「目指せ!サンディエゴ」

▷11月18日/チリ、バヒア・イングレシア〜オヴァレ

 

 

 

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久しぶりの野宿で一睡もできなかった。犯罪なんて起こらなそうなちっぽけなリゾート地でも気が張って寝付けないのだ。

まずチリには野良犬が多い。それもかなりデカいヤツが。

昨日も眠りに落ちそうだった瞬間にテントの近くで物音がした。野良はテントを見つけたらどんな反応をするのだろうか?

 

 

近所の人に怒られる前に僕は撤収作業を始めた。テントを片付けていると野良犬が二匹ひょっこり顔だした。僕も野良犬も身構える。

彼らがどこかに去るのを待っていると、そのうち一匹が尻尾を振って僕の方へとって来た。優しい目をしていた。撫でてやると、嬉しそうに体をすりつけてくる。はは。そうか。お前も野宿組だったもんな。

ひとしきり撫でてやると僕はテントを片付けて、どこかコーヒーが飲める場所を探した。僕が歩くと野良犬もあとをついてくる。犬を撫で手から海の潮の臭いがした。そうか。誰もお前たちのこと洗ってくれないもんな。

 

 

8:00になると小さな売店が開き始めた。その頃には僕はもう一頭野良犬をてなづけてしまっていた。

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売店でコーヒーの他に菓子パンを買い求めると、野良犬たちと分け合って食べた。

30分前にはホルヘさんの泊まっているホテルの前で待つことにした。先ほど手なずけた野良犬二匹が僕の足元で丸くなっている。

 

 

野良犬たちは通りを車が走ると、勢いよく吠え始めて車のあとを追いかけた。

そして首輪をした飼い犬に対しても彼らは厳しかった。首輪をしているが放し飼いのその犬を、野良犬たち吠えて追いかけ回した。毛ヅヤのいい飼い犬くんは情けない声を出してレストランへと逃げ込むのであった。その上下関係ってなによ?

 

 

 

 

9時過ぎにホルヘさんが車に乗って僕をピックアップしてくれた。

車に乗り込むと卵とベーコンの挟まったサンドイッチと、小さな容器に入ったヨーグルトらしきものを僕にくれた。

元気よく挨拶したものの、眠れていないもんだからテンションが続かない。いつの間にか無口になってしまった。

 

 

車がガソリンスタンドに立ち寄った際に、僕は次の目的地をどうするかを考えていた。

サンティアゴまでは700km以上も離れている。やはりここはその中間ほどにあるラ・セレーナの町を目的地にするべきか…?

ダンボールを手に悩んでいると、ホルヘさんは「サンティアゴまで行くんだろ?」と勝手に行き先を「SANTIAGO」と書いた。

こいうノリはすごい大事だ。書いてくれた人のパワーみたいなものが文字に含まれている気がするから。

 

 

 

 

 

 

コピアポの町に着くとホルヘさんとは別れた。「このまま200m進めばサンティアゴ行きの道だからな!」と、ハイウェイに近い場所にあるモールで車を降ろしてもらった。

ガソリンスタンドを少し抜けた場所で僕はボードを掲げた。道幅は少し狭いくらいだが、なんとかなるだろう。700km離れた強気のヒッチハイク!車なら9時間ほどの距離にあるみたいだ。

 

僕は寝不足であることを忘れて親指を立てた。砂漠の真ん中にあるようなコピアポの町にはどこか緑が多く、気持ち良い風が吹き抜けてくる。

だが、車からのレスポンス走るとあまりいいものでははかった。さすがにサンティアゴまで行く車はいないようで、レスポンスがあっても「悪いね。行き先をが違うんだよ」と言ったものばかり。

 

そして、何人かに「サンティアゴを目指してヒッチハイクをするならこの先の分岐点さ!」と言われた。

三人に同じことを言われたので、僕は場所を移動することにした。

 

 

 

最初はよかったが、すぐに汗をかき始めた。なだらかな坂がずっと続いていた。

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一体どこがその「分岐点」なのか僕にはさっぱりわからなかった。ハイウェイの道幅は広くなり、路肩に十分なスペースができたが、道は相変わらず一本道だ。

じわりじわりと時間が過ぎて行く。後ろから何台も車が僕を抜き去っていった。一応ダメ元で行き先を書いたダンボールを歩きながら掲げたが、誰も止まってくれるような人はいなかった。

 

一体どこがその分岐点なんだろう?と僕は今更ながらにマップアプを広げた。そこには16km先にハイウェイが繋がる分岐点が書かれていた。

僕は愕然として進むのを諦めた。3kmちょっと歩いただろうか?今いるなだらかな坂の上からコピアポの町を見下ろすことができた。地元の人間の言葉を信じて黙々と歩いていた自分がアホらしくてしょうがなかった。

 

荷物を降ろすと、持っていたジュースの残りを全て飲み干した。もうどこでやったって同じだ。

 

 

ボードを掲げてわずか15分で車が止まった。

 

 

 

あれ?

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「あれ?どっかでお会いしましよね?」

 

 

そこには見覚えのある車とドライバーが。

シャツを着替えたホルヘさんが、ニヤニヤしながらそこに載っていた。

うん。なんかやっぱりおれ、ツイてるは。

お礼を言って再び車に乗せてもらうことになった。この先の150km離れた町まで乗せていってくれるみたいだ。マジで助かりましたっ!

 

16km先の分岐点もこの時に通り過ぎた。そこは確かにハイウェイの分岐点だったが、かなり寂れた場所だった。ここでヒッチハイクなんてやったらそれこそ車が捕まらないような場所だった。

 

 

さすがに車の中では寝落ちしていた。目的地の数十キロ手前で目覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホルヘさんが降ろしてくれたのは大型トラックの多く止まるガソリンスタンドだった。

「それじゃあサンティアゴまで行けよ!」と縁起のいいことを言ってくれる。

 

ガソリンスタンドにはシャワーがあったが、僕はそれを浴びることをしなかった。運には流れがあると思ったからだ。

売店でナポリタン・エンパナーダとスプライトを買うにとどまり、すぐにガソリンスタンドの出口でボードを抱えた。

 

10分くらいして一人のドライバーが「ヒッチハイクするんなら別の入り口だよ。ここは別方向の車しか通らないよ?」と間違いを指摘してくれたので、今度はマップアプリを確認して場所を代えることにした。

するとどうだろう?

 

5分もしないで大型トラックが止まってくれた。

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大型トラックは荷台に通常サイズのトラックを積んでいた。どこか故障しているようにも見えた。

 

ドライバーのガブリエルさんの第一印象は下ネタ大好きのスケベオヤジと言った印象で、僕のお団子ヘアーを見て止まってくれたのかと思ったくらいだ。

英語は全然喋れないし、ホルヘさんに比べると会話のキャッチボールが弾まなかった。

時折冗談を言っては一人でケタケタ笑っているようなファニーな小柄のおっちゃんだった。

車の中ではCDもカーステレオもなかった。車の走行音を聴きながら外の景色を見ているだけだ。

 

この車の行き先はサンティアゴらしいが、今日はそこまで行かないらしい。その途中のラ・セレーナまでは行くみたいだ。

僕は念のため、「明日も続けて車に乗せてもらえないだろうか?」とお願いしておいた。

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車が走っている最中はうたた寝を何度も
繰り返した。

会話らしい会話はほとんどないので、ひたすら外の景色を眺めて、それに飽きるとウトウトしてくるといった流れだった。

暇だからといって音楽を聴いたり、iPhoneをいじくることしない。もし自分が運転手だったらどこか嫌な感じがするから。

まぁ、そう書いておいて寝落ちしちゃうんですけどね。あれはしょうがないさ。

 

あまりに僕がウトウトしているもんだから、途中でアイス休憩を取ることになった。

どこかちっぽけな町のはずれにあるような売店で山盛りのアイスを買った。物価も少し安くなったような気がする。

 

そのアイスを食べたあとからだったろうか?僕の腹は急に痛み始めた。左脇腹の上の方が妙に痛む。

原因を必死で考えた。
『野良犬を撫で回したからか?』とか『さっきスプライト一気に飲んだせいで腹に負担がかかったのか?』とか『実はさっきのアイス、相応昔の売れ残りだったんじゃないのか?』とかだ。

腹に手を当てて温めてみても具合はよくならない。Tシャツが汗で少し滲んだ。

 

 

 

そうこうしているうちに車はいつの間にかラ・セレーナに着いていた。ここも海の見える町で、車相手にジャグリングを披露しているバスカーの姿を見た。町の規模からして稼げそうでもあった。

 

ガブリエルのおっちゃんが、「着いたぞ!どーするんだ⁈」と訊いてくる。

僕は弱々しく、「できたら明日も乗せて欲しいんですけどぉ…」と言うが、理解してくれてるんだかよく分からない。

何度かやり取りがあった後、ガブリエルさんの住んでいる町まで乗せていってもらうことになった。どうやら明日も乗せてもらうことができそうだ。助かった…。

 

 

 

 

 

ガブリエルさんの住む町は”Ovella(たぶんオヴェラ)”という名前の町で、ラ・セレーナからは一時間半ほど走った場所にあった。

ガブリエルさんは車を止めて、また何やら分からないことを言う。僕は野宿をするハメになるのか焦ったが、どうやら違うらしい。「今日はトラックで寝ろ」そう言ってくれているらしかった。

 

 

 

貴重品だけ持つとガブリエルさんは自分の家へと帰っていった。

一人取り残された僕は、近くのスーパーでトイレを済ませ、屋台で軽く食事をとった。

 

 

さて今日は早めに寝ようかなと、歯磨きをしている最中にガブリエルさんが戻って来た。オレンジ色のオーバーオールを着ている。

トラックを別の場所に移し、工具を取り出すと後輪タイヤを点検し始めた。

ジャッキで後輪を浮かせると、ノミを打つように手のひら大のナットを回してそれを外すと、機械油で手をドロドロにしてメンテナンスしていった。

その間僕は懐中電灯でガブリエルさんの手元を照らす役目だった。

 

その手際を見ていると、何年もトラックの運転手をしていることが伝わってきた。同じことをやれと言われても僕じゃできないだろう。働くってこういうらことか…。

後輪タイヤのチェックが終わると、ガブリエルさんは「うんうん」と頷いて、「アシタ・マニャ〜ナ」と自分の家に戻っていった。

 

 

春シーズンのチリとは言え、夜になると冷え込む。

僕はTシャツを着替え、フリースを羽織るとトラックの中にあるマットの中に横になり、毛布をかぶった。

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8 件のコメント

  • ちょっと前までウユニだったのにもうパタゴニア!!
    旅もラストスパートですね。というかこの一週間で何千キロ移動したの?しかも陸路で・・・
    パイね、フィッツロイ、アウストラル街道、ペリトモレノ氷河と絶景のオンパレードのパタゴニア。
    ニュージーランド行きのチケットは延期確定ですね。

    • >クアトロカミナスさん

      いやいや!延長はしませんよっ!
      だって航空券13万もしましたもん!

      それにあっちこっちも行けないのは分かっています。資金的にも時間的にも考えて。

      僕はフィッツロイだけ見れれば満足です。ほんでエル・カラファテからブエノスまでひとっ飛びです。飛行機使っちゃいます!

  • はじめまして、Takumaです。
    シカゴで検索かけて引っかかって昨日からブログみています。そして、昨日パタゴニアのカールとシミさんの話をしてきました!世界は広いようで時々、狭い?

    • >Takumaさん

      カーーーーールゥゥゥ‼︎
      マジいいヤツでした!アイツ、元気でしたか?

      シカゴはアメリカの中でも街並みが好きです。全然滞在できませんでしたが、一週間くらいは歩き回ってみたいなぁと思いましたが、

      南部にはギャングがいるってー、
      あれほんとうなんでしょうか笑?

  • 野良犬ちゃん可愛いですね(^o^)
    うちも今、生後6ヶ月のラブラドール飼ってますが毎日暴れまくってジャレて噛みまくってきます(^_^;)
    うちの犬より可愛いな(笑)

    凄く進んでるみたいであっとゆうまにパタゴニアに着きそうですね!\(^o^)/
    フェイスブックフォローさせて貰ってるのですが、ブログが更新されましたって見ると毎回テンション上がります♪
    次のも楽しみにしてますね!
    気をつけてどんどん楽しんで下さい!

    • >azuさん

      うちも(雑種の)ラブラドール(似の顔)です。
      名前は「らぶ」です。お母さんが命名しました。拒否権は行使されませんでした…。現在15歳くらいの老犬です。死んでいなければ…。

      Facebookページの方、ありがとうございます。
      ブログの更新情報でテンション上がるのは身に覚えがあります(笑)
      特に更新頻度の低いブログだととりわけですね!

  • 待ってました!シミ君のヒッチハイク旅(。>∀<。)
    iPhoneからなのに長文ご苦労様です(´ー`)

    ヒッチハイクってやっぱり読んでるだけでもワクワクしちゃうな♪
    人って知らない人にでも、こんなに優しく出来るんだよね。異国の地でだとより一層それを感じそうで。
    私も日本に来ている外国人に優しくしてあげたくなっちゃう(残念ながら余り見掛ける機会がないんだけどもw)

    そうそう前記事に書いてあったけど、マサトさんとまた旅をする事になったんだね!うーんそっちも楽しみだヽ(〃v〃)ノ

    残り少なくなってきたと思うけど、日本から最後まで安全な旅を祈っています((。ゝω・。)ゞ

    • >かおりンさん

      えっ⁈待っててくれたんですか⁈
      ヒッチハイクの旅を。

      ならばご安心ください。
      たぶん、ニュージーランドとオーストラリアもヒッチで旅します。

      ってか向こうの物価が殺人価格らしいので否応にもヒッチなんですけど…。

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