「日本語が喋れる幸せ」

▷ペルー、リマ

 

 

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「仕事をください!ってなんだか千と千尋みたいですよね?」

そう僕は言ったが、nastukiさんは映画を観たことがないと言った。ギャグが不発した時の気まずさのようなものがメールの中に漂っていた。

だが、僕はここで10:00〜12:00の間、客間を掃除する代わりに割引料金でドミトリーに泊まれることになったのだ。
親から送金してもらったとは言え、残りわずかな資金で南米を過ごさなくてはならない僕にとっては、掃除をさせてもらうのはありがたかった。

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このブログでも何度か書いているが、僕は世界一周の資金を集める時、地元の串焼き屋でホールスタッフをしていた。個人経営の小さな店舗だったが、オープン前の掃除は全て僕一人でやらなければならなかった。あの時の経験が時々活きる。

「掃除ならまかせてください!」そう僕は言った。

 

 

最初の掃除は思いの他時間がかかった。3階のトイレ×2、客間の掃き掃除&拭き掃除。小学生の時にやった雑巾がけをまさかここでやるとは思いもよらなかった。いや、あれも案外実生活で役に立つんですね。
丁寧に掃除をしていたらあっという間に2時間が経ってしまった。nastukiさんは僕にスプライトをくれた。

 

 

掃除が終わるとあとは僕の時間だ。リビングのテーブルで漫画を描くことにした。もう今までのように長々と日記を書く必要もない(っていうかできない)

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『僕は最初からこうあるべきだったのかもしれないな』
そう僕は思った。できる限り、ひとつの記事に一本漫画を載せて行こう。

メキシコで手に入れたB4の紙に漫画を描く。久しぶりに原稿用紙と同じサイズの紙で漫画を描くのは少し変な気分だった。まぁ、数をこなせば慣れていくだろう。今は漫画描くことを楽しもうぜ。

 

 

当たり前のことだけど、ここには日本人しかいない。
宿の居心地の良さを担う要因のひとつは、そこに泊まっている他の人間にも寄る。そう僕は考えている。

西村さんはとてもいいご夫婦だった。特に旦那さんのマサキさんは僕にタバコを何本も分けてくれた。
二週間の短期の旅行で、明日には日本に帰ってしまうということで、今日の夕飯は宿でオーダーした夕食だった。
クイなんて初めて食べた。こちらでは祝い事にクイを食べるそうだ。

おすそ分けしていただいたので、僕もお礼に似顔絵を描いた。

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「ニシさん、旅の中で何が一番楽しかったですか?」

「うーん、たった二週間だし、そういうのは日本に帰ってから徐々に分かってくるんじゃないかなぁ?それでもやっぱ、日本と南米は全然違うことには驚いたね。それと、俺はスペイン語が話せないんだけど、コミュニケーションが取れるってすごく大事なことだと思った。まぁ、最終的にはなんとかなったけどね♪」

 

寒風に吹かれながら僕とマサキさんはタバコを吹かしていた。
ここは標高が高いのか、空を覆った雲には街の灯りが反射し、空は薄っすらと黄色く光っていた。

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