「一発逆転」

世界一周503日目(11/13)

 

 

撤収は8時には終えた。

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もう野宿も残すところ、一桁だ!

シェンゲン協定のリミットは
11月19日まで

僕はそれまでにEU圏外へと
脱出しなければならない。

そのためには今いるバルセロナから、
アフリカ大陸へと渡る
船着き場まで行く必要がある。

 

 

 

もちろん
ヒッチハイクで!

 

 

 

マドリードは治安が悪そうなので
海沿いをヒッチハイクで進んでいくことに決めた。

とりあえず今日の目的はバレンシア
ここから300kmくらい離れた町だ。

 

 

 

 

メトロに乗って
ヒッチハイクポイントまで向かうことにした。

メトロで改札が分からずウロウロしていると、
爽やかなビジネスマンが僕に行き先を教えてくれた。
去り際のウインクは
日本人には真似できないだろうなと思った。

こういう優しさを感じると
今日のヒッチハイクもうまくいく気がするよ!
さんきゅー!お兄さん!ハヴァグッデイ!

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駅から出たところにある公園で、
いつものように段ボールに行き先を書いた。
「Valencia」。

サイズがわずかに合わない
買ったばかりのブーツのせいで
スタスタと歩くことができない。

 

 

のんびりと歩いて辿り着いた
ヒッチハイクポイントは
小さなガソリンスタンドだった。

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時刻は朝10時。
ガソリンスタンドに入ってくる車の量も少ない。

15分もしないでその場を後にした。

 

 

 

 

近くにハイウェイと
一般道が交わるポイントがある。
そっちのほうが成功確立が高そうだ。

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そこで2時間待った。

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今写真見て思ったんだけど、
こんな汚らしいアジア人乗せねーか…。

 

 

レスポンスは悪くない。
車の量もそれなりにある。
なんだったら車が停まるスペースだってある。

それなのに、
なんでこんなに止まらないんだ??!!

フランスだったらものの
30分とかで止まるぞ??
国が変わっただけでこんなに違うのか??!!

僕は一旦ガソリンスタンドに戻ることにした。

 

 

 

 

売店で80セントのコーヒーと
1ユーロのお菓子を食べる。

売店のお姉さんは
「ここでヒッチハイクするのは難しいわよ。
やるならもっと別の場所よ!」と
アドバイスしてくれた。

教えてくれた場所を地図で確認したが、
たとえそこでヒッチハイクをしたとしても、
うまくいくような気はしなかった。

店内からガソリンスタンドの様子を見る。

やっぱりここに入ってくる車の数は少ない。
待っている時間の方が多いだろう。

 

 

仕方ないな..。

またさっきのハイウェイ前の
分岐点でチャレンジしてみるか…

 

 
途中に犬連れのおっちゃんに会った。
「バレンシアに行きたいのであれば
ガソリンスタンドでヒッチハイクした方がいいぞ!」
とアドバイスをしてくれた。

 

 

 

もうどっちでヒッチハイク
したらいいのか分からない。

そのままUターン。右往左往。

結局、ガソリンスタンドで
ヒッチハイクをすることに。

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もう一人のヒッチハイカー
唐突に現れた。

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前進黒の服装で
そばかすが可愛い
ロサンジェルス出身のマリア。

彼女もサイトで調べて
このガソリンスタンドへやって来たらしい。

持っていたボードには
「GRANADA or ALMERIA」と書かれていた。

 

 

「グラナダ…って、
こっからすごく遠いよね?」

思わず僕は訊いてしまった。

 

 

ヒッチハイクの移動距離は
一日せいぜいの距離300kmだと思う。

中には一日で1000kmも移動するような
生粋のヒッチハイカーもいるが
(僕がクロアチアで会ったドイツ人がそうだった)

ヒッチハイクをするにしても、
そこには必ず運の要素が加わるし、
条件が良くても何時間も待つ場合だってある。

 

 

300kmは東京から名古屋くらいの距離だ
自動車がハイウェイを走っても2時間以上かかる。

もちろんヒッチハイカーの姿が見えにくくなる
夕方から日が沈んだ後の時間帯は
成功率はさがるだろうし、
夜になれば治安も悪くなる。

だが、今目の前にいるロス出身の
女子バックパッカーはボードの行き先は
ここから700km以上ある町の名前だった。

 

 

 

ちょ、アツいな!!!!

 

 

まぁ、女のコだったら
ヒッチハイクしやすいのかもな。

彼女はカリフォルニアで
マリファナを栽培する仕事に就いているらしい。
イヤリングはカンナビスだった。

かれこれヨーロッパを8ヶ月旅しているそうだ。

 

 

「それって不法滞在なんじゃ..」

「そうよ!イリーガルよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから
一時間待った。

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「この国は
ファッキンクレージーよ!

こんな可愛い女のコが
ヒッチハイクしてるってのに、
一台も止まらないなんて..!!!」

「同感だね。
僕も今までいろんな国で
ヒッチハイクしてきたけど、
こんなに待ったことはなかったね。
マックス3時間かな…?」

 

 

 

 

この時点でヒッチハイクを開始してから
4時間以上が経過していた

僕としては女のコとヒッチハイクするなんて
なかなかない経験だし、
もうちょっと彼女と一緒にいるのも
いいなぁ~と思ったりもしたんだけど、

それは僕の目的じゃない。

シェンゲン協定のこともある。
今日はせめて隣町でもいいから進んでおきたい。

 

 

「今日ダメだったらどうするの?」

「一度バルセロナに戻って
ブラブラカー
(というお金を払って車に乗せてもらうSNS)
で車でも探してみるわ」

「僕は5km離れたところに
サービスエリアがあるから、
歩いて行ってみるよ」

「5km!!??
それはちょっとキツいはね…」

「じゃあね。グッドラック!
うまくいくといいね♪」

「そっちこそ。良い旅を」

マリアと握手して別れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地図で道を確認しながら
ハイウェイ沿いの道を歩く。

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あいかわらず買ったばかりの
ブーツのせいで足が痛かった。

川を渡り、バルセロナの郊外には畑を横切り、
一時間以上かけてサービスエリアに辿り着く頃には
僕の足はボロボロだった。

親指の付け根の部分に染みた汗の跡が残っている。

 

 

 

 

 

 

 

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サービスエリア、というより、
大型ショッピングモールのパーキングエリアか。

駐車場から直接ハイウェイへと
アクセスできるようになっており、
駐車場内にはマクドナルドも入っていた。

 

 

『ここでヒッチハイクが失敗したら、
ここで野宿か…。
まぁ…、マックもあるし、頭は洗えるだろう』

 

 

ハイウィイへと続くラウンドバウトの
ど真ん中に立ってボードをかかげた。

口角を上げるのも、カロリーを消費しそうだった。

西日が雲の裏側に隠れてしまうと、
気温がぐっと下がった。
さっきまではあんなに暑かったのに…。

 

 

 

 

20分ほどでこの日一台目の車が止まってくれた。

ドライバーのボリックスさんは
ここから40km離れた”Calafell”という町までだったら
乗せていってあげるよとのことだった。

10kmでも先に進みたい僕は、
頭を下てボリックスさんの車に乗せてもらうことに。

 

 

「いやぁ~、
今まで一番キツいヒッチハイクでしたよ」

「バルセロナなんかじゃ車は止まってくれないよ。
みんな外国人に対して警戒心を持っているからね。
それに経済もそこまでよくないし」

「その原因はなんなんでしょうか?」

「ちょっと前に
スペインの建築バブルが弾けたんだ。
建物が次から次へ建ってね。
バブルが弾けた後はスペインの経済が
一気に落ち込んだのさ」

「へぇ…」

 

 

 

それでもこうして車に乗せて
もらったことはありがたかった。

どこの国でヒッチハイクをしても、
首都から抜け出すのは大変だ。

首都を囲むハイウェイは
道路の仕組みを複雑にしているし、
都心に住む人たちの生活は誰しも忙しい。
貧乏旅行者なんて乗せている
余裕なんてないのかもしれない。

 

 

 

 

 

「ヒッチハイクを
続けるならここがいいと思うよ」

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ボリックスさんはそう言って
ガソリンスタンドで僕を降ろしてくれた。

ガソリンスタンドはどちらかと言えば
町にあるようなヤツで、
ヒッチハイクに向いているかは分からない。

でも、せっかくだし、
行ける所まで行ってみよう。
バレンシアちょっとでも近づければいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒッチハイク開始から7時間後。

カラフェールのガソリンスタンドの前で
ヒッチハイクを始めて20分後に
本日2台目の車が止まった。

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「こんな場所で
よくヒッチハイクする気になったよなぁ」

カレフェールの町に住む
アランとアエリアンは(似たような名前だな)は
次のヒッチハイクができそうな場所まで
僕を送り届けてくれることになった。

 

 

そこまでの間に太陽は姿を消してしまった。

「この先だったら
三方向から車が来るからさ!
上手くいくと思うぜ!
それじゃあな!」

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僕はどこか分からない町はずれで
車を見送った。

 

 

 

ヒッチハイクやめますか?

 

 

 

やりましょう!

 

 

 

あと一息でバレンシアだ。

普段ならこの時間帯に
ヒッチハイクなんてやらないんだけど、
立て続けに車を捕まえることができた。
あと一時間やってダメならここで野宿!
とりあえず一時間だけやってみよう!

ライトが当たる大きな同標識の前に立って
ボードを高く掲げた。

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トラックが1m先を通過すると、
遅れて風がやってきた。

 

 

 

『もうダメかな…』

 

 

 

そう思った時に、バンが
ウィンカーを切って
ランドバウト内に停まってくれた。

後ろから来たトラックが
クラクションを鳴らす。

 

 

 

「グラシアス!」

お礼を言って助手席に駆け上った。

 

 

バンに乗っていたのは
オネールさんと奥さんのアナさん。

バレンシアから100kmほど
離れた場所まで行くらしい。

いやいや、この際、
先に進めるんならありがたいっすーーーーー!!!!

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旦那さんはそこまで英語を話さなかったので、
アナさんと僕が車内では会話をしていた。

二人はスペイン語とは違う、
カタルーニャ語を話し。
バルセロナはもそうであること。

二人には手の離れた二人の娘がいること。

二人は町から離れた山の上に住んでいること。

そこで何十年も昔に日本人が研究した農法で
オーガニックの果物を育てていること。

アナさんは26年間働いた
コスチュームデザインの仕事を、
つい先日辞めてきたこと。

 

 

ヒッチハイクをすると、
その人の人生を垣間見ることができる。
ヒッチハイクをしなければ出会わなかった人たちだ。

あ~、今日一日ずっとヒッチハイクしてたけど、
この人たちに会うようになっていたのかぁ。
運命論者の僕はついついそう考えてしまう。

 

 

 

 

「ここに二つの選択肢がある」

「はい」

「一つはこのうちの近くの町まで行って、
海沿いに寝る。静かなところさ」

「海沿い?!!
なんかいいですね、それ!」

「もうひとつは、
ガソリンスタンドなんだけど、
そこで車が停まるかもしれないし、
シャワーもあるよ」

 

 

 

しゃ、シャワー

シャワー…

シャワー…

シャワー…

(エコーする感じで)

 

 

 

「私はガソリンスタンドの方がいいー…」

「シャワーの方で!!!」

 

 

 

オネールさんとガソリンスタンドの
深夜シフトの女のコは顔見知りのようだった。

オネールさんは女のコに僕のことを
簡単に説明してくれた。コイツはホームレスだけど、
ホームレスじゃないんだ。ってね!

お礼を言って二人のバンを見送った。

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ガソリンスタンドの女のコは
いきなり現れた小汚いアジア人にかなり優しかった。

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「朝6時には
次のシフトの人が来ちゃうからね。
それまでに片付けてくれるんなら
物置で寝てもいいわよ」

床は砂埃だらけ、物置は物でいっぱいだった。
なんとか横になれるくらいのスペースしかない。

だけど、外でテントを張って
浅い睡眠しかできないよりかはよっぽどマシだ。
それに段ボールを分けてくれるらしい。
それを敷けば寝れるよ!

 

 

時刻は21時前だったが、寝るのにも早過ぎた。

ひとまずガソリンスタンドの
売店内でコーヒーをいただいた。

お金を払おうとすると、
女のコはタダでコーヒーを
ごちそうしてくれたばかりか、
売れ残りのクロワッサンや
お菓子の詰め合わせを僕にくれた。

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「えっ!
なんて君は優しいんだっっっ!!!」

「ふふふ。
お金をあげることはしないけどね♪」

「グレシアスッッッッ!!!!」

「そうだ。

もしここにトラックが止まったら、
バレンシアまで行くか訊いてみてあげる。
それともここで寝る?
シャワー浴びたいだったわよね?」

「とりあえず訊いて見てくれるかな?
行けるとこまで行ってみるよ。
そんな人が来たらね」

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念込めときました!

 

 

 

僕としてはここで泊まる気でいた。

ヒッチハイクを開始してから10時間。

もうここらでいいだろう。
バレンシアまでは行けなかったけど、上出来だ♪

 

 

売店のコーナーにあるスツールに座って
コーヒーを飲んでいると、
トラックの運転手が入って来た。

 

 

「バレンシアまで行けるか訊いてみる?」

「ん、ああ、ありがとう。訊いてみて」

女のコがスペイン語でドライバーに尋ねる。

まー、どうせ、行けはしなー

 

 

「バレンシアまで
行くわよ!」

 

 

 

って、
ウソォォォォおおおおっっっ!!!!???

 

 

 

「セビーリャまで行くらしいけど、
バレンシアまででいいのよね?」

セビーリャはスペインの南の方にある
ヒッチハイクの最終地の一つ手前。

 

 

「せ、セビーリャまでお願いします。
それより、乗っていいんですか?」

『野暮なことは訊くんじゃねえ』とでも言うように、
ドライバーのおっちゃんは『来い』とジェスチャーした。

女のコにお礼を言って
ガソリンスタンドを後にした。

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ポーランド人
のおっちゃんだった。

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英語は簡単な単語しか分からず、
耳にはずっとイヤホンをしている。
たぶん仲間のドライバーと通話するためだろう。

仕事の邪魔しちゃ悪いな。ここは行儀よくー、

 

 

おっちゃんから
メントスのミックスフルーツ味が差し出された

あざっす!と言って噛む。

『お前も吸うか?』
とマルボロが差し出される。

あざっす!と頭を下げて一本頂く。

 

 

サブバッグから携帯灰皿を出す。

『おッ!なんだやるじゃねえか』と
おっちゃんがおどけた顔をして見せる。

スペインではポイ捨てが見つかると
500ユーロの罰金らしい。
「クレイジー!」とおっちゃんは行った。

 

 

 

 

電灯のほとんどない真っ暗な道をトラックは走る。

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考えていたのは

「なんでこんなに自分は
ツイているんだろう?」

という、
ここまで一連のヒッチハイクと、
ドライバーさんたちに対する感謝の気持だった。

 

 

違うんだよ。

そうじゃねえな。

 

 

みんなの優しさで僕は前に進めるんだ。

僕は直接的に彼らにお返しをすることはできない。

じゃあ何ができる?

 

 

 

 

 

優しくあろう。

 

 

人に優しくできるヤツであろう。

 

 

そういうことだね。

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