「スリにはご用心。特にバルセロナでは。ね」

世界一周502日目(11/12)

 

 

同じ場所で寝ると
だんだんと慣れてくる。

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「一度目よりも二度目の方が楽だ」

と言ったのは
シュージンのセリフだっただろうか?

 

 

 

ここはスペイン、バルセロナ
中心地から徒歩20分のところにある
大きな公園

 

 

昨日とは別の場所にテントを立てた。

朝になっても誰にも声を
かけられることはなかった。

時刻は8時前。よし。
サクサク撤収して動くとしようか。

 

 

 

 

昨日買ったリンゴを
かじりながら公園内を出た。

近くに大学だか高校があるみたいで、
通学途中の生徒の姿を見た。

どうやらこの公園は
彼らの通学路になっているようだ。

 

 

マップアプリを確認しながら、
今日僕が向かった先は
ピカソ美術館だった。

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まぁ、せっかくバルセロナに来たんだ。
見ておこうじゃないの。

 

 

 

まぁ、「漫画家になる!」とか言っておきながら、
絵画の分野の知識は全く無いよ。

そりゃあった方がいいに決まっているけど、
僕は持ってない。

大学は経営学部だったし、
漫画を描き始めたのは22歳の時だった。

もし僕がジャンプに載る様な
商業漫画家を目指すのであれば、
間に合わないくらいに遅い年齢だろう。

 

 

だけど、僕がなりたいのは
彼らみたいな漫画家じゃない。

もっと自分の人生を豊かにしたい。

この旅だけじゃなくて、
まだまだ色々なこともやってみたい。

 

 

 

「既存の漫画家じゃない漫画家になる」

というのが僕のテーマでもある。

僕より絵の上手い人はいくらでもいるけど、
彼らが漫画家になれるかといったら話は別だ。

 

 

僕はストーリーを作る方が大事だと思っている。

彼らは絵で勝負し、
僕は自分の経験したことで勝負する。

まだリングにも立ててないけど、
会場からリングの真下へ向かって、
銀行強盗みたいな長いトンネルを
掘っているってわけだ。

あれ?今どこにいるんだっけ?

 

 

 

 

 

 

ピカソがこんなに絵が
上手いだなんて初めて知った。

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僕が知っているピカソは
アンバランスで奇抜な絵を描くピカソだったが、
美術館には彼の芸術家としての
初期の作品も展示してあった。

そう言えばどこかで
「青の時代」というのを見たことがある。

そう呼ばれた時代の彼の絵は、
見ていてひんやりとした。
ピカソも色んなことを試しているんだね。

ひとつのスタイルにとらわれる必要もない。
色々なことを試していけばいいのだ。

よしっ!元気もらった!

 

 

 

 

 

 

 

美術館の後は
ボケリア市場で食べ歩きをした。

昼間っからサングリアの
甘いワインを飲んでいい気持になった。

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へへへ。
これぞ旅人の特権だぜ!

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ってかダメ人間か…。

 

 

 

 

 

そして僕はそのまま歩いて
グエル公園へと向かうことにした。

地下鉄はお金がもったいないから使わない!

 

 

 

グエル公園は
アントニ・ガウディが設計した公園だ

去年から一部の入場が有料になり、
8ユーロ(1,165yen)かかるそう。

 

 

そしてバルセロナにおいて
唯一バスキングができる公園らしい

ベルギーのブリュッセルでお会いした、
奥さんと娘さん二人でヨーロッパを
ご旅行中のマサトさんから仕入れた情報だ。

やー、バスキングしてなかったらからさ、
お金も減る一方で、ここらでどどーんと
稼げたらハッピーだなぁ~って。

 

 

バスキングのために6弦まるごと交換して、
下心丸出しでグエル公園へと向かったがーーー…、

 

 

 

 

足が痛い。

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は、はぐぅ…、これ、なんの修行だよ?

 

 

 

昨日買ったブーツが僕の足を締め付けた。

横幅が合っていないブーツで
歩くことがこんなにも苦痛だなんて!

メンテナンスさえすれば何年も使っていける!

そう思って大枚はたいて(クレジットカードで)
手に入れたnudie jeansのブーツだったが、
指の付け根の部分に汗染みが出来ている。

さすがに…、
旅向きじゃなかったのかも…。

 

 

なんて一瞬頭によぎったが、
こんなん気分の問題だ!

ブーツを履いて旅をすることは
日本にいる時からの憧れでもあった。

 

 

 

 

 

「TRANSIT」の別冊「BIRD」の創刊号

たまたまVillage Vanguardを
プラプらしていたら見つけた雑誌。

乗っている写真が味のある物ばかりで、
女性向けに出版された雑誌だとも知らずに買って帰った。
創刊号の特集はアメリカだったと思う。

表紙が「ウェーブ」という自然の力によって
作られた絶景の写真だと記憶している。

その最初のほうのページに
10年履いたDr.Martenのブーツの写真が載っていた。

白く塗装が剥げた年期の入ったブーツ。

持ち主はカメラマンの女性で世界中を旅していると
エピソードが添えてあった。

僕はそれを読んだ瞬間
『やべぇ、マジでかっけ!』と思った。

 

 

前回、相棒のまおくんがドイツに来てくれた時、
Dr.Martenのブーツを持って来てもらおうと
母親に連絡を取ったのだが、

母親から帰ってきたメールは

「カビが生えてる」

だった。

め、メンテナンスしてないもんね…。
しかも重いし。

 

 

 

そんなこんなで手に入れた念願のブーツ。

今履いているブーツはそこまで重くないんだけど、
くっそ足が痛ぇのなんのって…。拷問かよ…???

スペインに入ってから気温もぐっと上がった。
サバイバルシートなしでも夜寝れるくらいだ。

 

 

 

 

 

 

昼下がりのバルセロナ市内を
よろめきながら歩いた。

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何度も木陰のベンチで休憩を挟んだ。

グエル公園は小高い丘の上にある公園だ。

そこまで辿り着くのに徐々に傾斜がついてくる。
それが僕の足に追い打ちをかける。

 

 

グエル公園の入り口まで行くと、
僕はチケットもかわずにベンチに腰を下ろした。

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すぐに靴を脱いで足をチェックする。

まおくんからもらった靴下に
さっそく穴が空いていた。
自分の足もかつてないくらいのマメだらけ。

バックパックからnudie jeansの
コンセプトストアでもらった
針と糸を取り出して靴下の穴を塞いだ。

へへへ。お裁縫男子だってばよ!

お裁縫男子

 

 

 

 

 

グエル公園の有料エリアは
ほんの小さなエリアだった。

ガウディのデザインした建物がある場所だ。

それ意外の場所なら
お金を払わなくても入ることができる。

 

 

僕は痛む足を引きずって公園内に入っていった。

自然をモチーフにしたであろう、
ボコボコした彫刻のアーケードで
二人のバスカーが唄なしのインスト音楽を響かせていた。

観光客がその向かい腰掛けて
のんびり彼らの音楽に耳を傾ける。

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なんだか自分の
想像していた場所とは全然違った。

ここは僕にとってバスキング
やるような場所じゃないな。
マサトさんたちだからこそできたのだろう。

 

 

公園内にはガウディを意図した派手な装飾の
コスチュームのスタチューがいた。

スタチューって銅像だと思わせるほどの
静止っぷりでレスポンスを得るパフォーマンスだと
僕は思うんだけど、
派手な衣装で直立不動って
あんま意味ないんじゃないかな?

それでもコインを入れる観光客がいた。

すると派手なスタチューは
「ビャビャッッッ!!!」と
ウルトラマンみたいなポーズを決めた。
体中に取り付けられた鈴が
「シャシャン!」と鳴った。

あぁ、コイン入れると面白いな(笑)

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ここは有料エリアでーーーす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんども
休憩を挟んで、
再び中心地まで戻った。

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昨日nudie jeansでブーツを買った時に
スタッフのお兄さんから
ファストフード店のタダ券をもらったのだ。

タダで飯っていいよね!

 

 

Wok to Walk」っていうのが
お店の名前だろうか?

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狭い店内にオープンキッチン。
腕の太いマッチョなお兄さんが
両手にフライパンを持って麺を炒めている。

もらった券ははドリンクも
ついてくるというもので、
フツーに頼んだら千円以上するものが
タダでたべられた。

 

 

お店の外のテーブルに着くと、
スタッフさんが

「サブバッグが盗まれないように
気をつけなさいよ」

と僕に注意をしてくれた。

あー、そうか。
スリが多いんでしたよね。ここって。
そう思い出した時だった。

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「What is your bag???」

 

 

韓国人の女のコが慌てふためいて叫びだした。

たぶん彼氏だろう。
一緒にいた男の子も困った顔をしいる。

どうやら二人が食事をしている最中に
彼女のハンドバッグがこつ然と
姿を消してしまったようだ。

二人は「バッグ見なかった?」と
僕のところにまで訊きにきたが、
僕は彼女のバッグがどんなものかさえ知らなかった。

目の前に座っていたスタッフのお姉さんが
『ああ、またかしら』と言ったような顔をしていた。

 

 

 

 

僕はお姉さんに訊いてみた。

 

 

「これってスリだよね?」

「そうよ。彼らは地下の人間でね。
あっという間なの。
プロフェッショナルよ」

「スリの被害って沢山あるの?」

「この周辺ではね。
週に3~4回はあるわよ」

 

 

僕もチェコでまるっと
荷物を盗まれたことがあるので、
「何か助けが必要かな?」と韓国の二人に訊いてみた。

男の子は「タバコある?」と僕に訊いてきた。
こういう時にタバコ吸いたくなる気持ち、わかるよ。

ただ、バルセロナの人ごみに消えた
スリを見つけるのは至難のわざだろう。

 

 

二人は一応、保険は入ってきたらしい。

女のコはお店のWi-Fiを使って誰かに電話をかけていた。

こういう時に女のコの立ち直りは早い(笑)
彼氏棒立ち。

何か手伝えないか
しばらく彼らの様子を見ていたが、
女のコの顔が真剣になっていたので、
『あぁ大丈夫かな』と思った。

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「グッドラック!」と男の子に言って、
僕はマクドナルドへ作業しに行くことにした。

 

 

 

道の途中でハットを被り、
アコースティックギターを持った
欧米人のバスカーが警官4人にあたふたしていた。
きっと罰金か楽器没収だろうな。

さっきのスリの被害はほんの一瞬だった。

僕は韓国の二人が僕よりも前に
ファストフード店にいたことは知っていた。

彼ら以外にも4組ぐらいの客が店内にはおり、
誰が誰の友達なのかは検討もつかなかった。

 

 

『明日は我が身だな…』

 

 

あの時、荷物を盗られていたのは
自分だったかもしれない。

あそこで楽器を取り上げられていたのは
自分だったかもしれない。

マクドナルドの三階はWi-Fiが届かず、
『あっれ?おかしいな?なんで入んねーんだクソ!』
とかイライラしながら日記を書いた。

充電もできて作業机もあって、
なおかつWi-Fiが入る環境が
どれほど恵まれているのかを思い出すと、

『おれはなんてつまらないことに
イライラしてるんだかな?』

と自分が馬鹿らしく思える。

 

 

深呼吸、深呼吸。
まったりゆったりリラックス。
なあに、Wi-Fiがなくたって死にゃぁしないよ。

 

 

 

 

昨日と同じ公園の同じ場所にテントを張った。

深夜3時に若者が近くのベンチで
騒いでいたのがうっとおしかった。

 

 

 

明日はもう出るんだよ。バルセロナを。

ったく頼むから静かにしてくれよなぁ…。

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持ち物~!
「ワン(バックパック)・ツー(サブバッグ)・スリー(ギター)」
と声出し、指差し確認でチェックしてます。

手に持つが4つ以上になったとき、
置き忘れの可能性がぐっとあがります。僕の場合ね。

それにしても怖いです。スリ。

バルセロナではご用心!

 

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