「名作漫画は日本人宿にある」

世界一周558日目(1/7)

 

 

空が爽やかな青色になりつつあった。

日の出を見たら、たぶん綺麗なんだろうなぁと思った。

だけど、その時の寒さと言ったら、もう異常なくらいだった。

こんな寒い季節によくもまぁ、
ツアーで外に寝ることなんて考えたなぁ。

僕たち日本人はよっぽどの
物好きだと思われているに違いない。

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ここはエジプト、白/黒砂漠の近くの
四方が岩に囲まれた場所

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「おはよ〜〜〜や〜〜〜す…」

 

 

 

僕たちはそこにキャンプしていた。

スタッフたちは僕たちより先に起きて、
朝食の準備に取りかかってくれていた。

それを横目に毛布の中に潜り込む。

くぅ…、もっと寝てたいけど、
起きなくちゃいけないこの義務感はなんだ?

マジで朝起きるのツレぇ..!!!

 

 

それより、昨日隣りに寝ている人と
体を寄せ合って眠らなかったら、本当に寝られなかった。

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あ、これが昨日乳繰り合ってた二人です。

 

 

 

みんなの足下で一人で寝ていたイッチーは、
あまりの寒さに余ったマットで風よけを作っていたくらいだ。
それでも眠れなかったらしい。

横に並んでいても体を寄せ合わなかった人は
全く眠れなかったと口にした。

 

 

いや、だからさ、ほら、雪山で遭難した時にさぁ、

 

 

(女のコ)「寒い…」

(僕)「寝ちゃだめ!寝たら死ぬ!」

(女のコ)「でも、寒いの!寒くてしょうがないの!」

(僕)「ほら、それならー
(毛布で一緒に包まる)」

(女のコ)「…あったかい」

(僕)「だろ?」  

 

 

 

阿呆か俺は…。

 

 

 

まぁ、実際人の体温ってのは
どんなストーブよりも温かかったってわけです。

たぶん。

 

 

朝食はエジプシャンブレッドとジャム、
ゆで卵にスープ、そして菓子パンだった。

 

 

 

誰かが機転を利かせて帰りのバス用に
残しておいたほうがいいですよと助言してくれた。

みんな各々に菓子パンをポケットに突っ込む。

朝食後の紅茶を飲み終わると、
ガイドたちはさっさかと撤収に移った。

 

 

いや、そう思えたが、英語が達者なアランは
「腹が痛い」と言い出し、撤収には参加しなかった。

代わりに僕たちが出来る範囲のことを手伝った。

結局風が吹き止むことはなかった。
布の囲いを取ってしまうと、
また凍てつく風が僕たちを凍えさせた。

 

 

撤収が済むと、
僕たちはランドクルーザーに乗り、町へ戻った。

ローカルの停留所の近くで車は泊まり、
バスのチケットが配られた。

 

 

僕たちはほんの気持程度のチップを
ブラックタイガーに渡した。

ここまで頑張ってくれて、
それで正規の金額の半分って、
さすがに心配になっちゃうもんね。

ちゃんとツアーを申し込んだ
スルタンホテル側と連絡とって、
バッチしお給料もらってください。

 

 

40分ほどしてカイロに戻るバスがやって来た。

バスが走り出すと、どこからともなく
粒子の細かい砂が舞い込み、いつの間にか服に積もっていた。

 

 

バスの中では各々、iPadでゲームをしたり、
日本のバラエティー番組を見たり、話したりしていた。

僕はやることがなかったので、ひたすら目をつむった。

 

 

隣りに寝ている
マサトさんが寝ながら半目が空いていた
ことには少々驚いた。

他の人が言うには

「寝るときいつも目空いてますよね?」

ということだ。

 

 

寝ながら目を開ける人を見たのは、
友達がテキーラでベロンベロンに酔っぱらって、
瞼を開けても起きなかった時以来だ。

ソイツは鼻の穴にピオスタチオを
ぶちこまれても起きなかったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6時間

のドライブの末、バスはカイロに到着した。

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バスを降ろされたのは昨日出発したターミナルではなく、
どこかの高架線の下だったので、
僕たちは歩いて最寄りの地下鉄駅まで歩き、
そこから宿のあるアタバ駅まで戻った。

 

 

 

サファリに戻ると僕はとりあえず一泊分の宿代を払った。

何人かチェックアウトし、
宿の宿泊客の入れ替わりがあったのにも関わらず、
あてがわれたのは二段ベッドの同じ上段だった。

ま、別にいいけどさー…。

 

 

別にコンセント自体が不足してるのではない。

誰かに頼めばたマルチタップの
プラグの差し込み口を分けてくれるだろう。

ただ、宿では誰かしらが
常にパソコンをコンセントに繋いでいる状態なのだ。

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だから充電するのにも
ベッドの横にコンセントがないので、
なかなか思うように充電ができない。

それに加え18時以降にはみんなが宿に戻ってくるので、
Wi-Fiの速度も落ちるし、なかなか接続できなかったりする。

 

 

浪人時代の図書館の席取りを思い出した。

あれも、朝の開館時間から並んでないと
席にありつけなかったりするからね。

そういう状況で、自分の作業ポジションを確保し、
ひたすらブログに打ち込むマサトさんや
「さすらいスマイル」の方(すんません名前なんでしたっけ?)
たちを見ていると、僕は急にやる気を失くしてしまった。

ここで僕が彼らに混じって必死こいてブログ書くのも、
どこか対抗心を燃やしているような気がしたからだ。

スポンコン漫画のヤンキーが隠れて
特訓するような心境と言えば分かりやすいだろう。

 

 

 

とにかく僕はサファリで
ブログを書く(アップする)ことはほとんどしなかった。

そんな風に時間が過ぎていき、
ダハブから一緒に行動を共にして来たみんなが
ルクソールへと旅立って行った。

 

 

 

僕はここでやることがあるので、彼らを見送った。

何人かはこれでお別れだった。

次に会うことがあるとするならば、日本のどこかでだろう。

みんなありがとうね。お互い旅を楽しもうぜ。

 

 

 

漫画の詰まった本棚の前で
僕が再び手に取ったのは80年代に描かれた

「迷走王ボーダー」

という漫画だった。

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改訂版全六巻を、実は二日前に読破していた。

久しぶりに名作に出会えたと思った。

内容は10年間大陸を放浪した蜂須賀(ハチスカ)という男が、
月三千円のボロアパートを拠点に
はちゃめちゃなニート生活を送るというものだった。

このキャラクターは
一見どうしようもない男に思えるのだが、
作品が進むにつれ、徐々に彼の生い立ちや
どうしてこんな生活を送るのかという哲学も
彼の口から明らかにされてくる。

80年代のバブルで有頂天になっている日本とは
真逆を行く作品だった。

読んでいて、この蜂須賀という男を
『カッコイイな』と思ってしまうのだ。

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これは蜂須賀が毛生え薬を使ってドレッドヘアになり、
ウェイラーズと競演するっていう話。

 

 

この「ボーダー」と言うのはひとつの生きた方、
考え方の提示だと思う。

社会のメインストリームに逆い、
「あちら側」に巻き込まれないように
社会をサヴァイヴするのがボーダーだ。

作品の中に色々名言も出てくる。

一応NAVERまとめのリンクを貼っておく。
興味があったら見てみるといい。

 

 

ブログは書かなかったが、
自分の中では収穫のある読書だった。

自分が生まれる前に
こんな漫画が世に出回っていたなんて。

それが驚きだった。

 

 

消費社会の飽和状態に感じてしまう現代だからこそ、
僕にも理解できる場面やセリフがあったが、
これが書かれた当時はそんなこと誰も思わなかっただろう。

だが、バブル当時の日本を見て、
『これはマズイんじゃないか?』
と疑問に思う人もいたらからこそ、
新装版として重版がかかったのも事実だと思う。

 

 

まー、言葉じゃなかなか書き表せないな。

こんな漫画を読んだんだよということ。それだけ。

 

 

これ意外にも
藤子不二雄の「まんが道
も新装版で全巻が揃っていた。

漫画家を志す二人の若者が
漫画家を目指して奮闘する、青春ものだ。

今だったら「バクマン」の方が馴染みが深いと思う。

こっちも終っちゃったけどね。

 

 

当時の漫画家が
どのようなものであったか資料程度になった。

昔っから商業漫画家ってヤツは睡眠時間を
すり減らして漫画を描いていた。

いやぁ~、おれ、絶対無理だわ。

ちゃんと睡眠取らないと
次の日のパフォーマンスぐっと下がるもん。

 

 

 

 

 

 

夜に

なると、
宿はぐっと冷え込んだ。

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サファリには暖房がついていないので、
着込むしか防寒手段がない。

 

 

談話室で毛布を貸してもらい、
足を冷やさないようにして日記を書いた。

談話室にはモニターとゲームソフトの
データが入ったハードディスクに、USBに対応する
4つのプレイステーション2のコントローラーがある。

ダハブのディープ・ブルーでもお会いした
リョータさんがチェックインしており、
「魔界村」のラスボスに苦戦していた。

 

 

僕はチラチラとそちらを見ながら日記を書いていたのだが、
二本書いたところで全然進まなくなってしまった。

「魔界村」が終ると、ここに長期で滞在している
トランペッターの方が神懸かり的な
ドクターマリオのテクニックを披露した。

 

 

 

「それではー、本日のラジオ放送と行きますか」

 

 

宿の長期滞在者のみなさんが
4人ほど談話室に集まった。

 

 

「え?なんですか?ラジオ放送てって?」

「いや、単にラジオっぽくトークするだけ」

 

 

お湯割りのウィスキーが振る舞われ、
「ウード」という弦楽器を持ったお兄さんが
演奏を披露してくれた。

それに会わせてトランペッターの方が
タンバリンでリズムを刻んだ。

 

 

 

2時をまわると、
僕はウィスキーのお礼を言って談話室を後にした。

 

 

梯子の無い二段ベッドの上段によじのぼり、

 

 

そして僕は眠り落ちた。

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とりあえずカイロは寒かったです。

エジプト人も「年々寒くなってる」って言ってるくらいです。
確か去年だかに雪が降ったんだっけ?
うぅ~~~~…、寒い。

それでも時々、蚊に刺されるんだよなぁ~~~~。
まったくどーなってんの!

寒い!

 

 

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4 件のコメント

  • この記事読んですぐにボーダーっていう漫画、キンドルでDLして読みましたよ!
    まだ1巻の上しか読んでないけど、面白いですね!
    6巻まで全部DLしたので、時間あるときに読んでみます。

    ところで、マサトさんのブログの絵、めちゃくちゃかっこいいですね!

    路上で絵を書いて稼ぐっていうのは、やらないんですか?

    • >LOOさん

      あんな昔の漫画が電子書籍化されてるなんて
      やっぱりあれは名作だったんですね!

      最初の方は絵柄がテキトーで、話も一話完結ですが、
      中盤からいきなり伏線というか
      大きな話の流れみたいなのが投げ込まれるんですよね。
      個人的には新装版の4巻あたりからが好きです。

      それと、
      マサトさんの絵の感想ありがとうございます!
      できることなら描き直したいと思ってしまうのは
      毎度のことです(笑)

      路上で絵を描くことですが、
      個人的にお願いされて描くことはあっても、

      不特定多数の人に対して、
      誰かが買ってくれるのを待つような
      絵のパフォーマンスをすることはないと思います。

      なんだか魚釣りみたいに感じちゃうんですよね。
      「来ないかなぁ〜」って。

      時間もったいないし、それならノートに漫画描いてた方が
      いいかなって思うのです。

  • シミさん☆

    二人の会話の話題になれるなんて!!
    あんまりバカな子って言わないであげてくださいね☆
    多分あってますよ!相棒とマサトさんのブログ読んでて急いで応募しましたから☆
    シミさんに書いてもらったのも自慢してちゃんと飾ってありますよ☆

    黒砂漠にもラクダは居るんですか!?

    寒かったら写真集と一緒にホッカイロ送りますよ!あと無印の無地カード☆

    • >みほ燦々(さんさん)

      あー!やっぱりー!
      カサブランカ空港でみほちゃんと会った話をしたら
      「会いたかったなぁ」とか言ってました。

      黒砂漠にはラクダいなかったです…。
      めっちゃ風強くて寒かったですから。

      現在は暑い国に移動してしまった。
      ホッカイロが必要になるのはカナダあたりになりそうです。
      っていうかこのまま行くと凍死するんじゃないかと
      怯えています笑。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    「旅する漫画家」。世界一周後(2013-2016)、現在は海沿いの町に潜伏中。そろそろ旅がしたいぞ!