「僕の心は曇り空」

世界一周416日目(8/18)

 

朝の露で

なんだかしっとりした目覚めだった。

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寝袋の中でボヤボヤしていると、
放し飼いにされた犬が吠えて来た。

あぁ、犬ね。

遠くの方で飼い主であろう女の人が
「ごめんなさいね~!」みたいなことを言っている。

僕も自分が余裕あるホームレスで
あることをアピールすべく、彼女にむけて
「なんてことないですよ~」と手を振り返した。

 

 

ここはハンガリー、首都のブダペスト

昨日この街に着てみて、

『ここはもう一日滞在すべきだ!』
と思った。

 

 

昔、バイト時代には
行きたい国を選んで漫画を描いていた。

ひととおりその国の情報を調べて、話を考えた。

ここはくさり橋と温泉と、
あと、ちょっと前まではフォアグラが食べられた国だ。

とあるブロガーさんが
日本人宿の管理人さんを
6ヶ月近くやっていたのも覚えている。

当時は
『きっと、僕もその場所に行くんだろうな』
と思っていたが、
今の僕の旅のスタイルだと行かなさそうだ。

なんでだか分からない。心が向かないのだ。

 

 

城壁の向こうから太陽が顔を出すと、
水滴のついたブルーシートを干した。

そんな余裕のある一日の始まりだった。

 

 

あいかわらず重い荷物にももう慣れっこだ。

よいっしょっとバックパックを背負い、
手には使い込んだトラベルギター、
Martin Backpackerを持つ。

 

 

 

 

 

城壁の方まで、歩いて行き、
そこが観光地であることが分かった。

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なんでったって、僕はここまで
観光地に心が惹かれないんだろうか?

特にそーいうのが嫌いなわけじゃない。

少ないけど、行きたい場所だってある。

 

 

とりあえず、見つけたスーパーで
おなじみのトマトとパンといくつかのフルーツを買って、
お財布の中が心もとないので、
10ユーロ分だけ両替しておいた。

鍵のかかっていないWi-Fiを見つけて、
トマトを丸かじりしながら調べ物をする。

 

 

ここでカメラのレンズを
いい加減買っておこうと思ったのだ。

僕の使っているカメラは
Canon kiss X3という2009年の型だ。
今はもう生産されていない。

生まれて初めてのカメラだったので、中古で買った。
単焦点と望遠のふたつのレンズがついて
46,000円だった。

世界一周の準備の中で
1番か2番目に高いかいものだったろう。

中古ということもあったかもしれない。

っていうか思い返せば、カンボジアの遺跡を見に行った時、
はしゃぎすぎてぬかるみにすっころんで、
レンズを半分泥に埋めてしまったのも
十分な原因かもしれない。

 

 

旅先で何回か修理もした。

だけど使えば使うほど、エラーを叩き出し、
僕はいい加減、コイツが寿命を
迎えてしまったことを悟った。

単焦点のレンズが手に入りそうな
カメラ屋を調べると、
僕はお金をうかすために歩いてそこまで向かった。

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ブダペストはハンガリーの首都だけあって、
けっこうな大きさの街だった。

しかもバックパックを背負って
長距離歩くのは骨が折れる。

スクリーンショットで残しておいた地図と、
マッププリを頼りになんとかカメラ屋を見つけ出す。

そこには、ちょっと歳のいった、
ノースリーブの眼鏡をかけた、色気のある店員さんがいた。

大人の色気とでもいうのだろうか?

『あ、なんかセクシー』
と思ったのだ。

 

 

僕は自分の持っているカメラを説明して、
レンズがあるか尋ねた。

 

 

「ああ、あるわよ」

僕よりも流暢に英語を話す店員。

なんだか値段がよく聞き取れなかったので、
ジェスチャーで電卓に値段を打ってもらう。

その値段を見て、
僕は『あれ?少しおかしいぞ』と
レートアプリにその値段を打ち込んで、
もう一度店員にレンズの値段を確認した。

 

 

ねえ、いくらだと思う。

ハンガリーだよ。

ちょっと物価安いかもっておもうじゃない?

 

 

 

なんとお値段
およそ3万円。

 

 

 

バカ言ってんじゃないよ。
そんなん買えっこない。

時々、日本だったら安く買える物が、
海外だとべらぼうに高い状況に遭遇する。

だってカンボジアだったら同じレンズが
100ドルだったんだぜ?

なんでヨーロッパでそんなに
値段が上がるんだよ???
全く信じらんないぜ!

 

 

僕はそのノンスリーブの店員に
「どこか別のカメラ屋は知りませんか?」
と訊いて、そこに向かうことにした。

愛想のかけらもない店員だった。

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マップアプリを頼りにしていると、
それを信じ切ってしまって、方向感覚なんて皆無だ。

なぜか逆方向に進んで行った僕は無駄に体力を消耗して、

目についたギター屋で、
ストックの弦を買って、タバコを吹かした。

 

 

 

なんかー、楽しくねえな。

 

 

 

僕がタバコをふかしていると、
肌の浅黒い子連れのおっちゃんが話しかけて来た。

靴下を差し出し、

「I will give you(これを君にやる)

と言ってくる。

そんな安っちい靴下なんざいらないよ。
すぐにヨレヨレになって穴が空くに決まってる。

僕が「いらない」というと、
今度は

「How much?

と訊いてくる。

 

 

 

もううんざりしちゃうよ。

なんでったって、「くれる」っていったのに、
お金を払うことになってるんだよ。

どこの国にもこういう安物を売る人たちはいる。

彼らはそれがこの国での生業だし、
僕は彼らを否定するつもりもない。

けど、あんな靴下、一体誰が買うのだろうか?

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2軒目のカメラ屋は大型の
ショッピングモールにあった。

駅のすぐ近くに立地していおり、
駅周辺では沢山のヨーロピアンの
バックパッカーたちの姿を見た。

それが流行のスタイルでも言うように、
バックパックには寝袋とマットがついていた。

あのマットはどういうシチュエーションで
使うんだろうな?とマットの使用状況を
想像してみたが、あのマットが使われているシーンを
思い描くことはできなかった。

 

 

 

僕はショッピングモールの中え電化製品店を見つけた。

中に入って行き、カメラコーナーに足を運んだ。

 

 

ねえ、一眼レフのレンズだけどさ、
いくらだったと思う。

まぁ、
さっきと一緒だよね。

そんなお金出すんだったら
新しいカメラ買うっつーの!ってくらい。

 

 

ここにはヨドバシカメラもヤマダ電気もない。

みんなアホみたいに高い値段なんだよ。

そのくせ、この街の観光客たちは
みんな首からむき出しの
明らかに僕より高い一眼レフをぶら下げてやがる。

まいっちゃうよね。

なんでみんなそんなにお金持ちなの?

 

 
ヨーロッパに来ると

『日本ってけっこう物価が安いんじゃないか』

って錯覚する時がある。

諸費税も上がって、
家賃や税も高いんだろうけど、
普通に、旅をする分にはこっちの方が高い。

や、スーパーは安いか…。

 

 

 

 

ショッピングモールの出口だかに、
服のリペア屋さんみたいなのを見つけた。

そういえばnudie jeansが僕の手には
負えないくらいボロボロなんだっけと
バックパックからそれを取り出した、
中で作業しているおばちゃんに見せた。

「えっと、これ直せますか?」ってな感じで。

最初英語で尋ねたら
「英語わからねえから!」みたいに軽くキレられたので、

「まぁまぁ、これですよ?
ここを直してもらいたのです」
ってニコニコしてジーンズ見せたら

「ハッ!」

って鼻で笑われたよね。

もうマジで滅入っちゃうよ。

どこだよここ。
おれはこんなとこに来たかったのか?

 

 

 

 

「お金を払えば快適と楽しさは得られる」

それは間違いないだろう。

だけど、気づいたら僕の旅は
そういうものではなくなってしまった。

自分でもなんでこういう
旅をしているのか分からない。
拒絶しているわけじゃないんだけどなぁ。

 

 

とりあず、僕の目指すべき場所はチェコなのだ。

『ここは飛ばしていい!』そう判断した。

だから、こんな雑な回り方をしているんだ。

そうそう。ここはパパーっと…。

 

 

 

 

Wi-Fiにありつきにマクドナルドを探した。

マクドナルドはバックパッカーの
大集会が開かれているかのように、
バックパッカーたちでうめつくされていた。

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コンセントのある場所は、もちろん先客がいる。

まぁ、僕もそのうちの一人なんだけどさ、
僕の入り込む余地はなかった。

どこか、落ち着けるカフェで
作業したいなと思っても、
旅行シーズンのブダペストにはそんな場所なかった。

 

 

もういいや。

ヒッチハイクポイントまで行ってしまおう。

途中こまめに休憩をとりながら
ヒッチハイクが出来るポイント近くまで向かった。

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乗り込んだバスの運転手は
なけなしの2,000フォリント(867yen)を
1,000フォリントだと勘違いした体で軽くぼって来た。

『あれ?お釣り、おかしくね?』
とあとから気づき、
笑顔で抗議したら返してくれたけどー。

 

 

降りたバス停近くのスーパーで食糧を買い込む。

そして僕はヒッチハイクポイントの近くのマクドナルドに入った。

 

 

ハイウェイ直前のマクドナルドは
中心地に比べべて格段に居心地がよかった。

コンセントに近い席で
心置きなく作業をして、23時には閉め出された。

 

 

 

 

寝床を探して辺りをさまよう。

営業終了後のガソリンスタンドで
人から見えないポイントを発見した。

 

 

ブルーシートを敷いて寝袋にくるまる。

今日の寝床はどこか小便臭かった。

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「毎日ハッピー」ではないっつーことです。

なんだか日本の青年漫画にありそうなジメジメ具合です。
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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!