「14日間」

世界一周698日目(5/28)

 

 

二週間も

ポートランドに滞在したわけだが、

僕はそれでよかったと思う。

 

 

一週間以上ないとポートランドの魅力は分からない

というゆうこの言葉は正しかったと思う。

ここで見つけたこと、考えたこと、出会った人々や、
訪れた場所は僕の中で財産になったと言ってもいいだろう。

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ローレスハーストでキャンプするのは初めてだったので、
時間を気にせずに寝ていた。

8時になると
「ヘイ!ガイズ!とっとと出てってくれい!」と声がかかったので、
慌ててテントを畳んだ。

横の茂みから自転車を押しながら別のヤツも出て来た。
「見つかっちまったよ」彼はそう僕に言った。

 

 

 

そのまま歩いてハリウッド・ストリートと呼ばれる通りまで行き、
そこで見つけたスターバックスで一番安いコーヒーを頼んだ。

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朝から店内は人で賑わっている。

仕事に行く前のビジネスマン、大学生、近所のおばちゃん、
カフェは生活に欠かせない場所のひとつだと僕は思う。

そこからパソコンを広げて、僕はブログをアップしたり、
日記を書いたりして時間を過ごした。

こうした作業時間も僕には大切だ。

明日にはここを出て行くのだ。
連日の移動で作業の時間があまりとれないこともあるだろう。

 

 

 

サブバッグからパソコンを取り出している最中に気がついたことは、
漫画を描いたコピー用紙をポートランド州立大学の図書館に
置き忘れてしまったということだった。

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今から行って確かめようかと迷ったが、
スキャンしたデータもあることだし、
忘れ物として保管しておいてくれるだろう僕は楽観的に考えた。

フレッド・マイヤーで買った
特売のパンをかじりながらそのまま作業を続けた。

 

 

 

アルバータ・

ストリート

で行われる月一のイベントが始まるのは
18時からだった。

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はい。まおくんからもらったTシャツこんな感じです。

 

 

19時にゆうこと会う約束をしたが、場所は決めなかった。

通りがまるごとイベントスペースになるらしい。
そこまで大きくないから会えるだろうと思ったのだ。

 

 

 

18時になってスターバックスを出た。

バスを持っていてもなかなかこなかったので、
結局はいつもと同じように歩くことになった。

 

2.6kmを30分。

もちろんバックパックを背負って。

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アルバータに着くころにはシャツは汗で濡れていた。

通りは賑わい、ヒッピーのような格好をしたヤツらも何人か見かけた。

日本では浮いてしまうようなファッションも
ここでは受け入れられる。

その自由な雰囲気を
ついつい僕は羨ましく思ってしまう。

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通りの端から端まで出店を見て回った。

アクセサリーから置物、10m置きにいる路上演奏者たち。
元々ここにあるバーの中では人々が楽しそうに酒を飲んでいる。

 

 

 

僕は通りをゆっくり歩きながらゆうこの姿を探した。

だが、ゆうこの姿はなかなか見つからなかった。

 

 

地元の祭りで友達とはぐれてしまった時のことを思い出した。

会場自体はそこまで大きくないのだが、人ごみで友達を見つけられない。

あの時は結局見つからずじまいで諦めて帰ったけ…。

その寂しさは今も忘れない。

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もらいタバコをしようと声をかけたヤツらは
かなり陽気なヤツらだった。

一本どころかまとめて僕にわけてくれた。

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それどころか、
「今日うちに泊まってもいいぜ?」とまで申し出てくれる。

一人がニルヴァーナのカバーをうろ覚えで弾く。
鼻にピアスを開けた女のコがドスのきいた声でサビの部分だけ歌う。

僕は足にシンバルを取り付けてセッションを楽しんだ。
だけど、横目ではずっと友達の姿を探し続けていた。

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人ごみの中に眉をしかめて
キョロキョロしているゆうこを見つけた時、
僕はドロップキックをかますくらいの勢いで突進していった。

 

 

「もう会えないかと思ったよ!」

というゆうこは他にも語学学校の友達と歩いていた。

 

 

「え?それでその人たちは?」

「いや、さっき
もらいタバコしようとしたら仲良くなってさ」

 

 

語学学校のクラスメイトに僕は簡単に挨拶をした。

一同について行こうとすると、ヒッピーたちは
「シミ~~~!行くなよ~~~!」と言う。
まるで「かいじゅうたちのいるとろこ」に出てくるモンスターのようだ。

 

 

「もう、その人たちと一緒にいたら?」

「おいおい。そんなつれないこと言うなよぉ?」

「てか、語学学校のみんな
シミに興味もってなかったっぽいんだよね。
空気で分かった」

「いや、別にいいっしょ?」

「シミ~~~~~(×3)」

 

 

 

あぁ。こういうシチュエーション、前もあったよ。

別のグループと会った時、
たまたまそこにいた仲の良いヤツと一緒に行くか、留まるか。

 

 

でも、僕の取るべき行動は決まっていた。

ちゃんとバイバイするためにここに留まったのだから。

 

 

 

「うん。楽しかったわ!じゃっ!」

ヒッピーたちにそう別れを告げてその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

「で、どうするの?」

「まぁまぁ。ちょっと歩きませんか♪」

 

 

つい先ほど、この通りでは発砲事件がったようで、
警官やパトカーの姿があった。

事故現場と思われる場所には「KEEPOUT」と書かれたテープが
張り巡らされ通行が制限されている。

だけど、僕はそれがどこか別の世界で起こったことのように感じた。

 

 

「あ~、なんかお酒飲みたいね」

「私はもう遅いから帰るよ」

「え~~~…」

 

 

マップアプリでバス停の場所を確認した。

そのままバックパックを背負ってバス停までの道のりを歩く。

 

 

「で、どこまで一緒に来てくれるの?」

「さぁ?行けるとこまで。
バスに乗ってダウンタウンにでも戻ろうかな?」

「じゃあ、ちょっと先まで一緒に来てよ。
もしここに置いて行かれたら私泣くから」

「え??!
だってポートランドめっちゃ治安いいじゃん?」

 

 

ゆうこは一人ということもあり、
治安の悪そうな場所や時間帯には極端に注意していた。

一緒に飲んだ時も暗くなる前には必ずホームステイ先へは帰っていた。

暗がりを怖がるのはなんだか小学生のようにも思える。

あぁ、そうか。怖いってそういう感じか。

 

 

「ほら、目の前の女性。
こんな時間に犬連れて一人で散歩してるでしょ?
だから大丈夫じゃない?」

「ふ~~む…」

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何事もなくバス停へ着き、バスを待っていると、
自転車に乗ったおじさんが「どうしたんだい?」と声をかけてくれた。
困っているように見えたのかもしれない。

ここは親切な人たちばかりだ。

結局最後の最後も、
話したことはいつもと同じようなことばかりだった。

毎日の延長線上として、今日の一日も終わっていく。
それでいいのかもしれない。

 

 

バスを降りて
「それじゃポートランドを楽しんで」と言って
握手してハグして別れた。

トタトタと足早にゆうこは去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして僕はまた一人になった。

また旅が始まるのだ。

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ダウンタウン行きのバスに乗って
閉店前のフレッドマイヤーに駆け込んでセールス品のパンを買った。

外にいた女性にタバコの火を借りようとすると彼女は

「今日はあんたのグッド・デイだった?
それともバッド・デイだった?」
と僕に訊ねた。

彼女の口調から、彼女の今日一日が
あまりいいものではないことが分かった。

 

 

「明日もっと良い日になるよ♪
Good luck.I wish your happiness!」

彼女とも握手をして別れた。

 

 

そうだ。きっと僕たちの一日はよくなっていくはずだから。

今は信じよう。笑顔と前向きな心が明日を切り開いてくれると。

確かな充足感を胸に、
僕はワシントンパークでいつものポジションにテントを張った。

 

 

「これで最後か…。ありがとうな」

ここで安全に眠らせてくれたこの公園に感謝しよう。

 

 

寝袋に入ってもすぐには眠れなかった。

なぜだか胸が高鳴っていた。

あれ?なんでこんなに脈打ってるんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

「Whreeeeeee are you nowwwwwwww!!!!?」

 

 

男の叫び声で目が覚めた。

 

 

破裂音。銃声?!

正気の女性が男性を呼び止める声

何かに八つ当たりする音。

「ギャッ…」という女性の短い叫び声。

遠ざかる足音…。

 

 

 

深夜1時半。

体がかすかに震える。

痴話喧嘩で人は殺されることもあるだろう。

寝取られたのか?
僕のテントが見つかったとして
ヤツは襲ってくるのか?ホームレスを?!

下手に出て行くこともできない。
ヤツは今”誰か”を血眼になって探しているはずだから。

 

 

『日訳するなら
「どこ行きやがった〜〜〜ッッッ!!!??」
かな?』

脳みその片隅ではそんな気の抜けたことを考えていた。

 

 

体を丸めるようにしてひたすら時間が過ぎるのを待った。

 

 

 

ははは…。

ポートランド、ファニーな街じゃあねえか…。

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4 件のコメント

  • 僕らはとても不完全な存在だし、何から何まで要領よくうまくやる事なんて不可能だ。

    不得意な人には不得意な人の、スタイルがあるべきなのだ。

    - 春樹 -

    • >JOSANさん

      村上春樹お好きなんでしたよね?

      タイにお住まいのJOSANさんに聞くのもなんですが、
      なんで日本ってすごい人に気が遣えて優しい人もいるのに
      その真逆で底意地の悪い人もいるんでしょうね?
      頑張って人生をかけて総理大臣になっても批判や中傷されてしまう。
      (戦争はナシですけどね。だって彼は行かないもの)
      まぁどんな国でも同じなのかな?

      『あぁ、あれもありだよね?』
      っていう多様性を受け入れられる器と
      寛容な心を保てるようになりたいものです。

      だからお釈迦様とかの表情って
      凄いなって思うのです。

      • シミ君私は春樹氏の「誰をも抜かないし、誰にも抜かれない、しかしそれでも我々はそんな回転木馬の上で仮想の敵に向けて、熾烈なデッド・ヒートをくり広げている様に見える。」と言う文章が好きです。

        私は彼とは年齢も近いので、感ずる物も有るのでしょうね。

        タイ人は「全ての物は、仏様のご意向」と考え従うので、日本人とは違いとても寛容なのです。

        • >JOSANさん

          回転木馬のデッドヒートを感じてしまうのは
          どうしてなんでしょうかね?
          そして、それはどうして見につてしまったのか?

          僕は大学生の時ずっと思っていましたよ。
          「どうして日本で暮らすのは
          こんなに大変そうに見えるのだろう?」と

          果たしてそれが正しいことなのか、
          オルタナティヴな生き方があるのか
          それは自分で確かめていきたいと思います。

          タイの方々はいいな。
          優しさというのは後天的に身につけるものだから。
          それが自然っていいと思います♪

          そう言えばタイのデモの時に
          タダでご飯いただきましたね。
          あの時は落ち込んでいたので感謝です。

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