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漫画を描くにあたって、僕にはひとつのイメージがある。
21歳で漫画家になることを決めた時よりもっと前から、僕の中にそのイメージが存在していたような気がする。どこからそのイメージが浮かび上がってきたのかはわからないが、僕はそのイメージを今でもずっと持ち続けている。
あぁ、なんだかここまで書くと今話題のアニメ映画みたいだな(笑)。
でもね。そういう憧れに近いイメージを僕はずっと抱いてきたんだよ。
それがどういった類のイメージなのかと言うと、
アメリカ西海岸のイメージだとか
もしくは森を抜けるハイウェイであり、
パームツリーの並ぶ気持ちのいい海沿いであったり、
またはどこか自然豊かな場所ででアウトドアをしている映像だ。
他にのいくつかの断片的なシーンが僕の中にはある。
なんだかアメリカ的な要素が強いような気がするし、「旅」にも通じるところがある。
こうして文字にして見ると、やっぱり自分の気持ちは外へ向かっているみたいだ。
それらのイメージの中にはガスバーナーがシューシューと音を立てて、青い炎がポットのお湯を沸かしているし、そこには焼きたての卵をのせたトーストサンドなんかも出てくる。もちろんその場の雰囲気にぴったりあった音楽だってその場には流れている。
時々、僕の持つイメージに近い画像をインスタグラムやその他の写真アプリで見つけることができるが、残念ながらそれ以上のものを見つけることはでていない。
音楽だって『なんとなくこんな音楽が聴きたい!』というイメージ、というかフィーリングはあるのだけれど、その音楽はどこにいけば聴けるのか、誰が奏でているのかはわからない。僕の持つイメージに一番近い音楽を演奏するのはジャック・ジョンソンだ。彼の音楽は19の時から聴いている。けど、それ以上のイメージを再現してくれるアーティストにはなかなか出会えていないのが現実だ。
あ、オブ・モンスター・アンド・メンのファーストアルバムはいい旅情を感じさせてくれるな。あれは名盤だと思う。紙ジャケだしね。
どうしてこれらのイメージを抱き続けるのかは自分でもわからない。いったい何がきっかけ僕はこのイメージを持ち続けるようになったのだろう??
それは「オン・ザ・ロード」なんかの大好きなロードムービーの影響を受けているかもしれないし、
大学時代に活動した「ごみゼロナビゲーション」では周りにアウトドア好きなやつらがたくさんいたせいで、そういうイメージを知らず知らずのうちに受け取ってきたからかもしれない。
世界一周をしたことも、このイメージをより強めることにつながったはずだ。
実際にヒッチハイクでアメリカを旅した時、僕は自分の中にあったそのイメージに近いものを見つけることはできたが、それはまるっきし同じというわけではなかった。
こういうのを「原風景(プライマル・イメージ)」と呼ぶのだろう。
もともと僕の持つイメージそのものはぼやぼやしたものだったが、自分がいろいろなことを体験していくうちにその輪郭がくっきりと浮かび上がってきたのだ。
僕はどうしたらそれらのイメージを自分の手元に残しておけるかをずっと考えてきた。
映画や小説や漫画には僕の持つイメージの連鎖はない。あくまでも部分的にだ。自分の抱えている風景やイメージを忠実に再現しているものは今のところどこにも見つかっていない。
「じゃあ、自分で描いたらいいんじゃないか?」
僕はそう思う。
このイメージを追い求めていくことは僕にとって漫画を描く時のひとつの指針だ。
僕の絵や漫画のスキルはまだそのイメージを再現するには遠く及ばないが、どこに向かって漫画を描いていけばいいかわかっているだけ、大体の方角は失わずに進んで行くことができるはずだ。
安西水丸さんはイラストレーターにしては(上から目線で失礼だけど)拙く、シンプルなものばかり発表してきたが、そこには彼にしか描けない味が間違いなく存在している。
「就活ジャーナル」のインタビューにおいて安西さんは
「自分より絵が上手い人は腐るほどいるけど、自分の持っている感覚や見方だけは、自分にしか描けない」
と話していた。
水丸さんは僕の言いたいことを代弁してくれたよ!おかげでずいぶん勇気づけられた。
そうだ。このイメージは僕にしか描けないんだ。
今はまだそれをクリアに再現する力はなくても、いつか必ずそのイメージを描けるようになる日が来るはずだ。
だから今は自分のスキルがどうとか弱音を吐く必要はない。
焦らずに地道に絵を描いていこう。
それでいいのだ。
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