手だ。

 

 

 

僕はこの後、アフリカ縦断を終えた後に
南アフリカからカナダに飛ぼうと考えていた。

前回「スカイスキャナー」
(そういう格安航空券の比較サイトがあるのです)
で調べたところによると、

3月19日に6万6千円という最安値で
南アフリカのケープタウンから
カナダのトロントまで飛べる空港券を見つけた。

南米に飛ぶのと同じくらいの金額でカナダに飛べてしまうのだ。

ヨーロッパから南米に飛ぶとなると安くて5万強。
でもアフリカ縦断をする者はそこまでの交通費で
トータル7万以上はかかってしまう。

 

 

航空券を買う際には、
思い切りが大事だ。

『よし!今日買うぞ!』と決心し、
イヤホンで音楽を爆音でかけて、
テンション上げて買うくらいの勢いがなければダメだ。

 

 

ただ、僕の決断を鈍らせているのもがあった。

 

 

 

それはカナダの気温だった。

日本でさえ三月中旬~下旬は寒い。

それなのに、この季節のカナダになんて行ってしまったら
凍死するんじゃないか??

僕は相棒のまおくんが大学時代にカナダを旅したのを思い出して
すぐにLINEで連絡を取った。

 

 

「まおがさぁ、カナダ行ったのって何月だっけ?」

「二月」

「寒かった?」

「寒かったね」

「行くなら夏の方がいいよ」

「ですよね…」

 

 

だけど、僕は夏までアフリカにいるつもりはない。

もうとっとと縦断を完了して、どこか別の国に飛びたかった。

 

 

無難に世界一周を終えるのであれば、
旅の資金は大分少なくなってしまったが、
南米に飛んで雑貨を買い漁り、アメリカはさわりだけ
というふうにすれば楽勝で帰国できるだろう。

 

 

 

でも、僕にはロマンがあった。

自分でもなんでお金がもつかどうか
分からないような旅路を選ぶのか分からなかった。

 

 

ただ

“そっち道の方が面白そう”

ということだけだった。

 

 

僕を旅へと駆り立て、
旅の憧憬を与えた映画や小説のように旅をしてみたかった。

これがあるかないかで、
自分が作る旅漫画の話は大きく変わってくるだろう。

 

 

 

「まぁーー、三月のカナダに突っ込んでみるわ」

相棒にそうメッセージを送り、
3月19日のチケットを買おうとしたのだが、

クリックした途端、表示される値段が直前で

えげつないほどに上がった。

 

 

 

何度試してみても最安値のチケットを買うことはできなかった。

航空会社はエミレーツ空港だったので、
サイトまでアクセスしてみたのだが、
やっぱり最安値のチケットは表示されなかった。

スカイスキャナーでは料金が
反映されるのが遅れる場合がある

今回がまさにそれだった。

 

 

 

僕はどうしうようか迷った。

どっちみち南米に行ったとしても7万以上はかかるのだ。

大陸を渡るということはそういうことなのだろう。き
っと6万6千円は蜃気楼みたいなものだったのだ。

念のため他の日付でも最安値を探したのだが、
3月19日以降では10万円以上するチケットがほとんだった。

 

 

『気温のこともある。
出発を早めてもしょうがない。
せめて4月に飛ぼう!』

 

 

僕はそう考えて別のチケットを買うことにした。

 

 

アフリカを脱出する日は”4月1日”。

 

 

南アフリカ/ヨハネスブルグ発、アラブ首長国連邦、
アブダビ空港からダブリンへトランジット、乗り継ぎ二回。

所要時間は
50時間ほど。

ようやくカナダにトロントに着くのは4月3日だ。

 

 

 

 

 

「マサトさん!おれ!やりました!
航空券ゲットしました!」

 

 

おもわずそう報告してしまった。

 

 

これで第二の不安が取り除かれた。

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銀行にお金を振り込み、航空券を買ってしまうと、
残高は65万円にまで減っていた。

カナダに渡る時には少なくても50万円は持っておきたい。
日本に帰る分が足りるかどうかは分からないけど。

 

 

 

そして4月1日までどうアフリカで
節約しながら生きるのかというのが僕の課題になった。

この瞬間、僕は貧乏バックパッカーになったのだと思う。

 

 

この先、沢山の魅力的なツアーがあることは知っていた。

タンザニアのキリマンジャロ、ナミビアのサファリなどが有名で、
その他にも観光地は沢山ある。

だけど僕はそれらには行かないことを決めた。

 

 

 

「散歩をするようにアフリカを旅する」

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それが今日、このカフェで決めた
残りの49日間のテーマだった。

どこ物価の低い、生活費のあまりかからない国で
日程調整をしなければならないだろう。

カフェのWi-Fiは停電で切れたり速度が
一気に遅くなってしまったりしたので、
早めに切り上げることにした。

あーーーー…、65万か…。リアルだなぁ。

 

 

 

 

 

 

出発は7時ということだったが、
出発の時刻が早まったと、宿のスタッフに連絡がきていた。

パッキングを済ませて17時半には宿をチェックアウトした。

ちゃんと200USドルを手に入れることができた。

レートも2ドル分くらい少ないだけだった。
銀行の手数料より良心的ではないだろうか?

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「ううぇっへっへ〜!まいどありー♪」
漫画に出すんならそんな感じ。

 

 

 

チケットを買ったバスターミナルまで行き、
スタッフのおっちゃんにバスの泊まっている場所まで
案内してもらった。

 

 

バスは大型で席はかなりゆとりがあった。

マサトさんは
「今まで乗ったバスの中で一番ゆとりがある」
と言うほどバスはひろびろとしていた。

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この人はノリのいいただのお客さん(笑)

IMG_6024はーい!お菓子配布でーす!やったね! 

 

 

 

そして
乗客がほとんどいなかった。

エチオピアで常に満員のバスを経験して来た僕らに取っては、
これは信じられなかった。

 

 

「あぁ、きっと7時の便の人数が少なかったから、
ひとつ前のバスと統合されたんだね」

「それにしても、少な過ぎません?」

 

 

最後尾の座席は荷物が置かれており、
バックパックもそこに置かれることになった。

 

 

僕たちの座席は後輪タイヤの上の席だった

 

 

 

 

出発と同時にバスの中では
クッキーと500mlの水が配布された。

ナイロビの街を抜けるまではバスはモタモタと走ったが、
郊外に出ると一気にスピードを上げた。

バスの中ではマサトさんのサラリーマン時代の話を聞いていたが、
日が沈むと会話もピタリとやんだ。

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「ゴウン…ッッッ!!!!」

 

 

 

テーマパークのアトラクションよりも乱暴に、
僕たちの体は突然真上に吹っ飛ばされた。

ケニアの道路には速度調整のために、
意図的に道路の一部が盛り上げられている箇所がある。

そこを通過する際にかなりの衝撃がくるのだ。

 

 

最初は体が宙に浮くほどの衝撃に、
マサトさんと僕は顔を合わせて笑ったが、

ギャグじゃ済まないほどの隆起が
ケニアの道路のあちこちで散りばめられていた。

おちおち寝ていることすらできなかった。

 

 

 

 

席を移ろうとした時には遅かった。

他の乗客は1人で二席分使っており、
マックスまで座席をリクライニングしているため
(しかもこのバスのリクライニングは後ろの座席に接触するくらい倒せるのだ)
後ろの席に座れないほどだった。

行き場がなかったので、
僕たちは後輪タイヤの周辺の席に甘んじることになった。

隆起を通過するたびに、
マサトさんの体が「ボンッ!」と宙に
ホップするのが後ろの席から見えた。

 

 

一体なんなんだ?

なんでこんなにあっちこっちで道路盛り上げちまったんだ???

 

 

 

 

この日僕たちは一睡もできなかった。

 

 

「モヤレ間よりも
こっちの方がキツイ」

 

 

この意見はマサトさんも僕も同じだった。

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あれで寝られたら最強ですよ。
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6 件のコメント

  • 先日の返信で、
    『世界一周の旅に出る!』と心に決めた時から旅は始まっている。⬅
    いや~なんかこの言葉今の自分にささったって言うかグッときました!(笑
    この言葉モチベーション維持のために使わせいもらいます♪もう旅は始まってる!
    次の目的地『世界』へのチケットが取れるまで、職場で沈没しときます!
    違うかっ!(笑
    言いたかっただけです…(笑

    アフリカ横断の旅!より、
    散歩をするようにアフリカを旅する!
    個人的にかっこいいと思います♪

    • >TAKASHIさん

      「沈没」はどこか無意味にダラダラ過ごす感じがしますが、
      日本で働いた期間はそのまま自分の旅に直結してますからね。
      土の中でエネルギーを貯めてる植物みたいなメージです。

      それと、日本にいなくちゃできないこともけっこうありますよ。
      特定の国や地域に対してモチベーションを上げたり、
      (僕の場合、スウェーデンのnudie jeans、チェコの雑貨ですね。
      雑貨の本とか買ってました。)

      映画観たり(日本からデータ持ってきた方が断然楽ですね)

      まぁ、色々やることはあります。

      日本でどんな準備をするかでTAKASHIさんの旅も
      変化しますよ。
      くれぐれもいらない物は買わないように!

      それではお仕事頑張ってくださいね♪

  • はじめまして!
    シミさんのブログはペニーの記事から見ていて、最近は確認できていなかったんですが今日久しぶりに見てみたらカナダのトロントにくるって書いてあってびっくりしたんでコメントしました。自分はトロントにいるのですがとても寒いです。平均気温-20℃の日々が続いています。
    これからも世界一周頑張ってください!応援してます!

    • >Naokiさん

      ペ、ペニーは
      チェコで盗まれちまったのでバイバイせざるえませんでした…。

      てか…、マイナス20度ですか…。
      死ねますね。凍死ですか。鳴きたいです。
      これはカナダは寒さをいかに凌ぐかがキーになってきそうです。

      カナダの町には
      ベトナム戦争の時の戦争忌諱者たちが
      ヒッピーのコミュニティを作ったとかなんかで
      なんだかアートな匂いを感じます。

      うぅ…、4月にはあったかくなって欲しいものです…。

  • 散歩をするようにアフリカを旅する、
    いいですね~。
    私は布で、子供が使うバッグとか手作りするんですが、
    アフリカでは布とか売ってますか?

    • >あっきーさん

      あ、ありがごとうございます。
      聞こえはいいですけど、ただの貧乏旅ですからね!

      ところで、今日あっきーさんから
      コメント頂いて、町を散歩してたら
      見つけちゃいました!かなり可愛い布たちを!
      思わず6枚くらい(60cm×200cm)仕入れちゃいました!

      今後のブログに乞うご期待です!

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