「作れ!最高の一枚!」

世界一周262日目(3/17)

 

ホーリーには
いい思い出がない。

 

思い出すのは4年前。

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あぁ、目を閉じると
ありありとあの時の光景が蘇るよ…。

 

 

初めての海外旅行、

ドラマ版「ガンジス川でバタフライ」で
長澤まさみが「うきゃ~~~!!!」って
言いながらカラフルな(どちらかと言えばどす黒い)
色に染まり、色の付いた粉や水を
楽しそうにインド人たちとかけ合うのを見て、

僕と相棒はテンションを上げた。

 

だが、カースト制度をとっぱらった
この無礼講のお祭りで、一部の人間は
その騒ぎに乗じてツーリストを
襲うということが分かった。
インド到着一日目に(笑)。

 

あの時は2月の終わりだったはずだ。

なのになぜ3月中旬にホーリーがある!!??

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ここブッダ・ガヤで
僕はまたしてもホーリーとバッティングした。

これといって調べてもいないし、むしろ

『ホーリーを味合わなくて
せいせいしたぜ!』

とほっといしていたくらいだ。

 

前日の夜から辺りは爆音が轟き、
インド人たちの「ひゃっはーーーっっ!!!」
と叫んだ声が聞こえ、時々花火の音が響いた。

僕は150ルピー(249yen)で
買った白いTシャツと、
旅に出てから一度も使っていない
ノース・フェイスの雨具を
机の上に置いて眠りに就いた。

 

 

 

 

 

 

遠くの方から
微かに音楽が聞こえる。

嵐の前の静けさか、
それとも、この町はそこまで
ホーリーに熱心ではないのか…。

気になるのは、
お腹が「ホーリー」だったことだ。

昨日食べた露店のカレーが
当たったのかもしれない。

僕はインドの下痢止めを半錠噛み砕き、
戦闘服に身を包んだ。

一眼レフは壊されてしまうかもしれないので、
持っていかないことにした。

代わりにラオスでチュービングの際に購入した
小さな防水ケースにiPhoneと
250ルピーほどの小銭を入れた。

そして、僕は宿を出た。

 

 

 

マハー・ボディの近くで
打楽器を演奏する集団に出会った。

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これが戦いのゴングなのかもしれない。

こちらにヤツらと戦う武器はない。
徒手空拳で今日一日を
乗り切らなければ行けない。

そして勘違いして欲しくないのは、
僕は何も無傷でホーリーを乗り切ろうと
しているわけではないということだ。

 

 

 

ピピピピ…!!!

前方に水鉄砲持ったガキんちょ発見!!!

「きゃあぁああああぁああ!!!」

色水をかけてくるガキんちょども。

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中には建物の二階から
水鉄砲でスナイパー気取りのヤツもいやがる!

てめぇ!そんな場所から狙い撃ちだなんてー….

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「かけろぉぉぉおおおおぉぉぁぁぁあああ!!!!」

「わぁああああ~~~~~♪」

 

逃げるそぶりを見せて、
ガキんちょ共を煽る僕。

ぶちまけられる赤や黄色の水。

粉の入ったビニール袋を持っている子供には、
背中らへんにペタペタつけてもらうがー…

っっと!!

はいッ!そこの君、
ちょっと近寄らないでくれるかな?

分かってないなぁ、これだからインド人は。

大事なのは配色のセンスだよ。センス!

おーっと、そこの君!
いい色持ってるじゃないか!
黄色持ってる子少ないんだよね~。

ほら!はいっ!さぁ!

お兄さんの背中に
ペインティングしてくれないかい!!??

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題して
「ホーリー使用のTシャツを
作っちゃおうゼ!」企画!

そんなオリジナルTシャツを
作ってしまおうということが今回の目的だ。

負けっぱなしなのは性に合わない。

ホーリーを楽しみながら、
カラフルなTシャツを作ってやるんだからッ!

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「なぁ、こっち来いよ」

センスのない
色のつきかたをしたシャツのヤツが
手招きして言う。近距離戦か…。

こっちも臨む所だ!
さぁ!おれに着色するがよい!

彼がおもむろにシャツを掴んだ

 

 

ビリビリビリビリィィィィィ….!!!!

 

 

「ぬぁああああああ!!!!
テメェ!何破いてんだよ!」

まだ買って24時間も経っていないのに、
シャツは裾から脇の下にかけて破かれた。

おいおい、これじゃあパンクロッカーだよ。

悪ノリで、さらにTシャツを
破こうとしてくるソイツをふりほどき、
僕は一目散に仕立て屋さんに駆け込んだ。

 

「あのぉ…、これ、
直して欲しいんだけど…」

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はい!
無駄なごみは極力出しません!
環境にやさしい男、シミです!

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20ルピー(32yen)で破れたTシャツを
修繕してもらい、
僕はさらなる高みを目指して、
ブッダ・ガヤの村へと足を踏み入れた。

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これからは至近距離の対応にも
気をつけなければならない…

 

 

 

 

 

 

 

のどかなもんだ。

田園に小さな住居、まどろむ牛。
ゆれるココナッツの木。
子供たちは僕を見ると手を振ってくる。

 

インド中が盛り上がるホーリーでも
場所によって違う。
ここでなら金品目的で
襲われることもないだろう。

 

水の枯れた川を徒歩で渡りながら
心置きなくシャウトし、
僕はスジャータ村まで行った。

スジャータ村の男の子たちは
人懐っこく僕を迎えてくれた。

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「チキン、チキン食べるか?」

「いや、悪いけどいいよ。
お腹がね…ホーリーなんだ」

「ややや、遠慮するなよ?
食べるか?
食べたいだろう?」

 

な、なんなんだ!?
この行き過ぎたホスピタリティは!!!???

 

15時に戻ってくれば、
子供たちがホーリーを再開するらしい。

そう聞いた僕は、
一度ブッダ・ガヤに引き上げ、
売店の前でタバコを吹かしたり、

日本寺の菩提樹の下で、二人のインド人と
まったりしながら時間をつぶした。

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ホーリーの今日は露店は
ほとんど閉まっている。
トゥクトゥクの数もめっきり減った。

 

何もこの国の人間全員が
色かけ祭りに夢中になっているわけではない。

宿のマネージャーの娘たちは綺麗な服を着て、
手には色の付いていない水鉄砲を持っていた。

マネージャーの着ている服も
もちろんきれいなままだ。

インド中がドロドロの原色が
何色かわからないくらいのカラーに
染まってしまっていたら、
インドそのものが機能しなくなってしまう。

少しお祭り気分を抑えて
この日を過ごすインド人ももちろんいる。

串焼き屋さんでのバイト時代、
お店に足を運んでくれるサラリーマンの休日、
特に金曜日、土曜日は戦場だったもんなぁ…。

ついついそんなことを思い出してしまう。

 

 

この町で出会った、欧米人たちは
誰が誰だか分からないほど
顔をドロドロに染めていた。

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彼らの顔を見て
ホーリーがなんなのか
少し分かった気がした。

 

「この日だけはカースト制をなくして、
みんなフラットになる。

赤や青や黄色、様々な個性を持っているけど、
僕たちは同じ人間」

 

そんなテーマが
このお祭りにはあるのかもしれない。

 

 

 

 

15時に
スジャータ村へ戻った。

男の子たちが言っているように、
村の少し奥まで入ると、
子供たちがドロドロに染まって楽しそうに

駆け回っていたー…

 

「ちょっ、お前!
なにバケツ持ってんだ!
近づくんじゃねえ…っっっ!」

 

ネイビーというか、
黒に近い液体がたっぷり入った
バケツを持った少年を目にした時は、
思わずファイティングポーズをとってしまった。

 

さっき、しきりにチキンを
勧めてきた男の子たちの家で、
少しごちそうになった。

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だされたのはプーリー。
カレーの具材には骨つきのチキン。

 

買った時はロゴ以外、白のTシャツだったが、
今日一日町を歩いただけで、
ホーリー色に染まった。

やあ、けっこう楽しめた。

 

 

 

「で、これはなんなんだよ!!?」

悪ノリのおっさんが、
iPhoneと小銭が入った防水袋を奪おうとする。

 

「マジでやめろっっっ!
これはおれの
「サンクチュアリ(聖域)
なんだ!」

その汚い手でiPhoneを触られたくない。

ってか、こういう
人の所有物を粗末に扱うヤツが
僕は許せない。

 

「見せろって!」

おっさんが半笑いをしながら
僕の腕を掴む。

痛ぇし…。

 

 

「もう、おれ帰るわ」

「ジョークだって!
ジョーク!」

 

ここでムキになることによって、
交流の機会を失うことに
なるのかもしれないが、

下手に触らせて
壊してしまう方がもっと嫌だ。
リスクは最小限に。

それにこのおっさんを好きになれない。
ファースト・インプレッションはとても大事。

おっさんは日本語を喋れるけど、
そんなことは関係ない。

 

 

「ヘーイ!カムバーック!」

後ろで男の子たちが叫ぶ。

 

マックスを呼ぶ怪獣たちのように。

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一部過激になるようなお祭りは
注意した方がいいのかもしれません。
僕がホーリーを体験したのはブッダ・ガヤでしたが、
場所によっては外出禁止の宿もあるみたいです。

日本人でチームを組んで
遊ぶのがいいのかもね。こういう時はさ。

それでも、気をつける所さえ気をつけていれば、
楽しいお祭りだと思います。

今回作ったTシャツは日本に送る予定♪
いいお土産ができました。 

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『楽しそうじゃん!』
って夢を膨らませるあなたはポチを!
日本でもこれを真似たお祭りがあるらしいです。
でも、髪の毛パッサパサになるからね!

『ムキになってもしゃーないよー』って仏のような君は、
服がビリビリに破かれて、間抜けな姿になっても、
怒りはしないことでしょう。
ホーリーのルールのひとつには
「怒らないこと」があるそうです。

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