▷12月4日/アルゼンチン、エル・カラファテ
ベッドとホットシャワー、なんと言っても24時間暖房が効いてるのがいい!(光熱費がかなり気になるけど…)
そんな居心地のいい宿にさ”AMEL”のドミトリーには僕とマサトさんしかいない。
民宿タイプのこの宿には二階にもドミトリーがあるのだが、昨日僕たちに割り当てられたのは誰もいない方のドミトリーだった。きっとオーナーさんが気を遣ってくれたのだろう。
朝にシャワーを浴び、サクサクのWi-Fiにつないだ。一日の始まりのグダグダしたこの時間を過ごせるのも快適な宿があってこそだ。僕はそう思う。
マサトさんと僕の作業内容は今日も変わらない。ブログを書くか漫画をアップするかだ。
あまりにマサトさんがずっとパソコンに向かっているので、僕が「凄いですね!疲れないんですか?」と尋ねると、マサトさんは「根性だね」と言っていた。さすが「自称”ど M”」だ。
長時間パソコンの画面を見すぎているせいで、目に疲れが溜まっているみたいだった。
僕はこの前ツイッターで見つけた水木しげるが睡眠の大切さを力説する漫画の話をマサトさんに聞かせた。
前日水木しげるさんがお亡くなりになられた。
水木しげるは僕でも知っている漫画だった。
「ゲゲゲの鬼太郎」はもちろんのこと、「のんのんばあとおれ」や「河童の三平」は小さい時から知っていた。確か当時はドラマもやっていたんじゃなかったっけ?
戦争で片腕を失い、それでも漫画を描くのは本当に凄いと思う。水木しげるがどのように作画をしていたのか詳しくはしらないが(確かに左手の代わりに文鎮を置くスタイルだったと思う)、利き腕だけであれだけのものを描けるのは人間業ではない。きっと水木しげるは半分近く妖怪化していたのではないだろうか?
幼少期の頃の僕を楽しませてくれた漫画家さんだ。ご冥福を祈ります。
マサトさんは昼過ぎにどこかにフラリと散歩に出て行った。
僕はそのまま宿に残りテーブルで漫画を描いた。
せっかくWi-Fiが入るので、僕はYouTubeで音楽でも流しながら作業をしようと思ったのだが、今回は選曲が悪かった。
たまたま目にとまったのは「マキシム・ザ・ホルモン」の公式チャンネル。
アルバム「予襲復讐」のリリースの後にファン向けに実地されたテストの答え合わせの動画だった。
Vo/Gtのマキシム・ザ・亮君とスタッフが作った問題はそれそれはそれはコアな問題ばかりで、聞いていると思わず笑ってしまうものばかり。
キャラの濃いメンバーの発言に思わず吹き出してしまって集中できない。
確かに作業を捗らせるためにラジオを聞くのはいい手段だと思う。だが、その内容にもよるのだ。
一番いいのは自分の興味のない話題(ほれでいて面白い)がベストだろう。好きなアーティストのささやかな日常、ちょっとした小噺くらいが丁度いい。
面白すぎてもダメだ。ラジオを聴く行為自体が目的になってしまうからだ。
結局僕は作業を切り上げて、近くの薬局で菓子を買った。
作業が全然進まない時もあるさ。そこをコントロールしていくのがプロなんだろう。
今日は早めにバスキングに行くことにした。
そこで出会ったのがイスラエル人のカップル、ランとアナだった。
イスラエルの若者たちは兵役が終わった後に海外を旅する者が多いらしい。
パタゴニアではそれが顕著だった。僕たちはちょくちょくイスラエル人(もしくはそれらしき人)に会った。フィッツロイのあエル・チャルテンの宿では五人くらい見かけたと思う。
ランは紙幣を入れてくれたあと、「一緒に何か歌いたい!」と言ってくれた。
僕はたった2曲しかない鉄板ソングのうち、”Let It Be”を彼と熱唱した。気分がよくなった僕は似顔絵を描いて二人にプレゼントした。
今日のバスキングは出会いはよかったが、レスポンスは昨日ほど入らなかった。そりゃ三日間も続けて同じ場所でやっているのだ。もしかしたら飽きられてしまったのかもしれない。
なるべくそんなことを考えずに歌に集中しようとしたのだが、この日はとうとうスーパーの警備員に止められてしまった。
優しく僕の肩を叩き、「あそこならやってもいいよ?」と指差した広場は、人通りなんてほとどない微妙なポジションにあった。
隣でコピーしたCDやDVDを売っているおばちゃんが、「少しズレれば問題ないよ」と言ってくれたが、僕はこの日のバスキングを切り上げることにした。今日のアガリは160ペソ(¥2,032)。まぁ、宿代賄えたしよしとしますか。
今日もスーパーで野菜を買って帰った。なんだか日に日にシチューの具が増えていく気がする♪
宿に帰るとマサトさんがまさにシチューを作っているところだった。
僕は買ってきた野菜を適当に切り鍋にぶちこんだ。
今日はミルクもはいっているので、よりシチューっぽさが増していた。
シチューを食べ終わると、僕は何もする気が起きなくなってしまった。満腹になってしまうとこうなるから注意だ。
気になっている日本の映画、劇場版「MOZU」のメイキング映像を見ていたらあっという間に夜が更けてしまった。
マサトさんは相変わらずテーブルでパソコンに向かっていた。
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