「海辺の町、マサトラン」

世界一周733日目(7/2)

 

 

トラック

のエンジン音で眠れない。

でもそんなことスルーだ。

 

 

 

「スルー」

日本語で言えば「気にしない」

そう。そんなこと気にしてたって
いつまでもここでグダグダと
寝ているわけには行かない。

 

 

 

 

なんたってここは駐車場の片隅だから。

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ここはメキシコ、
ロス・モッチスの町外れにあるガソリンスタンド

大抵どこの町のはずれにはガソリンスタンドがあり、
ハイウェイへつ続いている。

 

 

 

 

 

テントをたたみ、トイレに直行した。

朝の早い時間帯ということもあり、
トイレには電気がついていなかった。

最近思うのが、
「男性用」と「女性用」のどこが違うのだろうということ

男性用には小便用の便器があるだけで、
それ以外は変わらないいんじゃないか?

でね、世界中(主に先進国)のトイレで
頭を洗ってきた僕は思うのだけど

 

 

 

女性用トイレの方が
綺麗じゃね?

っていうことなんだ。

やっぱ女の人の方が綺麗好きだよね。

 

 

はい。

それで、今ここに電気の灯っていない女性用トイレが
僕の目の前にある。どうするか?

 

 

そりゃ入るよね!

 

 

僕は髪も長いし、顔も母親似だ。
だからうん。なんとかごまかせると思ったんだよ。

まぁ、髪を洗っている間は誰も来なかったんだけど。

さすがにそこで上半身裸になってTシャツまで洗う勇気はなかったので、
わざわざ男性用トイレに移動してTシャツをもみ洗いして、
そのまま着た。

 

 

コンビニで朝のこーヒーを飲んで
ヒッチハイクが始めるために心を静めた。

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今日もいい出会いがあるだろうか?

今すぐにでもヒッチハイクをするであろうその場所にに立って
親指を立ていたい焦りの様なものも感じる。

今ここでこうしてコーヒーを飲んでいる間に、
僕を乗せてくれる予定だった車が行ってしまったのではないか
という気持ちになるからだ。

いや、ヒッチハイクは「運」だと思う。
人と出会えるかの「縁」による。
だから焦りや場所の善し悪しは関係ない。

よし。そろそろ行こう。

 

 

 

 

 

僕はガソリンスタンドの出口付近にポジションを構えると
親指を立てた。目的地は海沿いに面する
MAZATLAN(マサトラン)」という町だ。

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マサトさんのことを思い出す。
なんだかマサトさんが駆けているみたいな名前の町だ。

そろそろアカタマ・マラソン始まりますけど、
本の執筆で体が鈍ってるんじゃないかな?
トレーニングせずにチェンジするのはさすがに無謀ですよ?
と頭の中でいらぬお節介を焼く。

 

 

 

レスポンスはまぁまぁだ。
車に乗っている人たちが僕に注目しているのが分かる。

問題は車が止まってくれるか?というところにあった。

 

 

『ボードを掲げて
ニコニコしている変なヤツがいる。
見た感じ危険ではなさそうだ。
ふむふむ。マサトランに行きたいのね。
でも、うちらの目的地そこじゃないんだよね~。
残念!』

きっとそういう感じだろう。

 

 

むしろ親指だけ立てて、
具体的に目的地をアピールしない方が成功しやすいのか?
いや、それだとよけい乗せてもらえなくなるんじゃないか?

ヒッチハイクをしている時には、音楽を聴いたり、座ったり、
気を紛らわすようなとはしない。
それが僕のヒッチハイカーのスタイルだ。

全身全霊で乗せて欲しいことをアピール!

誰か!車が向こうからやって来るたびに
「おねがいしま~す!」と口に出してしまう。

 

 

 

 

しばらくそこでヒッチハイクをしていると
車の窓拭きを生業にしている男が僕に話しかけてきた。

スペイン語なので何を言っているのかは分からない。
「ここではうまくいかないぜ?」
「やるんだたったらハイウェイの中さ!」
と言っているようにも思えたが、
さすがにハイウィの中でヒッチハイクをやすつもりはなかった。

困ったように笑いながらヒッチハイクを続けていると
男はフラりとハイウェイの方へと入って行った。

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またしばらくすると現れたのは
バイクに乗ったパン屋だった
菓子パンそのものは安かったが、中はスカスカだった。

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ひたすらやってくる車に対してアピールした。
時間だけがどんどん過ぎていく。
自分のやっていることが果たして意味のあることなのか?
そんなことを考える。

 

 

『あぁ、どうしておれ、
こんな場所で降りちゃったのかなぁ…??』

と何度もを後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三時間が経過した。

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あっという間だった。
一台たりとも止まってくれる車はなかった。

自分でもアピールに元気がなくなっているのが分かった。
こういう疲労感やモチベーションの低下は
見ている人に絶対伝わるだろう。

こういう時には気分転換が必要だ。
長くヒッチハイクしていれば成功確率が上がるというわけではない。

 

 

僕はコンビニに引き上げることにした。

15ペソ(118yen)の果汁100%のジュースを買うと、
テーブルに座ってそれを飲んだ。

 

 

 

 

『うまくいかねえなぁ…』

 

 

いやここ数日がうまく行き過ぎだったのだ。
良い時もあれば悪い時もある。

ただそれだけだ。自然のことだ。

深く深呼吸をして、僕は外に出ることにした。
頭の片隅には
『もしかしたら今日もここで野宿かもな』
ということも考えておく。

 

 

 

 

先ほどのポジションに戻る途中に
トラックの運転手たちに声をかけられた。

 

 

「どこまで行くんだ?」

「えっと…、マサトランです。
もしかしてマサトランまで行きます?」

※もちろんジェスチャーとワードだけの会話だ。

「いやぁ、おれたちは行かないなぁ」

「そうですか…」

「このトラックに訊いてみろよ?
たぶんマサトラン行くぜ?」

「え?」

 

 

僕はダメもとで教えてもらったトラックの運転手に
声をかけた。

ボードを見せて
「キエロ・イル・マサトラン、
オートストップ、オーケー?
ヨ・ソイ・ハポン!」と言う。

おっちゃんの顔が曇っているのが分かった。

 

 

「いや、行くけど、ところでお前、
何人だ?チノ?」

「ハポンです☆」

 

 

 

それを訊くといくらか顔が明るくなった。

ねぇ、なんでたって日本人ってここまで好評価なんだろう?
きっとおっちゃんたちが知っているのは
日本の電化製品や車だけのはずなのに。

できるだけ彼らの持つ日本人像を崩さないように行儀よく努める。

 

 

メキシコのヒッチハイクは0か100だ。
車が捕まれば、目的地まで一発で行ける。

 

 

 

 

 

トラックの運転手のエリックさんは、
息子を三人持つ父親だった。

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長男は僕と同じくらいの年齢で既に結婚しているらしい。
別に年齢なんて気にしないけど、
自分が「カリカトゥリスト(漫画家)」であることなどを伝えて
理解してもらおうとした。

まぁ、ここでもインディアン・ジョークが冴え渡るわけです。

車の中にはUSBポートの着いた
ミニアンプのようなものが置かれており、
車に乗っている最中はずっとそこから
メキシカン・ミュージックがかかっていた。

 

 

 

窓の外にはずっと耕作地が続いていた。

時々小さな町や村を通り過ぎ、そして耕作地が広がる。
マンゴー畑からはいい匂いが漂ってきた。

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ドライブが始まった始めの方に
エリックさんから渡された炭酸飲料には若干アルコールが入っていた。
日本で言う発泡酒みたいなやつだ。

それのせいもあって、ドライブの中盤はウトウトしていたし、
寝落ちしてしまった時もあった。

マサトランまでの6時間、
ずっと音楽を聴きながらピースフルなドライブは続いた。

エリックさんは優しいお父さんだった。
今日もありがとうございます♪

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ほら、アメリカでよく助手席に犬乗せるじゃん?
犬の気持ち分かるんだよね(笑)。
風が気味持ちいいね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マサトラン

の中心地から5kmほど離れたガソリンスタンドで
僕は降ろしてもらった。

お礼を言ってエリックさんと別れ、
僕はセントロに向かうことにした。

 

 

たまたまバスを待っている現地の人がいたのでそれに混ざる。
こっちのローカルバスはどこにとまるか分からない。

セントロ(町の中心地)までは7ペソほど(55yen)だった。

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ここに何があるのかも分からない。

まず最初に感じたのが、日本の地方都市や団地の活気だった

道幅も狭く、小さな建物が密集し商店街を形成している。
電気屋のスピーカーからは音楽が流れ、
子供たちが楽しそうに走っている。

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僕はマップアプリに検出された
ゲストハウスのある方向へと進んでいった。

その途中に公園を見つけた

人々が集まり音楽に合わせてダンスをしている。
見た感じこれはイベントではなく、定期的に催されている感じがした。

似た様なのを中国の元陽(げんよう)でみたことがある。
あの時はおばちゃんたちがマスゲームみたいに踊っていたっけ。

そういう地元の風習を目の当たりにするとどこか嬉しくなった。

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僕は引き続き宿を探したのだが、
ゲストハウスのあった場所は老人ホームのような場所になっていた。
よくあることだ。

30分くらい周辺をウロウロしたが、宿はなかなか見つからなかった。
ホテルの看板だけ出して潰れしまったのもある。

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『もしかして今日も野宿かな?』

僕はそう思った。

ビーチがあったが、そこまで大きくはなさそうだった。

 

 

せっかく町に辿り着いたのに、そこに滞在できないこともある。
他の町と同様、宿の需要なんてないのだろうか?

ホテルがないこともなかった。
マンションのような大きな建物まるごと使っている場所で
僕は値段を訊いてみたが、350ペソ(2,754yen)もした。
とてもじゃないけど、ここには泊まれない。

ホテルのおばちゃんに
「もっと安いところ、知りませんか?」と尋ねると、
おばちゃんは「それなら〇〇じゃない?」と教えてくれた。

いや、マジで教えてくれるんだよ!
ちなみに安いはスペイン語で「barato(バラト)」。

「I’m looking for」は
「Estoy buscando(エストイ・バスカンド)」です。

今Google翻訳で調べました!

 

 

 

 

 

教えてもらった大体の方角に進むと一軒の宿を見つけた。

入り口には青色のバンが停まっており、
看板には「HOTEL LERMA」と書かれていた。

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いつものように受付で値段を訊く。

 

 

「ペルミッソォ..(すいません)
クワント・クエスタ?(いくらですか?)one day?」

スペイン語と英語が混ざる。

それでも伝わってしまうのだからウケる。
まぁ、スタッフが英語喋れたんですけど。

 

 

ここに来て最安値のシングルルーム120ペソ(944yen)。
ついに千円を下回った。ようやく安宿らしくなってきた!

トイレとシャワーは別だったが、Wi-Fiも入るし、
泊まる分には快適そのものだった。

120ペソを支払い、自分の部屋に荷物を置くと、
僕は近くを散歩してみることにした。

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丁度日の沈む時間だった。ビーチは人で賑わっていた。

海が夕日でオレンジ色に染まる。上空は藍色に染まる。

僕は足を止めてサン・セットを眺めていた。

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『そうか。ここに来るためだったんだ』

 

 

コンビニでお菓子や煙草を思わず買ってしまった。
それくらいに今日の終わりは美しいものだった。

茶色いパッケージのラッキー・ストライクの味は
ほんのりと優しかった。

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