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イラストも真剣勝負!
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「じゃあ、28日までにイラスト描いてもらえるかな?
鬼でごめん」
と言われたのが二日前。
そう。
2月26日のことだった。
依頼人は竹あかりチームの補佐官きょうこさん。
「キングダム」縛りはまだ続いており、
名シーンを下敷きにしたイラストを二点描いてほしいとのことだった。
また、今回はカラーではなくていいとのこと。
一日中描けばなんとかできるだろうと思ったのだが、
実際はそんな甘くなかった。
僕は意図的に漫画を読まないようにしている。
それは、
なるべく他の漫画の影響を受けたくないということもあるし、
読んだところで話の方に夢中になってしまうってここともあるし、
プロの漫画を読むと自分の実力差を感じずにはいられないし、
まぁ、単純に他の漫画読む暇あるんだったらもっと別の本読むだとか、映画見るだとか、
自分の作品を作った方がいいじゃんと考えているからだ。
それでも、今回の依頼のように普段やらないことをすれば、
そこに必ずなんらかの学びと成長があることはわかっている。
マンネリ化を打破することは時には必要なのだ。
そして、それは僕の場合、
外からやってくることが多い。
結局昨日も一日中イラストにかかりっきりだった。
元の絵に圧倒されてしまったからか、ペンも思うようにノらず
(もしかしたら原稿用紙を良いもの変えたのが、逆効果だったのかもしれない)
時間がただただ過ぎていった。
絵がひっぱられる感覚
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キングダムの世界観を表現することは修行の一環だと考えていた。
最近はイラスト続きだったので、僕もそこそこ楽に描けるんじゃないかと調子に乗っていたのだが、
実際にそれをやっていみると、
キングダムの作風にぐいぐいと引っ張られてしまうことがわかった。
こんな感覚は初めての経験だ。
下書きは模写に近い。
絵をまるっとそのまま写すだけの作業はちょっと味気ないと感じた。
絵の構図は、ベースとなる作品があるため、僕は全く頭を悩ませることはない。
だが、そっくりそのまま描こうとすると、もともとのコマのサイズが違うため、
どうしてもキャラクターのバランスが崩れてしまう。
本来ならページ二枚分の見開きで描かれたシーンを
B4を横にして無理やりコマを割ったものに描いているため、
そっくりそのままの構図で描くことが難しい。
もちろん技術面が追いついていないということもあるだろう。
依頼人のちかおさんは「シミちゃんの味でいいよ」とは言ってくれているものの、
漫画のシーンを下敷きにしていると
どうしてもそちらに絵がひっぱられていってしまう。
どこに「遊び」をいれていいのかもわからずに、
「果たしてこれは僕の絵なんだろうか?」と思うこともあった。
「かかってこいよド三流」は僕
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「キングダム」の絵を頑張って再現しようとすればするほど、
プロとアマチュアとのレベルの差が浮き彫りになっていった。
「キングダム」の絵柄は荒々しさが目立つようなタッチではあるが、
実はめちゃくちゃ細かい線で成り立っているのだ。
特に陰影を構成している線はすごい。
「え?ここまで線入れるの?」
というくらい、細い線で影が構成されている。
だって、眼球の球体感を出すために斜線入っているんだよ?
どこまで描き込んでんだよって感じ。
見開き2ページ分の絵を、半分のサイズで描いているのにも関わらず、
その描き込み量に圧倒されてしまう。
1ページを完成させるまでにどれだけ時間がかかるのだろう?と気にせずにはいられない。
プロが商業誌でヒット作として連載させているものを真似して描いていると、
一体どこまでが作者自身が描いたもので、
どこからどこまでがアシスタントがやっているのか気になってしょうがない。
自分だったら1ページにかける時間は60分〜90分。
ペン入れも線だけなら2時間で一枚を終えることができる。
でも、そんなペースで描いていたのでは商業誌では連載できない。
どれだけ人がいて、どれだけ作業を分担しているんだろう?
まぁ、だいたい想像がつくけど、
一人でやると大変だし、週間漫画まじスゲエッ!となるわけだ。
力の差をまざまざと感じるのは模写だけじゃないぜ
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ようやく線画が終わり、すぐさまデジタル編集に移ったのだが、
ここでもプロとの力の差を感じずにはいられなかった。
特に僕が驚いたのは「光沢の表現」だ。
中国の春秋戦国時代を舞台にした「キングダム」には騎兵隊が多く登場する。
そのため、馬もたくさん出てくるのだが、
馬の筋肉のしなった感じや、皮膚のツヤ感を表現することに僕は苦戦した。
「一体どうやってトーンで表現しているんだろう?」の連続。
他にも鎧の色の深みだったり、グラデーションだったり、
自分であれこれ試行錯誤しているうちに、
昨日は夜明け前まで起きていることになってしまった。
今日まじキツかったよ。
僕は決して、「キングダム」のような絵柄の漫画を描きたいわけではない。
馬の毛艶を表現できても、まず馬が漫画に出てこないだろう。
けれど、そこから学ぶことは山ほどあるのだ。
いつも、イラストを一枚仕上げたあとは
「あぁ、ここがダメだったな..」という
自分の絵のうまくできなかった箇所にしか目がいかない。
それでも
「次はもっとうまくできるさ!」と
希望を持って白紙に臨む。
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なんだよ!CLIPSTUDIOとJPEGのデータも色合いが違うのかよ!
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