「隣町に遊びに」

世界一周617日目(3/8)

 

 

VISA

カードの世界シェア率はナンバーワンだと思う。

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アフリカの小国のマラウィのンカタン・ベイという
湖畔の小さな町でもVISAカードが使えるATMを見つけることができた。

 

 

だが、僕が持っているのはMASTERカードなのだ

詳しく言うと楽天銀行のマスターカード。

 

 

それもこれ一枚で旅をしている。

最近、ひと月の限度額を越えるようになって、
その度に電話をかけて指定先の銀行に自分で振り込んで、
ってめんどくさいことやってる。

あぁ、なんでマスターカードなんか作って来ちゃったんだろう?

 

 

いや、最初は持っていたんだよな。三井住友VISAカード。

旅が始まって2週間目くらいに
ATMに飲み込まれちゃったんだけどさ。
はは…。

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何が言いたいのかというと、

ここにはマスターカードの使えるATMはないってことだ。

地元の人たちに訊くと隣町のムズズに戻るしかないらしい。

ってこの前通過して来た町じゃねえか…。

 

 

 

交通費も往復で800円くらいかかってしまう。

食費や宿代のことを考えると、ついついため息をついてしまう。

 

 

だがここは考え方を変えることにしよう。

僕は普段ツアーには参加しないけど、

ここはどうだろう?

 

 

隣町に遊びに行ってみるってのは?
ツアー参加費が800円。
うん。リーズナブルじゃないか!

 

 

 

 

 

 

そう自分

を納得させて、

8時前にはサブバッグだけ持って宿を出た。

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ンカタン・ベイからムズズに向かう際は
200クワチャほど安かった。1200クワチャ(319yen)。

ああそうか。前回がボラれてたのか…。

…、考えるのよそう。

 

 

 

ある程度乗り合いのバンに人が集まると、バンは走り出した。

たとえ今走っている道が自分の通った道だとしても、
やっぱり移動は僕に

『旅している』

という気持にさせてくれた。

 

 

 

 

40分そこらでムズズに到着し、マスターカードの使える
“Standed Bank”の近くで下ろしてもらった。

 

 

ムズズの町はしんと静まり返っていた。
僕は日曜日だったことを思い出した。

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ここはわりかし人がいるね。

 

 

シャッター通りの寂れた感じよりかは、
町全体が休みのようなリラックスできる静かさだった。

僕は雑貨を日本に送るために
どれくらいお金がかかるのか郵便局に訊いてみようと思ったのだが、
郵便局は外に暇そうな職員たちがお喋りしているだけで、
値段のことも分からなかった。

 

 

 

僕は見つけたコーヒーショップに入ってみることにした。

100クワチャ(27yen)でトイレを済ませ、
650クワチャ(173yen)のブラック・コーヒーを注文して
外のテーブルについた。

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ムズズの町はコーヒー豆の産地としても有名のようだった。

お店のスタッフに産地のことを訊ねてみると、
コーヒー豆がどこの州のどこのエリアで取れるのか
口頭で説明してくれたが、
マラウィの地図が分かっていない僕にとっては
さっぱり分からなかった。

そして、注文したフィルターコーヒーは
さっぱりというよりかは、薄い味がした。

 

 

僕がテーブルで絵を描き始めると
スタッフはかなり友好的に僕に接してくれた。

ミルクも無料で持って来てくれたばかりか、
冷めたコーヒーを温め直してくれるくらいのサービスだった。
これには僕もかなり嬉しい気持になった。

 

 

 

 

しばらく外にテーブルで漫画を描いていると、
男とその友達が僕の元にやって来た。
年齢は分からない。地元の若者といった感じ。

向かいの席に座ってもいいかと訊ねるので「どうぞ」と僕は返事をした。

 

 

僕が絵を描いているのを見ると、
男は「自分もアーティストなんだ」と言う。

 

 

「おれの作品を見たいかい?持ってくるよ?」

 

 

僕は特に興味がなかったが、
一応「見たいね」と言っておいた。

 

 

 

 

男はすぐに自分の作品を持って来た。

布に描かれた伝統的な絵は、
マッチ棒のような人間がダンスしているものや、
マラウィ湖の風景がのようなものもあった。

彼がこれを僕に売りたいのだとうことがすぐに分かった。

 

 

「うん。いい作品だね。
でも、ごめん、今は絵を買うつもりはないんだ」

 

 

単刀直入にばっさり切り捨てられて、
男は少し意気消沈したようだった。

 

 

「なぁ、あんたの漫画見ていいかい?」

「ん?いいよ」

 

 

僕は漫画を描いているノートを男に渡してやった。

「すげえな」と言いながら
親指の腹でノートをめくるのが気になった。

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「悪いんだけどさ、
そういう風にページをめくるのやめてくれないか?
痛むんだよ?」

 

 

そう言ってノートを回収しようとすると、
今描いているページに
トマトソースみたいな汚れがついているのが分かった。

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「なぁ、分かるか?
こういうのってすごい嫌なんだよ」

「あ、あぁ、すまん」

 

 

男は指摘されてノートにつけて
しまった汚れに気がついたようだった。

 

 

「帰れ」

「?」

「ほら帰れよ。
もうリスペクトもクソもねーよ。
帰れって。ほら」

 

 

手で追い払うような仕草をして、二人をそこから立ち退かせた。

二人の姿が視界から消えても苛立ちは収まらなかった。

 

 

 

 

僕の嫌いなこと。

作業中にテーブルを揺らされること

原稿用紙を汚されること。

だ。

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修正完了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーヒー

を飲み終えると、僕は町を歩き回った。

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やはり店の大半はシャッターが下りており、
ちっとも面白くはなかった。

ただ、町にある「ムズズ・モール」
というショッピングセンターは営業していた。

中には所得のありそうな人たちがおり、
なかなかに活気があった。
僕はそこで靴磨きクリームとマグカップを買った。

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バスターミナルの横にはローカルのマーケットもあった。

ここはまだ半分くらいのお店のが営業していたが、
お店の人たちも今日はいつも以上にのらくらしていた。

 

 

僕はここで靴磨き用のブラシと、
失くしてしまったフォーク、
そして追加の雑貨でアフリカ布を三枚仕入れた。

アフリカ布の値段は
タンザニアのサルエスサラームよりかもいくらか安かったが、
生地の質で言えばダルエスサラームの方が厚みがあって、
肌触りもよかった。やっぱ国によるんだろうね。

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それだけ済ませてしまうと、
ミニバンに乗ってンカタン・ベイまで戻ることにした。

値段も来る時と同じ
1200クワチャ(319yen)で車に乗ることができた。

 

 

乗客が集まるまで、僕は助手席に座り、
日曜日のムズズのバスターミナルを眺めていた。

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ミニバンの沢山停まったターミナルには人で賑わっていた。

女性はカラフルなアフリカ布を腰に巻いたり、
風呂敷代わりにしたり、赤ちゃんを体に固定したりするのに使っていた。

タンザニアから意識するようになったけど、
アフリカであのカラフルでデザインが豊富な「布」
生活に欠かせないものなのだなぁと認識するようになった。

着目点を変えて、女性たちの布に目をやるのは
なかなかに楽しかった。

 

 

 

僕が乗ったミニバンの右側に停まった別のミニバンの中で、
コカ・コーラのペットボトルに入ったドロドロした液体を飲む男がいた。

なんだかそれはイチゴかブドウをミキサーでかけた
果肉ジュースのように思えたが、
どう見たって美味しくはなさそうだった。

僕がじっとその男性を観察していると、彼も僕に気づいた。
僕はヘラヘラした愛想笑いで挨拶をした。

ふと気がついたことはその
男性の手には手錠がされていることだった。

きっと何らかの実行犯で警察にしょっぴかれてしまったのだろう。
だが、警察らしき人間の姿はどこにも見当たらなかった。

それに男性も、どこにも焦ったり、
困惑している様子は見られなかった。

むしろ諦めを通り越して、清々しさのようなものさえ感じた。
さすがアフリカの日曜日。

それを見ていたら僕もなんだか気持が落ち着いた。
まぁ、イライラしててもしょうがねえか。

 

 

 

ミニバンにお金をせびりにきたおばちゃんがいた。

裸足の左足には包帯が巻かれており、
それを理由にお金をくれと言っているようだった。

「ほら!見えるだろ!金よこしな!300クワチャ!」

おばちゃんは英語を話さなかったが、
怪我人のくせにかなに吹っ切れた要求の仕方だった。

お金をせびられるのも気持がいいくらい、
そこには惨めさのようなものはなかった。

僕はさっきのイライラを相殺するためと徳を積むために
(こういう偽善行為で僕の心はある程度釣り合いが取れるのだ!YES!)
100クワチャおばちゃんに渡した。

おばちゃんは現地の言葉で「少ないんだよ!このケチ!」
みたいなことを僕に向かってわめいていたが、
その表情は嬉しそうだった。うむ。これでいいのだ。

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隣りに座ったお母さんに抱きかかえられた
子供の髪の毛に触ってみた。

あのクリンクリンの天然パーマは
どんな触り心地なのか非常に気になったからだ。

僕の第一印象は「ゴワゴワ」だったが、
触ってみると「フワッ」と軽やかだった。

これも意外な発見♪

子供の頭を撫でる素振りで、その感触を楽しんだ。
お母さんからしてみたら子供好きの中国人にしか
見えていないだろう(笑)

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帰りのミニバンの運転手は、
アフリカの運転手らしからぬ安全運転をするドライバーだった。

そのせいで、帰りはいくらか時間がかかったが、
またそれもスローライフを感じさせてくれる移動だった。

 

 

 

 

行きつけの食堂で夕食をとると、
今日はなぜかスープがついて来た。

きっとさっきした些細な偽善行為も、
こういう場面で返ってくるのだと思う。

僕は聖人なんかではないので、
こういう損得勘定みたいなことをする。

だけど、それでいいのだと思う。

気持よければ
それでよし!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿には新しく韓国人と日本人の男性2人組が来ていた。

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なんなら初めて見る人懐っこい犬も来ていた。

 

 

 

日本人の方はどうやら
「日本人とは話さない」というルールがあるらしく、
一度も日本語では会話をしなかった。

韓国人の方は話してみると以外にフレンドリーで、
僕の旅の話を楽しんで聞いてくれていた。

東アフリカを旅しているのに、
マラリアの薬を飲んでいないことにはちょっと驚かされた。

 

 

宿のスタッフは呑気にパソコンで
DVDを観ながらマリファナを吸っている。

「お前も吸うか?」
5cmくらいに切ったアスパラガスの束のようなもの
が袋にたっぷり詰め込まれているのを見せてくれた。

「警察に捕まらないのか?」と僕が訊ねると、

「私たちはセキュリティを雇っているから、
ここには警察は来ない。ここで吸うことには問題ないよ。
だけど、
ここから出たらそれはソイツ次第さ!
ここでは私たちがルールさ!」

とお気楽に言って退けた。

それを聞いて僕はなるほどと妙に納得してしまった。

 

 

 

相変わらずWi-Fiは使えない。

ごくたまに接続できるのだが、ブログの更新なんてできやしない。

接続を確認しながら、さくらももこのエッセイを読んだ。

 

 
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2 件のコメント

  • シミ君お久し振りです、私は今月日本に1年振りに1ヶ月間、ー時帰国して居ました、
    とても寒くて参りましたが、熱い温泉と美味しい日本料理に大満足でした。

    シミ君はどんな時に日本を思い出しますか?、海外に住んで居ると日本の良い所ばかり、思い出して仕舞い辛い思いを時々します。

    • >JOSANさん

      お久しぶりです。

      温泉とかまさにそうですね!
      シャワーばかかりの海外にいると
      日本のお風呂が恋しくなります。

      僕は世界を旅することが夢のひとつだったので、
      日本を恋しく思ったことはまだありませんが、
      料理や設備、衛生面、日本人特有の気遣い、などなど。

      日本の外に出てみると
      日本のいいところがよく分かる気がします。
      帰国後も色んな場所に行ってみたいですね。

      ヒッチハイクもかなりおしやすそうですし♪

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    ABOUTこの記事をかいた人

    「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!