初めて描いた漫画はきっと捨てちまった

アイドンワナビーマンガカ

 

僕は別に漫画家になりたいと思ったわけじゃなかった。

確かに子供の頃は絵を描くのが好きだった。

落書きノートに4コマ漫画のようなものを描いていたし、

漫画のキャラクターを紙に描いて友達に見せては「上手いね!」と言われていた。

 

けれど、漫画家になろうとは思わなかった。

なぜか?

 

 

 

そりゃ、だってあんた、

世の中には僕より絵の上手い奴なんて腐るほどいるし、

何より、一日中ずぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと机にへばりついて絵を描き続けるだなんて、

到底僕にはできそうもないと思ったからだ。

 

 

 

 

 

 

あまりブログに描いたことはなかったけれど、

僕が始めて描いた長編漫画は

「ポポロクロイス物語」の二次創作ものだった

 

 

あの時、僕たちの中で静かなブームだった「ポポロクロイス物語」。

 

何が面白かったって、その世界観が他のRPGにはないくらいオリジナルだったのだ。

しかもゲームを進めていくと、中盤にアニメーションが挟み込まれるパートがある

当時は(初代)プレーステーションがハードとなっており、ゲームにアニメーションが挟み込まれるなんてめったになかった。

youtubeに僕の一番大好きなパートがあったから、ここに載せておこう。

 

 

 

あまりに妄想を膨らませすぎた僕らは、

「それを漫画にしてみたら面白いんじゃないか?」

というように考えるようになった。

 

 

そうして、何の気なしに

「じゃあ、シミズ、漫画描いてみろよ」と言われたことをきっかけに、僕は漫画を描き始めたのだ。ついその気になって。

 

 

漫画といっても、ノートにシャーペンでコマを割って、絵とセリフを描いていくだけのものだった。

そして漫画を描き始めて僕はすぐに知ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

漫画って描くのめっちゃキツい。

 

 

 

 

 

 

あの時の経験は僕にとって衝撃的だった。

週刊連載であんなに気楽に読んでいた漫画を描くことがどれほど大変か身をもって知った。

 

 

 

まず、思い通りに絵を描くことができなかった。

 

今までノートの隅っこに描いていた落書きとは違う種類の絵を描かなければいけないのだ。

同じキャラクターを何度も描かなければいけないことが大変だったし、

構図だとか、背景だとか、台詞回しだとかもよく分からない。

何より話の作り方を知らないのだ。

 

 

確か週刊誌と同じくらいのページ数で1話を描いたと思うのだけれど、

僕はなんとか一話描いて、

そこで挫折した。

 

 

 

 

挫折というか、

 

 

 

「あ〜〜〜..、漫画って描くのやっぱりムズいんだな。

うん。漫画家なんてなるもんじゃないなっ!」

 

 

と自ら可能性を閉ざしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

アイワナビーマンガカ

 

21歳の大学生のときに、僕は再び漫画を描き始めた

あの時感じた大変さは健在だったし、

絵を描けば描くほど、その行為が苦痛になってきた。

 

 

まず、僕には、漫画を描き始めた年齢が圧倒的に遅すぎるという負い目があった

本当に漫画を好きな奴は10代からずっと描いているのだ。

中には高校を卒業後や大学中退をして上京し、プロのアシスタントになるヤツだっている。

そのようなヤツらはずっと漫画一筋で絵を描いているのだ。

そんなヤツらに勝てるわけがない!

そもそも始めたのが遅すぎたんだ。

 

 

なんどもなんども言い訳を繰り返し、

ときには「あ〜〜〜…、今日絵描く気しねえ」なんていってダレってしまったこともあった。

 

 

そのときに僕は理解した。

 

 

 

これが俗に言う「好きなことを仕事にしない方がいい」ってやつか、と。

 

 

 

きっと今僕が感じている、「漫画描くのって大変だな」と感じる心は、まだほんの始まりに過ぎないのだろう。

本当に漫画家を志したら、もっと自分の心を打ち砕くような出来事が待っているに違いない。

大半の人はそれを知るごとに、嫌になってしまい、夢を追い求めるのを諦めてしまうのだろう。

 

 

夢を追うというのは

「夢に喧嘩を売る覚悟があるか」

だと、僕は思っている。

そういうネガティブな要素や障害を乗り越えて、自分のやりたいことを実現していく覚悟がなければ、夢なんて追えないのだろう。

 

 

 

僕は漫画家を志したときに

 

安定と長生きを諦めた(笑)

 

「60で死んでもいいや〜」って前向きに諦めたら、すっと視界がひらけたのだ。

 

 

 

 

 

今回は夢を途中で投げ出すことはしなかった。

歩みはとてつもなく遅かったけれど、少しずつ僕は絵と向き合うようになっていった。

 

僕の中には

 

「自分にしか描けないなにか”がある」

 

というかすかな自信があったからだ。

漫画家を志したときには、それが何かわからなかった。

「旅漫画を描こう!」と決めたあとでさえ、絵を描くのはまだまだやっぱりキツかった。

だって、思い通りに描けないんだもの。

 

 

うまくできないにもかかわらず、

意地になって続けているうちに、

絵を描くことに対する苦痛は少しずつ和らいでいった。

 

 

 

 

僕は絵の才能なんてない。

小さい頃は何かを模写する力が人より優れていたかもしれないけれど、

それは練習すれば誰だってできるようになるくらいのものだ。

 

 

 

 

 

 

 

スタートラインに立った時、

トップランナーたちは今から走っても到底追いつけないような場所にいた。

 

観衆たちの意識は先頭集団に向いており、僕のことなど誰も気にかけていない。

自分もこのままレースの観戦に来たふりをして、このままスタート地点を後にすることもできた。

言い訳は山ほどあり、引き返す方が何万倍も楽だ。

 

 

でも、ここで走りだすことをしなかったら、きっと僕は、一生後悔するハメになるだろう。

「どうしてあの時、走り出さなかったんだ?やっとけばよかった!」

そう後悔するにちがいない。

自分がそうなってしまうのはわかりきったことだった。

 

 

醜態をさらしてもいいじゃないか。

挑戦することのなにが悪い?

自分が気にしているのは人の目だ。

そして、他人は思ったほど僕のこと気になんかしていない。

現時点では。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一度足元を見る。

ランニングシューズは地面と同化しちまったんじゃないかって気がする。

 

 

「靴紐がほどけていればなぁ」

と、走り出さないための言い訳を思いつくのだが、靴紐はちゃんと結ばれている。ちょっとやそっとじゃほどけないくらいに。

 

 

 

 

いつまでも考えていても、現状を打開するポジティブなアイディアなんて思い浮かばないのだ。

どんなに泳ぎ方を勉強しても、実際に水に入って体を動かして見ないことには、それがどんなものか分からない。

ときには、考えるより先に体を動かすことの方が大事なことだってある。

 

 

よし、いくか。

あと、5秒、

 

 

 

よん、

 

 

 

さん、

 

 

 

に、

 

 

 

いち、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして僕は

自分にとって偉大な一歩を

踏み出したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

そして

今も走っている。

 

 

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