「悪だくみ」

世界一周43日目(8/10)

 

「何かしようぜ」

 

ってのが
大学時代の
相棒の口癖だった。

 

 

 

僕から見たら

「何かやってんじゃん」

ってかんじだったんだけど、

 

 

自分が本当にやりたいことを
見つけられずにいた当時は

ちょっと焦っていたんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

ヤムチャさんの
お宅に泊めてもらった翌日、
僕らは郵便局に向かった。

 

クソ重いバックパックに
さらに買い込んだ

 

「ブツ」

 

の数々を
日本にいる相棒に送るためだ。

 

 

 

 

 

 

 

今、僕たちは

 

とっておきの悪だくみ

 

をしている。

 

いっつも「何かしようぜ」って
言い続けた僕らが
ようやくみつけた

 

「何か」

 

 

 

 

 

 

 

相棒と

 

小さな雑貨屋さん

 

をやろうと思ってる。

 

 

 

こう書くと
ビジネスに聞こえるんだけど、

 

簡単に言っちゃうと
世界一周で仕入れた物を
フリーマーケットで売るくらいだ。

 

「雑貨屋さんごっこ」

 

 

 

 

相棒には相棒の仕事があり、

僕には僕の夢がある。

 

 

これに人生のすべてを
賭けるわけじゃない。

 

失敗したっていいんだ。

 

 

 

そんな軽い気持ちの
「雑貨屋さんごっこ」

 

 

 

 

だけど、
僕たちには
次に繋がる予感がするんだ。

 

 

 

 

 

 

大好きな
雑貨屋さんに

 

「チャルカ」

 

っていうお店がある。

主に北欧の雑貨を買い付けている
手作り感のある素敵なお店だ。

 

 

僕はこのお店の存在を
Village Vanguardの本で知ったんだけど、

 

この人たちのお店も
「ごっこ」から始まったのだ。

 

英会話の学校でたまたま知り合った
2人はアパートの最上階を借りて
雑貨屋さんごっこを始めたそうだ。

 

 

楽しい事や上手く行かない事も
いっぱいあっただろう。

 

 

それでも
片方の人は同時通訳を
目指していたにも関わらず、
「チャルカ」という雑貨屋さんを
自分の生きる道に選んだ。

 

 

僕はその生き方が
ちょっとうらやましかった。

 

『自分の好きな事を
仕事にできるなんていいな』

 

そう思った。

 

 

 

そして僕も相棒と同じように
似た様な人たちの本を探しては

 

「何かやろう!」

 

そう思っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

荷物の
重量は2.5キロもあった。

 

ヤムチャさんの家で
バックパックの重さを量ったら
27キロもあった。

 

これにサブバッグも前に掛けて
旅してたんだから
自分でも驚いた。

 

『どんだけ荷物あんだよッ!』

 

ってw。

まぁどっかの旅人は
お土産とメインの荷物も含めて
50キロの重さで旅してたけど…

 

 

 

旅に出てから1ヶ月ちょっと。

まだまだ旅は始まったばかりだ。

 

 

『これを買う人に
こんなことを思って
買って欲しいな…』

 

そう考えながら
日本へのお土産を買うのが楽しい。

 

 

 

自分へのお土産なら
お金をケチって
ちっとも買わなかっただろう。

 

だけど、

「悪だくみ」

ができたおかげで
また違った角度から物を見て
旅することができる。

 

 

これがどんなことに
繋がってるかはわからない。

 

だけど、
僕たちがいつも言っていた
「何か」なことは間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

東莞(トンガン)の街は

 

昼間は車が絶えずクラクションを鳴らし、
ビーツのヘッドホンが至る所で売られる。

 

夜に鳴るとおねえちゃんたちが道端に立ち
赤ん坊を抱いたおばちゃんが客引きをする。

 

 

 

僕はよく分からず、
ついて行った扉の向こうには

ピンクの部屋に
露出度の高い服を着た女の人たちが
まるで商品の用に並んで
暇そうにテレビを見ていた。

 

 

 

ここでは
彼女たちは

 

「商品」

 

だった。

 

 

さっきそこで見た
水槽の中の金魚と変わらない。

 

彼女たちは300元で
男に買われるのを待っている。

 

 

 

 

僕は

 

「うん。
やっぱり違うよね〜…」

 

と、持ち前の演技力を発揮して
その場を後にした。

 

 

自転車泥棒が
初犯で捕まってしまうような男に、

 

 

 

 

 

 

「その自転車壊れてるね。
どうしたの?」

 

「ひ、拾いました!!」

 

と言って、しょっぴかれた男に
何ができるだろうか?

 

 

 

自分の引き際くらいわかってる。

っていうか
ちょっとした冒険心と
興味本位なだけだった。

予想はついても
その先にある物を
自分の目で見てみたかった。

 

 

僕は
どうしようもないくらいの
ロマンチスト


だから
そんなことしたくもないし、

 

根性なしだろうが負け犬だろうが
なんと言われても構わない。

 

 

これはスタンスの問題だから。

 

 

 

 

 

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」
(邦題「ライ麦畑で捕まえて」)」

の主人公、
コールフィールドくんの
気持ちがよく分かった。

 

同じ様なシチュエーションに立って
より彼の心境が理解できた。

 

彼も僕と同じ様に
どうしようもないロマンチストだった。
ビビりってのもあったけどさ。

 

 

 

 

そんな東莞の町で

僕はサイゼリヤに籠もり
漫画の下描きをした。

 

わずか7元のドリンクバーで
コーヒーやミルクティーを
何回もおかわりして、

何回もトイレに立って、

 

ひとつの短編を作った。

 

 

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世界一周ブログランキングに参戦しております。

ブログを書いていると
書きたくても書けないことや
書くつもりのなくても
書いてしまう事があります。

今回は後者かな。

もともと書くつもりはなかったんだけど、
やっぱりそれが僕の旅でもあるんです。

 

村上春樹の訳が好き。

 

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を
読んだことがある人はポチを

ない人は
Amazonで買って読んだ方がいいよ。

作者の意図とは別に
僕は行き場のない主人公の
疎外感が好きです。

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