バスの中
から見る一年ぶりの苗場スキー場は、やっぱり非日常的な空気感が漂っていた。
苗場スキー場の上には薄く灰色がかった雲が立ち込めており、かろうじて曇りの状態を保っているようにも思えた。去年のフジロックみたいな三日間晴れ間が続かないことが僕にもすぐにわかった。
そして、これから大きな祭りが始まるのだという予感もそこにはたっぷりと含まれていた。
そう。何か大きなことが始まるような、そんな雰囲気だったのだ。
バスの外には前乗りしているスタッフたちが行き交って降り、そのうちの何名かは今年のスタッフジャンパーを着てるのが見えた。
「まさかな..」
と僕は思った。
僕の予想を補足するように、一緒のバスに乗ってた女のコの誰か落胆を滲ませた声でこう言った。
「今年のスタッフジャンパー..
ミントブルーだ」
フジロックのスタッフたちは毎年必ず雨具の上を支給される。
中にはこれを楽しみにフジロックのボランティアに参加する人間もいるくらいだ。協賛はアウトドアメーカーのコロンビアで、けっこういい品質の雨具なのだ。僕だってこのジャンパーを楽しみにしてきたクチだ。
去年のデザインは紺色だったのに対し、今年のレディースのカラーはぼやっとしたミントブルーで、メンズの方は蛍光色の強いライトグリーンだった。
ケチをつけるわけじゃないんだけど、背中にはイラストレーターがやっつけ仕事で描いたような簡素なイラストがプリントされていた。
せめてここをしっかりしてくれれば、僕たちももう少しはこのジャンパーを好きになれただろう。いや、嫌いってわけじゃないんだけどね。
ジャンパーには去年のような色の切り替わりもない。夜道を自転車で走る分には目立つかもしれないが、野外フェスの会場ではあまりパッとしないカラーリング。
正直言うと、僕もスタッフジャンパーを見たときは、ちょっとがっかりしたんだ。
バスの中でアイプレッジの統括であるカンタさんの話を聞いたあと、僕たちはバスを降りた。
今回一緒にボランティアに参加する人間で、神楽坂にあるリサイクルショップ&カフェで働いている、音楽ジャンキーのあっきーってお兄さんがいるんだけど、
あっきーのTシャツには見覚えのあるイラストが描かれていた。
僕は目を疑った。
なんとあっきーのTシャツには
愛子ちゃんが描かれているではないかっっっ!!!
これな。
え?!愛子ちゃんだよ!
知らないの???
愛子ちゃんってのは「おやすみプンプン」のヒロインのことである。
このTシャツはおやすみプンプン(12巻)の単行本の初回限定版として手に入るレアなTシャツなのだ。
全面に愛子ちゃんの顔がでかでかとプリントされているので、普段着にするにはマジで勇気がいる代物だが、まさかこんな着方があっただなんて!フェスで着たら目立つこと間違いねえだろ!
そんなわけで、僕は食い気味にあっきーに話しかける。
いや、もともと、知り合いだったけど、ソイツの持っている意外な自分との共通点を見つけると、ほら、「なんだよ!お前もかヨ!」的な感じで盛り上がるでしょ?それだよね。
漫画やアニメのキャラクターが描かれたアイテムを身につけるということは、自分の好みを主張することでもある。引いては自分がどのような人間であるかを主張することでもある!
あのTシャツに食いついた人間とは絶対意気投合できるのと思うな。僕は。嘘じゃないよ。でも、持っている人間ってのは精神が捻じ曲がったヤツらばかりだと思うけどね。僕やあっきーを含め(笑)
そのまま僕たちは明岳寮というスタッフが寝泊まりする施設へ向かった。
一部のフジロックのスタッフには泊まる場所が用意されるのだ。フジロックにはキャンプ宿泊者などもいるのにもかかわらず。
なんだかズルい気がしなくもない。
お客さんたちは好きでキャンプインをしているわけなのだけれど、苗場の天候の変わりやすさを考えると、とてもじゃないけど、キャンプしたいだなんて思わないなぁ。トイレやシャワーだって順番を待たなくちゃいけないし、何よりキツいのは雨だ。
今年はしょっぱなから雨が降りそうな雲模様だって話は一番最初にしたよね。
明岳寮で簡単な手続きを済ませた。
ここではスタッフ用のボランティアTシャツをもらったり、部屋割りを知ることとなる。
スタッフは男女別の宿泊施設を与えられており、男性スタッフが主にこの第二明岳寮を使う。一部屋に四人が泊まるのだ。
正直に打ち明けると、僕はこの部屋割りに関して言うと、運がなかった。
僕以外の三人のうち、二人は真面目そうな関西人だった。一人は説明会でも顔を合わせたオガというお兄さん。彼とは実は去年のフジロックで一緒に活動をしていたのだが、なんせ一年も顔を合わせなかったもんだから、僕はすっかり彼の名前を忘れてしまっていた。
いや、実際けっこうな割合であるんだよね。人の名前ってなかなか覚えられないんだよなぁ。
そして、もう一人のルームメイトは初めて見るヤツだった。あっちゃんという名の関西人。でも、ふつーに喋っているぶんにはほとんど訛りを出さない。
オガとあっちゃんはお互いの出身地が関西圏だと知ると、すぐに打ち解けたようだった。同郷の人間って、外で会うとシンパシーを感じるよな。
最後の一人に関して言うと、
僕は気まずさを感じずにはいられなかった。
というのも、
一番一緒の部屋になりたくないヤツと相部屋になってしまったからだ。
T(てぃー)は去年もボランティアスタッフをやっていた。
無口なヤツだが、素敵な酔っ払いでもあった。
そんなTとの(僕が一方的に感じている)確執は次のようなものだ。
僕は去年、うっかり歯ブラシを忘れてしまい、たまたま洗面所で見つけた歯ブラシを失敬した。
歯がネバネバするくらいなら、誰かの起き忘れたであろう歯ブラシを使うという腐った根性がそれだった。
僕がそのパクった歯ブラシで歯を磨いていた時に、便所にやってきたTは
すごい申し訳なさそうな顔でこう言った。
「シミさん…、
それおれのッス」
僕は急いで弁明し、なんなら弁償して新しい歯ブラシを買うよとまで申し出たが、Tは「返してください」とポソりと言った。
うん。わかってる。悪いの完全に僕だけどね。
だけど、気まずいんだよ。
当たり前か。
なんなら今でもひきずってるくらいだもん。
そんなTと
まさかの相部屋になってしまったのだ。
部屋割りを決めたスタッフを僕は呪いたい気持ちでいっぱいだった。
でも、このくらいの曇り空なら涼しくて好きだな。雨さえ降らなきゃね。
与えられたシーツでベッドメイキングを済ませると、1時間くらいは暇な時間となった。
ほかの部屋ならルームメイト同士話をして盛り上がったりするんだろうけど、この部屋だとそうはいかない。
関西人の二人は大人な距離感だったので、つるむのにも時間がかかりそうだ。
僕はゼットカードに印刷されたタイムスケジュールをずっと眺めていた。
ゼットカードとはフジロックの会場全体図や日にちとステージごとのタイムテーブルが書かれた紙だ。
屏風折りのようになっており、手に収まるコンパクトな大きさなのだが、広げることができる。これって折り紙の伝統がある日本の技術なんだとか。
僕はそのゼットカードを広げ、タイムテーブルとずっとにらめっこをしていた。
ボランティアスタッフといえども、休憩時間はあるのだ。自分の見たいアーティストと休憩時間がかぶれば、ライブを見に行くことだってできる。
ちなみに僕たち(この班のメンバーは同じシフトなのだ)はナイトシフトという夜から明け方にかけてのシフトだ。
トリは見れないかもしれないが、活動を終えたあとの休憩時間が長く、睡眠時間さえ調整できれば、フジロックを長く遊ぶことができるのが特徴でもある。なぜだかナイト班にはおなじみのメンバーが集まりやすい。
一体自分の活動時間内でどのアーティストのライブが見れるだろうか?と考えている時に、最終日にピラミッドガーデンで青葉市子のライブが見れるのがわかった時にはテンションが上がった。
青葉市子の話はまた今度することにしよう。
ゼットカードをずっと眺めていることにも飽きた僕は、外に出ることにした。
フジロック開催前日からすでに来場者はキャンプインできるようになっているみたいだった。
カラフルなウェアに身をつつみ、バックパックを背負ったフジロッカーたち。
明岳寮を出ると、橋を渡り、キャンプサイトをぶらぶらしてみることにした。
キャンプサイトには既にたくさんのテントが張られている。雨が降ってもへっちゃらな本格的なテントもあれば、一発で浸水してしまうようなソロテントまでさまざまだ。
キャンプサイトを歩いている時に気づいたのはとんぼの多さだった。
雨さえ降らなければ曇りがかった苗場は絶好のフェス日和だ。温度はさほど上がらないし、動きやすい。この天気がずっと続いてくれればいいとは思うけど、実際はそうもいかないんだよな。
前乗りしたスタッフによると、既に何回かこの苗場で雨が降ったようだった。
既に雨が降ったからもうこれ以上降ることはない。そんなことはありえないだろう。
キャンプサイトをぶらりと歩いて時間をつぶした僕は集合時間になると明岳寮前に戻った。
う〜〜〜ん、あらためて見ると、スタッフジャンパーも悪くないかもな。
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そうして
徐々にフジロックの活動が始まっていった。
ボランティアスタッフがまず最初にやることといえば、会場の下見だろう。
トラメガと呼ばれるメガホンをてにしたスタッフを先頭にだらだらと会場を歩くのは悪くない。
毎年異なる入場ゲートの装飾を見ると、ついにここにやって来たのだという気にもなる。
なぜだか今年は入場ゲート前で写真撮影する時間があった。
まだ本格的な活動は始まっていないため、みんな楽しそうに各々のスマートホンで写真を撮りまくる。そんな写真をとっている人間の写真を撮るのが僕だ。
被写体に対して意識を集中させている人間はどこかガードがあまくなる。写真を撮るのに夢中になっている彼らは素の状態だったりするのだ。
スタッフ用のリストバンドを見せて場内に入り、ひとつづつ会場内に置かれているごみ箱を確認していった。
フジロックに設置されるごみ箱のほとんどは、アイプレッジの学生スタッフたちが公募したデザインを元に描いた。
年に一人か二人は絵の好きなヤツがいるが、大体描くのは素人の学生ばかり。そのラフなタッチが逆によかったりもする。適度なゆるさがそこにはあるのだ。
一方、今年僕が描いた絵はグリーンステージの一番目立つ場所に置いてあった。
白と黒を基調にした漫画のタッチのごみ箱。遠目からだと、メインのキャラクターしかわからないだろうが、近づいてみれば細々とした描き込みに気がつくはずだ。
そのうちいくつかは遊び心をちりばめておいた。僕が忍ばせたそれらの遊び心的イラストに誰が気づいてくれるだろう?
自分の描いたイラストがフジロックに設置されているのを直に見た時、僕は誇らしい気持ちになった。
「旅する漫画家」として描いたイラストがささやかな自己主張とともに、そこに立っているのだから。いつかは、おれのことを認めさせてやるんだってばよ。とどこかの忍者少年のマインドが顔をのぞかせる。
気をきかせたスタッフが他のボランティアに僕が絵を描いたことを教えてくれた。
なんだか照れくさくなる。
ここでも一瞬撮影会がはじまったが、今は下見の時間なのだ。自分の仕上げた絵について、あれこれ言い訳を交えて解説したくはなるけれど、それは今じゃない。まず第一、そんな話は求められていないだろう。
会場をホワイトエリアまでざっと下見をすると、僕たちは本部のあるオアシスエリアまで戻った。
そこにアイプレッジの本部があるのだ。
数年前まではアイプレッジの本部は三箇所あった。
オアシスエリアとホワイトエリア、それにグリーンエリアに。
フジロックの経費削減により、以前は100名以上いたアイプレッジのボランティア数も今では80名ほどまで減り、本部は一箇所削られてしまったのだ。
海外から大勢の有名アーティスト達を呼んで、それでいてお客さん達を呼ばなければならない。
たとえ日本一の野外フェスだとしても、利益を出すということは大変なことなんだと思う。
だって、毎回トリのアーティストたちの豪華さを知るたびに「ギャラがどれだけ支払われているのだろう?」とフジロックの予算が心配になってしまうもの。
オアシスエリアの本部へ戻ると、班ごとのシフトが教えられた。
ナイト班はフジロックの前夜祭から活動があるのだ。
フジロックは毎年7月の終わりの三日間の開催だと思われているが、正確には4日間だ。
前夜祭はオアシスエリアとレッドマーキーだけが開かれているが、この日から飲食店は店を開けるし、お客さんもここで遊ぶことができる。
つまりごみが出るのだ。
フェスで出るごみの七割は飲食関係だという。
フェスはキャンプとは違う。
食料を持ち込む人はいるだろうけど、そのほとんどは会場内で売られるもので食事をすませる。
そうなると必ずごみが出る。
中にはマイ食器などを持ってくる意識の高い来場者もいるが、必ずしもみんながマイ食器を持ってくるわけではない。
飲食店側も4日間を通して10万以上の来場者を記録するフジロックに備え、大量の食材や食器をもってして、来場者たちを迎え撃つのだ。
そして、来場者が出したごみを資源ごとに回収するのがアイプレッジの役割だ。
分別内容はおおまかに分けて「燃えるもの/燃えなもの」「紙コップ」「割り箸などの木製カトラリー」「ペットボトル」というもの。
ペットボトルはラベルとキャップをはがして回収するものの、それ以外にプラスチックでわけたりすることはない。
あくまで数種類の資源回収とその他という分類だ。そんな細かくやっても捌き切れないからね。
ただ、回収した資源の一部は次の年のフジロックで使われるのだ。
仮設トイレに置いてあるトイレットペーパーは回収した紙コップからできているし、入場ゲートで配っているごみ袋は回収したペットボトルから作られているのを一体どれだけの来場者たちが知っているだろうか?
そして、一番大事なのは、資源を回収すること以外にあると僕は考える。
それは来場者にごみの分別の意識を持ってもらうというもの。
会場内に分別をうながすごみ箱があるのとないのでは、会場のごみのありようが大きく異なるのだ。
フジロックは野外フェスの中で「世界一クリーンなフェス」と称されたことがある。来場者のごみに対するモラルの高さをキープするためにも、アイプレッジの会場内での活動は重要なのだ。
僕の所属する9班のシフトは18時から始まった。
班のメンバーはオアシスエリア内に置いてあるごみ箱に2名ずつで割り振られる。
一緒にごみ箱の裏側に立って分別を促すのだ。自分でやるのではない。あくまでも来場者に分別をしてもらう。
ここでよくあるのが、ごみの分別をめんどくさがる人だ。
もし、自分が来場者の立場だったら、そりゃちょっとはめんどくさいとは思う(だろう)
せっかく休みをとって遊びに来てるのに、ごみの分別くらい多めにみてくれよな、と思う人がいるのは当然だ。
だが、そういう人たちをいかに楽しく、巻き込んでスマートでクールにごみを分別させるかが僕たちの役割である。
ボランティアはいってみれば、フジロックの会場の雰囲気を演出する一人でもあるのだ。
ごみ箱の向こう側で何時間もずっと立ちっぱなしでいるのことはない。会場内のあちこちから流れてくる音に身を任せて体を揺らせば、ソイツは間違いなくフジロックの会場を盛り上げているアーティストと同じステージにあがれる。
音楽に合わせてガンガンに踊っていると、お客さんもニヤニヤしてこっちを見てくる。
おいおい。何そんな白けたツラしてんだよ?おれたちは一年もフジを待ってたんだぜ?楽しまなくちゃ!
ごみ箱の裏側に立っていると会場の様子を見渡すことができる。
なんだか去年よりも前夜祭に集まる人数が多い気がしてた。
そして、もうひとつ気が付いたのは外国人の多さだ。
それも僕たちと同じような顔をしたアジア人が多かった。
ごみを片手にやって来た彼ら(彼女たち)に対して、「燃えるごみはこちらですよ〜!」なんて促すと、彼らはちょっと困ったような顔をする。
「アイム・ソーリー・アイドントノー・ジャパニーズ..」
なんて悲しそうな顔をして言われると、つられて僕も申し訳ない気持ちになる。
バックパッカー時代に培った旅人英語とジェスチャーで伝えるとちゃんと伝わるのが面白いところだ。
調子に乗って外国人っぽい人に英語で案内すると、単に日本語が伝わっていない日本人なんかである場合もある。
そういう時はせめてレスポンスしてほしいものだ。
一緒に活動するメンバーの半分近くは、ボランティアのリピーターだが、もちろん初めて参加する人もいる。
Patagoniaに勤めているはなちゃんもそのうちの一人だった。
これは僕個人のもつひとつの意見にすぎないのだけれど、
Patagoniaで働いている人間には
変なヤツが多い。
ユニークな人が多い。
アウトドアが好きなことはもちろんなこと、
各々に何かしらの個性がキラリと光るのだ。まず外見からしてアイデンティティを主張している。そんな気がする。
はなちゃんは可愛い女のコだったのだが、
話しているとわかったのが、僕に似た放浪癖があるということだった。
ニュージーランドやカナダでの留学経験があり、そのくせあまり英語を喋ろうとしない(なぜだ??)。それでいて今度はオーストラリアでワーホリだか留学だかをするのだとか話を聞くと、自由に生きているなぁと思わずにはいられなかった。
僕は三年間にわたる世界一周を終えた今、相変わらず焦っている。
自分の目指す漫画家像に近づいているのかいないのか時々わからなくなる。
去年に比べれば、イラストの依頼も増えたし、作品の質も上がっただろう。
だが、旅漫画は描けているかと言われれば、「イエス」とは答えられない。
たくさんのことをいっぺんにこなすことはできない。生存確率を1%でもあげるために、いろんなことにチャレンジする分、ブレイクスルーが起こるまでには時間がかかってしまう。
おれはほんとうにこのままでいいのか?
こんな風に遊んでいるだけで、時間が過ぎ、歳をとっていくんじゃないかと考えると、不安になる。
いや、フジは特別だよ、な?
闇雲に走って、どこが正規のルートかなんてとっくの昔に見失ってしまった。
獣道のような草がぼうぼうと茂り、でこぼこな悪路を僕は突き進んでいる。
自分が進んで来た道を振り返った時、それが自分にとって正しい道だったのかは、きっと最期にならなくちゃわからないんだろう。
常に自分に問い、理想を鮮明に思い描き、諦めることなく、愚直に前進し続けるしかないのだ。
初日の活動は一度休憩を挟み、そのままよく朝6時まで続いた。
ナイト班の活動はタフなのだ。
さすがにまる一日ほとんど眠っていなかったので、休憩時間中は仮眠していた。
活動が終わったあとは、翌日の夕方18時までは休憩時間だ。
アイプレッジのルールでは活動の6時間前まではお酒を飲んでいいことになっている。もちろん未成年者はダメだけどね。
ナイト班の醍醐味のひとつは、前夜祭が終わった後にえインフォメーションや物販エリアがある駐車場エリアでお酒を飲むことだろう。
ここで班のメンバーとお酒を飲むか飲まないかでその後の距離感がぐっと近づいたり近づかなかったりする。
単純な話、人間誰でもアルコールが入れば、それなりに打ち解けることができるという話。
右のたかとぅーは去年ボランティアだったんだけど、今年はお客さんとして来たらしい。
僕はアルコールの魔法(マジック)を信じて、ディジュリドゥを持って来たのだ。
酔っぱらった人間であれば、僕の吹くディジュリドゥの音につられて寄ってくるに決まっている!
大体ディジュに喰いついてくるヤツとは仲良くなれるというのが僕の経験則でもある。
けれど、この日僕の吹くディジュリドゥに食いついて来た人間は
インド人だけだった。
え?インド人?
いや、それでもいいのさ。
ウィスキーや日本酒によっぱらった僕らは、OASISの「Don’t Lool Back In Anger」や「Wonder Wall」を熱唱して、この日を終えた。
部屋に戻った時には4時を回ろうとしていた。同じ部屋のメンバーは部屋には戻っていなかった。みんなまだどこかで楽しんでいるんだろう。睡眠時間は各自の裁量による。僕は寝るとするよ。
でも、今年はフジロックをめいいっぱい楽しむって決めたんだ。
なんだか眠るのがもったいない。
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