「カイロから雑貨を郵送」

世界一周562日目(1/11)

 

 

前日

遅くまでブログをアップしていたので、
睡眠時間は5時間にも満たなかった。

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光の届かないドミトリーで
iPhoneのアラームが鳴ると、モソモソと上体を起こした。

 

 

朝起きるのって
なんでこんなにツラいんだろう?

 

 

 

 

ここはエジプト、カイロ
泊まっているホテルはスルタンホテル

一泊25ポンド(411yen)の安宿だ。

ドミトリー内には近々30ポンドに
値上がりすると書いた張り紙がしてあったけど、
あれはどういうことなのだろう?

 

 

 

 

人間追い込まれると、無理矢理にでも
起きられるものだということは
日本にいた時から思っている。

試験の日なんて一発で起きることができた。

試験の内容はともかくね。

チャンスは一度っきり。

 

 

っていうのは大げさなんだけど、
今日は郵便局に仕入れた雑貨を日本に送ろうと思うのだ。

ピラミッドの近くの日本人御用達のお土産屋さん、
アリババのスタッフさんが僕に
ポスト・オフィスの場所を教えてくれた。

地下鉄アタバ駅の少し先を行った
アタバ広場の近くにあるというのだ。

 

 

 

エジプトには二種類の郵便局がある。

DHLとEMSというヤツで、後者の方が安いんだとか。

業務時間なのか、混み合うからあのかは分からないが、
朝のうちに行っておいた方がいいとのことだった。

 

 

できることなら今日の夜行バスで次の街に行きたい。

スムーズに進むためには
今日中に郵送を済ませておきたいところだ。

今回の郵送では雑貨意外にも保険の控えだったり、
チェコで盗難に遭った際にもらったポリスレポートや、
あまり穿いていないnudie jeansや
(これも盗難のあとにセカンドハンドのものを買った)
相棒のまおが僕にプレゼントしてくれた
ボルシア・ドルトムントのTシャツも

一緒に送ってしまうことにした。

だってあの黄色のTシャツ他の服と合わせにくいんだもん…。

 

 

 

 

 

送る雑貨をチェックして
荷物をまとめてベッドの脇に置くと、
僕はそのまま5階まで上がってマサトさんを呼びに行った。

マサトさんも日本に郵送するものがあるらしい。

前日に「モーニングコールしてくださいよ!
8時半には出発したいですから」と頼んでおいたのにも関わらず、
僕がマサトさんを呼びに行くと、
マサトさんは呑気にシャワーなんて浴びていた。

まぁ、起きてただけよしとしよう。

昨日の仕事のギャラの代わりに
今日はご飯奢ってもらいますからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外に

出ると、路面は濡れていた。

寝ている間に雨が降ったのかもしれない。

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そんなしっとりした朝のカイロを郵便局に向かって歩いた。

一月のカイロの朝は肌寒かった。

僕もここにきてからフリースが手放せないでいる。

 

 

僕とマサトさんはアタバ広場の
教えてもらった場所に行ったのだが、
郵便局らしいものは見当たらなかった。

周辺のお店で「ポストオフィスはどこでしょうか?」
と尋ねて回ったが、お店の人たちも郵便局が
どこにあるかなんて知らない。

っていうかたぶん
「ポストオフィス」って英語単語を知らない。

ジェスチャーや雑貨を見せても分からない。

地元で郵便局の場所を外国人に尋ねられたら、
僕は間違いなく白山郵便局の場所教えられるけどね。

新百合ケ丘駅のティップネスの下にもあるな。

 

 

 

しかたがないので、いつものマップアプリを広げると、
160m先に郵便局のマークがあった。

なんだ。頼りになるのはいつだってマップアプリか。

 

 

何度か書いたけどこの「maps me」ってアプリは
世界中のどこでだって使える便利なアプリだ。

400円くらいの有料アプリなんだけど、
間違いなくこれが一番使っているアプリだな。

 

 

 

 

郵便局はすぐに見つかった。

さすがに郵便局の周辺で「EMSは?」と訊けば
親切なおっちゃんがどこに郵便局があるのか
得意げに教えてくれる。

朝一番ということもあり、
中には僕たちの他に一人しか並んでいなかった。

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受付のおばちゃんに、
荷物を日本に送りたいのだということを伝えると、
おばちゃんはダンボールを渡してくれた。

箱に5ポンド(82yen)。テープに5ポンドかかった。
ここがエジプトだと考えると地味に高い。

とりあえず渡されたダンボールをガムテープで補強し、
それに雑貨を詰めていった。

 

 

僕がせっせと雑貨を詰めている隣りで
マサトさんはダンボールの補強から始めていた。

性格の違いがよく現れていると思う。

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綺麗やな…。

 

 

 

今回はガラスの製品が多いので、
ジーンズやTシャツはそれらを包むのに役に立った。

渡された箱には雑貨がピッタリと収まった。

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それにガムテープで封をして、
担当の人に渡しに行くと、受付のおばちゃんは

 

 

「中身を見せろ!」

と言う。

 

 

今まで僕たちはカウンターの上で
雑貨を段ボールに詰めていたのだ。

カウンターの向こう側におばちゃんはいる。

僕たちが何をやっていたかは見ていたはずだ。

 

 

せっかくガムテープで封をしたのに、
またそれを開く羽目になった。

この気苦労が分かるだろか?

『せっかくやったのに…』って感じだ。

 

 

ガムテープにはさみで切れ込みを入れられ、
ダンボールは開かれた。

そしておばちゃんは雑貨を確認すると、
せっかく綺麗に収めた雑貨を
「バサッ」と雑貨をダンボールの中に投げ捨てた。

段ボールの中の雑貨たちは乱雑になった。

 

 

僕はあまり些細なことでは怒らないように心がけているが、
中には好きになれないヤツもいる。

人の物を大事に扱わないヤツがそうだ。

これは漫画を描いている時もそう。

時間をかけて描いた原稿用紙を
ただの紙切れのように扱うヤツがいる。
端の方をつままれてもたれると折り目とかがつくんだよ!

 

 

 

「ちょっ!」

 

 

僕はおばちゃんの雑貨の扱い方に対して抗議したが、
おばちゃんは「文句あんのか?」という顔だった。

段ボール内に散らかされた雑貨を
僕はまたカウンターの隅で並べ直した。

中に、余った各国の紙幣を混ぜようとしたのだが、
めざとくババァーおばちゃんは気づき、
危うく紙幣は没収されそうになった。

海外で紙幣を郵送するのはいけないみたいだ。

くっそ!功名に隠したつもりだったのに!

 

 

なんとか気を静め、段ボールの重さを計ると
6.7kgほどの重量だった。

そしてお値段なんと630ポンド(10,365yen)。

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最初、僕は冗談かと思った。

これは船便ではないのか?と確認してもババ、
あ、おばちゃんは「船便に決まってんだろ?」と言う。

 

 

「いくらなんでも高過ぎませんか?」

「うん。おれもそう思う。
もっと安く郵送できるところないんですか?」

 

 

マサトさんがそう訊くと、気の良い郵便局員さんが、
「それならあっちだよ」と教えてくれた。

なんだよ!EMSが安いんじゃねえのかよ!!!

 

 

 

 

もうひとつの郵便局は、なぜだか長蛇の列が出来ていた。

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この列に並ばないと行けないのかと尻込みしたが、
職員さんい用件を話すと、
列を割って窓口まで連れていってくれた。

こちらの郵便局も郵送の窓口はほとんど人がおらず、
すぐに順番が回って来た。

 

 

先ほども書いた書類に送り先を書き込んだ。

僕は相棒のまおの家の住所を。

マサトさんの送り先は実家で宛名には
お母さんの名前が書いてあった。

 

 

世界中で買ったというマサトさんの
ポストカードコレクションを見た時には、
なかなかいい趣味してるなと思った。

そんな紙の束にマサトさんは
しっかり紙幣を紛れ込ませていたのはここだけの話だ。

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そして気になるお値段は575ポンド(9,533yen)。

エジプトで送るとそこまで安くはないのかもしれない。

1kgあたり1500円ということを考えると、
モロッコより安い。

まぁ、日本に近いからね。そんなもんかーーー。

なんだかんだエジプトでけっこう金使っているんだよね。

 

 

 

 

「そのダウンあったかそうですね?」

「あー、これ?
モモコちゃんからもらったんだよね。
(「カエルダッシュ」のツバサさん、モモコさんは
アイスランドを一緒に旅していた)
『マサトくんの方が似合うからあげる』って」

「ってかふつう、ダウンなんてあげます?」

 

 

そんな笑い話しをしながら宿まで戻った。

やっぱりあの二人はブログ通りのおかしな2人組だ♪

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一旦

チェックアウトを済ませて、ベッドを空けると、
僕はバックパックをレセプション前に置かせてもらった。

そしてそのままバスのチケットを買いに
ターミナルまで向かった。

 

 

いよいよカイロを離れる。

そしてどんどんブラックアフリカに近づいて行く。

 

 

もうたぶん、ここには戻って来ないだろう。

次の行き先はルクソールという世界遺産のある町だ。

前回、砂漠ツアーにでかける際に利用した
バスターミナルまで歩いて行き、
そこで本日21時初のルクソール行きの
バスチケットを買った。100ポンド(1,645yen)。
カイロから9時間かかるようだ。

 

 

 

 

 

スルタンに戻るとちょうど宿のおっちゃんと
長期滞在しているセルビア(モンテネグロ)人のおっちゃんが
僕をシーシャに誘ってくれた。

ホテルの前にあるカフェではシーシャが
3ポンド(49yen)で吸うことができる。けど、今回はおごりだ。

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カフェの中ではアメリカの映画が
液晶画面で放映されていた。

なんら変わりないカイロの昼下がりで、
店内には野良猫が数匹、エサをねだりにやって来ていた。

セルビアのおっちゃんは僕にエジプトで
ポピュラーらしい瓶に入ったジュースをごちそうしてくれた。

 

 

「コカコーラなんかよりよっぽど健康的だよ!」

エジプトで売られるジュースに健康なんてあるのか?
と疑問に思ったが、ジュース自体は
パイナップルの味の炭酸飲料でそこそこ美味しかった。

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セルビアのおっちゃんは
エジプトのフルーツはオーガニックだから体にいいだの、
だからこのジュースの成分はヘルシーだの、
英語でぺちゃくちゃとまくしたてたが、

僕は「はぁそうなんですか?」
とマシンガントークに相づちを打つことしかできなかった。

 

 

欧米人はよく喋る印象がある。

だけど、よくその内容を聞いていると、
矢継ぎ早に出てくる話題は僕とはなんの関係もなく、
ただ一方的に相手が喋りたいことを喋っているようにも思える。

そう考えると相手の興味のある話題を降って笑いをとったり、
相手からの返答を待つ話題の振り方は
いくらかテクニカルな気もする。

あ、そんなこと考えているの僕だけ?

 

 

 

 

 

 

宿に戻ると、この前スルタンから
ダハブに出発したオオタケさんという男性の方が戻って来ていた。

 

 

「いやぁ~、
風邪ひいたままダハブ行っちゃって、
そのまま海に潜ったから、
なかなか風邪が治らなかったですよ!」

 

 

オオタケさんは僕よりふたまわりも歳が離れているのに、
物腰の柔らかな人だ。

僕はタバコを切らしてしまっていたので、
「タバコを一本もらってもいいですか?」とお願いをすると、
「一本と言わずに、どんどんもらってください」と進めてくれた。

 

 

宿のスタッフに頼まれて、
ギターで弾き語りをやるとオオタケさんは絶賛してくれた。

「えっと!コイン入れる箱がないなぁ~!」と言って
ギターケースに10ポンド札を入れてくれる
粋なことをしてくれた。ありがとうございます♪

 

 

オオタケさんとはその後、
レセプション前のソファに座って話た。

話したのは「愛」だとか、
今の日本についての漠然としたイメージだったりだとか
「少子化」についてどう思うかと言った話題だった。

オオタケさんは第二次ベビーブームの世代らしく、
学校はマンモス校ばかり、競争は激しく、
物が過剰にあった時代を生まれ育った方だ。

日本がどんどん豊かになり、
若い頃にバブルを経験したのだのだと思う。

 

 

「ニュースで今年の成人式見たんですけど、
今年の新成人は120万なんですって。
僕たちの世代は200万人いたんですよ?
もう半分にいっちゃうんじゃないかな?」

 

 

「少子化」と耳にすると、
僕は日本はどうなってしまうのだろうと考えずにはいられない。

その分、自分よりも上の年代が多くなり、
このままいくと一人で二人以上の老人を
支えることになるという話は知っている。

 

 

そんな話をしていると、
宿の主的存在のチベットの赤い衣服のおっちゃんが出て来て、

 

 

「そんなのセックス大好き政党がどうにかするか、
もしくは、もともとが多かったんだよ。
今は逆ピラミッドのようになっているけど、
そのうちまっすぐになる。あるべき姿に戻る」

「なんだかその考え方ってすごく前向きですね」

「ま、私も少子化の問題の一端を担ってるんだけどね」

 

 

そんな自説を述べた。

なんだか前向きになれそうな意見だった(笑)

 

 

 

 

 

 

 

夕飯は約束通り、
マサトさんにご飯を奢ってもらった。

宿の近くにある定食屋で15ポンド(247yen)の
セットメニューに出てくるチキンは美味しかった。

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「いやぁ、やっぱり考えてみると、不思議な話ですよね」

「なにが?」

「たかだかブログやってるだけだってのに、
なんだかんだマサトさんと一ヶ月以上過ごしましたからね」

「おれもね~、
そんなに長くいるとは思わなかったよ。
こんなに長い間一緒にいた人は初めてかな?」

「僕もですよ。ほとんど一人で旅してきたらから、
こういうのって逆に新鮮なんですよね。
グダグダしちゃいもしましたが…」

 

 

出て来たチキンをほおばりながら僕たちは話した。

沈没も悪いことばかりじゃない。

今ではダハブで過ごした他のみんなは、
どこか家族みたいに思えた。

マサトさんは「合宿みたいだったよね」と言った。

 

 

 

8時過ぎには宿を出発することにした。

 

 

「また会えますかね?」

「たぶん会えるよ♪」

 

 

マサトさんとハグをして別れた。

マサトさんはわざわざ宿の下まで
僕を見送りに来てくれていた。

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見送られると、なんだか心強い気持になれる反面、
どこか寂しさのようなものもおぼえる。

 

 

 

 

9時にやって来たルクソール行きのバスに僕は乗り込んだ。

マサトさんの言っていた通り、バスの中はとても寒かった。

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一ヶ月以上も一緒に過ごすなんて、そう滅多にあることじゃない。

なんだかんだダハブにはいるべくしていたのかなー

なんて。こういうことは結果論だけど、
エジプトに長くいてよかったなと思います。

一緒に過ごしてくれた他のみんなさんにもお礼申し上げます。

ありがとうございました。みんなも旅を楽しんでね。

 

 

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4 件のコメント

  • エジプト退避勧告でてますよ!
    2月11日までに出て行かない外国人には攻撃するとテロ組織がいってますよ!

    • >外務省の代わりさん

      わざわざ教えていただき、ありがとうございます!

      現在は治安の悪いと言われるケニアにいます。
      こちらも気を引き締めて旅を続けたいと思います。

  • 第二次ベビーブームの世代、、私がそうだw
    まさとさんとシミさんがまた再会できますように。
    今後も、お二人とも、安全で楽しい旅でありますように。

    • >あっきーさん

      実は今日、マサトさんと再会を果たしました。
      いやぁ、ここまで長い旅路だったですよ。
      体が砂まみれになりました。

      最近発見したマサトさんのすごいところは

      ベッドバグ(ベッドに潜む虫)に刺されない

      ってとこです。

      あ〜〜〜!
      痒い!もう僕なんて腕がボッコボコですよ!

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