世界一周254日目(3/9)
どういうわけだか
ペーリンから、ケチャプリへ行きの
ジープは出ていない。
ケチャプリへ行くために
一度ゲイジンへとジープで戻った。
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洗濯物が乾かないがために
一日長く滞在したペーリン。
ここへは洗濯をしに来たんだと思う。
笑い話だよ。まったく。
ゲイジンに着いて、
僕はさっそくジープ乗り場で
(ちなみに乗っている車はジープだけど、
一応「taxi」と上に書いてある)
ケチャプリ行きを探した。
![IMG_2395](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
だが、分かったことは
ケチャプリ行きのジープは
12時半にならないと出ないということだった。
時刻は9時半。
近くのメシ屋でチャイをすすりながら
ブログの下書きをする。
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![IMG_2391](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ここへ来てからWi-Fiにありつけていない。
ネット屋があっても
一時間60ルピー(99yen)と
アホみたいに高い金額だ。
君がこの数字を見たら
『安い』と思うかもしれない。
だけど、いいかい?
60ルピーもあればモモが
2~3プレート食べられるし、
大好きなクッキー「Parle-G(150g)」が
6袋買えてしまうんだ。
シッキムには一週間そこらの滞在予定。
ブログが書きたまってしまっても、
ダージリンに戻って
まとめてアップすればいいさ。
気楽にいこう♪
そうじゃないと旅が楽しめないからね。
さて、
そろそろジープの時間だな。
僕は荷物を持ってジープ乗り場へと向かった。
「KHECHEOPALRI」と書かれたジープに
一番に乗り込み、ウトウトとしていたんだけど、
しばらくして別のドライバーがやって来て
「このジープは
ケチャプリに行かないぞ!
こっちだ!」
と乗り換えをさせられた。
おかしいな。
まぁ、こういう時もあるのかなぁ?
乗客は他に誰も乗っておらず、
僕一人を乗せたジープは走り出した。
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運転席の後ろに座っていた僕に
運転手のおっちゃんは言う。
「おい。おれの横に座れ」
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えっ?何でだろう?
寂しがりやさんなのかな?
それとも、谷側に僕を座らせて、
僕を谷に落とすつもりか!!??
![IMG_2427](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
おっちゃんと適当な
お喋りをしながらジープは走る。
念のため値段の確認をしておく。
ペーリンで仕入れた情報によると
50ルピーでケチャプリに行けるらしい。
「あのさ、ケチャプリまで
50ルピーだよね?」
「いや、乗客が一人の場合は
80ルピー(132yen)だ」
う~む…、
高額な運賃を請求されるとかじゃなく、
50円くらいの値上がりだからいいけど、
僕としてはできるだけ安い方がいい。
途中にヒッチハイクしている
シッキムの人たちを拾った際に
僕はいたずらっぽくおっちゃんに言った。
「これで50ルピーだよね♪」
おっちゃんは『やれやれ』という顔おして
「オーケー」と応えた。
乗り合いになる人たちも
何回か入れ替わった。
僕はその度に値段を
問いただし念を押した。
しつこいヤツなのだ。僕は。
そんなやり取りが3回ほど続いた後、
おっちゃんは路肩にジープを停めて僕に言った
「結婚式があるんだ。
ちょっと寄っていっていいか?」
「ん?ああ。全然構わないよ」
シッキムの結婚式ってどんなんだろう?
興味はある。
そしてバックパックを
車に残しておくことに若干の抵抗があった。
服なんていらないだろうし、
電子機器はアダプターとかだし、
貴重品はー…、
あっ!サブバック軽くするために
MacBook Proはバックパックの中に
移し替えたんだった。
不安はあったが、
結婚式は本当のようだった。
他にも道端に何台も車が止まっていた。
坂の上にある式場へ、
おっちゃんは知り合いと
挨拶を交わしながら登っていく。
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![IMG_2409](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
おっちゃんと僕は
大きなテントのような場所に入って行き、
テーブルに案内された。
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各テーブルにはお菓子が並び、
2.5Lのコーラやスプライトの
ボトルが置いてあった。
席に着くと甘くないミルクティーが出された。
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勧められるままお菓子をほおばり、
15分ほどしたあと
おっちゃんと僕は席を離れた。
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![IMG_2425](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
花嫁と花婿の首に
スカーフのようなものをかけるのが
シッキム・スタイルのようだ。
![IMG_2429](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
二人の両親にも挨拶した後、
封筒に入れたご祝儀も渡し、
僕らは再びケチャプリへと向かった。
結婚式なんて行ったことないよ。
そう考えたら初めて行ったのかもなぁ。
どこの国でも結婚式って
一大イベントなんだろうな。
あれだけの人を招いて、食べ物を用意して、
その他にも色々準備しなくちゃ
いけないことがあって、大変だよなぁ~。
![IMG_2419](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
2時間のドライブを経て
到着したケチャプリ・レイク。
ジープの振動で
タマが痛い。
村上春樹的に言うなら
睾丸が痛い。
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パタゴニアの速乾性のある
薄い生地のパンツを履いて来たのだが…。
うぅ…、誰か背中トントンしてくれないか?
近くの売店のベンチで一本5ルピーのタバコ、
「FRAKE」を買って一服し、
5ルピー分のお菓子を食べて休憩した。
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とりあえず今日は、
湖を見渡せる山の頂上までトレッキングして、
そこにある宿に
チェックインすることになるだろう。
腕時計に目をやる。
15:30か。間に合うだろう。
「トレッキングの魅力が分からない」
「疲れる」
だの
ネガティヴなことばかり言ってきた僕だが、
やっぱり山登りが好きなのかもしれない。
重たい荷物を背負って
山を登っていくことに少しずつだが、
慣れて来た気がする。
![IMG_2443](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
歩く道によっても、
転ばないように足下に意識を集中させる箇所と、
辺りの景観を楽しむ余裕のある箇所がある。
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木々の間からケチャプリ・レイクが見えた。
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大きな木を前にして思わず立ち止まった。
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幹の周辺には栗の
いがのようなものが沢山落ちていた。
気の遠くなるくらいの年数を経てきた物を
目にすると畏怖の念に近い物を感じる。
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![IMG_2453](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
そして僕は山道を登り続けた。
![IMG_2452](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
![IMG_2472](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
看板もなければ舗装された道もない。
誰かがかつて通った
道らしき跡を辿っていくだけだ。
日の光の届かない木々を間を抜け、
2~3軒から成る小さな集落に出た。
![IMG_2478](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
番犬が職務を全うすべく、
僕が集落を抜けるまでずっと吠えてきた。
『あと少しで頂上かな?』
そう思った。
時々道らしき物は
2つだったり、3つもあったりする場合がる。
どっちに進んだらいいのか?
僕はそれっぽい道を
選んできたつもりだったのだが、
気づいた時には山を下っている。
それに湖の北東にあるはずの頂上
を通り過ぎている気がするのだ。
頂上の向かう様な道は他にない。
何度か行き止まりに遭遇した。
道ではない場所を登っていて
引き返さなければならない場所もあった。
![IMG_2482](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
そして、辺りは暗くなり始め、
僕はメガネをかけた。
17時を過ぎると、僕は焦りだした。
このままでは頂上に向かうどころか
山で遭難だぞ!
かろうじて見えた別の集落。
![IMG_2486](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
そこで現在地と山頂までの
道を尋ねたのだが、
信じられないことに
僕はケチャプリ・レイクを
ほぼ一周していたことが発覚した。
民家のおばさんは
「今日は遅いからうちで
クッキーでも食べていきなさい」
とホームステイさせてくれるような
セリフを言ってくれた。
僕は家の外で待っていたのだが、
中から聞こえて来たのは
旦那さんと言い争う様な声。
「うちにあの薄汚い
バックパッカーを
泊めさせるっていうのか!」
「いいじゃない!
もうこんな時刻だし!
かわいそうよ!」
僕の勝手な妄想だが、
ここは空気を読もう。
日本人らしく(笑)
「あの~…大丈夫っす。
今晩は山を下って
ゲストハウスに泊まります」
だが、集落を抜けることができない。
暗過ぎてどこが道か分からない。
なに!この気持ち!
RPGで次のステージまで
進めない時の焦りよう!
集落から少し離れた場所。
![IMG_2487](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
ブルーシートを敷いて、
僕はバックパックから寝袋を取り出した。
たき火を起こそうと、
木の枝やら落ち葉をあつめて、
持って来たファイアー・スターター(火打石みたいなもの)で
着火を試みたが、何回やっても成功しなかった。
諦めてライターで火をつけたが、
すぐに種火は消えてしまう。
しまいにはライターはあっけなく壊れた。
僕はなんとかして、
ファイアー・スターターを使って
火をつけようとしたが、
落ち葉どころかトイレットペーパーにすら
着火できない始末。
夜の湿気を吸ってしまったのだ。
どうやら僕は
ベア・グリルスにはなれないようだ。
夜が深け込むとぐんと寒くなった。
たまらずバックパックから
衣類を取り出して重ね着する。
上半身は寒さをしのげても、
足の指先がどうしようもないくらい
冷えてしまって眠ることができない。
僕の持って来た寝袋はプロモンテの最軽量の型だ。
15℃までの温度しか対応していない。
それにテントもなしで野外で使うことは
想定されていないのだろう。
寝袋はもう少しまともな物を
買ってもよかったかもしれないな…。
茂みがざわつくと意識が研ぎすまされる。
ずっと同じリズムで鳴く鳥の鳴き声が
まるで何かの警報装置のように聞こえた。
雲はゆったりと流れる。
夜空は少しの間だけ僕に星空を見せてくれた。
![IMG_2493](http://yosukeshimizu.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
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シッキムには沢山のトレッキング・ルートがあります。
けっこうツーリスト・インフォメーションも見かけますし、
情報収集してトレッキングしてみるのもいいかもしれませんね。
でもー…これが果たしてトレッキングかどうかは、
僕はわかりません。毎回汗ボタボタたらして歩いて、
時には山の中を軽く遭難するっていうー…。
お母さん、遭難するってどういうことか、
ちょっとだけ分かった気がします(笑)
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