「この本をここに置いていったのはー…」

世界一周535日目(12/15)

 

 

談話

スペースから
みんなの笑い声が聞こえる。

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とりあえずベッドの上であぐらをかく。

右手の中指に指輪のように
巻き付けてあるゴムで髪を結わえる。

ベッドから這い出る。

二度寝、三度寝は
もう既に済ませてある。

時刻は10時過ぎ。

 

 

一緒の宿に泊まっている方々に
「おはよ~ございま~すぅ…」と挨拶をする。

パシャパシャと顔を洗い、シャカシャカと歯を磨く。

朝ご飯も食べずに
談話スペースのテーブルの上にパソコンを開く。

 

 

楽天銀行のアカウントにログインして
15万423円を指定された楽天銀行の口座に振り込む。

 

 

 

「残高残り969,712円」

 

 

 

昨日メモした振込先の口座番号の最初の数字が
「3」なのか「8」なのか、
振り込んだ後に気になり始める。

これでもし口座番号が間違ってたら、
僕の振り込んだ15万円はどこに行くのだろうか…?

 

 

 

 

そして
今日一日の
“やること”は
終ってしまった。

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「ざざーーーん…」

 

 

 

 

楽天銀行の口座にちゃんと振り込まれていれば、
明日以降同じようにATMから
お金が引き下ろせるようになる。

限度額に達してしまった場合の対処法もわかった。

 

 

ってか一回同じこと
ベトナムのハノイでもやってたわ。

あの時は単に楽天銀行の
初期設定をちゃんとしてなくて、
月々1万円からのリボ払いになってたんだった。

あの時もお金おろせなくて
かなりテンション下がったなぁ。

 

 

 

ここはエジプト、ダハブ
泊っている宿は日本人宿ディープ・ブルー

 

 

 

 

 

ほんとうにここは静かだ。

というか、賑やかで大学のサークルみたいなノリの
セブン・ヘヴンに比べて、こちらは
「落ち着いている」と言った方がいいだろう。

Wi-Fiも早いのもいい。

ただし、人数が増えると
Wi-Fiにありつけなくなる時もある。

いっつも宿のスタッフがYouTubeを観ているので、
Wi-Fiの速度が遅い時はそれのせいだろう。

 

 

 

 

 

宿から徒歩30秒のところに
ガザラマーケット」という
スーパーマーケットがあるのもいい。

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品揃え豊富で、何でも安く手に入る。

しかも夜24時まで営業しているのは
沈没者にとってありがたいことこの上ない。
(さすがに24時間はなかった。1時くらいまでだった)  

 

 

一晩20ポンド、337円。
贅沢さえしなければ一日の出費を
千円以下に抑えられる。

そんな沈没者たちの楽園ダハブだが、
ここで一番僕たちを悩ませているのは

 

 

 

お釣りがないということだ。

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あーーー、コーヒー買おうかな?

 

 

 

ATMでお金はおろすことができる。

ただしそれは100ポンド札で返ってくる。

カフェやレストランで
その100ポンド札をくずそうとしよう。
だが、お店の人が言うのは

 

 

「それは使えない」

 

 

 

もちろん場所によっては
100ポンド札は使うことができる。

だがここは慢性的に小銭が不足しているのだ。

今がオフシーズンだということも
密接に関係しているに違いない。

スキューバダイビングのスポットとして
有名で観光客に開かれているので、
ATMは町のあちこちで見かけることもできる。

もちろんここに滞在しているのは日本人だけではない。

欧米人たちが群れる場所もちゃんとある。

ただし今はオフシーズンで
相対的な人口が少ないのだけど。

 

 

 

 

 

オフシーズン

のダハブはほんとうに

だ。

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お店の前を通過する際に
声をかけてくるのはもちろんのこと、
売店の前で15秒足を止めようものなら、
店内に引きずり込まれてしまう。

別に店内に入ったからといって、
かならずしも何かを買わなければ
ならないということはないが、
ウィンドウショッピングをした際には
少し後ろめたい気持ちになる。

 

 

 

そんな脳みそがとろけてしまいそうなこの町で、
僕は再びディープ・ブルーの談話スペースにある
本棚の前に突っ立った。

 

 

 

 

 

あっ!

森見登美彦の

 

 

「夜は短し歩けよ乙女」

じゃん。

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この作者さんを知ったのは、
たままたテレビをつけたら放送していた
四畳半神話体系」のアニメが
やっていたことまで遡らねばなるまい。

 

 

 
「キュルキュルキュル」
(テープが巻き戻る音)

 

 

 

この「四畳半神話体系」というのは
ノイタミナという会社が作ったアニメだ。

いや、僕はまったくと言っていいほど
アニメ観ないよ?

ただね、このアニメを目にした時、
キャラクターにどこか見覚えがあった。

 

 

すぐにアニメのホームページのサイトで
誰が作画担当なのかを調べた。

 

 

ビンゴ!

 

 

中村祐介だ。

 

 

Asian Kung-Fu Generation(通称アジカン)の
ジャケットのデザインは毎回同じ
イラストレーターが担当しているので、
中学校の時から馴染みがあった。

『あ、この絵知ってる!』となるのも当然のことだ。

そんな中村祐介がキャラクターデザインを
担当したアニメ、「四畳半神話体系」。

http://youtu.be/wcKhFDdGQ3A

 

 

 

よくある主人公が同じ時間軸、
違う世界を繰り返すパラレル・ワールドの話なのだが、
京都を舞台にした世界観と
独特のセリフ回しに引き込まれた。

原作者は”森見登美彦”。

地元、新百合ケ丘のBOOK-OFFで
中古の本を発見するや否や購入した。

 

 

意外と女子に人気の作家みたいだ。

僕はこの本か読んでいなかったのだが、
まさかエジプトに森見登美彦の本に出会えるだなんて…。

きっとこの本をここに置いて行ったのは、
黒髪の純情清楚な乙女に違いない!

 

 

あれ?

最近文体がそれっぽいのは…、

たまには気分転換にそれっぽく書きたいよ。

まぁ、日記なのでご勘弁あれ。

読んだ本に影響を受けるのが僕です。

 

 

 

まぁ、そんなこんなで僕は
「夜は短し歩けよ乙女」に手を伸ばした。

目次でハッとした。

 

 

 

『解説が
“羽海野チカ”じゃん!』

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羽海野チカは最近
BUMP OF CHICKENと新曲のコラボをして、
現在は「三月のライオン」という
将棋の漫画を描いているが、
僕のイメージは「ハチミツとクローバー」だ。

うんうん。

これも高校の時に深夜アニメで観てたなぁ…。

 

 

えっ?いや、そんなアニメ観てないですって!

名作だけ観てるだけだから!

清水家のハードディスクがアニメでいっぱいなのは
弟のトシ(三男)のせいだから!

断じておれじゃない!

 

 

 

 

「ハチミツとクローバー」は、
高校生の時に通っていた塾で
友達が貸してくれた漫画だった。

少女漫画なんて高校生の僕からしたら
敷居が高かったのだが、それを貸してくれたのが、

 

 

男だった。

いや、ゲイじゃないから。

 

 

 

本名がアンドウで、
あだ名がなぜか「ボドゥー」と言う彼は、
音楽に詳しく、漫画にも詳しかった。

高校の時、ボドゥーから沢山
かっちょいいアーティストを教えてもらった。

大学に入ると一緒にライブに行ったりした
音楽の先輩のようなヤツだった。

 

 

 

 

そんな羽海野チカが
「解説(にかえて)」を担当しているだなんて!

この本を
ここに置いてったのはー…

(以下同文)

 

 

 

僕は本を読む前からテンションが上がっていた。

さっきまで金銭問題を抱えて
ダイビングの講習も受けずに
引きこもっていたヤツとは大違いだ。

 

 

 

小説は出だしからグイグイ引っ張って来た。

ストーリーは「私」と「先輩」が代わる代わる登場し
同じ話でも違う視点で語られていた。

まずキャラクターたちがイキイキしているのだ。

それを引き立てる小物や設定が
上手く散りばめられている。

 

 

京都の地名が分かってれば
より一層物語を楽しめたかもしれないが、
ここでは単なる名詞でしかない。

 

 

幻のカクテル「偽電気ブラン」、
三階立ての電車、

詭弁ダンス、古本の神様、etc…。

 

 

読んでいると頭に映像が浮かぶ。

場合によっては味さえもイメージすることができる。

 

 

森見登美彦の小説も、
他の小説で登場した人物が登場する場合がある。

いっつも浴衣を着ている仙人のような男、
樋口氏と歯科医で酒豪の羽貫さん。
「四畳半神話体系」にも登場したキャラクターだ。

 

 

なにより、
主人公のモテなさっぷりには共感できた(笑)。

硬派を貫くようで、
いっつも意中の人を探している感じ。

意中の人との距離感を縮められない主人公が
自虐的に言う
「永久外堀埋め立て機関」
というのは痛いほど理解できた。はぐっ…。

 

 

 

 

二章分読んで本を閉じた。

一気に読んでしまうのはもったいない。

ずっと宿から出ずに
ここに籠っているのもよくないな。

よし。外に出るか。

 

 

 

 

 

 

 

僕は

プラっと外に出た。

相変わらず外は人通りが少なく、
波の音が聞こえなければ
完璧なゴーストタウンだったことだろう。

「Every Day」で
少し高い10ポンド(167yen)の紅茶を飲んで
久しぶりに絵を描いた。

ここはひっきりなしに潮風が吹いてくる。

ガラスの壁があるのがありがたかった。

数時間でカフェをあとにした。

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昨日のカフェですね。

 

 

 

トイレに行きたかったからだ。

海沿いのカフェにはトイレなんてない。

もし尿意を催したなら、だから宿に戻るか
近くのホテルのトイレを借りるかしかない。

 

 

マサトさんと外食でコシャリという
ミートにパスタ麺がかかったエジプトの
スパゲッティーみたいなものを食べた。
5ポンド(84yen)。

物足りなければ3ポンドで
小さなチキンが挟まったパンを買うことができる。

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シャワーを浴びて、タバコを吸って、
余力があれば(っていうか何にエネルギー使ったんだ?)
ブログをアップする。

 

 

みんながWi-Fiを使っている時は
ネットも遅いし、作業効率も悪い。

 

 

 

こんな時は怖い話を聞きたくなる。

無茶ぶりとは分かっていても、
「何か怖い話知ってます?」と話題を振ると、
トシさんはiPhoneで調べた飛行機の話を
いくつかしてくれた。

 

 

そんな沈没者たちの一日♪

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や、マジで面白いから読んでみてください。
日本人宿のいいとこその壱「日本語の本がある」かな?

興味って好きなアーティストから派生することが多いな。
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今日も読んでくれてありがとさん!

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ABOUTこの記事をかいた人

「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!